仕事の未来

私たちの望む仕事の未来:労働者側の視点シンポジウム

シンポジウムについて説明するマリア・エレナILO労働者活動局長(英語・2分16秒)

 途上国、先進国問わず、仕事の世界は今日、世界中で奥深い変化を経験しています。変化の要因は様々に挙げられますが、とりわけ、グローバル化と技術革新による生産構造の変化、労働市場内で起こっている不平等、二極化、排除の増大、人口構造の変化がもたらしている移住などの動き、気候変動、そして2008年以降の景気低迷などを指摘することができます。このような社会や経済の変容がとりわけ労働者に与える影響について懸念が広がっています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、2019年に迫ったILO創立100周年に向けてこのような変化についての理解を深め、効果的な政策策定につなげることを目指し、2013年に仕事の未来100周年記念イニシアチブを開始しました。事務局長は、仕事と社会、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人へ、作業組織・生産組織、仕事の統治の四つの切り口から仕事の未来について話し合うことを加盟国政労使に呼びかけました。労働者活動局が主催したこのシンポジウムでは、2017年7月に開かれた東南アジア・太平洋など五つの地域シンポジウムを受けて、グローバルな観点から労働者側の意見を集約し、このイニシアチブに寄与することを目指して話し合いが行われました。

 幅広い問題が議論されたシンポジウムではとりわけ、仕事の世界が直面している加速的な変化に取り組む上での社会対話の重要性、技術革新が進む方向、伝統的な組合員基盤を越えて拡大し、新たな就労形態やインフォーマルな就業者の集団的な組織を支えるために労働組合として戦略を再評価することの重要性、グローバル化に伴う大規模なマクロ経済的趨勢の持つ意味合いが強調され、建設的で洞察に富んだ話し合いが行われました。そして、今後の議論に影響を与え、労働組合その他の利害関係者の行動計画に含むべき点として、次の6項目が提案されました。

  1. 労働組合はその内部手法の点からも二者及び三者の関係の点からも自らの取り組みを評価すべきこと
  2. 社会対話の積極的な向上
  3. 古い過去の労働慣行に似ている新たな就労形態の組織化及び公式化に向けたさらなる取り組みの必要性
  4. 労働組合はグローバル経済の経済構造を抜本的に変える開発戦略を積極的に促進すべきこと
  5. 経済の持続可能な開発を促進する政策に関してはさらなる整合性を図る必要があること
  6. 仕事の世界に影響するあらゆる政策に社会正義に向けたILOの任務が存在するよう確保するため、国際レベルでのILOの役割が必要不可欠であること

詳しくはシンポジウムのウェブサイト(英語)へ---->
私たちの望む仕事の未来:労働者側の視点シンポジウム

会議関連資料(英語)

広報資料(英語)

参考情報(特記ない限り英語)