第73回国連総会

ILO事務局長声明-マンデラ元大統領を忘れない「最後の一マイルを一緒に歩もう」

声明 | 2018/09/24

 ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の生誕100周年を記念して2018年9月24日にニューヨークの国連本部で開催中の第73回国連総会の枠内で開かれた平和サミットに向けた以下の英文声明でガイ・ライダーILO事務局長はマンデラ元大統領を平和と社会正義の希求における最後のインスピレーションの源泉と評しました。

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 2018年はネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の生誕100周年に当たります。この記念すべき年は氏の遺産を促進するまたとない機会をILO及び世界中の人々に提供します。

 1990年にILOは当時アフリカ民族会議(ANC)の副議長であったマンデラ氏を第77回ILO総会にお迎えする栄誉を得ました。氏はアパルトヘイト(人種隔離政策)体制に対する戦いへの支援についてILO及び総会代表団に感謝の意を表し、次のように宣言しました。「ロビン島その他の獄中にあった私たちは皆、私たちの釈放を求める皆さんの声をはっきりと聞くことが出来ました。私たちはそこからインスピレーションを得たのです」。

 氏はまた、「最後の一マイルを共に歩もう」と呼びかけました。社会正義、対話、平等、結社の自由に向けたこの旅の少ないながら一部をなしたことを私たちは栄誉に感じています。

 今日、この価値は国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中心に位置しており、マンデラ元大統領の生誕100周年は私たちが最も弱い立場の者のために立ち上がり、すべての人のためになる未来を準備しなくてはならないことを私たち皆に思い起こさせるのです。これはディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を伴った未来となる必要があります。

 第1回ディーセント・ワーク賞をILOから授与された時、マンデラ元大統領は「ディーセント・ワークは個人の尊厳にかける努力、人々のためになる民主主義、そして生産的な雇用と企業開発の機会を拡大する経済成長の上に成り立つ」として、ディーセント・ワークを非常にうまく定義付けられました。

 私たちの社会がますます不平等になり、ますます不公平と感じられるようになる中、世界はもう一人のマンデラ氏、平和、寛容、対話を掲げるもう一人の擁護者を切に必要としています。

 マンデラ元大統領はインスピレーションの源として長く人々の記憶に残ることでしょう。そこで、社会平和と社会正義の追求における最後の一マイルをマンデラ元大統領の精神をもって共に歩もうではありませんか。氏の情熱、氏の誓約、氏の粘り強さ、氏の高潔さ、そして何よりも氏の人間性をもってこれをやり遂げようではありませんか。