国際移民デー

ILO事務局長及び国連人権高等弁務官共同声明

声明 | 2014/12/18

 2014年の国際移民デー(12月18日)に際し、ガイ・ライダーILO事務局長とゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官は、国際的な人の移動が人類史上最大規模に達している現在でもなお、依然として多くの移民が移住過程における搾取、差別、暴力に直面しているという悲しい現実に注意を喚起し、2015年以降の国連の開発課題がより公平で持続可能な開発を達成する機会となることへの期待を示した上で、とりわけ移民が被害を受けている不平等を減らす強力な手段として、人権と労働者の権利の保護を挙げ、均等待遇に向けた世界の闘いの中心にある二つの重要な文書であるところの「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」とILOの「移民労働者(補足規定)条約(第143号)」その他の人権と労働者の権利に関する中核的な国際基準を活用して、持続可能な開発を実現し、移民を含むすべての人々の尊厳を確保することを各国に呼びかける以下の英文共同声明を発表しました。

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 今日の国際的な移民の数は人類史上最大です。2015年以降の開発課題についてまとめた国連事務総長の報告書(『The road to dignity by 2030(2030年までに到達すべき尊厳への道)』第30段落)に記されているように、「私たちは移動する世界」に住んでいるのです。

 しかし多くの移民が移動の過程を通じて搾取、差別、暴力に直面し続けているという悲しい現実があります。これには、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を探して海外に出ようとする際に直面する不正な募集行為、国境における暴力と身柄拘束、搾取、職場における不平等な待遇、外国人排斥運動による暴力から、渡航先国での必要不可欠なサービスを利用する機会の否定に至る多様なものが含まれます。

 こういった状況が続く理由の一つとして、農業、建設業、家事労働といった典型的に移民労働者を雇用する産業部門の多くにしばしば労働法が適用されていないことを挙げることができます。移民とその家族に教育、医療、適切な住宅を得る機会を与えないことは、道徳的に擁護できないだけでなく、実際的に近視眼的な態度です。平等と非差別は持続可能な発展を推進する重要な要素です。根強い構造的差別は社会組織を脅かす激しい不平等を生みます。法、社会、政治の障壁が移民のような人口を構成する特定の集団全体の貢献を妨げる時、どんな社会もその真の潜在力を発揮できません。

 2015年以降の国連の開発課題は、より公平で持続可能な発展をもたらす決定的に重要な機会となるでしょう。開発が真に持続可能なものとなるには、人を中心に据え、誰をも包み込む包摂的なものである必要があります。2015年以降の課題は「誰も置き去りにせず」、「移民を排除してはならない」と潘基文国連事務総長も明言しています。この課題はあらゆる分野の不平等に取り組み、全ての社会・経済集団に適用されるべきです。とりわけ移民が被害を被っている不平等を削減する強力な手段は、より公平な移住政策の礎石を構成する人権と労働者の権利を守ることです。

 来年は平等待遇に向けた世界の闘争の中心にある二つの重要な文書が揃って記念すべき年を迎えます。「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」が採択25周年、ILOの「移民労働者(補足規定)条約(第143号)」が採択40周年を迎えます。これらの文書は、権利を、より幅広い経済的繁栄を促進する効果的な手段に変えるための手引きと手段を提供しています。国際移民デーの本日、ILOと国連人権高等弁務官事務所はこれらの文書、そして人権及び労働者の権利に関するその他全ての中核的な国際基準を活用して持続可能な開発を実現し、移民を含むすべての人々の尊厳を確保することを各国に呼びかけるものであります。