追悼:コフィー・アナン元国連事務総長

ILO声明-ILOもコフィー・アナン元国連事務総長の逝去を悼む

声明 | 2018/08/21

 8月18日のコフィー・アナン第7代国連事務総長逝去の報に接し、ガイ・ライダーILO事務局長は、「世界は平和、社会正義、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の偉大なる擁護者を失った」として追悼の意を表明しました。以下は英文追悼文の抄訳です。

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アナン元国連事務総長(左)とソマビア前ILO事務局長

 難しい激動の10年にわたり、賞賛すべき形で国際連合を率いたコフィー・アナン元国連事務総長逝去の報に接し、ILOは深い悲しみに包まれています。

 氏の逝去の報を受け、ガイ・ライダーILO事務局長は、「コフィー・アナン元国連事務総長の逝去によって、世界は平和、社会正義、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の偉大なる擁護者を失いました。私たちすべてにとって悲しい日ではありますが、氏の遺産は生き続けるでしょう」との声明を発表しました。

 「否と考えるなかれ」との理念に導かれた誇らしきアフリカの息子として、氏は共通の努力にもたらす豊かさのゆえに多様性を受け入れ、貧困、不正義、疾病との闘いに自らのグローバルな視野と人間への思いやりの概念を持ち込みました。

 ノーベル平和賞の受賞者でもある氏は、安定と発展の基礎として断固とした人権の擁護者でありました。アナン氏はILOの使命と行動を常に擁護し、ディーセント・ワークをすべての人に実現するというILOの課題の強い唱道者でもありました。ダボスで開かれた1999年の世界経済フォーラムで氏は指導者らを前に、「皆さんは自分自身の事業を行うことによって、人権、人間らしく働きがいのある労働基準、環境基準を直接支持することができるでしょう」と訴えました。

 若者の就労は氏の特別の懸念事項でした。2001年7月にジュネーブのILO本部を訪れて当時のフアン・ソマビア前ILO事務局長と共に若者の就労に関するイニシアチブの開始を発表した際、氏は次のように語りました。「もはやこの悪循環を続けさせる余裕はありません。若者は我々の最も貴重な資産です。若者は未来の指導者であり、未来そのものなのです」。

 国連退職後もアナン氏は自らの財団を通じてディーセント・ワークと社会正義の力強い擁護者であり続けました。

 私たちは真の友人、社会正義に向けた闘いにおける固い盟友を失いました。