地域会議

第10回欧州地域会議

 ILOの地域会議は、アジア太平洋、米州、アフリカ、欧州の順で、原則として年に1つずつ、4年に一度の間隔で開催されています。欧州及び中央アジア地域のILO加盟国51カ国から政府及び労使団体の代表が出席して開かれる第10回欧州地域会議では、2013年に開かれた第9回会議以降の域内諸国における、「全ての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現」を目指すディーセント・ワーク課題の実施における進捗状況を検証すると共に地域の現在の及び将来的な課題について検討を行います。

 討議のたたき台として準備された事務局長報告は、「欧州・中央アジアのディーセント・ワークにとっての未来:機会と課題」と題し、第1部で地域の労働市場の動向、政策対応、将来的な課題を概説した上で、第2部で2013年以降に達成された成果と学んだ教訓を示しています。各国の事情は異なる可能性があるものの、この地域は不安定性と不平等の拡大という特徴を共有しています。創出される新たな職はしばしば社会的保護や労働者代表、生計手段を提供する能力の点で低質であり、不平等の拡大に一層寄与しています。近年増している国際関係の緊張はまた、大量の難民の流入を引き起こしています。一方で、東欧・中央アジアでは非常に力強い発展が見られます。近年の動向の累積的な影響は、非常に不確実で変動しやすい政治環境をもたらしていますが、これはまた欧州連合の将来についての真剣な検討を引き起こしています。このような変化は欧州及び中央アジアにおけるディーセント・ワークにとって機会と課題の両方を表しています。このような状況を記した上で、報告書は、1944年に採択され、ILO憲章に附属するフィラデルフィア宣言が求めている「労働者及び使用者の代表者が、政府の代表者と同等の地位において、一般の福祉を増進するために自由な討議及び民主的な決定にともに参加する」国内及び国際的な活動を通じて「すべての者に進歩の成果の公正な分配」を保障するとの目標は、依然として十分に通用し、時宜を得ていると説いています。

 地域会議では、2019年のILO創立100周年に向けて展開されている事業の一つである「仕事の未来100周年記念イニシアチブ」に沿って、イニシアチブが提案している四つのテーマ(全ての人への人間らしく働きがいのある仕事、作業組織・生産組織、仕事の統治、仕事と社会)に沿って仕事の未来に関する討議も行われます。また、移民及び難民の労働市場への公正かつ実効的な参入に関する非公式閣僚会合も予定されています。

 会議で行われる、ディーセント・ワークの未来についての話し合いに合わせて制作されたこの広報動画(英語)は、欧州・中央アジアの人々にとってのディーセント・ワークの未来を示唆するものとして、地域の人々の様々な働き方を紹介しています。座学と実習を組み合わせた訓練制度が若者の失業率の低さに寄与しているドイツで再訓練を受けて事務員になり、ハンドボールを続けているギリシャの元ナショナルチームの選手、弁護士の資格を得たものの仕事が見つからず、差し当たって非営利団体(NPO)でボランティアをしながら実務経験を積んでいるボスニア・ヘルツェゴビナの若手弁護士、在宅就労によって仕事と子育ての両立を図っている英国の新米ママ、雇用契約もない不安定な状態で朝から晩まで家事労働者として休日もなく働き、妊娠したために職を辞したタジキスタンの出稼ぎ労働者、ヘーゼルナッツ収穫における児童労働の撲滅を目指して国が教育の提供に力を入れたため、プロジェクトの非公式な学校を経て今は大学で医学を学ぶなど教育を続けている元児童労働者も存在するトルコ、工場が閉鎖されて職を失ったためにウーバーとの契約の下でフリーのタクシー運転手として働くなど、年金を補完するために柔軟な仕事に従事する高齢者が増えているロシアなど、各地の状況が取り上げられています。

詳しくは会議のウェブサイト(英語)へ---->
第10回欧州地域会議