グリーンイニシアチブ

低炭素の持続可能な開発路線に移行する上で、ILOの知見、政策的助言、その他様々なツールの向上を目指します。

 

なぜグリーンイニシアチブを提唱するのでしょうか?

気候変動は、すでに国、企業、労働者、社会全体に多大な影響を与えています。完全で生産性の高い雇用とディーセント・ワークをすべての人に促進する上で、気候変動と、それに対する必要な対策、つまり持続可能な消費と生産への移行は考慮すべき問題です。

ILOの使命である社会正義の促進を図るには、世界中の社会的パートナーである政労使が気候変動問題に対応する際に、全面的にサポートすることが必要です。地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定の中でも認識されていますが、すべての人の公正な移行を実現するために、ILOの関与は欠かす事ができません。

 

低炭素の持続可能な開発路線への移行について、課題と機会を理解する

グリーンイニシアチブの目的は、今後の移行がもたらす課題と機会について、世界各国がこれまで以上に理解する態勢を整え、変化に対応する際に果たすべき役割を各国が積極的に果たせるよう、支援することです。

そのためILOは、気候変動、低炭素化や資源の有効利用のための戦略と、雇用、社会的保護、男女平等や社会対話とを関連づけて言及する独自のやり方を強めていく方針です。

 

どのように活用させていくのか

グリーンイニシアチブは、これまで行ってきたグリーン・ジョブプログラムにILOの国別プログラムとその成果を組み入れ、4つの大きな分野でILOの活動を促進します。

 

  • グローバルレベル:現在、そして今後の仕事の世界、気候変動、グリーン経済への移行について、卓越した示唆を与える世界的なセンターとしての立場を高めます。
  • 国レベル:各国が気候変動に取り組む際に、ILOの公正な移行のための政策的枠組みや、関連する指針を活用し、各国が雇用、社会政策の採択、実施ができるよう支援します。
  • 企業:ILOの中核的かつ実践的なアプローチを、持続可能な環境のための世界的な政策枠組み、または地域別、部門別、産業別政策の枠組みの中に取り入れます。
  • ILOの政策と活動:加盟各国の政労使と、国連機関、国際開発パートナーによるグリーン経済への移行の際の、雇用、社会的保護、男女平等について理解と実施を拡大する。
グリーン・イニシアチブは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のような戦略的パートナーシップの拡大を図る手段としても活用されています。

ILO国際研修センター(トリノ)では公正な移行への洞察力、政策ツール、助言を提供しています。そうすることで、政労使、ILO職員の知見の共有と能力開発プログラムの拡大につながります。持続可能な開発がILOのすべての分野の仕事に組み込まれ、目的に対してより適した活動をILOが行っていくことができるでしょう。

グリーン・イニシアチブは、環境の持続可能な政策と管理システムに基づいて、ILO本部や地域事務所の活動自体を、環境的に持続可能なものとなるよう導きます。

英語原文はこちらより