国連青少年フォーラム

国連青少年フォーラム:若者から発せられたディーセント・ワークに関する行動の呼びかけ

記者発表 | 2018/02/07
青少年フォーラム模様

 1月30~31日にニューヨークの国連本部で開かれた2018年の経済社会理事会の青少年フォーラムには700人以上の青少年リーダーが世界中から集まり、仕事の世界における若者の未来を改善する行動を求める呼びかけを行いました。

 国連機関全体にわたる初の幅広い取り組みとして、世界的な若者の就労促進に向けて2016年に発足した「若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブ」は八つの優先テーマを掲げています。このうち、若者のデジタルスキルと脆弱な状態にある若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)機会の二つに基づくイニシアチブの活動に関連して、ILOが主導してフォーラムの枠内で30日に開かれたアイデアソンでは、若者の関与、開発、脆弱性を後押しする上でのサイエンスとテクノロジー、イノベーションの役割に焦点を当てて200人近い参加者が双方向の会話に従事しました。新たなアイデアを生み出すことをめざして開かれたこのアイデアソンでは次の四つが重要な活動分野として特定され、フォーラム及び経済社会理事会議長に対して提出されました。

  1. 男女平等、地域横断的な包摂性、都市と農山漁村といった環境、疎外されている集団に強く目配りしつつ、良質で手頃な費用のサイエンス、テクノロジー、イノベーションへの機会をあらゆる人に確保すること
  2. 労働市場の需要と若者のニーズにとって妥当でそれらに対処していることを確保しつつ、若者がサイエンス、テクノロジー、イノベーションから利益を得られるように教育と技能開発を育むこと
  3. 例えば、良質の見習い実習や公益におけるビッグデータのてこ入れなど、若者、政府、市民社会、民間セクターが関与したパートナーシップの醸成
  4. 倫理と持続可能性の側面を考慮に入れつつ、サイエンス、テクノロジー、イノベーションの利用を司る共通原則を若者と共に形成し、特定すること

 今年の青少年フォーラムは若者が加盟国と積極的に関与して、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を支える持続可能で強靱な都市及び農山漁村社会を構築する上で若者が果たし得る役割を話し合う場を提供しました。経済社会理事会議長が議長を務め、総会議長や国連事務総長青少年問題特使も参加したフォーラムでは、17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、今年7月のハイレベル政治フォーラムと経済社会理事会ハイレベル部会で取り上げられる、安全な水とトイレ(目標6)、手頃な価格のクリーン・エネルギー(目標7)、持続可能な都市とコミュニティー(目標11)、責任ある消費(目標12)、陸の豊かさ(目標15)、平和、正義と強固な制度機構(目標16)の六つに係わる課題と解決策について話し合いが行われました。

 ジャヤトマ・ウィクラマナヤケ青少年問題特使は、ILOの仕事の未来世界委員会の委員でもあるため、フォーラムに先立つ1月29日にその立場から活動を紹介する仕事の未来に関する若者との協議会が国連本部で開かれました。ILOが司会を務め、技術変化や作業・生産組織、仕事の統治といった仕事の世界の大きな潮流と若者の関与を巡って展開された会話には、子どもと若者メジャーグループや欧州ユースフォーラムの代表を含む約100人の若者が活発に参加しました。開会の辞を述べたスウェーデンとモーリシャスの国連次席常駐代表は、声を上げて、SDGsの前進に向けた活動を続けるよう若者に呼びかけました。

 ILO雇用政策局のスクチ・ダスグプタ局長代行は、とりわけ若者のディーセント・ワークがSDGsのカギを握る要素であることに注意を喚起した上で、至る所の若者に持続可能な肯定的変化を形成できるよう若者の声に耳を傾けることの重要性を説いています。


 以上はニューヨーク発英文記者発表の抄訳です。