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石綿の使用における安全に関する勧告(第172号)
国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百八十六年六月四日にその第七十二回会期として会合し、
関係のある国際労働条約及び国際労働勧告、特に、国内政策及び国内段階における行動の諸原則を規定している千九百七十四年の職業がん条約及び千九百七十四年の職業がん勧告、千九百七十七年の作業環境(空気汚染、騒音及び振動)条約及び千九百七十七年の作業環境(空気汚染、騒音及び振動)勧告、千九百八十一年の職業上の安全及び健康に関する条約及び千九百八十一年の職業上の安全及び健康に関する勧告、千九百八十五年の職業衛生機関条約及び千九百八十五年の職業衛生機関勧告、千九百六十四年の業務災害給付条約付表Tの千九百八十年に改正された職業病の一覧表並びに千九百八十四年に国際労働事務局が公表した石綿の使用における安全に関する実施基準に留意し、
前記の会期の議事日程の第四議題である石綿の使用における安全に関する提案の採択を決定し、
その提案が千九百八十六年の石綿条約を補足する勧告の形式をとるべきであることを決定して、
次の勧告(引用に際しては、千九百八十六年の石綿勧告と称することができる。)を千九百八十六年六月二十四日に採択する。
T 適用範囲及び定義
1(1) 千九百八十六年の石綿条約及びこの勧告は、作業の過程において労働者の石綿への暴露の危険を伴うすべての業務について適用すべきである。
(2) 自営業者に対し、千九百八十六年の石綿条約及びこの勧告に規定する保護と類似の保護を与えるための措置が国内法及び国内慣行に従つてとられるべきである。
(3) 職業上の石綿への暴露の危険を伴う業務に十八歳未満の年少者を雇用することについては、権限のある機関の要求するところにより、特別の注意を払うべきである。
2 職業上の石綿への暴露の危険を伴う業務には、特に次のものを含めるべきである。
(a) 石綿を含有する鉱物の採掘及び粉砕
(b) 石綿を含有する材料又は製品の製造
(c) 石綿を含有する製品の使用及び利用
(d) 石綿を含有する製品の取りはずし、修理及び保全
(e) 石綿を含有する装置又は構造物の取壊し及び修理
(f) 石綿又は石綿を含有する材料の輸送、保管及び取扱い
(g) 浮遊石綿粉じんへの暴露の危険を伴うその他の業務
3 この勧告の適用上、
(a) 「石綿」とは、岩石を形成する鉱物のうち、蛇紋石の群に属する繊維状の鉱物性けい酸塩、すなわち、温石綿(白石綿)及び角閃(せん)石の群に属する繊維状の鉱物性けい酸塩、すなわち、陽起石、アモサイト(茶石綿、カミングトン・グリューネル閃(せん)石)、直閃(せん)石、クロシドライト(青石綿)、透角閃(せん)石又はこれらの一又は二以上を含有する混合物をいう。
(b) 「石綿粉じん」とは、作業環境において浮遊する石綿の粒子又は浮遊しやすいたい積した石綿の粒子をいう。
(c) 「浮遊石綿粉じん」とは、測定上、重量による算定その他これに相当する方法により測定された粉じん粒子をいう。
(d) 「呼吸吸入される石綿繊維」とは、直径三ミクロン未満の石綿繊維であつて長さと直径との比率が三対一を超えるものをいうものとし、測定上、長さが五ミクロンを超える繊維のみを考慮に入れる。
(e) 「石綿への暴露」とは、石綿から生ずるか石綿を含有する鉱物、材料又は製品から生ずるかを問わず、浮遊して呼吸吸入される石綿繊維又は石綿粉じんに作業中にさらされることをいう。
(f) 「労働者」には、生産協同組合の構成員を含む。
(g) 「労働者代表」とは、千九百七十一年の労働者代表条約により、国内法又は国内慣行により認められた労働者代表をいう。
U 一般原則
4 千九百八十六年の石綿条約第三条に従つて定められる措置は、すべての経済活動部門における職業上の石綿への暴露の危険の多様性を対象とするよう定めるべきであり、また、千九百七十四年の職業がん条約第一条及び第二条の規定を十分考慮して作成すべきである。
5 権限のある機関は、国際労働事務局が公表した石綿の使用における安全に関する実施基準、同事務局が作成するその他の実施基準又は手引、同事務局が招集する専門家会議の結論並びにその他の権限のある団体の石綿及び代替材料に関する情報を考慮に入れて定めた措置を定期的に検討すべきである。
6 権限のある機関は、この勧告の適用に当たり、最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上行動すべきである。
7(1) 使用者は、関係労働者又は労働者代表と協議及び協力の上、権限のある者(職業衛生機関を含む。)の助言に照らして、石綿への暴露を防止し又は管理するためのすべての適当な措置をとるべきである。
(2) 使用者とその使用する労働者との間の協議及び協力は、国内法及び国内慣行に従い、次の者を通じて行うことができる。
(a) 安全に関する労働者代表
(b) 労働者の安全衛生委員会又は合同安全衛生委員会
(c) その他の労働者代表
8 石綿又は石綿を含有する製品を扱う作業に従事する労働者は、その責任の限度内において、所定の安全及び衛生についての手続(適切な保護具の使用を含む。)に従うよう要求されるべきである。
9(1) 自己の生命又は健康に対する重大な危険をもたらすと信ずる合理的な理由のある作業状態を回避した労働者は、
(a) 直接の監督者に警告すべきである。
(b) 国内事情及び国内慣行に従い、報復的又は懲戒的な措置から保護されるべきである。
(2) 職業上の安全及び健康並びに作業環境に関して使用者のとる措置が法定の要件に違反し又はこれに重大な不備があると認めたことについて労働者が誠実に不服申立てを行つたことを理由として、当該労働者に不利な措置がとられるべきではない。
V 保護措置及び防止措置
10(1) 権限のある機関は、労働者に対し最大限の保護を与える工学的管理及び作業慣行(作業場の衛生に関するものを含む。)を定めることにより、石綿への暴露を防止し又は管理することを確保すべきである。
(2) 権限のある機関は、暴露の水準並びに作業環境における通常の事情及び状態を基礎として、科学的研究及び技術の進歩に照らして、次のことを定期的に決定すべきである。
(a) 認可を条件として使用すべき石綿及び石綿を含有する製品の種類並びに認可を条件とすべき作業工程
(b) 全面的に又は部分的に使用を禁止すべき石綿及び石綿を含有する製品の種類並びに石綿、一定の種類の石綿又は石綿を含有する一定の種類の製品の使用を禁止すべき作業工程
(3) 一定の種類の石綿若しくは石綿を含有する一定の種類の製品の使用の禁止又は認可及び他の物質によるこれらの代替は、健康に対する危険についての科学的評価を基礎とすべきである。
11(1) 権限のある機関は、石綿への暴露、代替材料及び他の技術に関する技術的かつ健康上の問題の調査研究を奨励すべきである。
(2) 権限のある機関は、労働者に対する危険を除去し又は減少させるため、無害又は有害性が一層低い石綿を含有する製品、他の代替材料又は他の技術の調査研究及び開発を奨励すべきである。
12(1) 権限のある機関は、労働者を保護するために必要な場合には、できる限り、石綿を代替材料で代替させることを要求すべきである。
(2) 代替材料となる可能性のあるすべてのものは、いかなる工程においてもその使用が認められることに先立ち、健康に及ぼすことのある有害な影響について十分に評価すべきである。必要と判断される場合には、これらの材料にさらされる労働者の健康を継続的に監視すべきである。
13(1) 権限のある機関は、国内法令の効果的な施行のため、千九百八十六年の石綿条約第十三条に規定する石綿を扱う作業についての通報において提供する情報を定めるべきである。
(2) (1)の情報には、特に次のものを含めるべきである。
(a) 使用される石綿の種類及び量
(b) 実施される業務及び工程
(c) 生産される製品
(d) 石綿にさらされる労働者の数並びに暴露の水準及び頻度
(e) 国内法令に従つてとる防止措置及び保護措置
(f) 労働者の健康を保護するために必要なその他の情報
14(1) 装置又は構造物のうちもろい石綿絶縁材を含有する部分の取壊し及び石綿が浮遊しやすい建物又は構造物からの石綿の除去は、認可を条件とすべきものとし、この認可は、この勧告の定めるところに従つてこのような作業を行う資格があると権限のある機関により認められた使用者又は請負業者に対してのみ付与されるべきである。
(2) 使用者又は請負業者は、取壊し作業又は除去作業の開始前に、作業の開始前にとられる措置を明示した作業計画を作成することを要求されるべきである。措置には、次のことを含む。
(a) 労働者に対するすべての必要な保護を定めること。
(b) 石綿粉じんの空気中への発散を制限すること。
(c) 石綿粉じんの空気中への発散の可能性、用いられる一般的手続及び装置並びにとられる予防措置について、影響を受けるおそれのある労働者に通報すること。
(d) 28に定めるところに従い石綿を含有する廃棄物の処分を定めること。
(3) 労働者又は労働者代表は、(2)の作業計画に関して協議を受けるべきである。
15(1) 使用者は、その使用する労働者の参加を得て、労働者の石綿への暴露の防止及び管理のための計画を作成し及び実施すべきである。この計画は、定期的な間隔で並びに使用される作業工程及び機械における又は防止及び管理の技術及び方法における変化に照らして検討すべきである。
(2) 権限のある機関は、国内慣行に従い、石綿への暴露が生ずるおそれがある場合の防止計画を作成して、特に、技術的な知識又は手段を欠いている小企業を援助する業務を行うべきである。
16 石綿粉じんの作業場の空気中への発散を防止するため、技術的な防止器具及び適当な作業慣行を採用すべきである。暴露の限界又は他の暴露の基準が満たされている場合にも、合理的に実行可能な限り低い水準に暴露を減少させるためにこのような措置をとるべきである。
17 労働者の石綿への暴露を防止し又は管理し及び回避するための措置は、特に次のことを含むべきである。
(a) 石綿は、その危険を防止し又は管理することができる場合にのみ使用すべきである。これができない場合には、石綿は、技術的に実行可能なときは、無害又は有害性が一層低いと科学的に評価されたその他の物質で又は他の技術の利用により代替すべきである。
(b) 石綿への暴露を伴う作業に配置される者の数及びその暴露の期間は、作業の安全な遂行に必要な最小限にとどめるべきである。
(c) 石綿粉じんの生成並びに特にその作業環境及び一般の環境中への発散を除去し又は最小限にする機械、器具及び作業工程を使用すべきである。
(d) 石綿の使用が石綿粉じんが空気中へ発散することとなる作業場は、他の労働者の石綿への暴露の可能性を回避するため、一般の作業環境から分離すべきである。
(e) 石綿への暴露を伴う業務の区域は、許可なしに出入りすることを制限する警告標識により、明らかに画定しかつ表示すべきである。
(f) 建物の建設において使用した石綿の位置を記録すべきである。
18(1) クロシドライト及びその繊維を含有する製品の使用は、禁止すべきである。
(2) 権限のある機関は、代替が合理的に実行不可能な場合には、関係のある最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上、(1)に規定する禁止の緩和を許可する権限を与えられるべきである。ただし、労働者の健康が危険にさらされないことを確保する手段がとられることを条件とする。
19(1) すべての形態の石綿の吹き付け作業は、禁止すべきである。
(2) もろい石綿絶縁材を用いた設備は、禁止すべきである。
(3) 権限のある機関は、他の方法が合理的に実行不可能な場合には、関係のある最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上、(1)及び(2)に規定する禁止の緩和を許可する権限を与えられるべきである。ただし、労働者の健康が危険にさらされないことを確保する手段がとられることを条件とする。
20(1) 石綿の生産者及び供給者並びに石綿を含有する製品の製造者及び供給者は、容器又は製品に適当かつ十分な表示を行う責任を負うべきである。
(2) 国内法令は、表示が関係国において一般に使用される言語で印刷されること並びに容器又は製品が石綿を含有し、石綿粉じんの吸入は健康に対して危険であり及び適当な保護措置がとられるべきことを表示することを要求すべきである。
(3) 国内法令は、材料又は製品について、石綿の含有量、健康に対する危険及び適当な保護措置を掲げるデータ表を作成し並びに提供することを石綿の生産者及び供給者並びに石綿を含有する製品の製造者及び供給者に要求すべきである。
21 千九百八十六年の石綿条約第五条に規定する監督制度は、千九百四十七年の労働監督条約を基礎とすべきである。監督は、資格のある者が行うべきである。監督機関は、13の情報を使用者から得ることができるべきである。
22(1) 暴露の限界は、通常一日八時間及び一週四十時間で表示した浮遊石綿粉じんの時間荷重濃度並びに認められた標本採取及び測定の方法を考慮して定めるべきである。
(2) 暴露の限界は、技術の進歩並びに技術的及び医学的知識の向上に照らして、定期的に検討し及び更新すべきである。
23 石綿粉じんの管理のための設備、換気施設、機械及び保護器具は、定期的に点検し及び正常の作動状態で維持すべきである。
24 作業場は、石綿粉じんが表面にたい積することの防止に必要な頻度で、安全な方法により清掃すべきである。千九百八十六年の石綿条約及びこの勧告は、清掃職員について適用すべきである。
25(1) 浮遊石綿粉じんによる危険が他の方法では防止し又は管理することができない場合には、使用者は、労働者に費用を負担させることなく、適切な呼吸用保護具及び適当な場合には特別の衣類を提供し、保全し及び必要な場合には取り替えるべきである。この場合には、労働者は、このような装備の使用を要求されるべきである。
(2) 呼吸用保護具は、権限のある機関が設定した基準に従い、また、補足的、一時的、緊急的又は例外的措置としてのみ使用されるべきものとし、技術的管理に代わるべきものではない。
(3) 呼吸用具の使用が要求される場合には、その使用により生ずる肉体的負担を考慮して、適当な休息場所における十分な休憩時間を与えるべきである。
26(1) 労働者の個人用衣類が石綿粉じんで汚染されるおそれがある場合には、使用者は、国内法令に従い、労働者代表と協議の上、労働者に費用を負担させることなく、適当な作業衣を提供すべきである。作業衣は、作業場の外で着用すべきではない。
(2) 使用者は、労働者に対し、石綿粉じんで汚染された衣類を自宅に持ち帰ることから生ずる家族その他の者の健康に対する危険についての十分な情報を適当な形態で提供すべきである。
(3) 使用された作業衣及び特別の保護衣の取扱い及び洗浄は、石綿粉じんの発散を防止するため、権限のある機関が定めるところに従い、管理された状態の下で行うべきである。
27(1) 石綿にさらされている労働者に、適当な場合には、二様の更衣室、洗浄施設、シャワー及び休息場所が提供されるべきである。
(2) 国内慣行に従い、作業の交代の後、更衣、シャワー又は洗浄のための十分な時間が労働時間内に認められるべきである。
28(1) 使用者は、国内法及び国内慣行に従い、石綿を含有する廃棄物を関係労働者(石綿の廃棄物を取り扱う者を含む。)又はその企業の付近の住民の健康に対する危険がない方法で処分すべきである。
(2) 権限のある機関及び使用者は、作業場から発散される石綿粉じんが一般の環境を汚染することを防止するために適当な措置をとるべきである。
W 作業環境及び労働者の健康の監視
29 使用者は、権限のある機関が定める場合には、作業場における浮遊石綿粉じんの濃度並びに労働者の石綿への暴露の期間及び水準を体系的に監視し並びに労働者の健康を監視するための措置をとるべきである。
30(1) 労働者の石綿への暴露の水準は、特定の基準期間の時間荷重平均濃度により測定し又は算定すべきである。
(2) 浮遊石綿粉じんの標本採取及び濃度の測定は、資格のある者が権限のある機関により承認された方法を用いて行うべきである。
(3) 標本採取及び測定の頻度及び範囲は、危険の水準、作業工程の変更その他の状況に関連を有すべきである。
(4) 権限のある機関は、危険を評価する場合には、すべての大きさの石綿繊維による危険を考慮すべきである。
31(1) 石綿への暴露を伴う作業に配置されるすべての労働者は、石綿への暴露に関連する疾病及び機能障害の防止のため、適当な場合には、次のものを提供されるべきである。
(a) 就業前の健康診断
(b) 適当な間隔を置いた定期健康診断
(c) 職業上の危険との関連における健康状態を監視し及び石綿に起因する疾病の初期の徴候を確認するために必要なその他の検査及び調査、特に胸部レントゲン写真及び肺機能検査
(2) 健康診断の間隔は、暴露の水準及び職業上の危険との関連における労働者の健康状態を考慮して、権限のある機関が決定すべきである。
(3) 権限のある機関は、国内法及び国内慣行に従い、石綿への暴露を伴う就業の終了後、労働者が適当な健康診断を継続して利用し得る措置がとられることを確保すべきである。
(4) (1)及び(3)に規定する診断、検査及び調査は、できる限り労働時間内に及び労働者に費用を負担させることなしに行うべきである。
(5) 医学的検査又は調査の結果が健康障害又は生体影響を明らかにする場合には、関係労働者の石綿への暴露を防止し又は減少させ及びその健康の一層の悪化を防止するための措置がとられるべきである。
(6) 健康診断の結果は、石綿への暴露に関して健康状態を決定するために利用すべきであり、また、労働者を差別するために利用すべきではない。
(7) 健康診断の結果は、労働者をその健康状態と両立する仕事に配置することに役立てるために利用されるべきである。
(8) 健康について監視を受ける労働者は、次の権利を有すべきである。
(a) 個人的な及び医学上の情報を秘密にする権利
(b) 監視の目的及び結果についての十分かつ詳細な説明を受ける権利
(c) 身体の健全を損なう侵害的な医学的処置を拒否する権利
32 労働者は、国内慣行に従い、健康診断の結果の十分かつ適当な方法による通知及び作業に関連する健康についての個人的助言を受けるべきである。
33 石綿に起因する職業病が健康についての監視により認められた場合、国内法及び国内慣行に従い、権限のある機関に通報すべきである。
34 石綿への暴露を伴う作業への継続的就業が医学的に不適当とされる場合には、関係労働者に対してその所得を維持する他の方法を与えるため、国内事情及び国内慣行に適合するあらゆる努力が払われるべきである。
35 国内法令には、千九百六十四年の業務災害給付条約により、職業上の石綿への暴露に関連する疾病にかかり又は機能障害が進行している労働者に対する補償について定めるべきである。
36(1) 作業環境の監視の記録は、少なくとも三十年間保存すべきである。
(2) 労働者の石綿への暴露の監視の記録並びに医療記録のうち石綿への暴露に起因する健康に対する危険に関連する部分及び胸部レントゲン写真は、石綿への暴露を伴う就業の終了後少なくとも三十年間保存すべきである。
37 関係労働者、労働者代表及び監督機関は、作業環境の監視の記録について知ることができるべきである。
38 企業の閉鎖の場合又は労働者の雇用の終了後は、36の規定に従つて保存する記録及び情報は、権限のある機関の指示により寄託すべきである。
39 理事会により採択された多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言により、二以上の事業所を所有する単一国籍又は多国籍の企業は、その事業所のある場所又は国のいかんを問わずすべての事業所の労働者に対し、差別なく、職業上の石綿への暴露に起因する健康に対する危険の防止及び管理並びにこの危険からの保護に関する安全措置をとるよう要求されるべきである。
X 情報及び教育
40 権限のある機関は、職業上の石綿への暴露に起因する健康に対する危険の防止及び管理並びにこの危険からの保護に関するすべての関係者に対する訓練及び情報提供を促進するための措置をとるべきである。
41 権限のある機関は、関係のある最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上、使用者、労働者その他の者のために適当な教育の指針を作成すべきである。
42 使用者は、石綿にさらされやすい労働者が、その暴露の健康に及ぼす影響並びに石綿への暴露を防止し及び管理するためにとられる措置、特に、石綿粉じんの空気中における生成及び空気中への発散を防止し及び管理する正しい作業慣行並びに労働者の使用に供する一般的及び個人用保護具の使用に関し、容易に理解することのできる言語及び方法で、費用を負担することなしに定期的な訓練及び指示を受けることを確保すべきである。
43 教育的措置は、喫煙と石綿への暴露との結合により生ずる労働者の健康に対する特別の危険について注意を喚起すべきである。
44 使用者団体及び労働者団体は、石綿への暴露に起因する職業上の危険に関連して、訓練、情報提供、防止、管理及び保護の計画に協力し及び寄与するために積極的に行動すべきである。