国際青少年デー

ILO事務局長声明-仕事の世界における若者のために安全なスペースを形成しよう

声明 | 2018/08/10

 2018年の国際青少年デー(8月12日)のテーマは「若者に安全なスペースを」です。国際デーに先立つ10日に発表した以下の英文声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は、機会、手引き、成長の余地が阻まれている若者が多いことを指摘し、若者がディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を確保できる機会を広げる安全な居場所の促進に向けた行動のステップアップを呼びかけています。

* * *

 ILOは最近、仕事の未来と若者に関する調査を行い、今後10~15年の自らの勤労生活をどう心に描いているか若者に尋ねてみました。未来は「心配」または「不確実」と見る者が多数を占め、その回答は先進国でより広く見られました。

 世界全体で職のない若者は6,400万人近くに上り、若者の4人に1人が就労も就学も訓練受講もしていないニート状態にあります。これには不完全就業者や非公式(インフォーマル)経済で生き残りをかけて闘っている多くの若者は含まれていません。

 若者はより良い暮らしの機会を提供する人並みの賃金を得られるような職、そのような機会を開く訓練、そしてその目標を達成する助けになる社会的保護を欲しています。声を聞いてもらうことも望んでいます。

 成功を収め、豊かさを享受している若者が多い一方で、あまりにも多くの若者が障害に妨げられ、機会も手引きも成長の余地も得られないでいます。

 若者のエネルギーと創造力が支えを得られず、発揮されなかったとすれば世の中すべてにとっての損失です。若者に仕事の世界における安全なスペースを形成することは、就業能力から起業家精神、組織化、権利の尊重に至る幅広い課題に若者が取り組むことのできる環境を形成する助けになり得る重要な一歩を意味します。

 このような安全なスペースは人種、性別、宗教、国籍、イデオロギーにかかわらず、すべての若者に尊重と尊厳を確保する包摂的なものでなくてはなりません。これは革新性、改めての公約、整合的な行動、そしてとりわけ重要なものとして、若者の関与を必要とするでしょう。

 政府、労働組合、使用者、使用者団体は地域社会その他と共に、若者に学び、技能を磨き、建設的な雰囲気の中で考えや経験を共有するための物理的・精神的安全性を提供するようなスペースの支援と開発に大いに寄与することができるでしょう。政労使その他は社会対話を通じて若者の今日の環境と将来の展望において中心的な問題に若者と共に取り組み、若者のニーズに合わせた解決策を探求することができるでしょう。

 8月12日の国際青少年デーに際し、若者がディーセント・ワークを確保できる機会を広げる安全なスペースを促進する行動のステップアップに努めようではありませんか。