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ILOジャーナル2001年9・10月号目次
▼ 第90回ILO総会議題紹介:労働災害と職業病の記録と届出
▼ 反人種主義世界会議(ダーバン・2001年8月31日〜9月7日)
▼ 国連/世銀/ILO若者雇用ネットワーク
▼ ミャンマー・ハイレベル・ミッション
▼ EU/ILO協力協定締結
▼ 西・中央アフリカの児童売買
▼ 児童労働ブリーフィング(東京・2001年8月7日)
▼ 特集:ILO労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン(ILO/OSH
2001)(ILO本部労働安全衛生・環境国際重点計画 町田静治)
▼ フォーラム案内:世界雇用フォーラム(ジュネーブ・11月1〜3日)/ディーセント・ワーク・ジェンダー・フォーラム(東京・11月10日)/ILO世界雇用報告2001年版フォーラム(東京・11月14日)
▼ 2001年9・10・11月の主な会議日程
▼ ILOの現勢(2001年9月1日現在)
▼ ILO人事ニュース
▼ 論文概要紹介:2000年版インターナショナル・レイバー・レビュー総目次
▼ 新刊紹介
ILOジャーナル2001年9・10月号
| 2002年のILO総会では、1964年に採択された業務災害給付条約(第121号)付表I「職業病一覧表」の改訂を含む労働災害と職業病の記録と届出に関する基準設定に向けて、一回討議で審議が行われる。議題報告書の要旨を以下に紹介する。 |
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毎年世界全体で、業務に関連し、約120万人が死亡し、2億5,000万件の事故が起こり、1億6,000万件の疾病が発生する。これは労働者とその家族の生活を困窮化させ、労働条件を改善しようとの試みに打撃を与える。また、生産性や生産能力の低下等によって企業や社会全体に大きな経済損失をもたらし、補償、医療費、物損、収入の喪失、交代要員の訓練といった直接的・間接的コストは世界全体で国内総生産(GDP)の約4%に達する。必要な予防措置を理解し、このような状況を改善するためには、情報が必要である。
業務上の事故と疾病の国内機関への届出義務を定める規定を備える国は複数ある。届出制度は通常、全国的な労働者補償制度あるいは権限当局への報告要件のいずれかとリンクしている。全国機関に届け出るべき業務上の事故の性格と範囲は、主として対象となっている産業部門、労働者集団、企業規模や、通勤災害または交通事故がカバーされるかどうかによって異なる。
業務上の事故と負傷の定義は国によって大きく異なり、定義のない国もあれば、暴力行為や突然のまたは予期せぬ出来事も明確に含んだ定義が確立されている国(米国等)もある。業務上の死亡事故はほとんど常に記録され、データも信頼性が高い。ただし、「死亡」の解釈については、事故直後の死亡でなくては業務上と認定されない国もあれば、事故から死亡までの時間的な制約がない国(ドイツ等)もある。死亡事故以外の業務上の事故及び負傷の届出義務に関しては、しばしば欠勤日数が用いられ、チェコ等では1日、オーストラリアでは5日以上の欠勤を伴う事故は届出義務が生じる。
届出の際には、主として、事故発生の日時、場所、負傷の種類について記載が求められる。たいていの国では被災者の職業に関する情報も求められる。日本のように所定届出様式が備わっている国もあれば、届出事項が明示されているだけの国もある。日本等では通勤途上の事故は届出義務がないが、ベルギー等のように必要な国もある。ドミニカ等では使用者が交通手段を提供した場合に限り、通勤時の事故の届出が必要になる。ボツワナ等では、使用者は一定の危険な出来事を記録し、行政機関に届け出るよう定められている。
疾病は潜伏期間が長い場合や原因が複雑に絡み合っている場合があるため、原因の確定は難しい。何らかの点で職業または労働条件と関連があると考えられる疾病は多様にある。ILOは「労働安全衛生事典第3版」で、@職業に起因する疾病を職業病、A仕事によって悪化する疾病あるいはある労働条件を理由として発症率が高くなる疾病を作業関連疾病として、仕事と関わりのない疾病と区別するが、職業病と作業関連疾病の境界線は非常に薄く、常に論議の的となってきた。多くの国が職業病の一覧を定めているが、幅広い定義を用いる国もある。
労働統計条約(第160号)を含む約20の条約と勧告が労働災害と職業病の統計編纂を奨励するが、記録と届出に言及する基準は、中央監督機関の発行する年次報告書に労働災害と職業病の統計も含むよう定める労働監督条約(第81号)、労働災害と職業病の届出及び年次統計の作成に関する手続きを漸進的に設立し、適用することを権限ある機関に求める労働安全衛生条約(第155号)などごく一部である。法的拘束力はないが、1998年に発行された「労働者の健康サーベイランスのための技術・倫理ガイドライン」には、労働災害及び職業病の記録と届出に不可欠な労働者の健康サーベイランス計画の設計、確立、実施、管理に関する勧告が含まれる。国際労働統計家会議も、これまでに事故分類、度数率、強度数、業務上の負傷データの分類方式等に関する決議等を採択し、労働災害と職業病に関する統計の基礎的ルールを定めている。
第121号条約は、権限ある当局に対し、補償給付を支給する対象となる、業務に起因する事故及び職業病の規定を求める。ILOは第121号条約に付表Iとして職業病と広く認められる一般的な疾病を列挙することによって業務に起因する疾病の確定という難しい課題に対処する。
ある疾病が職業に直接起因することを証明するのは非常に難しい。第121号条約を補足する同名の第121号勧告は、(所定の条件の下では、)「反証がない限り、職業に起因すると推定すべき」と定める(6項2)。職業病患者に給付請求権を与える法体系は国によって異なり、多くの場合、職業病の定義は、労働に係わる事故と共に基本的な労働安全法に規定されている。第121号条約は、批准国は、@第121号条約付表Iの疾病を含む職業病の一覧を法令で定めること、A第121号条約付表Iの疾病を含み得る程度に十分包括的な職業病の一般的定義を法令に含むこと、B@に従った疾病一覧と、それを補足する一般的定義あるいは列記されていない疾病もしくは所定の条件と異なる条件の下に発生する疾病についてそれが業務に起因することを確定するための規定を法令で定めることとしている。表方式は一定の職業病しかカバーしない欠点があり、一般的定義方式は理論的にはあらゆる職業病をカバーするが労働に起因することの立証責任を被害者に課す。そこで、両者の利点を組み合わせた混合方式が多くの国で用いられている。
技術進歩に伴い新しい物質が導入され、新たな危険要因が確認されている。雇用形態やリスク形態も変化し、ストレスのような新しい問題が登場してきた。職業病の一覧を改訂しない国はなく、多くは定期的な更新制度を備える。
1987年のILO欧州地域会議では、付表再改正の必要性を強調する決議が採択され、ILOは1991年に付表の改正に関する非公式協議会を開いた。協議会は、付表Iに含むべき新しい疾病等を検討し、職業病と健康障害に関する包括的な表を提案した。1994年に開かれた業務上の事故と職業病の記録と届出に関する専門家会議は、非公式協議会が提案した職業病一覧を取り入れた「労働災害及び職業病の記録と届出に関する実施基準」を採択し、各国が職業病一覧を見直し、設定する際に、この表を考慮に入れるよう勧奨した。実施基準は、企業における事故及び疾病の記録と国の統計データ編纂の際の有益な手引きとなろう。
業務上の事故と職業病の記録と届出の制度は国によって大きく異なる。業務上の事故と職業病の原因を理解し、必要な予防措置を確定するにはその性質、状況、規模に関する正確な情報が求められ、対象となる労働者、活動、企業の種類、報告・届出の必要がある事故及び職業病の種類に一貫性をもたせる必要がある。しかし、現行の国際労働基準は報告と届出の限られた側面しか扱っておらず、そのような必要性に十分に対応していない。
現下のニーズに応える新しい文書の開発、あるいは既存文書の改善方法の検討に際しては、企業、国内、国際レベルで求められる行動の主な要素を考慮に入れる必要がある。企業レベルでは十分に定義された適切な手続きを確立し、労働者には業務上の事故と職業病の報告責任を、使用者には記録・届出責任を分担させる措置を講じなくてはならない。業務上の事故と職業病の届出手続きの統一化、各国がそれぞれに更新し、維持できるような職業病の標準表、技術開発のスピードや疾病原因に関する理解の進展といった動きに応え得る柔軟性も求められる。
第121号条約には、「ILO総会は、付表Iの改正に関する問題が議事日程に含められている会期において、3分の2以上の多数決による議決で、その改正を採択することができる」と規定され(第31条)、既に、1980年にこれに従って一度改正されている。改正後に認定され、各国の補償制度に取り入れられた職業病の数が激増したため、再改正の必要があるのは明らかである。新しい動きに迅速に対処できる、より簡便なメカニズムとして、@1991年の非公式協議会で提案された職業病一覧を独立した勧告に付属させる、A勧告に付属した表を専門家会合あるいはその他理事会が承認する方法で定期的に見直し、更新する、B理事会の承認を経て、改正された職業病一覧が勧告に付属された職業病一覧に置き換わるという新たな手続きが提案される。このような定期更新メカニズムには、全加盟国から補償、記録、届出用に認定された疾病に関する情報を体系的に収集すること、そして、入手された情報を吟味し、表の改正を提案する専門家会合を随時招集することを含むこともできよう。予防的な目的で、業務に起因する疑いのある疾病も含む必要があると考えられる場合には、第2の表を作成し、同じメカ
ニズムを用いて定期的に更新することも考えられる。
理事会は、新文書について、@第155号条約の付属議定書とA独立した勧告の形式を取ることを提案する。第155号条約付属議定書は、国内レベルでの記録・届出制度の確立、国際比較・分析可能な業務上の事故と職業病に関する国内統計の公表を規定し、独立した勧告は、記録・届出制度実施の際のガイドとして用いられるILO実施基準に言及し、付属される職業病一覧の更新に向けた柔軟なメカニズムを規定するものとする。
議題資料には、業務上の事故と職業病の記録と届出に関するILO実施基準の目次、1980年に改正された第121号条約付表I職業病一覧、1991年の非公式協議会で採択された職業病一覧案も含まれる。議題資料の原文は、ILOのウェブサイトに掲載されている。
8月31日〜9月7日の日程でダーバン(南アフリカ)で開催された国連の反人種主義世界会議に、ILOは外国人労働者、先住民族、差別、ジェンダー問題の分野で準備段階から積極的に関与した。
働く世界の問題も扱ったこの世界会議は、ILOの使命とも深く関連する。ILOが21世紀の目標とするディーセント・ワークの推進は、全ての男女労働者が人種的な偏見による障害なく、差別待遇を受けずに、尊厳と安全を確保され、生産的な活動に従事できることをめざす。ILOの差別待遇(雇用及び職業)条約(第111号)は人種、肌の色、性、宗教、政治的見解、国民的出自、社会的出身に基づく差別撤廃の原則を含む主要な文書である。外国人労働者、先住民族、児童労働に関する国際労働基準も人種差別撤廃に関わるものである。1998年に採択された労働の基本的原則・権利宣言は、雇用・職業上の差別撤廃を明記し、第111号条約の未批准国にも、この原則の尊重を求めている。
このような深い関わりに鑑み、ILOは事務局内に部局を横断した世界会議作業グループを設置し、準備段階から積極的な役割を演じ、世界各地で開かれた準備会合、国連人権高等弁務官主催の専門家セミナー、準備委員会に出席し、国連人権委員会や国連総会の審議にも関与した。人権委員会等へコメントを提出するとともに、複数の研究やプロジェクトを実施した。
ダーバンの会議にはILO理事会より政労使三者構成の代表団が出席した。ILOは国際移住機関(IOM)、国連人権高等弁務官事務所と共同で、移民労働者、難民、その他の外国人に対する差別、搾取、排斥の現状を概説した文書を会議に提出し、人々の注意を喚起した。労働者と働く世界に影響する人種主義についてILOが提案した事項は、会議で採択された宣言と行動計画にもかなり盛り込まれた。行動計画には、第111号条約、移民労働者改正条約(第97号)、最低年齢条約(第138号)、最悪の形態の児童労働条約(第182号)、移民労働者(補足規定)条約(第143号)、先住民条約(第169号)の批准を求める文言が含まれ、ILOは働く世界における人種主義、人種差別、外国人排斥、その他関連する不寛容の撲滅に向けた活動と計画を実施し、この分野で政府、使用者団体、労働組合を支援するよう求められた。
アナン国連事務総長は、2000年の国連ミレニアム・サミットに提出した事務総長報告で、ILO及び世界銀行と協力し、若者の失業問題に取り組むネットワークの形成を発表した。ネットワークは、@事務総長が今年の第56回国連総会に提出する若者の失業問題に関する勧告を策定し、A好事例と過去の教訓に関する情報を広め、B若者の雇用に関する協力活動を確定することを目的とする。勧告には、若者の雇用を包括的な雇用政策に組み込むこと、若者の雇用イニシアチブを強力な機構でバックアップすること、全ての少年少女に質の高い教育を受ける権利を確保すること、急成長するサービス部門によって開かれた新しい機会を探求すること等が含まれる予定である。
7月16〜17日にジュネーブのILO本部で開かれたネットワークの会合では、提出された構想文書をもとに、アナン事務総長、ウォルフェンソン世銀総裁、ソマビアILO事務局長が、ビル・ジョーダン国際自由労連(ICFTU)書記長、セサル・アリエルタ国際使用者連盟(IOE)代表(テレフォニカ代表取締役社長)をはじめ、若者を含む市民社会、政策策定に携わる人々、経済界の最も創造的なリーダー12名からなるハイレベル・パネルと、@の勧告案の検討を行った。会合の中で、アナン事務総長はILOにネットワークの主導機関になるよう要請した。会合で集約された勧告案は、8月にダカールで開かれた国連世界ユース・フォーラムに提出され、検討された。
ILOはこの問題に、若者の雇用促進に係わる基準、政策文書、1998年の総会で採択された決議等を考慮に入れながら、ディーセント・ワークの達成を目標に取り組んでいる。調査研究や分析活動に加え、専門家等との運営ネットワークの構築も試みている。関連刊行物には、「若者の失業と雇用政策に関する国際展望」、「若者の雇用問題についての使用者ガイド」、「ディーセント・ワーク:若者と労働組合の共通目標」といったものがある。
今年5月にミャンマー政府と達成された合意に基づき、ILOは同国が審査委員会の勧告に従い、強制労働条約(第29号)履行確保に向けた一連の措置を実施しているかどうかを評価するハイレベル・ミッションを同国に派遣した。ミッションは、ニニアン・スティーブン元オーストラリア総督(団長)、ニエベス・ロルダン=コンフェソル元フィリピン労働・雇用長官(副団長)、クラティラカ・A・P・ラナシンゲ元スリランカ最高裁判所長官、ジャージー・マカルチク欧州人権裁判所判事の4名から構成され、9月中旬から3週間にわたり、ミャンマー国内各地を回り、審査委員会の勧告に対応した各種行政、立法措置の実施状況とその実際の影響を評価している。ミッションの報告書は11月の理事会に提出される。
去る5月14日、ILOと欧州連合(EU)は、労働基準、雇用、社会対話等幅広い分野における協力関係の強化をめざした文書の交換を行った。優先協力分野には、労働基準の推進、雇用促進、社会対話、EU拡大の社会的側面、社会的保護、開発協力があげられる。
ILOと欧州委員会は、1958年に最初の協定を結んで以来、様々な分野で協力関係を確立している。技術会合、雇用と社会政策に関する意見交換が定期的に行われ、欧州委員会はILOの数々の技術協力プロジェクトを支援してきた。委員会は、労働の基本的原則・権利宣言を背景に、基本的労働基準の推進に向けたILOの努力を強く支援し、2000年には、加盟諸国に対し、最悪の形態の児童労働条約(第182号)の批准を求める勧告を出している。
| ILOの児童労働撲滅国際計画(IPEC)は1999年10月、米国労働局の資金援助による「西・中央アフリカにおける労働搾取を目的とした児童売買をなくそう」と題するプロジェクトを開始した。このたび刊行された対象9カ国(ベニン、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボアール、ガボン、ガーナ、マリ、ナイジェリア、トーゴ)の児童売買に関する調査結果(子どもや関係者へのインタビュー調査を含む)は、国境を越えて蔓延しつつある子どもの人身売買の実態を報告する。以下、その一部を紹介する。 |
搾取する目的で仲介者を通して子どもを取り引きすることを人身売買(trafficking)と定義し、金銭の受け渡しの有無は問わない。親や親戚などが仲介者に子どもを引き渡すケースが多いが、子どもが直接仲介者と交渉することもある。具体的には以下の六つに分類される。
子どもたちの家庭は貧しい小作農であったり、子どもの数の多い大家族であったり、片親であったり、両親がほとんど教育を受けていなかったりと、何らかの問題を抱えており、窮状を打破するために子どもを働かせる親が多い。仲介者も国際的な組織をもつものから、自分の出身村の子どもに声をかけて町に連れ出し、家事使用人として働かせるよう斡旋している個人まで、さまざまである。
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| 児童労働、人身売買の主な要因は貧困 |
対象9カ国内では、カメルーン、コートジボアール、ガボンの3カ国が典型的な受入国で、マリは送出国である。ベニン、ブルキナファソ、ガーナ、ナイジェリア、トーゴはどちらにも属する。
児童売買の全体像を示す正確な統計資料はないが、問題がどの程度広がっているのかを示す報告はいくつか出されている。ベニンの調査報告は、人身売買された子どもの数を、1995年は117人、96年は413人、97年は802人、98年は1,059人、99年は670人と推計している。ナイジェリアの調査報告によると、1996年に4,000人の子どもが近隣諸国からナイジェリアに人身売買されてきたとされる。また、1998年の推計によると、マリ人の子ども1万人〜1万5千人が、コートジボアールのプランテーションで働いていると思われる。しかし人身売買された子どもの割合は不明である。
他方、この地域では出稼ぎが日常的に行われ、親と一緒に移動して働く子どもも多数みられる。さらに一族のつながりが強く、比較的余裕のある親族が子どもを引きとって学校に通わせることが一般的で、親元を離れて暮らす子どもが多い。娘を家事使用人として働きに出すことを結婚の準備とみなす傾向も根強い。また周辺の政情不安定な国々から逃れてくる子どもも多く、こうした様々な状況が児童売買を後押しすると同時に、売買された子どもとそうでない子どもとの区別をつきにくくしている。
一般に女の子は家事使用人や路上の物売り、男の子はプランテーション、建設工事、鉱山で働かされる。性産業には女の子も男の子も見られる。月給はカメルーンの2.8ドルからガボンの63ドルまで幅があり、ただ働きの場合もある。ナイジェリアの報告によれば、売買された子どもの5人に1人が病気や事故で死亡する。悲惨な労働条件、悪待遇、病気は子どもたちを犯罪や薬物に走らせる。
売買される子どもたちの大半は、教育水準が低く、子どもが5人以上いる農村家庭の出身である。人身売買の風習の根幹には、貧困があるが、家族の崩壊も一つの原因となっており、一夫多妻の家族における妻同士の対立、母親の死が子どもの売買につながることもある。
対象9カ国の政府は児童売買をなくすことに意欲を示しており、行動計画を策定した政府もある。例えばカメルーン政府は、1998年に貧困撲滅戦略を公表し、翌99年には社会保障制度改革、2000年には無償の基礎教育を提供することを大統領が公約するなど、具体的な行動を起こしている。NGOも活発に活動しており、政府と協力してこの問題に取り組むことが期待されている。
報告書の全文、その他児童労働に関する各種の情報はILOのウェブサイトに掲載されている。
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| 右から野口氏、堀内ILO駐日代表 |
去る8月7日、ジュネーブのILO本部に勤務し、児童労働撲滅国際計画(IPEC)に所属する野口好恵職員の一時帰国に合わせ、東京・渋谷区の国連大学本部ビルで、ILO東京支局主催の児童労働関連基準に関するブリーフィングが開催された。野口職員からILOの最低年齢条約(第138号)と最悪の形態の児童労働条約(第182号条約)の内容、条約の適用と監視のシステムに関する詳しい説明を受けた後、会場からは児童労働と貿易制裁等、専門的な質問が相次ぎ、活発な意見交換が繰り広げられた。
((特集))ILO労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン
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1990年代から、世界各国で多くの企業が国際標準化機構(ISO)品質マネジメントシステム(ISO9000シリーズ)及び環境マネジメントシステム(ISO14000シリーズ)を導入してきている。労働安全衛生の分野でも、体系的に安全衛生管理を進めるマネジメントシステムの有効性が認識されており、イギリス安全衛生庁(HSE)では1980年代から、労働安全衛生マネジメントシステム(OSH−MS)の活用を推進するなど多くの国々で導入が推進されてきた。
こうした中、労働安全衛生マネジメントシステムのISOによる標準化に関するワークショップが1996年に開催された。このワークショップではISOによる標準化より政労使三者構成のILOによる国際文書の策定が望ましいとする意見が大勢を占めた。これを受けて、ILOは1998年に各国でのOSH−MSの取り組みについて調査を行い、ILOガイドラインの素案を策定した。
この素案は様々な形で行われた協議を経て改定され、2001年2月に最終原案として各国に提示された。そして、2001年4月に開催された三者構成専門家会議で採択され、6月のILO理事会により出版が承認された。
ガイドラインは、現在、最終編集作業中で、10月中に出版予定であるが、理事会に提出されたものは専門家会議報告書と共にILOのホームページに載っている。
また、中央労働災害防止協会が日本語版を出版することになっている。
ILOのOSH−MSガイドラインは多くの既存のマネジメントシステムに関する標準やガイドラインとの整合性を持っており、企業における経営戦略の重要要素として安全衛生を体系的に推進するための国際的モデルを提供する。ILOガイドラインは三者構成主義や国際労働基準(条約・勧告)等にみられるILOの価値観を反映したものとなっており、その実施に際して労働安全衛生条約(第155号)、化学物質条約(第170号)、大規模産業災害防止条約(第174号)を始めとする関係国際文書の参照が望まれる。
ガイドラインは、第1章「目的」、第2章「国のOSH−MS推進のための枠組み」、第3章「事業場のOSH−MS」の3章からなっており、これらの概要は以下の通りである。
第1章では「危険有害要因及びリスクからの労働者の保護や労働災害の根絶等に寄与すること」、「国レベルでのOSH−MSの枠組みの確立に使用されること」、「事業場のOSH−MSの各要素についての手引きを提供すること」などが目的として明示されている。
第2章ではOSH−MS推進の中心となる権限ある機関の指定、政労使三者協議に基づく国の方針(national
policy)の策定、国レベルでの枠組みの構築をあげている。国の方針策定にあたっては、
などの点を考慮すべきとしている。
また、国レベルの枠組みとして、
などをあげている。
ILOガイドライン、国のガイドライン、業種別・規模別等のガイドラインと事業場でのOSH−MSの構築の関係は左の図のようになっている。
第3章では、事業場におけるOSH−MSの要素を示し、その構築と実施について述べる。まず、前文で労働安全衛生の確保は、使用者の責任であり、使用者は、事業場における安全衛生活動に強力なリーダーシップを示すと共に、OSH−MS確立のための適切な仕組みづくりを行うべきことを強調する。このILOガイドラインの示すOSH−MSは、既存の多くのマネジメントシステムと同様に「計画・実施・評価・改善(PDCA)」を基本概念としており、要素として以下のものを含んでいる。
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重要な点として安全衛生方針の策定から継続的改善に至るまで主要要素における労働者の積極的参加を推奨していることがあげられる。
ILOガイドラインの採択を受けて、既に多くの国々で国のガイドラインの策定、既存の標準・ガイドラインの改定などの作業が進められている。例えば、ドイツでは9月に三者構成のOSH−MSに関する委員会を設置し、2002年半ばまでに国の枠組み策定を予定、イギリスではBS8800の改定、ポーランド・中国・韓国では国のOSH−MSガイドラインの改定作業が開始されている。さらに、メキシコ・ブラジル・フィリピン・タイなどの国々はILOに、国のOSH−MSガイドライン及び枠組みの策定に対しての支援を求めてきている。ILOは、これらの国々を始め、多くの国でILOガイドラインが実状に応じて適用されるよう様々な活動を行う予定である。
| 各種ガイドラインと事業場におけるOSH−MS構築の関係ILOのOSH−MSガイドライン国のOSH−MSガイドライン業種別・規模別のOSH−MSガイドライン事業場のOSH−MS |
フォーラム案内 | |||||||||||||||||||||||||||
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9・10・11月には、次の会議の開催が予定されている。
▼変化する林業・木材産業の社会及び労働的側面に関する三者構成会議(ジュネーブ・9月17〜21日)−オーストリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コートジボワール、コンゴ民主共和国、エストニア、フィンランド、ガーナ、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、英国、米国の20カ国政府代表、労使各20名が参加し、ILOの準備した討議資料をもとに、林業・木材産業における構造調整、グローバル化、移転の動向、環境面に関する意見交換を行い、各国政府、労使団体、ILOが取るべき行動提案を含む結論、討議報告書、決議の採択をめざし、その社会・労働に対する影響を論じ合う。
▼国連システムへの労働者の参加とブレトンウッズ諸機関への影響の強化に向けた国際シンポジウム(ジュネーブ・9月24〜28日)−@グローバル化の影響と国際貿易金融政策への社会的側面の必要性、Aブレトンウッズ諸機関、世界貿易機関(WTO)、国連貿易開発会議(UNCTAD)の使命、進化、役割、政策の検証、B国際、地域、各国レベルでのブレトンウッズ諸機関及び国連の経済政策の影響、C国連及びブレトンウッズ諸機関の政策策定に影響を与える労働組合戦略の分析と評価、D国連及びブレトンウッズ諸機関による国際労働基準の遵守促進を確保するため、国連システム内、ブレトンウッズ諸機関、そして個別政府との社会対話に参加する労働組合の能力向上に向けて考えられる戦略措置と行動計画について、世界各地の30の労働組合の代表が話し合う。
▼衣料産業の競争力、生産性、雇用の質南アジア小地域会合(カトマンズ・9月25〜26日)−バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカの労働担当省庁及び産業担当省庁の代表が出席し、@2005年の多国間繊維取り決めの終結に伴う数量割当制の撤廃によって衣料業界が直面している課題についての話し合い、Aこの課題が雇用の質に与える悪影響を最小限にする戦略の策定、B生産性と競争力を改善する戦略の設計をめざす。
▼職場のセクシュアル・ハラスメント対策アジア太平洋地域三者構成セミナー(ペナン・10月2〜4日)−日本政府の任意資金拠出事業のひとつとして、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナムの15カ国の政労使代表が出席し、@フォーマル・セクター並びにインフォーマル・セクターの職場における効果的なセクシュアル・ハラスメント対策について政労使その他関係者の経験交流、啓発を行い、Aセクシュアル・ハラスメントに対する地域及び国内イニシアチブを強化することをめざす。
▼職場における障害の管理に関する三者構成専門家会議(ジュネーブ・10月3〜12日)−オーストラリア、カナダ、チリ、中国、ドミニカ共和国、フィンランド、フランス、ハンガリー、南アフリカの9カ国政府代表、労使各9名の専門家が集い、職場における障害関連問題の管理に関する実施基準の事務局案を検討し、必要であれば改正し、最終版の採択に向けて話し合う。
▼労働及び性的搾取のための子どもの人身売買アジア地域会合(マニラ・10月10〜12日)−日本政府の任意資金拠出事業のひとつとして、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、日本、ラオス、モンゴル、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナムの14カ国の政労使が出席し、@子どもの人身売買をなくすための政策の策定、行動の実行に関するアジア諸国の経験交流、Aアジア太平洋地域における子どもと女性の人身売買に関し、達成された進歩、良い慣行、得られた教訓に関する意識向上、Bこれに関するILO内の関連情報の確定、小地域及び地域間協力の推進、C域内で活発に活動する国際・国内NGO、国内NGOを含む国内、小地域、地域パートナーの幅広い提携の推進に向けて話し合う。
▼分権化と民営化が地方公務部門に与える影響に関する合同会議(ジュネーブ・10月15〜19日)−ベニン、チリ、エクアドル、エジプト、フィンランド、ハンガリー、イタリア、日本、韓国、ラトビア、ナミビア、パプアニューギニア、フィリピン、ロシア、トーゴ、英国、ベネズエラ、ジンバブエの18カ国の政府代表、民間使用者代表7名、労働者代表25名が出席し、ILOの準備した討議資料をもとに、分権化と民営化が地方公務部門に与える影響に関する意見交換を行い、各国政府、労使団体、ILOが取るべき行動提案を含む結論、討議報告書、決議の採択をめざし、話し合う。
▼労働統計専門家会議(ジュネーブ・10月22〜31日)−2003年に開催予定の第17回国際労働統計家会議に提出される消費者物価指数決議に向けたガイドライン作成を目的に、@消費者物価指数とA家計収支統計について、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、アイスランド、イスラエル、モーリシャス、メキシコ、モロッコ、ポーランド、シンガポール、スイス、英国、米国の14カ国政府、労使代表各7名の専門家が話し合う。
▼輸出加工区の社会対話南アジア小地域会合(チェンナイ・10月31日〜11月2日)−バングラデシュ、インド、パキスタン、スリランカの4カ国より労働担当省庁及び輸出加工区担当省庁代表、労使代表が出席し、@結社の自由と団体交渉の推進に向け、社会対話の潜在力に対する啓発、A国際労働基準の推進と安定した労使関係の確保に向け、輸出加工区で実施された活動の検証、B輸出加工区における労働組合組織への障壁の確定、C輸出加工区の女性労働者の問題の懸念事項の検証、D輸出加工区における国際労働基準と健全な労使関係の推進と向けた戦略設計をめざして話し合う。
▼第282回ILO理事会とその委員会(ジュネーブ・11月1〜16日)
▼所得移転と労働義務との連結地域間ワークショップ(ジュネーブ・11月15〜16日)
▼原石研磨産業の雇用・労働条件地域間三者構成ワークショップ(バンコク・11月20〜22日)
▼人間の安全保障調査計画技術評価地域間専門家会議(ジュネーブ・11月26〜28日)
▼条約勧告適用専門家委員会(ジュネーブ・11月22日〜12月7日)−加盟国から提出された条約批准状況を審査する委員会の定期会合
▼グローバル・コンパクト・アジア地域使用者会議(バンコク・11月27〜28日)
| 加盟国数・・・・・・・・・・・・・・・・ | 175 |
| 条約の数・・・・・・・・・・・・・・・・ | 184(うち、撤回5) |
| 勧告の数・・・・・・・・・・・・・・・・ | 192 |
| 加盟国の平均批准数・・・・・・・ | ・40 |
| OECD諸国の平均批准数・・・ | ・67 |
| 日本の批准条約数・・・・・・・・・ | ・45 |
今年5月1日付でフリードリッヒ・バトラー・ブランデンブルク州政府近代化委員会委員長(ドイツ)が、ヘリベルト・シャーレンブロイヒ氏の後任として、ILO欧州・中央アジア総局長に就任。氏は、パデルボーン大学学長、ドイツ連邦雇用庁雇用研究所長、ブランデンブルク州の高等教育・調査研究・文化省長官などを歴任。
厚生労働省の濱田直樹(はまだ・なおき)氏が、アジア太平洋技能開発計画(APSDEP)の主任技術顧問として8月よりバンコクのILOアジア太平洋総局に赴任された。
日本も資金協力を行っているAPSDEPは、アジア太平洋の各国政府をメンバーとする地域計画で、ILOアジア太平洋総局に事務所を置き、ILOの技術支援を受けている。域内各国が効果的な技術・職業教育・訓練システムを樹立できるよう職業訓練に関する情報交換、政策分析・政策レビュー、技術会合・ワークショップの開催、調査研究を行う。
濱田氏は、計画立案、実施、評価、報告など、APSDEPの活動を全般的に担当する。
| 論 文 概 要 紹 介 | |
| インターナショナル・ レイバー・レビュー −2000年版目次紹介− |
1921年創刊の標記定期刊行物は、「論文」、社会労働分野の最新の動きを紹介する「展望」、そして書評、新刊紹介を含む「出版物」の3部構成で、労働関連問題を総合的に扱う論文集であり、年4回発行される(2000年版の年間購読料9,900円、オンライン購読も可)。著者はILO職員及び世界各地の研究者であり、投稿も受け付けている。2000年版に収録された全論文の概要を紹介する。 |
◇1号◇ @新グローバル経済における雇用と労働の概念(オーストラリア、ニュージーランド最高裁判所事務・法廷弁護士G.M. Kelly著)−経済学、哲学、宗教、法学より様々な権威ある文言を引用し、古代ギリシャから中世ヨーロッパ、宗教改革、産業革命、テーラリズムを通じて現代に至る労働の意味を探る。労働の基本的原則と権利、そして完全雇用目標の展望を吟味し、まともなグローバル化と技術変化の必要性を強調する。A団体交渉に関するILO諸原則(ILO結社の自由部長B. Gernigon他著)−労働協約対象範囲の縮小、産業別交渉から企業別交渉への移行といった団体交渉を巡る全世界的な変化の中で、ILOの条約・勧告、基準適用監視機構の各種見解をもとに、団体交渉に関するILO諸原則の解説が行われる。B先進諸国の雇用保護:新たな指標の必要性は本誌昨年9月号に掲載。C給付が失業と賃金に与える影響:失業補償制度比較(ILO職員V. Spiezia著)−失業給付は労働市場に望ましくない影響を与えるとの理論の検証を試み、主要先進国の失業補償制度を吟味する。失業扶助と失業保険を区別すると、前者は失業率を上げ、失業を長期化させる影響があるが、後者は労使の拠出金から構成され、受給資格要件が定められている限り、失業率に与える影響は少ないことを示す。
◇2号◇ 社会政策と社会的保護を特集テーマに、この分野の主な論点を検討し、各種の問題に対する解決策の提示を試みる。@労働と権利(ケンブリッジ大学トリニティー・カレッジ学寮長兼ハーバード大学名誉教授A. Sen著)−ノーベル経済学者の著者が1999年のILO総会で行った演説をもとにしたこの論文では、グローバル化の中で「ディーセント・ワーク(権利が保護され、十分な収入を得、適切な社会的保護が供与された生産的な仕事)」の概念を達成するために不可欠な四つのアプローチ(包括的アプローチ、権利に基づくアプローチ、経済、社会、政治の幅広い文脈からとらえるアプローチ、真にグローバルなアプローチ)を吟味する。A全市民に社会的保護を提供する方法(ILO社会保障局職員R. Beattie著)−特に途上国に焦点を当て、保護範囲、労働のインフォーマル化等の影響、経済・社会・政治要因といった問題を測定する手段を紹介した上で、拠出制度への強制加入対象層の拡大、任意加入の促進、全員給付の導入、資産調査による給付の確立または拡張の難しさを評価し、社会的保護を提供するために実現可能な方法を紹介する。B女性の平等待遇、社会的保護、所得保障(ウォーリック大学上級法学講師L. Luckhaus著)−女性は男性に金銭的に依存し、無報酬労働に従事する割合が高いことから、社会的保護による女性に対する所得保障の提供はあまり成功しているとは言えない。欧州司法裁判所の判例等を吟味し、複数の平等概念を適用することによって著者は差別慣行を明らかにし、社会保障の個人単位化や育児・介護クレジットといった進歩のための選択肢を検証する。C先進国の部分退職と年金政策は本誌昨年10・11月号、「展望」の年金改革論議は同12月号に掲載。
◇3号◇ @児童労働の経済学:測定枠組み(ILO社会保障・経済保障国際重点計画職員R. Anker著)−児童労働には様々な形態があるため、ただ一つの計測方法に依存して推計することの難しさと限界を指摘した後、危険な労働、学校と仕事の両立といった様々な視点から児童労働の経済的側面を測定する概念的枠組みの提供を試み、危険な労働の廃絶は特別の計画で対処し、それ以外は一般の労働計画の枠内で対処するという二つに分けた方法を提案する。A貿易自由化、雇用、国際的不平等は本誌3・4月号、B雇用、賃金体系の将来と日本型モデルは同1・2月号に掲載。C国際雇用契約適用法の変更(ペルピニャン大学私法博士M.-A. Sabirau-Perez著)−主としてフランス法と欧州司法裁判所判例をもとに、契約期間中に準拠法が契約時点から変更になった場合、従業員の通常の勤務地が外国に移転した場合など、準拠法の衝突を伴う国際雇用契約に係わる訴訟の際の管轄決定を分析し、そのような場合のローマ条約の有効性と限界を説く。
◇4号◇ @長期雇用関係の弾力性:先進国からの証拠は本誌5・6月号に掲載。A逆S字曲線:完全な新古典派労働供給関数(ロードアイランド大学経済学部M.
Sharif著)−低賃金労働者の労働供給に関する文献調査をもとに、伝統的な新古典派の制限付き効用極大化枠組みを用い、賃金が非常に低い場合に広く見られる負の供給関数は、一般的に言われる「反抗精神」ではなく、労働力の投げ売りを反映すると論じる。B欧州連合内における労働力移動の実情、利害、今後の展望(カレッジ・オブ・ヨーロッパ教授兼ベルギー連邦労働省国際課顧問F.
Vandamme著)−欧州連合の基本原則の一つは労働力の域内自由移動であるが、複雑な法規制、需要と供給の変化等を理由に、実際には労働力移動がほとんど見られない。欧州共同体の政策対応を紹介した後、著者は真の欧州労働市場の形成を目指し、労働力移動を推進し、その魅力と安全性を高め、反差別政策を強化する行動計画の樹立を提案する。C積極的労働市場政策の設計:効果的なインセンティブの導入(ルーバン・カトリック大学経済学部兼経済社会研究所B.
Cockx著)−失業保険はしばしば依存心を養い、失業の長期化に寄与すると非難される。著者は欧州における失業長期化に関する四つの説明を検証した後、ベルギーの二つの社会就業計画を吟味し、積極的労働市場政策の効率的な設計方法の提示を試みる。
「展望」のジェンダー、女性、その他全て(第1部)は本誌8月号に掲載。