「あきこの部屋」第41回 アフリカ、日本、ILO

8月も終わりに近づき、猛暑は一段落したものの、九州北部では猛烈な雨で多くの方々が避難を余儀なくされています。亡くなられた方にお悔やみ申し上げるとともに、皆様が早く通常の生活に戻られることを祈念します。

国連総会は2019年7月25日に2021年を児童労働撤廃国際年とする決議 を全会一致で採択しました。決議はSDGsのターゲット8.7に向けた加盟国の公約に言及し、国連やILOの関連条約の重要性を認め、ILOに国際年の実施を主導するよう求めています。

8月下旬のフランス・ビアリッツG7サミットでは不平等に焦点が当てられ、参加したILOガイライダー事務局長もその点を評価しました。G7サミットの意義が問われていますが、社会正義というILOの使命に密接に沿っている不平等を優先項目としたという点では、成果があったといえるでしょう。

続いて駐日事務所の活動です。「仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言」及び「公共投資を通じて失業と不完全雇用の問題に対処するプログラム(EIIP)の紹介」パンフレットを発刊しました。TICAD(アフリカ開発会議)VIIでは、「ILO仕事の未来ハイレベルダイアローグ「Jobs4Youth:若者と仕事」 アフリカの投資、生産性向上と人間中心のアジェンダ」と題するサイドイベントを開催し、展示ブースを出品しています。

9月には、今年が10回目となるILO-日本協同組合連携機構(JCA)共催公開セミナー:仕事の未来×アフリカ×協同組合(9/13)及び第3回となる東京2020-ILO サステナビリティ・フォーラム を開催します。皆様の御来場をお待ちしています。

さて、8月には世界の先住民の国際デー(9日)、国際青少年デー(12日)、奴隷貿易とその廃止を記念する国際デー(23日)などがILOにも関連がある記念日が何日かありますが、TICAD開催にちなんで、アフリカに関係する話題をとりあげます。

ILOアフリカ総局は、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を現実のものとするために展開している活動の成功例を集めた新刊書「Success Africa IV: Working together for a better Africa(成功アフリカIV:より良いアフリカのために協力する)」を出版しました。これは、2016年から2018年にかけて、アフリカ全体でILO、加盟国政労使、開発パートナーが実施した、効果的なイニシアチブのインパクトのあるストーリーを紹介する新しい旗艦出版物です 開発協力を通じた適切な作業アジェンダ第4巻となる本書は、25カ国以上から42の好事例を紹介しています。

本書が紹介する好事例には、8月29日のILOのTICADサイドイベントでとりあげた日本の任意拠出事業であるガンビアの平和構築に向けた若者の就労促進事業も含まれています。

さて、TICADの次は愛媛県松山市で労働雇用大臣会議にILO事務局長とともに参加いたします。