ILO事務局長声明:移民

海を越えて欧州にやって来る移民を助ける、権利を基盤とし、移民を中心に据えた永続性のある解決策を呼びかけるILO事務局長

声明 | 2015/04/23

 4月18日に地中海で欧州に向かう移民を乗せた船が転覆し、多数の命が失われた事故を受けて、ガイ・ライダーILO事務局長は23日に、人身取引や移民の密入国を引き起こす社会・経済問題に注意を喚起し、出身国におけるより多くのより良い仕事の創出など効果的な取り組みのための要素を示す以下の英文声明を発表しました。

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 地中海で繰り広げられつつある悲劇に直面し、無頓着でいられる人はいないでしょう。

 先週末に起こった最新の悲劇で亡くなられたすべての方々のご遺族に深い哀悼の意を表したいと思います。

 このような絶望的な旅に直面し、国際社会は行動する勇気を見つけなくてはなりません。

 安全保障、尊厳、まともな暮らしを求めて欧州に到達しようとのこのような危険な試みによる死者の数は昨年にかけて増大し、欧州の天候が暖かくなる今後数カ月間は横断者の数がさらに増えると見込まれます。必要な規模と範囲の行動が取られるまであと何回の旅と悲劇が繰り返されればいいのでしょう。

 今週、欧州の外務・内務大臣方が欧州連合(EU)の海上における人命救助活動の強化などを含む欧州連合外務・内務合同理事会の10項目行動計画を採用する決定を下されたことに元気づけられました。しかしこれは始まりに過ぎません。

 人道危機は私たちの喫緊の懸念事項であり、人命は救われなくてはなりません。しかし、この膨大な課題に取り組むに当たってもなお、人身取引と移民の密入国を引き起こしている深く根を降ろした社会・経済問題を無視することはできません。

 むろん簡単な対策などありません。効果的な取り組みには、◇出身国におけるより多くのより良い仕事の創出、◇労働市場の真のニーズに対応し、家族の再統合を円滑化する、もっと多くの正規の移民経路の形成や移民募集方法に対する監視改善の可能性といった要素が含まれなくてはなりません。明白なこととして、複数の側面における対応が求められます。

 永続性のある解決策を探求するに当たっては、労働省や労働組合、使用者団体などといった幅広い行動主体がテーブルに着く必要があります。ILOはその公正募集イニシアチブのみならず、国別・地域別の政策過程においてもこの対話を育んでいます。

 ILOは権利を基盤とし、移民を中心に据えた永続性のある政策解決策をもってこの問題に取り組むことに細心の注意を払いつつ、欧州連合、国連のグローバル移住グループ、その他の国際機関と協働していく用意があります。