奴隷制度廃止国際デー

ILO事務局長声明-誰もが奴隷制度の存在を認識し、それと戦うすべを知る必要がある

声明 | 2016/12/02

 2016年の奴隷制度廃止国際デー(12月2日)に際して発表した以下の英文声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は強制労働から自由である権利は労働者の基本的な権利であり、人権であるにもかかわらず、世界全体で2,100万人の被害者がなおも存在する事実に注意を喚起して、力を合わせた取り組みを呼びかけています。

 また、ILOの強制労働親善大使を務めるブラジル人俳優ワグネル・モウラ氏が、2018年までに50カ国によるILO強制労働議定書の批准を達成するために「自由のための50カ国(50 for freedom)キャンペーン」に参加して署名してくれるよう人々に訴える広報動画(英語)も制作されています。

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 1919年の創立当初からILOは強制労働に服する労働者の状況に対する懸念を示してきました。今日の世界においてもなお奴隷のような状態にある子どもや男女が存在するという事実は至る所の国家、全ての人民を公然と侮辱するものです。

 強制労働から自由である権利は人権であるだけでなく、労働者の基本的な権利です。しかしながら、1930年の強制労働条約(第29号)批准国は178カ国、1957年の強制労働廃止条約(第105号)批准国は175カ国に達してもなおこの忌むべき問題は存在し続けています。

 世界全体で2,100万人の子どもや男女が強制労働に陥り、搾取する者たちは1,500億ドルの利潤を不法に得ているという、この数字には仰天させられます。商業的性的搾取、債務奴隷または伝統的な奴隷制など、強制労働は様々な形を取り、農業や建設業、家事労働、漁業など、多くの産業部門に存在します。

 しかし、希望はあります。強制労働の終焉に向けた幅広い公約が見られます。

 2014年に採択されたILOの強制労働条約(第29号)の議定書が今や効力を発しました。救済措置や補償に関する議定書の規定は、(効果的に用いられたとすれば)多くの強制労働被害者に正義をもたらし、強制労働を用いようとする者たちにとっての利益を少なくする強力な手段となります。

 奴隷制や強制労働をなくすにはバランスの取れた総合的な取り組みが必要なことが経験上示されています。こういった理由から強制労働に対する戦いは、児童労働や差別との戦い、そして結社の自由と団体交渉を求める戦いと密接に関連しています。この相互に強め合う、就労に係わる基本的な原則と権利はディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人にもたらすという目標の実現に向けた総合的な取り組みの一部を構成しています。

 国連が2030年までに達成を目指す「持続可能な開発目標」のターゲット8.7の下、世界の指導者らは「強制労働を根絶し、現代の奴隷制及び人身取引を終わらせ、児童兵士の徴集及び使用を含む最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保するため即時のかつ効果的な措置を取り、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせる」ことを公約しました。

 ILOは政府及び労使団体で構成されるそのグローバルな構成員と共にこの野心的な目標の達成を全面的に支援すると同時に持続可能な開発目標のターゲット8.7の達成に向けた地球規模のパートナーシップである8.7連合に支援を提供しています。2030年までに私たちは奴隷制を打ち負かしたと言えるであろうと私は確信しています。

 元気づけられることとして、奴隷制に当てられるスポットライトはますます明るくなり、被害者が陥っている隠された状況に光を当てるだけでなく、この忌むべき問題と戦うためにさらなる強化が求められる国内及び地域の枠組みを浮かび上がらせています。

 持続可能な開発目標のターゲット8.7の達成に向けた道の途上にある重要な里程標として、2017年11月にアルゼンチンで開かれる児童労働・強制労働世界会議を楽しみにしています。

 誰もが奴隷制度の存在を認識し、それと戦うすべを知る必要があります。強制労働条約(第29号)の2014年の議定書の批准を促進する「自由のための50カ国キャンペーン」や地球規模のパートナーシップである8.7連合の支援を通じてさらに詳しい情報を得て下さい。

 力を合わせれば私たちは成功するでしょう。