地域会議

第14回アフリカ地域会議

ILOとアフリカ60年の歴史(英語・5分45秒)

 ILOの地域会議は、アジア太平洋、米州、アフリカ、欧州の順で、原則として年に1つずつ、4年に一度の間隔で開催されています。アフリカ地域のILO加盟国54カ国から政府及び労使団体の代表が出席して開かれる第14回アフリカ地域会議では、2015年に開かれた第13回会議で採択されたアディスアベバ宣言と事務局長報告をもとに、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とアフリカ連合のアジェンダ2063に照らし合わせ、第13回会議以降の域内諸国における、「全ての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現」を目指すディーセント・ワーク課題の実施における進捗状況の検討が行われます。

 「私たちが望むアフリカの仕事の未来」と題する特別全体会合に加え、以下の四つのテーマ別パネル討議も行われる予定です。

  1. ディーセント・ワーク課題と持続可能な開発目標の実現における国際労働基準、社会対話、男女平等
  2. アフリカの若者のためのディーセント・ワークの実現
  3. アフリカのより明るい仕事の未来に向けた技能、科学技術の道、生産性
  4. ディーセント・ワークに向けたアフリカの非公式(インフォーマル)経済及び農山漁村経済の転換

 討議のたたき台として準備された事務局長報告は、「社会正義の前進:アフリカにおける仕事の未来の形成」と題し、第2章「アディスアベバからアビジャンへ」及び第3章「アディスアベバ宣言の実施」で2016~19年のディーセント・ワーク課題達成に向けた地域の取り組みをまとめた上で、第1章「2020~30年のアフリカのディーセント・ワーク課題の形成」で今年のILO総会で採択された「仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言」で提案されているように、労働者の権利とニーズ、願望、全ての人の権利を経済・社会・環境政策の中心に据えるという「仕事の未来に向けた人間中心アプローチ」を地域で進めていくための活動を提案しています。

 事務局長報告に加え、主として政府及び労使団体から提出された情報を元に編纂された、「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」のアフリカ地域における促進と適用に関する報告書も提出されています。

 アフリカの経済成長は2010~14年に平均4.7%のピークに達した後、原油価格の低下と東アフリカ及び南部アフリカにおける干ばつなどの地域性ショックを一因として2015、16年に低下したものの、2017年から再び回復し、2019年には4%、2020年には4.1%に達すると予測されています。2019年には約5分の2のアフリカ諸国が最低でも5%の経済成長を達成すると見られます。

 アフリカの人口は2015年には世界人口の16%を占めていましたが、その後成長し、2050年には25%超の2兆4,890億人に達すると予測されています。労働力率は、下は北アフリカの46%から上はサハラ以南アフリカの68%の範囲にありますが、女性の労働力率の違いがこの差の主な理由です。平均失業率は6.8%ですが、これは労働市場がうまく機能している印というよりもむしろ、失業給付がないために働き続けざるを得ないという事情によると見られます。社会的保護が全く適用されない人が人口の82%を占めています。就業者の85.8%が非公式(インフォーマル)経済で働いていますが、65歳以上では96%、15~24歳の若年層では94.9%になります。働く貧困層率は低下し、実質賃金は2006~17年に平均約19%の伸びを示しています。

 ILO条約の批准は順調に増えていますが、多くの国で労働行政・労働監督制度の能力が限られているために、労働基準が実効的に適用されておらず、実施が課題になっています。インフォーマル経済が主流であるために社会対話の仕組みの潜在力が十分に発揮されていない国が多いものの、社会対話は社会の公平性、経済の効率性、民主的参加を達成する手段の一つと見られています。

 アフリカの仕事の未来を形作る上で焦点を当てるべき分野としては次の三つが挙げられています。1)持続可能で包摂的かつ持続的な経済成長、生産的な完全雇用及び全ての人々のディーセント・ワークの促進、2)労働関連制度・機構の強化、3)人々の能力強化。急成長するアフリカの労働力は機会を表すものの、この実現は、全てに優先される開発戦略の一部としての適切な形態の構造転換によって牽引される必要があります。生産的な就労の促進とは、インフォーマル経済から公式(フォーマル)経済への移行の加速化、持続可能な企業のための環境改善、公正な移行の促進を意味します。就労に関連した基本的な権利と原則はアフリカでディーセント・ワークと社会正義を前進させるための条件ですが、労働市場に関連した制度・機構の統治力の向上に向けて、その見直し、刷新が必要です。公正で実効性のある労働力移動の統治体制促進も望まれます。この過程を支えるものとして、政労使三者構成原則と社会対話を強化し、より効果的なものとする必要もあります。

 人々の能力強化に関連しては、仕事の世界における男女不平等の問題に取り組む必要があります。能力強化のカギを握る教育訓練に関しては、多くの改善が達成されたものの、社会的パートナーである労使の関与がないことや実効的な政策協調がないことから制度がうまく機能していないケースが多々見られます。質の高い教育訓練を受ける機会における不平等は、女性や少数集団を中心に農山漁村地帯の若者に特に大きな影響を与えています。状況をさらに悪化させるものとして脆弱性や紛争の問題が挙げられます。技能開発制度の質の改善と妥当性の確保が若者の就業能力向上に大いに貢献することは既に多くの域内諸国が認めています。そして、より明るい未来を全ての人にもたらすカギを握るものとして、社会的保護の適用拡大が望まれます。


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第14回アフリカ地域会議