世界の先住民の国際デー

ILO事務局長声明:全ての人に、より良い仕事の未来を確保するためには、先住民女性の発言力とエンパワーメントがかつてないほど重要

声明 | 2017/08/09

 「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択10周年に当たる2017年の「世界の先住民の国際デー(8月9日)」に際して発表した以下の英文声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は、状況はいまだ許容可能と言うにはほど遠いと説き、先住民の中でも特に貧しく、二重の差別を受けている先住民女性の状況に注意を喚起し、先住民女性のエンパワーメントと発言力の促進に向けた公約を改めて表明しました。

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 2017年は「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択10周年に当たる記念すべき年です。宣言は、ILOの「1989年の先住民及び種族民条約(第169号)」と共に先住民の人々の権利を確認し、前進を図る上での判断基準となってきました。この2本の文書は共に、地元レベルから国際レベルに至る公共政策の策定を導き、先住民共同体に独自の開発優先目標を追求する力を与えてきました。

 しかしながら、状況は許容可能と言うにははるかに及びません。先住民が世界人口に占める割合は5%と推定されるものの、世界の貧困人口に占める割合は不均衡に多く、15%を構成しています。一般に先住民女性は貧困層の最下層に位置し、先住民でもあり、女性でもあるということで差別を受けています。

 国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を構成する持続可能な開発目標の達成に向けた集団的な努力の一環として、先住民が直面している疎外と社会からの排除の問題に取り組まなくてはなりません。先住民の懸念事項と知識はまた、環境の持続可能性に向けた公正な移行の中心に位置しています。

 2017年4月にニューヨークで開かれた国連の先住民問題に関する常設フォーラム第16会期の中で発表されたILOの報告書は、先住民のエンパワーメントにおいてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が果たし得る重要な役割を指摘しています。働き手、企業家、そして伝統的な知識の守護者として、先住民女性は自らの共同体や社会の経済生活、社会生活、文化生活、環境生活の中で貴重な役割を演じています。

 今年6月にILOで開かれた、「働く女性のためのより良い未来」をテーマとする仕事の世界サミットにおいて、中南米・カリブ先住民開発基金のミルナ・カニンガム総裁は、平等は単に文化を変えるだけの問題ではないと強く訴えました。差別を下支えする構造的な要因に取り組むには、政治的意思と実効性ある立法が必要とのご意見に私も全く同感です。そのような公約と行動なしには有意義な変化は起こり得ないでしょう。サミットにおける総裁の存在そのものが、先住民が、男女を問わず、持続可能な開発の達成に向けた行動主体及びパートナーであるためには、組織と発言力が鍵を握ることを強く想起させました。

 国際デーに当たり、私たちは先住民女性のエンパワーメントと発言力の促進に向けた公約を改めて表明するものです。先住民の権利と開発目標を取り入れた政策に向けて力を合わせていこうではありませんか。政府、労使団体、先住民の人々とその組織、国連パートナーその他を含む私たちの努力の結集は、先住民が置き去りにされないことの確保に向けて長足の進歩を達成することができるでしょう。