2006年の海上の労働に関する条約
2006年の海上の労働に関する条約第13条に基づき設置された特別三者委員会第3回会合
2013年8月20日に発効した「2006年の海上の労働に関する条約」には、批准国政府並びに船員及び船舶所有者の代表で構成され、この条約の運用を継続的に検討する特別三者委員会の設置が規定されています(第13条)。委員会は条約規範部分(基準と指針)の迅速な改正手続きに関しても中心的な役割を演じることになっています(第15条)。また、代表的な船舶所有者団体または船員団体が存在しない国がこれらの団体との協議に係わる義務を遂行する上でも重要な機能を果たしています(第7条)。
2年前に開かれた第2回目の会合に続く今回の会合では、以下の議題について討議が行われます。
- 特別三者委員会作業部会の報告書
- 2006年の海上の労働に関する条約(改正)規範部分の改正提案の検討
- 条約の実施に係わる情報交換(2014年改正文書の発効、条約勧告適用専門家委員会の活動、寄港国による外国船舶の監督)
- 条約第7条に基づく何らかの協議申請の検討(現段階では申請なし)
- 現在進行中の基準見直し作業に関連して理事会から要請された33本の海事関連国際労働基準の見直し
- その他
第2回会合で出された要望に応えて2017年4月に開かれた作業部会では、海賊や武装強盗などの行為の結果として、船上または船外で捕虜になった船員の賃金の保護に係わる事項などが検討され、船員の雇用契約及び賃金に関する基準と指針の改正、条約以外の指針に組み込むべき要素についての提案に関して合意に達し、規範改正提案を準備・提出する際の手引きとして用いられるテンプレートの利用などを提案する規範改正提案準備手続きの改善に関する決議が採択されました。
作業部会における検討を受け、船員グループからは捕虜になっている期間の船員の賃金その他の資格の保護を確保するために、船員の雇用契約に関する第2.1規則、賃金に関する第2.2規則、送還に関する第2.5規則を改正する提案が出されています。一方で船舶所有者グループからは、海上の労働に関する条約をいじるのではなく、指針を別途作成してこの問題に対処することが提案されています。改正提案が採択された場合、2018年5月28日から開かれる第107回総会に承認を求めて提出されます。
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◎2006年の海上の労働に関する条約第13条に基づき設置された特別三者委員会第3回会合