ILO事務局長メッセージ動画:奴隷制度廃止国際デー

現代の奴隷制度廃絶に向けた行動を起こすことを政府に呼びかけ

声明 | 2015/12/02

 2015年の奴隷制度廃止国際デー(12月2日)に際して発表した動画メッセージで、ガイ・ライダーILO事務局長は現代の奴隷制度に捕らえられている世界全体で2,100万人にも上る人々の暮らしに実質的な変化をもたらすためにILOの強制労働議定書を批准することを各国政府に呼びかけています。

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 奴隷制度とは根本的な人権の侵害であり、社会正義を阻む大きな障害です。これは人類に対する公然たる冒涜であり、21世紀に存在する余地のないものです。

 しかしながら、いまだに世界中で2,100万人もの成人男女や子どもが強制労働に捕らえられ、搾取者が受け取る1,500億ドルもの違法利益が生み出されているのです。

 奴隷制度廃止国際デーが存在する必要があってはなりません。

 しかしながら、毎日何人もの成人男女や子どもが債務奴隷労働、売春、搾取的な家事労働などの忌むべき状況にだまされてまたは強制されて陥っているのです。

 現代の奴隷制度撲滅に向けた世界の公約は増してきていますが、現在の対応状況では課題の全体あるいはその根本原因に取り組むにはまだ全く足りません。

 現代の奴隷制度をなくすには、実効性のある被害者支援の仕組みに加え、強力な法制、その厳格な適用、国々及び社会的パートナーの共同の公約が求められます。

 効果的な防止、保護、司法利用機会に関する措置は、正に昨年のILO総会で採択されたILO強制労働議定書が取り上げているものです。

 圧倒的多数が議定書に賛成票を投じた政府が次にやるべきことは、その批准及び適用をもって責任を引き受けることです。

 この先頭を切って走っているのはアフリカ諸国です。ニジェールが最初の批准国となり、南部アフリカ開発共同体(SADC)の全加盟国は即時の批准を呼びかけています。

 11月にノルウェーが2番目の批准国となったことにより、議定書はあと1年で発効します。

 完全に実行された場合、救済措置と補償に関する議定書の諸規定は損害賠償と未払いの賃金を加害者から取り戻すことを通じて多くの強制労働被害者に正義を提供するだけでなく、強制労働を利用するうまみを減らし、不当競争をなくす助けになるでしょう。

 奴隷制度廃止国際デーに際し、現代の奴隷制度撤廃という共通目標の達成に向けてどうすれば共によりうまく取り組めるかについて考えたいと思います。

 私たちはその第一歩として2018年までに50カ国による議定書の批准を目指す「自由のための50カ国(50 for freedom)キャンペーン」を開始しました。社会正義の達成を望むならば、端的に言って強制労働を撤廃しなくてはなりません。これは交渉の余地のない事項です。

 ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と包摂的で持続可能な成長の促進に関する持続可能な開発目標8の進捗状況を測るターゲットの一つとして「強制労働を撤廃し、現代の奴隷制度と人身取引をなくす即時の効果的な措置」が求められています。

 強制労働に従事する2,100万人の成人男女・子どもたちの暮らしに実質的な変化をもたらすため、奴隷制度に怒るだけでなく、変化を起こそうではありませんか。