IMF/世界銀行グループ2014年年次会合

ILO事務局長声明:繁栄の分かち合いの基礎となるディーセント・ワーク/低成長の悪循環の流れを逆転

声明 | 2014/10/11

 2014年10月10~12日にワシントンDCで開かれる国際通貨基金(IMF)/世界銀行グループ2014年年次会合にILOからはガイ・ライダー事務局長とサンドラ・ポラスキー政策担当副事務局長が出席しました。ポラスキー副事務局長は、サイドイベントの一つとして10月8日に開かれた「仕事を豊かに生む包摂的な成長の課題」と題するセミナーに参加しました。セミナーは「至上命題は力強く持続的な成長」、「公的債務、公共投資、成長」、「成長の果実を共有」の三つの分科会に分かれて、世界中すべての国の政策の至上命題である力強くバランスの取れた経済成長を育み、持続させる方法について政策関係者、専門家、アナリストらが幅広く意見交換を行いました。ポラスキー副事務局長は、この三つの分科会の討議を受けて開かれた結びの分科会で、仕事を豊かに生む包摂的な成長を導く改革を実行する上で各国が直面している重大なジレンマについてILOの見解を発表しました。

◎ライダー事務局長声明:繁栄の分かち合いの基礎となるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)/低成長の悪循環の流れを逆転

 10月11日にIMFの国際通貨金融委員会及びIMFと世界銀行の合同開発委員会に向けて発表した声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は世界経済の低成長が固着しつつある危険を指摘し、弱い経済成長、賃金の伸びの低迷、不平等の拡大が貧困削減速度の低下、消費の停滞、投資の抑制を招いていることに注意を喚起し、この景気低迷に対抗するものとして仕事を豊かに生む公平な回復に向けて調整を図った政策が必要であることを主張しました。そして、繁栄を分かち合うためには社会的保護と最低賃金が重要であることを説いた上で、世界的な若者の就業危機に取り組み、女性を労働市場に引き寄せるためには、より高い雇用成長が必要なことや需給両面に焦点を当てた労働市場政策が求められること、基盤構造投資が緊急に求められることを訴えました。事務局長が提案する経済・社会政策には、◇上手に設計された最低賃金設定や団体交渉の仕組みの促進、◇社会的保護制度の強化・拡大、◇技能ニーズの変化の予測とそれへの対応、◇流動性の円滑化に適応する方向に向けた労働市場規制、◇男女差別への対処、◇若者の就業及び訓練のための事業計画の優先化、◇公式労働市場に十分に代表されていない層の当該労働市場への参加促進、◇イノベーションと起業家精神の促進といった要素が含まれています。

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 以上はIMF/世界銀行グループ2014年年次会合で10月11日にライダー事務局長が行った次の英文声明に副事務局長関連ニュースを盛り込んだものです。