児童労働に関するILO条約

国際的に児童労働の禁止・撤廃を定めるILOの国際基準として、1973年採択の「就業が認められるための最低年齢に関する条約」(第138号)と1999年採択の「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」(第182号)があります。それぞれの条約の概要は、以下のとおりです。

就業の最低年齢に関する条約 (第138号条約、1973年)

最低年齢は義務教育終了年齢後、原則15歳
ただし、軽労働については、一定の条件の下に13歳以上15歳未満
危険有害業務は18歳未満禁止           

開発途上国のための例外: 
就業最低年齢は当面14歳、軽労働は12歳以上14歳未満


  • 批准国数: 168ヵ国 (2015年10月現在)
  • 未批准国: オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、メキシコ、スリナム、セントルシア、ソマリア、リベリア、イラン、サウジアラビア、インド、ミャンマー、バングラデシュ、東チモール、マーシャル諸島、パラオ、ツバル、バヌアツ
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第138号条約の日本語訳文はこちら


最悪の形態の児童労働に関する条約(第182号、1999年)

18歳未満の児童による「最悪の形態の児童労働」の禁止と撤廃を確保するために、即時の効果的な措置を求める
① 人身売買、徴兵を含む強制労働、債務労働などの奴隷労働
② 売春、ポルノ製造、わいせつな演技に使用、斡旋、提供
③ 薬物の生産・取引など不正な活動に使用、斡旋、提供
④ 児童の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働


  • 批准国数: 180ヵ国 (2015年10月現在)
  • 未批准国: インド、ソマリア、キューバ、エリトリア、マーシャル諸島、パラオ、ツバル
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以上、2つのILO条約が定める児童労働の範囲は、次のように図示されます。表1

なお、第138号条約及び第182号条約には、それぞれの条約を実施するための具体的な措置を定めた勧告(批准を前提とせず、拘束力のない国際基準)が、同時に採択されています。
第146号勧告(就業最低年齢) 日本語訳文
第190号勧告(最悪の形態の児童労働) 日本語訳文

条約批准の進展

児童労働に関する2つのILO条約の批准は、ILO総会における全会一致で第182号条約が採択された1999年以降、飛躍的に進展しました。今後は、ILOの全加盟国による批准(普遍的批准)をめざすことになります。表2

参照: ILO第182号条約の紹介と今後の課題~ 「季刊労働法249号(2015年夏季)」に掲載された野口好恵・本部上級法務官の児童労働条約に関する論文 こちらより閲覧できます。