ILO創立100周年

ILO事務局長新年のご挨拶

 1919年に誕生したILOは2019年に創立100周年を迎えました。新年のご挨拶として、ガイ・ライダーILO事務局長はILOの最初の100年の活動を振り返ると共に、望ましい仕事の未来の形成に向けて、私たち皆が直面している課題に注意を喚起しています。

声明 | 2019/01/02
ガイ・ライダーILO事務局長によるILO創立100周年に当たる2019年の年頭のご挨拶(英語・日本語字幕付・1分16秒)

 仕事の世界は今年、確実に大きな課題に挑みます。ILOは仕事の世界の関係者が地球規模で集う唯一の機関です。多国間システムも大きな課題に直面していますが、ILOはこの最古参のメンバーの一つです。

 そしてもちろん、2019年はILOの創設100周年に当たります。

 ILOがこの100年間に達成した際だった成果を支えてきたのは、社会正義の前進に向けた政府、労働者、使用者の総意です。そのために世界をより公平で安全、よりクリーンで豊かな暮らしの場、働く場にしようと努めてきました。

 私たちは確かに長い道のりを歩んできました。1919年の創立時には44カ国だった加盟国が今は187カ国となり、すべてではないものの多くの人にとって仕事の性質がこれまで認識してきたものから変化しています。

 けれど今私たちが直面している課題が絶対に要請しているのは、100周年を迎えるILOが未来をしっかり見据えることです。私たちが暮らしているのは、仕事が前代未聞の変化を迎えている時代です。ILOの創立者たちの理念は、社会正義を通じて平和を確保するという一部の人々に「突飛な夢」と表現された理念ですが、決して私たちに不可能でないのは、自分たちの望む仕事の未来を、働きがいのある人間らしい仕事がすべての人に確保された未来を構築することです。

 その理念とともに、政治的な意思がかつてないほどに求められています。それはあまりにも多くの人々にとって、仕事の世界が適度な期待を満たさないものになっているからです。希望と不安が偏って分布し、不確実性の度合いは高く、信頼性はあまりにも低くなっています。

 このことは私たちにILOの創設100周年が重要だと告げています。このことは私たちすべてにとって重要です。暮らしている国とは無関係に、仕事の世界あるいはそれ以外のどこにいようとも重要なのです。

 貧困も紛争も不正義もない未来は突飛な夢であり続けなくてはならないのでしょうか。今年皆で結集し、私たちの望む仕事の未来を形作ることによって、この問いに答えを出すことができるでしょう。