部門別会合

農山漁村経済の文脈における水産養殖業の仕事の未来技術会合

ILOの支援を受けてナマコ養殖業で新たな波を起こすスリランカの養殖業従事者(英語・3分34秒)

 水産養殖業は世界の多くの農山漁村で重要な収入源及び生計手段となっています。この50年に養殖業は飛躍的に成長し、今は世界の魚介類供給量の半分を占めるようになっています。直接的な就業者は2,000万人以上ですが、サプライチェーン(供給網)を通じて他にも多くの人々が関与しています。世界人口の増加と環境圧力の増大を背景に、水産養殖業はますます食と栄養の安全保障の課題に対処する持続可能な潜在力を秘めたものと認められるようになってきています。多くの途上国における農山漁村の貧困緩和にも重要な貢献を行っていることに鑑み、企業開発や雇用創出、生計手段の多様化における役割もますます評価されるようになってきています。

 しかしながら、この産業部門は社会的及び環境面の課題に加え、相当のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の不足にも直面しています。これには、支配的な非公式(インフォーマル)経済と差別の存在、インフォーマル経済におけるものを中心とした児童労働・強制労働の存在、組織化や社会対話の欠如、低く不安定な賃金・収入、低い技能水準、低生産性、劣悪な労働条件と労働安全衛生慣行、限られた社会的保護、安定した公式契約の欠如などが含まれます。一部の養殖種の生産の季節性は、上流の活動に従事している者だけでなく、加工従事者の仕事や生計にも影響を与えています。新型コロナウイルスの世界的大流行の影響によって示されたように、この部門の雇用は国内外の市場の需要に左右される可能性があります。こういった問題に対処することが、この産業部門とそれが寄与する経済の将来的な持続可能性を確保するカギを握ると言えるでしょう。

 労使代表各8人と関心のある全政府代表が参加して開かれるこの会合では、将来の活動提案を含む結論の採択を目指し、水産養殖業の仕事の未来と農山漁村経済におけるディーセント・ワークの促進に係わる事項が検討されます。

 討議のたたき台として準備された背景資料は、この産業の経済・雇用の動向と趨勢、上記のような主なディーセント・ワーク関連問題をまとめています。人口転換やグローバル化、技術進歩、環境劣化と気候変動などの大規模な趨勢がこの産業部門に与えている影響も検討しています。


詳しくは会合のウェブサイト(英語)へ---->
農山漁村経済の文脈における水産養殖業の仕事の未来技術会合