産業別会議

高等教育雇用条件グローバル対話フォーラム

 関心のあるすべての加盟国政府と労使代表各8人が出席して開かれるこの会議では、高等教育の雇用条件、専門職としての権利、合議制統治や団体交渉を含む社会対話の仕組みについて討議し、ILOや加盟国の今後の活動に対する提案などを含む合意事項の採択を目指します。

 この20年で高等教育に進む学生の数は2倍以上に増え、2015年当時の高等教育機関在学者数は世界全体で2億1,300万人に上ると見られます。一番多いのは中国で、インド、米国がこれに続いています。経済協力開発機構(OECD)は、OECD諸国と非OECD加盟国の主要20カ国・地域(G20)を合わせた在学者数は2030年までに3億人を超える可能性があると見ています。高等教育に対する需要の増大は世界的にこの教育部門に大きな変化を引き起こしました。同時に公的支出の一般的な減少と私立教育機関の増加、教育機関の分権化と自治の拡大、研究と革新の重視、そして高等教育機関同士の競争の熾烈化が見られます。

 討議のために準備された短い論点文書『Employment terms and conditions in tertiary education(高等教育の雇用条件・英語)』は、このような高等教育を巡る最近の動向とそれが高等教育教員の雇用条件にどのような影響を与えているかをまとめています。高等教育に影響を与えている一般的な動向は高等技術・職業教育訓練機関でも感じられていると推測されるものの、十分なデータが得られません。

 高等教育の現場では普通の教授から講師まで様々な職種が見られます。パートタイムや臨時雇用などの非典型的な雇用形態も増えてきていますが、これは給与などの労働条件面で不利になっているだけでなく、学問の自由にも影響を与えているように見えます。高等教育のグローバル化と共に教員の移動も増えています。また、学生数の増大は長時間労働やストレスの増加を招いている面もあります。多くの場合、少数民族その他の不利な立場にある集団の出身者は少ないものの、男女平等を促進する取り組みに関しては大きな進展が見られます。

 論点文書は、序章に続き、2章で高等教育の一般的な動向をまとめ、3章で雇用、4章で給与などの雇用条件、5章で統治と社会対話、6章で平等と差別禁止、7章で高等技術・職業教育訓練機関の教員、8章で国際基準と高等教育教員について簡潔に記しています。


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高等教育雇用条件グローバル対話フォーラム