あきこの部屋 第25回:「若年労働者と安全衛生」

2018年4月27日

新年度が始まりました。今年は桜の開花が早く3月中に盛りを過ぎ、新年度早々新緑の季節となりました。今はツツジが美しく咲いています。

4月26日、ILOと公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2020年に開かれる国際スポーツイベントである東京オリンピック・パラリンピック競技大会の準備・運営過程でディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する合意書を締結しました。昨年5月にILOガイ・ライダー事務局長が来日した際に東京2020組織委員会を訪問し、武藤敏郎事務総長と今後の協力関係の構築に向けた会談を行い、パートナーシップに関する覚書を結ぶことに合意したのが端緒です。今後、いろいろな協力活動が行われる予定です。
プレスリリースは、》 こちらよりご覧ください。

次に、政府が今国会での成立を目指している働き方改革関連法案 は4月6日に閣議決定されたものの、ようやく4月末に国会での審議に入りました。

続いてILO駐日事務所からのお知らせです。2017年 第106回ILO総会・決議文書「公正で効果的な労働力移動統治に関する決議」、仕事の未来世界委員会第2回会合に提出された、それぞれのテーマ領域に含まれる主要課題をまとめた論点概要シリーズ1-12の日本語版を作成しました。
こちらのページより、ぜひご覧ください。

また、5月に締め切りを迎えるJPO派遣制度(5月7日)やILOで働きたいと思っている方のための空席情報(5月14日)も掲載しています。 掲載記事については、》 こちらより

さて、2018年は、4月28日の労働安全衛生世界デーと6月12日の児童労働撤廃世界デーは共通のテーマとして、若年労働者の安全及び健康の向上並びに児童労働の終焉を掲げており、『Improving the Safety and Health of Young Workers (若年労働者の安全衛生を改善する・英語)』が公表されたので紹介します。本書は若年労働者の労働安全衛生のリスクに注目し、改善する必要性に焦点を当てており、5章で構成されています。

第1章「若年労働者の定義」では、15歳から24歳までと定義される若年者を「18歳未満」と「18歳から24歳」に分けて、安全衛生上の留意点を紹介しています。

第2章「若年労働者の安全衛生を脅かす要素」は、若年労働者に特有のリスクとして、発達段階にあること、就労技能・経験が不十分なことなどをあげています。さらに、若者がさらされやすい各種のハザードや農業、製造業、建設業、鉱業、家事労働など若者の就業者が多い危険な経済部門での配慮すべき点を説明しています。

第3章「若年労働者の安全衛生に関する国際労働基準」では、安全衛生に関する40以上のILO条約の中で若年者への配慮が言及されているもの、児童労働の撤廃に関する基本条約を紹介しています。

第4章「若年労働者の安全衛生に関する国と地域の行動のための枠組み」は、若年労働者に関するデータ・情報の収集・分析の改善、法律・規則・政策・ガイドラインの作成・実施、若年者のニーズに対応した政労使の取り組みの支援、教育や職業訓練プログラムへの安全衛生の組み入れ、若年労働者の脆弱性に関する広報啓発や研究などをとりあげています。

第5章「労働安全衛生の予防文化創出への若者の参加」は、非標準的労働者や非公式な部門で就労している割合が多いため若者は声をあげにくく、また市民組織や従来の安全衛生機関、ソーシャルパートナーなどが若者のために提言することが少ないため、公的機関が若者が積極的に参加できるよう配慮する必要があることを説いています。

注1:時間外労働の限度時間の設定、高度な専門的知識等を要する業務等に就き、 かつ、一定額以上の年収を有する労働者に適用される労働時間制度の創設、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者と通常の労働者との間の不合理な待遇の相違の禁止等の措置を講ずることが主な内容