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属地における社会政策の最低基準に関する勧告(補足的規定)(第74号)

 国際労働機関の総会は、国際労働事務局の理事会によりジュネーヴに招集されて、二千四年六月一日にその第九十二回会期として会合し、本会期の議事日程の第七議題である複数の国際労働勧告の撤回に関する提案を検討し、二千四年六月十六日に、千九百四十五年の属地社会政策(補足的規定)勧告(第七十四号)の撤回を決定する。国際労働事務局長は、この本文書撤回の決定を、国際労働機関の加盟国及び国際連合事務総長に通知する。この決定の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。

 国際労働機関の総会は、
 国際労働事務局の理事会によつてパリに招集され、且つ千九百四十五年十月十五日を以てその第二十七回会議を開催し、
 この会議の会議事項の第五項目である属地における社会政策の最低基準に関する提案(補足的規定)の採択を決議し、且つ
 この提案は勧告の形式によるべきものなることを決定したので、
 千九百四十五年の属地社会政策(補足的規定)勧告として引用することができる次の勧告を千九百四十五年十一月五日に採択する。
 国際連合憲章第十一章は非自治領域に関する宣言であり、かかるすべての領域の住民の利益が至上のものであるという原則を承認し、且つこれらの領域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的向上を確保するため神聖な責任として本土諸国の義務を設けているので、且つ
 国際労働総会はその第二十五回会議中千九百四十四年五月十二日に属地における社会政策の最低基準に関する勧告を採択したので、且つ
 千九百四十四年に採択されたものを補足する最低基準を属地に適用するため規定を設けることが望ましいので、
 総会は、次の勧告をする。
1 属地について責任を有する国際労働機関の各加盟国は、かかる地域においてこの勧告の附録に掲げられる最低基準の有効な適用を確保するため、その権限内にあるすべての措置を講じ、且つ新にかかる地域において附録に掲げられる最低基準を有効ならしめるため権限ある機関にこの勧告を提出しなければならない。
2 国際労働機関の各加盟国は、この勧告を承認するときは、当該加盟国が責任を有する各属地に関し附録に掲げられる最低基準を有効ならしめるため執られる措置の詳細をできるだけ速かに国際労働事務局長に通告し、且つ爾後勧告を実施するため執られる措置に関し理事会の要求するところに従い随時国際労働事務局に報告しなければならない。
3 この勧告の附録に掲げられる基準は、国際労働機関憲章の下に又は加盟国が批准した国際労働条約の下に、国際労働機関の加盟国に課せられた一層高き基準を適用する義務を緩和し又は阻害しない最低基準として認められ、且ついかなる場合にも現行の法制により関係労働者に与えられる保護を低める如くこれを解釈し又は適用してはならない。

〔附 録〕


第 一 部 賃金及び貯金


第 一 条


1 団体交渉機関の発達を促進し、以て使用者団体と労働者団体との間の交渉により最低賃金率を定めるようにすることが政策の目的でなければならない。
2 権限ある機関において労働者団体が使用者団体と同等の立場において交渉することを得しめるに必要な発達段階に達しないことを認める理由を有するすべての場合においては、交渉中労働者に情報と助言を与えることによつてこれを援助し且つ必要あらばその名において行動する特に資格ある者を指名しなければならない。これらの措置をとり且つかかる指名をするのには、労働監督機関が存在する場合にはこれと協議した上でなければならない。かくの如く指名された者は、助言と指導とにより労働者団体の初期の発達において援助しなければならない。

第 二 条

1 団体交渉による最低賃金の有効な決定について適当な施設が存在しない場合においては、労働者のため最低賃金率を決定することができる公の機関を創設し且つ維持しなければならない。
2 権限ある機関の決定により定められる最低賃金率は、同一価値の労働に対する男女同一報酬の原則を守らなければならない。
3 関係ある使用者及び労働者の代表者(その夫々の団体の代表者が存在するときはこれを含む。)は、権限ある機関が決定する所に従い同一の数及び同一の条件において最低賃金決定機関の運営にこれを参加させなければならない。
4 権限ある機関が決定した最低賃金率は、関係ある使用者及び労働者を拘束し、権限ある機関の明示的同意がなければ使用者及び労働者間の協定によりこれを引下げてはならない。
5 関係ある使用者及び労働者が現行の最低賃金率について知悉すること並びに右の最低賃金率を適用することができる場合において賃金が右の率よりも低い率で支払われないことを確保するため、必要な措置を講じなければならない。
6 最低賃金率が適用され且つこの率よりも低い率で賃金を支払われた労働者は、司法上又はその他の適法な手段により最低賃金率よりも低く支払われた差額を回収する権利を有する。尤も権限ある機関が決定する期限に従うものとする。

第 三 条

1 すべての所得賃金の適当な支払を確保するため必要な措置を講ずべく、且つ使用者は、賃金支払簿を保存し、賃金支払の説明書を労働者に発行し且つ必要な監督を容易にするためのその他の適当な措置を執ることを要する。
2 賃金は、通常現金のみを以て、且つ各個の労働者に直接にこれを支払わなければならない。
3 賃金は、賃金労働者の間で負債生活を軽くするような期間において定期的にこれを支払わなければならない。尤も反対の地方的慣習が確立しており、その継続を労働者が希望する場合は、この限りではない。
4 食料、住宅、衣服並びにその他の重要な配給品及びサーヴイスが報酬の一部を構成する場合においては、権限ある機関がその適当性及び現金価格を厳重に監督するため、すべての実際的措置を講じなければならない。
5 次のためすべての実際的措置を講じなければならない。
  (a) 労働者にその賃金請求権を知悉させるため
  (b) 許可されない賃金よりの控除を防止するため
  (c) 報酬の一部を成す配給品及びサーヴイスに関し賃金より控除し得る額をその現金価格に制限するため

第 四 条

1 賃金労働者及び独立生産者間の任意的貯金方法は、これを奨励しなければならない。
2 賃金に関する前借の最高額及びこれが返済方法は、権限ある機関がこれを規律しなければならない。
3 権限ある機関は、当該地域外から雇入れた労働者に支払われる前借金の額を制限しなければならない。かかる前借金の額は、労働者に明瞭に説明しなければならない。権限ある機関が定める額を超えて出される前借金は、法律上これを回収することができない。
4 高利貸に対する賃金労働者及び独立生産者の保護のため、特に利率の低減を目的とする措置により、金貸の活動の統制により及び共同信用組合又は権限ある機関の下に在る施設を通じて適当な目的のために金銭を貸す便宜の奨励により、すべての実行し得る措置を講じなければならない。

第 五 条

1 据置払金制度が存在し、又はこれを設置中である場合においては、
  (a) その規則及び運営は、権限ある機関がこれを監督し且つ特に権限ある機関が基金を適当に投資することに満足しないときは、使用者は、かかる制度に基くその債務に対する担保を提供することを要する。
  (b) 賃金労働者の代表者(賃金労働者の団体が存在するときは、その代表者を含む。)は、かかる制度の運営にこれを参加させなければならない。
2 一地域の経済的進歩が許すときは、漸次据置払金制度を排除し、且つ共済又は養老制度を阻害することなくして、退職手当制度(政府若しくは使用者による又はその双方による又は労働者による醸出金の規定を含む。)を設けることは、政策の目標でなければならない。

第 六 条


1 同一の作業及び企業における同一価値の労働に対する同一賃金の原則を有効に確立すること並びに雇用及び昇給の機会並びに賃金率に関し人種、宗教又は性別により労働者に差別待遇を行なうことを防止することは、政策の目標でなければならない。
2 低賃金労働者に適用する率を引上げることにより、人種、宗教又は性別による差別待遇に基因する賃金率の現在の差等を減少させるため、すべての実行し得る措置を講じなければならない。
3 属地以外より労務のために雇入れる労働者に対しては、その家庭より離れる雇用から招来する合理的な個人又は家族の費用に充当するため附加的給与を与えることができる。

第 二 部 土地政策の労働部面

第 七 条


 権限ある機関が生産力の促進及び原始生産者の生活基準の改善のため考慮すべき措置のうちには、次のものを包含しなければならない。
(a) 慣性的負債の原因を最も充分に実行し得る限度まで排除すること。
(b) 非農家への農地の譲渡を統制し、以てかかる譲渡は当該地域の最善の利益であるときのみこれを行うことを確保すること。
(c) 小作人及び労働者のため実行し得る最高の生活基準と生産性又は物価水準の改善より招来する利益における公平な分配とを確保する目的を以て、小作制度及び労働条件を監督すること。

第三部 社会保障

第 八 条

 労働者の雇用に起因する及び雇用中における災害により起つた労働不能の場合において労働者に対し、並びにかかる災害により起つた死亡の場合においてその扶養遺族に対し、補償を支払うため、且つかかる災害により負傷した労働者の医療のため、できるだけ最も早い時期において法律により次の規定を設けなければならない。
(a) 労働不能の場合においては、災害後五日目より遅くない日から補償を支払わなければならない。尤も労働不能が四週間を超えて続くときは、補償は、労働不能の第一日からこれを支払わなければならない。
(b) 負傷労働者の所得能力をできるだけ早く恢復させるため地方事情の下に実行し得るすべての措置を講じなければならない。
(c) 補償の費用は、使用者が負担し、且つ営利の目的を以て行われない強制保険制度によりできるだけ早くこれを支弁しなければならない。
(d) 補償に関する法律及びすべての手続は、できるだけ簡単としなければならない。特に公務員は、負傷労働者が権利を有する補償を受けることを監視するの責任を有し、且つ請求訴訟は、簡易で非公式な手続によりこれを解決しなければならない。

第 九 条


 負傷の結果として軽度の性質ではない永久的労働不能又は死亡に至つた場合においては、負傷労働者又はその被扶養者に支払われる補償は、定期的支払の形式でなければならない。尤も権限ある機関が全部的又は一部的に一時金を以て支払うことが適当に実行されると認めるとき又は定期的支払を適当に統制することが不可能であると思惟するときは、全部的又は一部的に一時金を以て支払うことができる。

第 十 条

 第八条及び第九条の規定は、適当の場合には労働者の職業病補償にこれを適用しなければならない。

第 十 一 条

1 労働者の災害及び職業病補償に関し、内外人労働者に対し均等待遇が存在しなければならない。
2 外国人労働者であつて労働者補償給付を受ける権利があり且つその出身国に帰還する者は、労務地域に残つていたならば支払われたるべき補償を受ける権利を有する。給付の支払が定期的のものであるときは、右労働者は、かかる給付を引続いて受けるか又はその代りに一時金を与えなければならない。

第 十 二 条

1 労働者の多数が通常賃金所得によりその生活を営む地域においては、扶養者の疾病、母性、老令、死亡及び失業の場合に、賃金労働者及びその被扶養者の保護のための強制保険を採用することは、政策の目標でなければならない。かかる保険の運営のために必要な状態が存在するときは直ちに、その目的のための施設を創設しなければならない。
2 負傷者及びその被扶養者のための医療施設が無料公共施設として未だ設けられない限り、強制疾病及び母性保険を通じてかかる医療施設を設けることは、政策の目標でなければならない。

第 四 部 労働者の職業紹介

第 十 三 条

1 雇用又は移民が充分な程度である場合においては、無料公共職業紹介制度について規定を設けなければならない。
2 労働移民の性質が要求するときは、権限ある機関は、適当に設備された休憩所を設けなければならない。
3 使用者又は組織労働者の組合が運営する労働者の職業紹介のため、及び労務のための往復の旅行中におけるその福利のための制度は、労働者に費用を負担させず、且つ権限ある機関の厳格な監督の下にこれをおかなければならない。

第 五 部 時間及び休暇

第 十 四 条

1 工業的及び商業的企業における最長労働時間は、権限ある機関がこれを定めなければならない。
2 農業的企業における最長労働時間は、実行し得る限り権限ある機関がこれを定めなければならない。
3 この勧告の2に従い国際労働事務局に通告される報告は、時間を規律するため執られる措置に関する充分な情報を含むべく、そのうちには所定時間の限度、中断されない最少休息時間の規定、不健康、危険又は面倒な作業に対する特別の制限、季節的雇用に対し許される例外、及び規則の適用方法に関する情報を含まなければならない。

第 十 五 条

1 工業的及び商業的企業において使用される労働者は、少くとも継続二十四時間を含む休息時間を七日の期間毎に与えられなければならない。尤も労働者の慣習に適合するときは、一週間よりも長い期間を超えて計算される比例的休息時間を許容されるものとする。
2 週休に関するかかる規定は、できるだけ速かに農業的企業にこれを拡張しなければならない。尤も生産の要件を考慮するため必要な適応を条件とする。
3 休息時間は、できるときは各企業の従業員全体に同時に与えられるべく、且つ労働者の慣習により既に設けられている日と一致するようこれを定めなければならない。
4 権限ある機関は、必要と認めるときは、全部的又は一部的例外を許容することができる。超過時間については、休息時間に侵入するときは、実質的に普通率を超える賃金によりこれを補償しなければならない。

第 十 六 条

1 実行し得る限り速かに、工業的及び商業的企業に使用される労働者が実質的に正規の雇用を一年間遂行した後は少くとも十二労働日の年次有給休暇を受ける権利を有するよう規定を設けなければならない。労働者の雇用が自己の過失以外の理由で六箇月の労務の完了後終了したときは、右労働者は、年次休暇の代りに比例的給付を受ける権利を有する。
2 実行し得るときは、農業的企業に使用される労働者が実質的に正規の雇用を一年間遂行した後は少くとも十二労働日の年次有給休暇を受ける権利を有するようにすることは、政策の目標でなければならない。
3 労働者がその家庭より著しく離れた場所で使用される場合においては、十二労働日の年次有給休暇に代えるのに一層長い雇用期間に亘り同一の基礎において計算される休暇を以てすることができる。
4 労働者がその募集され又は雇入れられたその家庭より離れた場所で使用される場合においては、その有給休暇中家庭訪問を容易ならしめるすべての実行し得る措置を講じなければならない。

第 十 七 条

 権限ある機関が労働時間、週休又は年次有給休暇が関係労働者の多数を網羅する労働協約又は裁定により充分に規律されると認める場合においては、かかる協約又は裁定は、この部の関係規定を満足させるものとこれを認めることができる。

第 六 部 労働監督官の権限

第 十 八 条

1 権限ある機関が任命し且つ証票を有する監督官は、その職務を遂行するため次の権限を行使することを法律で許容されねばならない。
  (a) 昼夜いかなる時刻にも、法律の保護下に在る者が使用されていると認める正当の理由がある場所に臨検する権限
  (b) 一企業又はその一部がその監督の下に在ると認める正当の理由ある場所に昼間出入する権限
  (c) 企業において使用される者に対し単独に又は証人の面前で尋問し、且つ第三者であつてその立証が必要と認められる者に情報を請求する権限
  (d) 労働条件を規律する法律により保存することを要する帳簿又は書類を呈示することを要求する権限
2 監督官は、当該企業を去るに先だち、その臨検につき使用者又はその代理人にできるだけ通告しなければならない。尤も監督官は、かかる通告がその職務の遂行を阻害すると認める場合においては、この限りではない。

第 七 部 和解

第 十 九 条

1 使用者及び労働者間の紛争の調査及び解決のためのすべての手続は、できるだけ簡単としなければならない。
2 使用者及び労働者は、裁判所に訴えないで和解により紛争の公平な解決に到達するようこれを奨励しなければならない。この目的のため、和解機関の設置及び運営について使用者及び労働者の団体の代表者と協議し、且つこれを参加させるようすべての実行し得る措置を講じなければならない。
3 かかる機関の運営を条件として、公務員は、紛争の調査について責任を有すべく、且つ和解を促進し、及び公平な解決に到着することにおいて双方当事者を援助するため努力しなければならない。実行し得る場合においては、右の公務員は、かかる任務に特に充当された公務員でなければならない。

第 八 部 雇用における保健及び安全

第 二 十 条

1 工業的企業において使用される労働者の保健、安全及び福利の保護のため、最低条件を規定すべく、且つ利用される機械及び遂行される作業がかかる措置を必要とするその他の企業において使用される労働者についても亦同じ。
2 海外より輸入される機械は、輸入地域において規定される安全装置を備えたものでなければならない。輸入地域における権限ある機関が輸入機械に対する必要な安全装置を規定しなかつたときは、かかる機械は、製造国において規定された装置を備えたものでなければならない。
3 できるだけ安全装置は、機械の最初の設計中にこれを取入れなければならない。

第 二 十 一 条

1 特に大きい港について、且つ船渠に停泊すると、ブイに停泊すると又投錨地に停泊するとを問わず、船舶の荷積又は荷卸のため新らしい機械が設置されるときは、千九百三十二年の災害保護(仲仕)条約(改正)の規定を属地に適用するため考慮を払わなければならない。
2 港を有する属地につき責任を有する国で千九百三十二年の災害保護(仲仕)条約(改正)を未だ批准しないものは、右の条約を批准するの望ましいことに考慮を払わなければならない。

第 二 十 二 条

 できる限り速かに、千キログラム(一メートルトン)以上の重包装貨物又は物品であつて海又は内地水路により運送するため一領域内において発送されるものについて、これを船舶に積込むに先だちその総重量を包装貨物又は物品に明瞭に且つ耐久的に標示することを要求する規定を設けなければならない。

第 二 十 三 条

1 災害又は疾病を予防するために最も適当な安全方法の採択を確保するため、
 (a) すべての災害を権限ある機関に届出ることを要し、且つ権限ある機関が任命する監督官の重要な職務の一つは、災害特に重大又は反覆的な性質の災害を調査し、以ていかなる方法で災害を防止することができるかを確めることでなければならない。
 (b) 監督官は、保健及び安全の最良の基準に関し使用者及び労働者の団体に通知し、且つ助言しなければならない。
 (c) 監督官は、個人的注意、安全方法及び安全設備の完全化を促進するため、使用者、管理的職員及び労働者の協力を奨励しなければならない。
 (d) 監督官は、企業の内部の設備に関する技術的方法の組織的調査により、保健及び安全問題の特別調査により、並びにその他の方法により、保健及び安全の措置の改善及び完全化を促進するため努力しなければならない。
2 監督機関とは完全に独立して、災害保険及び予防のための特別の機関をもつことが望ましいと認められる領域においては、かかる機関の特別の職員は、前記の諸原則によりこれを指導しなければならない。

第 九 部 弘報

第 二 十 四 条

 権限ある機関は、労働者及びその家族並びに使用者の参考のため、前諸条及び千九百四十四年の属地社会政策勧告の諸条に従い採択された措置の性質及び意味を広く知らしめることにつき責任を負わなければならない。労働者及び使用者の団体(かかる団体が存在するときは)は、この弘報のための経路としてこれを利用しなければならない。実行し得る場合には、かかる弘報は、地方語を以てこれを利用し得るものとしなければならない。

第十部 定義及び適用範囲

第二十五条

 この附録において、
(a) 「農業的企業」とは、当該企業の農産物の保存及び発送のためその企業において行われる作業を包含するようこれを定義することができる。尤もこの作業を工業的企業の一部として分類することが望ましい場合は、この限りではない。
(b) 「商業的企業」とは、次のものを包含する。
 (i)  商業的設備及び事務所(すべての種類の物品又はサーヴイスの販売、購買、分配、保険、譲渡、貸借又は管理に全部的に又は主として従事する設備を含む。)
 (ii)  特に老令者、不具者、病者、貧窮者又は精神不適者の治療又は看護のための設備
 (iii) 旅館、料理店、下宿屋、クラブ、カフエー及びその他の飲食店
 (iv)  劇場及び公衆娯楽場
 (v)  上記(i)、(ii)、(iii)及び(iv)号に掲げられるものに性質上類似する設備
(c) 「工業的企業」とは、次のものを包含する。
 (i)  物品の製造、改造、浄洗、修理、装飾、仕上、販売のためにする仕立、破壊若しくは解体を為し又は材料の変造を為す企業(造船、電気の発生、変更又は伝導、ガス又は各種動力の発生又は分配、水の浄化又は分配並びに暖房に従事する企業を含む。)
 (ii)  次の一若しくは二以上の建設、改造、保存、修理、変更又は解体に従事する企業。即ち、建物、鉄道、軌道、空港、港、船渠、棧橋、洪水又は沿岸侵蝕に対する防護工作物、運河、内地水路、海又は空路による航行のための工作物、道路、隧道、橋梁、陸橋、下水道、排水道、井、灌漑若しくは排水のための工作物、電気通信装置、電気又はガスの発生又は分配のための工作物、配管、水道及びその他の類似の工事又はかかる工作物若しくは建設物の準備又は基礎工事に従事する企業
 (iii) 鉱山業、石切業その他土地より鉱物を採取する事業
 (iv)  人力による運送を除き、旅客又は貨物の運送に従事する企業。尤もかかる企業が農業的又は商業的企業の運営の一部として認められる場合は、この限りではない。
(d) 「農業的企業」、「商業的企業」及び「工業的企業」は、公私の両企業を含む。

第二十六条

 権限ある機関は、企業又は船舶であつてその性質及び大きさからして充分な監督を行うことができないものを、この附録のこの部の規定の適用より除外することができる。

 



最終更新日:2005年8月2日 作成者:MI 責任者:MH