「あきこの部屋」第30回 5つの主要な開発協力プログラム(フラッグシッププログラム)

9月の終わりにまた大型台風が日本に上陸し、各地で大きな被害が出ています。今月は大型台風がフィリピンを直撃し、インドネシアで大地震及び津波が発生するなど、アジア各国で、自然災害による大きな被害が発生しました。お悔やみを申し上げるとともに、避難生活を余儀なくされている方が1日も早く通常の生活に戻られることを祈念します。

政治の動きとしては、自民党総裁選挙で現職の安倍晋三首相が3選されましたが、元地方創生等担当国務大臣の石破茂氏も事前の予想以上に善戦しました。

ここからはILO駐日事務所の活動についてです。

上旬にはILO本部から社会的金融専門家が来日し、日本人の専門家2人とともに、金融面での社会的包摂を促進する手段の1つとして、日本の労働金庫について調査研究を行いました。御協力いただいた皆様に紙面を借りて御礼申し上げます。

日本にはILOの活動を支援してくださる超党派の国会議員の連盟(ILO活動推進議員連盟)があり、今年は結成30周年にあたります。これを記念し、9月23日から29日まで、ベトナム・カンボジアで政労使との懇談やILOプロジェクトの視察を行い、私も同行させていただきました。

世界各地のILO専門職・空席一括募集が行われているので、紹介します。→ こちら

10月4日(木)の法政大学大原社研と共催の第31回 国際労働問題シンポジウムのほか、17日(水)に第2回サステイナビリティー・フォーラム、23日(火)にILO-日本協同組合連携機構(JCA)共催 公開セミナー:フランス語圏西アフリカにおける協同組合活動セミナーを開催します。皆様のご参加をお待ちしています。

出版物としては、世界社会的保護報告2017-19年版のエグゼクティブサマリー」の日本語訳版「SDGs達成のカギ、ディーセント・ワーク」というパンフレットを作成しました。

今月はこのパンフレットの内容に焦点をあてます。ディーセント・ワークとSDGs全体の達成を後押しするために、ILOはつぎの5つの主要な計画(フラッグシッププログラム)を紹介しています。

1つ目はIPEC+児童労働・強制労働撤廃国際計画で、2025年までにすべての児童労働を、2030年までにあらゆる形の強制労働、現代の奴隷制、人心取引を根絶することをめざしています。

2つ目はOSH-GAP労働安全衛生・グローバル予防行動計画で、労働安全衛生の予防文化を育成し、すべての労働者が、安全で健康的に働くという基本的な権利を享受できるよう手助けするもので、日本政府はカンボジアで支援を行っています。

3つ目はJPR平和と強靭性のための雇用促進計画で、紛争地や被災地で起きることが多い社会や政情の不安の影響を受けやすい立場にある人々にディーセント・ワークを提供します。日本政府はガンビア国で「若年雇用創出と持続可能な平和構築」プロジェクトを実施しています。

4つ目はSPF社会的保護の土台計画で、すべての人に社会的保護の土台(基盤)が与えられることを目標として、社会的保護制度の策定や実施を促進・支援しています。日本政府もこのプログラムに関与しています。

5つ目はBETTER WORKよりよい仕事計画です。これは、ILOと世界銀行グループの国際金融公社(IFC)との共同事業であり、衣料産業における労働条件の改善、そして企業競争力の強化に取り組みます。

今回、議員連盟が視察したプロジェクにもこれらのプログラムが含まれています。