ILO統治機構

第322回理事会

 年3回開かれる理事会の定期会合。政府側28人、労使各側14人の計56人の正理事と、政府側28人、労使各側19人の計66人の副理事で構成。◇結社の自由委員会報告や事務局長報告などの報告事項、憲章上の義務を含む国際労働機関及び事務局の機能に係わる事項、緊急の問題などを処理する制度機構部会、◇雇用・社会的保護部門、多国籍企業部門、社会対話・労使関係部門、技術協力部門の4分野から成る政策開発部会、◇法務部門と国際労働基準・人権部門の2分野から成る法務・国際労働基準部会、◇計画・財政・管理部門、人事部門、監査・監督部門の3分野から成る計画・財政・管理部会、◇グローバル化の社会的側面作業部会など、戦略的に重要な事項に関する話し合いの場として必要に応じて開催されるハイレベル部会、◇2008年の総会で採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」に基づき理事会・総会の機能改善を検討する場として当面開催される理事会・総会機能作業部会といった分野別の部会に分けて、2016/17年の事業計画・予算案ILO総会のあり方「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」の影響評価ILO100周年記念事業などの議題が審議されました。また、理事会役員によるエボラの大流行に関する声明の発表も行われました。声明では、西アフリカを中心に猛威をふるうエボラ・ウイルス病に関し、この大流行が社会と経済に与えている奥深い影響とそれに続く仕事の世界に対する影響に深い懸念を示すと共に、ILOには加盟国政労使と密接に協力しつつ支援を提供する用意があることに注意が喚起されました。

 2012年の第101回ILO総会において個別国審査が行われないような事態を招くこととなった、結社の自由及び団結権保護条約(第87号)におけるスト権の取り扱いに関する労使間の意見の対立に係わるフォローアップ審議の結果、2015年3月の次期理事会開催前に妥協点を見出すことを目指して、2月に政労使会議を開くことが決定されました。また、国連で進められている2015年以降の持続可能な開発課題を巡る話し合いの進展状況も報告され、2013年10月に開かれた第319回理事会で合意された6項目の戦略に基づく活動の強化などが求められました。

 今理事会にはまた、東京都学校ユニオンが歴史指導方法を巡って懲戒・免職処分に至った東京都公立中学校元教諭の問題についてILO/ユネスコ教員の地位勧告合同専門家委員会に対して行った申し立てを審議した同委員会が2014年9月に出した中間報告も提出されています。委員会は事実確認の必要を認めつつも、本件は、学問の自由や懲戒処分手続きの正当性、教材作成における教員と教員団体の適切な役割という重要な原則に関連する問題として、当事者に情報を請求の上、2015年4月に開かれる第12回委員会で再び取り上げることを決定しています。


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