新聞発表概要(全文は英語)
2008年4月発表分
2008年労働安全衛生世界デー(4月28日):世界各地で職場のリスク管理について労働者、使用者、政府を動員するイベント開催(
英語原文)
2008年4月23日(水)発表ILO/08/12
4月28日の労働安全衛生世界デーに際し、ILOは、業務関連の事故と健康障害が人々にもたらす負担と経済的負担の双方を低減するよう、作業環境におけるリスク管理を改めて呼びかけました。世界デーに合わせて発表された小冊子「My life, my work, my safe work: Managing risk in the work environment(マイライフ、マイワーク、マイ・セーフ・ワーク:職場のリスクを管理する・日本労働組合総連合会(連合)訳)」には、危険要因やリスクの確定・予見、影響評価を行い、その制御・低減に向けた積極的な行動を取るリスク管理手法が列挙されています。
毎年、世界全体で220万人が業務に関連した事故や疾病で命を落としていると推計され、この数は増加しているように見られます。また、毎年新たに約1億6,000万人が業務関連の何らかの疾病に罹患し、2億7,000万人余りが業務関連の事故で3日以上仕事を休んでいると推計されます。フアン・ソマビアILO事務局長は、「リスクや危険要因の影響を評価し、発生源で対策を施し、予防文化を推進することによって職場における疾病や負傷を大幅に低減できることを我々は知っている」と唱えています。サミーラ・アルトゥワイリ労働安全衛生・環境計画部長も「健全な労働力は事故や疾病の発生を減らし、保険や補償の請求件数を引き下げることによって、事業の生産性を高めるだけでなく、企業と国家経済の双方に恩恵をもたらす明らかな証拠がある」と語っています。
労働安全衛生路上キャンペーン(モスクワ)、職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)の批准を求める大会の開催(フィリピン)、国際ブックフェアにおける労働安全衛生の重要性広報(ブエノスアイレス)、地元の有名なアーティストによる業務上の安全問題に関するパフォーマンスの上演(エチオピア)など、世界各地で様々なイベントが行われます。
4月28日は1996年から国際自由労連(ICFTU、現・国際労働組合総連合(ITUC))が調整役を務め、世界各地の労働組合運動において死傷した労働者を追悼する日とされていました。2003年にILOはこの日を労働安全衛生世界デーとして、政労使三者の力と社会対話の要素を加えて、仕事に係わる安全と健康を考える日としました。
職場におけるHIV/エイズに対する態度は大幅に好転、企業のHIV/エイズ戦略対応プロジェクト(SHARE)の受益者は今や24カ国約100万人とILO新刊(
英語原文)
2008年4月14日(月)発表ILO/08/11
HIV感染者数は世界全体で3,320万人と推計されますが、その大半が最も生産的な年齢にあり、なおも働き続けており、したがって職場はHIV/エイズに取り組む独特の参入ポイントとなっています。
ILOは2003年から企業レベルでHIV/エイズに取り組む「企業におけるHIV/エイズ戦略対応(SHARE)プロジェクト」を展開しています。SHAREプロジェクトが現在実施されている24カ国650以上の職場の活動をまとめた新刊「Saving lives, protecting jobs(命を救い、仕事を守る・英文)」はHIVに係わる姿勢の変化を追い、職場や各国労働省、労使団体から収集したデータや好事例を紹介しています。報告書は効果的なHIV政策や慣行のおかげで、HIVに感染した職場の同僚を支援する立場を取る人々が大幅に増え、コンドームその他の予防措置の受容も世界的に進んでいる現状を示しています。
報告書は特にベリーズ、ベナン、カンボジア、ガーナ、ガイアナ、トーゴの六つのパイロット国に焦点を当て、HIV/エイズ関連活動と差別禁止政策の影響を測定しています。この6カ国から得られたデータは、HIV感染者に対する姿勢が著しく好転していることを示しています。例えば、ガーナではHIVに感染している同僚を支援する立場を取ると答えた労働者の割合が33%から63%に上昇し、カンボジアではコンドームの利用に積極的な労働者の割合が34%から68%に上昇したことが記録されています。このような変化の一因として、企業におけるHIVサービスへのアクセス向上を挙げることができます。2003年のプロジェクト開始時点では6パイロット国の参加企業のうちHIV方針文書を備えていたのは14%に過ぎなかったのが今では76%に増え、職場用の方針や慣行を立案する際に、ILOの「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」を利用することも増えています。
HIV方針の立案が成功するか否かは労使間の協力にかかっています。プロジェクトが実施されている24カ国中16カ国でHIVと仕事の世界に関し、政労使三者による全国規模の政策または宣言が採択されています。
報告書は14日に、SHAREプロジェクトのパートナーである米国労働省に提出され、引き続き、仕事の世界におけるHIV/エイズ取り組み形態の変化に焦点を当てた一連のキャンペーンが展開される予定です。報告書は、8月にメキシコで開かれる世界エイズ会議にも提出されます。
世界的な景気の減速・後退阻止に向けた新しい多国間コンセンサスを呼びかけ−ILO事務局長(
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2008年4月9日(水)発表ILO/08/10
来る4月12〜13日に開かれる国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春会合に向けた声明の中で、フアン・ソマビアILO事務局長は、金融界における不安定と景気後退によって労働の世界の安定性と進歩が脅かされているとの警告を発し、世界的な景気の減速と後退を阻止する新しい多国間コンセンサスを呼びかけました。
IMFの「世界経済見通し」が2008、09年の世界の経済成長を3.7%と予測したことや、現下の金融危機はもしかすると1945年以来最も深刻とする見解などを引用した上で、ソマビア事務局長は、最大2、3年持続する可能性がある著しい世界的な景気減速の危機を回避し、持続可能な国際成長路線の回復を確保するには各種政策分野を横断した国内外の政策行動の整合性が求められるとし、このためのコンセンサスを形成する上で社会対話と政労使の三者による話し合いというILOのメカニズムは特に重要と訴えました。
また、景気減速に対する財政対応の一つとして、税及び給付制度の再配分的性質の強化を挙げ、国内総生産(GDP)の約4%の予算でささやかな現金児童給付とささやかな年金を組み合わせることによって貧困者数を約4割削減できるとするILOの研究結果を示しました。
事務局長は、IMFと世界銀行の2008年春会合、そしてより幅広い多国間体系の中における国際的な議論の優先事項として、社会と経済の安定のための財政政策、金融市場の国際規制、持続可能な企業育成、気候変動対策の雇用面の四つを挙げ、金融規制改革に関して現在進行中の国際的な議論において、生産的で持続可能な企業に向けた投資インセンティブの構築と不十分な担保に対するハイリスク融資活動抑制措置に配慮するよう呼びかけました。
2008年3月発表分
第301回ILO理事会閉幕:ミャンマー、コロンビア、その他の国々の労働状況を検討し、世界銀行とのつながりの強化を歓迎(
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2008年3月20日(木)発表ILO/08/9
3月6〜20日にジュネーブで開かれた第301回ILO理事会ではミャンマーなどにおける労働者の基本的な権利、包摂的で持続可能なグローバル化の形成に向けた世界銀行との協力強化、昨年秋に開かれたディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と公正なグローバル化に関するILOフォーラムの報告、女性の起業家精神促進、輸出加工区の最新情勢、ベトナムその他の国々における世界雇用戦略実施状況、児童労働や労働安全衛生に関する技術協力活動、国際労働基準の仕組みの推進に向けた戦略、雇用・職業上の差別に関するILOの活動など、幅広い案件が審議されました。
理事会のグローバル化の社会的側面作業部会では、3月17日に世界銀行のロバート・ゼーリック総裁の演説を聴取し、活発な議論を行った上で、世界の金融情勢が経済成長や雇用創出に与えている影響も取り上げ、この流れの中で多国間協力とディーセント・ワークを推進する政策を検討しました。
理事会は2010年のILO総会の議題として、世界で1億人以上と推計される家事労働者のディーセント・ワークの問題を取り上げ、新しい労働基準の策定に向けた話し合いを行うことを決定しました。また、2009年のILO創立90周年に向けて、1919年の創立以来の社会進歩とディーセント・ワーク推進におけるILOの役割を検証する舞台装置を構築する準備が進められていますが、理事会ではその状況を話し合い、国内記念行事案を承認しました。
技術協力における官民協力の方針に関しては、政労使三者と協議の上、官民協力のための運営指針の設定と適用、広報資料の開発と普及を事務局に求める報告書を採択し、今後定期的に官民協力に関する報告を理事会に行うことを求めました。
強制労働が問題になっているミャンマーの状況に関しては、ヤンゴン駐在のILO連絡官の報告書とミャンマー政府常駐代表の声明に基づいて検討し、問題の解決に向けて政府とILOの間で昨年締結された合意文書の1年間の試行期間がさらに12ヵ月間延長されたことを歓迎しつつ、不安なく苦情を申し立てられる自由などといった当初の意図に沿って、この文書が十分に適用されることへの強い期待を表明しました。また、強制労働の禁止を再確認する明確な声明を政府の最高レベルから発することや労働活動家の即時釈放を再度要求すると共に、第29号条約の義務の実施などの点でILOとの協力を強化するよう政府に呼びかけました。
2006年6月1日に政労使代表の間で結社の自由と民主主義に関する三者合意が締結され、合意の実施を円滑化するために国内にILOの常駐代表が置かれ、技術協力計画が展開されているコロンビアに関しては、2007年11月に送られたハイレベル派遣団の報告を受け、社会対話と結社の自由における進展を認めつつも、改善の必要があることを指摘しました。
結社の自由と団結権の順守状況に関し、2004年に審査委員会から勧告が出されたベラルーシに関しては、政府による勧告実施状況が検討され、今年6月に開かれるILO総会で記録されるよう、審査委員会によって明らかにされた問題点の解決に向け、国内政労使が行動を取ることを促しました。
承認された結社の自由委員会の報告書では、コロンビアとミャンマーの案件に特に注意が喚起されました。複数の問題が取り上げられているコロンビアについては特に、大学職員組合が大学の副総長とコロンビア連合自衛軍(AUC)司令官から労働協約再交渉の圧力を受け、脅迫されている案件に関し、委員会は労組指導者の安全確保や問題の速やかな独立調査などを政府に促しました。
2007年のメーデー式典を企画した6人の労働活動家が逮捕され、20〜28年の自由刑を宣告された件が問題になっているミャンマーについて、委員会は処罰が結社の自由と表現の自由という基本的な権利を行使したことに基づいていると結論づけ、釈放に向けて必要な措置を講じるよう政府に促すと共に、労働者を集合的に代表する何らかの形態の組織の自由な機能を妨げる何らかの行為を差し控えるようにとの要求を繰り返しました。
日本については、フォローアップ案件になっている、国労などによる国鉄民営化の際の反組合的差別行為の申し立ての進展状況が報告されました。組合と政府の双方から寄せられた、組合員による採用差別訴訟などの情報に留意した上で、委員会は交渉による解決策を迅速に見出すために当事者が一緒の席に着くことは現時点では不可能に見えるとし、裁判がこの長期にわたる紛争を迅速な解決に導くことへの信頼を示し、裁判所の判決を含み進展状況を通知し続けるよう政府に要請しました。
グローバル化とディーセント・ワーク課題における
ILOとのつながりの強化に言及し、「対話を通じたパートナーシップ」を歓迎−世界銀行総裁(
英語原文)
2008年3月17日(月)発表ILO/08/8
3月17日に、就任後初の国連専門機関における講演としてILO理事会の場で演説した世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は「包摂的で持続可能なグローバル化」の追求において世界銀行とILOのつながりが強まっているとして、環境変化に向けた新しい多国間共同政策の開発を目指している世界銀行の課題は「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」というILOのディーセント・ワーク課題と「極めてうまく接合する」ことを示しました。
技能開発、労働者が変化に適応することへの支援、ジェンダー問題への取り組みの拡充などILOと世界銀行との間には共通の懸念分野が数多く存在し、労働条件向上に向けた「より良い仕事構想」、若年雇用ネットワーク(YEN)、ILOと国連児童基金(ユニセフ)との間で進められている反児童労働プロジェクト、人の移動や小口金融分野における協力など共同で運営しているプロジェクトも複数存在します。包摂的で持続可能なグローバル化のビジョンは煎じ詰めると人々の問題になるとして、総裁は他の国際機関も含み、ILOと世界銀行は「貧困の克服、環境に配慮した成長の推進、個人の機会と希望の創設」を助けるグローバル化の形成に向けた努力を強化すべきと訴えました。
ゼーリック総裁を紹介するに当たり、フアン・ソマビアILO事務局長は世界銀行とILOとの間の協力関係の増大に言及し、「もっと多くのことを一緒にやることができると思う」と述べました。理事会からのコメントとして、労働者側グループのスポークスパーソンは結社の自由の権利を尊重することの重要性を強調し、現下の金融危機が働く人々や貧困問題に与えるであろう影響に対する懸念を表明しました。そして、ILOに与えられた使命である労働基準、社会的保護、社会対話にとって中心的な政策整合性の問題を提起する世界銀行の「ビジネス環境の現状(Doing Business Report)」年次報告書の労働者雇用指標の「大幅な再検討」を促しました。使用者側グループのスポークスパーソンは使用者側グループと世界銀行の密接な関係を挙げ、使用者は職場のすべての人々に保護を提供することを目指し、生産的な雇用と持続可能な企業を促進し、包摂的な労働市場政策を求めているとしました。ビジネス環境の現状年次報告書については、どの地域の使用者もこれを法制枠組み改革に関する対話を開始する際の有用なツールと見なしていることを明らかにしました。
総裁の講演に続き、世界的な信用収縮が2008年の経済展望や雇用創出に与える影響や多国間協力とディーセント・ワークを推進する政策に関する話し合いが行われました。
第301回ILO理事会開幕:ミャンマーの労働情勢、人の移動、差別、結社の自由などについて審議(
英語原文)
2008年3月6日(木)発表ILO/08/7
2008年3月6〜20日の日程でジュネーブで開かれる第301回ILO理事会では、最近ミャンマーを訪れたILO訪問団の報告書をもとにした同国の強制労働問題、幾つかの国の結社の自由問題、コロンビアにおける技術協力や三者合意のフォローアップ状況の審査、結社の自由と団体交渉権、強制・児童労働の廃止、差別撤廃といった基本条約未批准国の動向、ILOの移民労働者関連活動など、幅広い議題が審議されます。
理事会のグローバル化の社会的側面作業部会では、昨年秋に開かれたディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)と公正なグローバル化に関するILOフォーラムの報告書などを審議するほか、3月17日には世界銀行のロバート・ゼーリック総裁による「グローバル化を包摂的にする上での課題」と題する講演が行われる予定です。
社会・雇用政策委員会では、女性の起業家精神育成の促進、輸出加工区の最新情勢、ベトナムその他の国々における世界雇用戦略実施状況、貧困削減戦略文書におけるディーセント・ワーク課題の取扱い、世界社会基金パイロット・プロジェクトの実施状況などが検討されます。
多国籍企業小委員会では、世界各地の企業の社会的責任に係わる活動について最新情報が報告されます。
技術協力委員会では、官民協力に関するILOの方針、労働安全衛生との関わりにおける技術協力活動、児童労働などに関する話し合いが行われます。
部門別・技術会議委員会では、船舶解体・リサイクリングに関する動向などが取り上げられます。
法務・国際労働基準委員会では、国際労働基準の仕組みの推進に向けたILOの戦略に関する議論が継続されるほか、雇用・職業上の差別に係わるILOの活動に関する審議が行われます。
世界の雇用情勢2008年版−女性編:労働市場に参加する女性は増加するも、働く全女性の半数以上が脆弱な雇用に従事(
英語原文)
2008年3月6日(木)発表ILO/08/6
2008年の国際女性の日(3月8日)に際し、ILOは女性の雇用に関する定期刊行物「Global employment trends for women(世界の雇用情勢−女性編・英文)」2008年3月版を発表しました。報告書によれば、この10年間で女性の就業者数は約2億人増えて2007年に過去最高の12億人(男性18億人)に達したものの、同じ期間に失業女性の数も増え、7,020万人から8,160万人(率にして6.4%、男性5.7%)になり、女性は男性よりも、生産性が低く低賃金で、社会的保護も就業上の基本権も職場における発言権も確保されていない「脆弱な雇用(賃金労働や俸給労働ではなく、無給の寄与的な家族従業者または独立自営の労働者)」に従事する傾向が高いとされています。このような女性の割合は1997年の56.1%から51.7%へと減少してはいますが、世界で最も貧しい地域を中心に、脆弱性の負担を多く担っているのは依然として女性です。
フアン・ソマビアILO事務局長は、「世界的に多数の女性が労働力に参加し続けているものの、この進展が世界中の職場に依然として存在する顕著な不公正を隠すことになってはならない」として、女性のディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)の推進を呼びかけています。
豊富な図表を用いて世界及び地域別に労働市場における女性の状況を示す報告書はまた、世界中の労働市場で見られる女性の状況改善も、職場における男女格差を大きく縮小するには至っていないとして、例えば、◇世界全体で経済活動に参加しているのは男性100人に対し、女性は70人未満であり、非労働力に留まる理由はしばしば押しつけられた結果であるため、女性が家庭の外で有償の仕事に従事することが受け入れられるようになれば、女性がそう選択する可能性は高いと考えられること、◇世界全体の就業率(ある経済がそこに属する生産年齢人口の生産潜在力をどれだけ活用できているかを示す指標)は2007年に男性74.3%に対し、女性は49.1%、◇多くの女性に教育の機会が開かれたものの、教育における平等がまだ実現には程遠い地域が複数存在しているといった事実を示しています。この10年で、女性の主な就業先は農業からサービス業へと移行し、2007年の産業別就業比率では、女性の36.1%が農業、46.3%がサービス業に従事しています(男性は34.0%が農業、40.4%がサービス業に従事)。
報告書は、多くの女性にとって脆弱な雇用から賃金・俸給労働に移行することは経済的自由と自己決定に向かう大きな一歩になり得るとして、一例として、過去10年間に経済成長の点で最も成功した地域である東アジアは女性の就業率が最も高い(65.2%)地域でもあり、男女共に失業率は低く、産業別分布でも就業上の地位分布でも男女間の格差が比較的小さいことを示しています。
女性の労働市場への平等な参加機会を高めることに向けた政策は総体的に功を奏し始めているものの、変化の歩みはのろく、依然、相当の格差が存在するとして、報告書は、女性にとっても、経済開発全体にとっても、労働市場の成果を高める上でカギとなる前提条件は、女性の新たな経済的役割を受容する社会の能力と女性を受け入れられるディーセント・ワークを創出できる経済の能力であると唱え、労働市場における女性の機会を高める上で、女性が従事できる産業や職業の幅を広げることの重要性を説いています。
国際女性の日に際し、ILO男女平等局はジュネーブで、女性の育成における投資の価値に焦点を当て、金融界に足跡を残した女性達と高名な女性労働運動家による討議を主催します。エビー・メッセル男女平等局長は「貧困削減における女性労働力の潜在力を無視する余裕は社会にはない」とした上で、「女性に職場における平等な足場を与えることは、正しいだけでなく、スマートな選択」と語っています。
2008年2月発表分
2008年国際女性の日:世界の女性の雇用情勢に関する新刊、
女性のディーセント・ワークへの投資に関するパネル討議を予定−ILO(
英語原文)
2008年2月29日(金)発表ILO/08/5
2008年の国際女性の日(3月8日)に際し、ILOは3月6日に女性の雇用に関する定期刊行物の最新版を発表し、ジュネーブのILO本部では3月7日にパネル討議を開催します。
新しい報告書「Global employment trends for women, March 2008(世界の雇用情勢−女性編:2008年3月版・英文)」は世界の労働市場における女性の最新の状況を記し、世界・地域レベルで労働市場を比較分析し、女性の労働力率、失業率などの最新のデータや、脆弱な雇用に占める女性の割合という新しい指標を紹介しています。過去10年間における女性の産業別就業の進化や労働の世界に依然として見られる男女間格差について分析しています。
また、3月7日にはジュネーブのILO本部で「女性のディーセント・ワークに対する投資は正しいだけでなく、スマートな行為」と題するパネル討議を開催します。特別ゲストとして、ナイジェリアの第一国立銀行の元専務理事、米国メリルリンチ・インターナショナル初の女性マネジャー、スリランカ女性銀行の創立者といった高名な女性銀行家と組合側女性としてオランダ労働組合連盟(FNV)会長の出席が予定されています。
ILO海事労働条約をバハマ批准(
英語原文)
2008年2月11日(月)発表ILO/08/4
バハマ政府は本日、2006年に採択された海事労働条約の批准書をILOに寄託し、リベリア、マーシャル諸島に続き、この条約の3番目の批准国となりました。海事労働条約は、その合計船腹量が総トン数で世界全体の船腹量の33%以上を占める30カ国以上の批准で発効しますが、世界第3位の船籍国であるバハマによる批准は、今後数年以内にこの条約を発効させるという目標に現実感を持たせるものとなります。
世界で120万人以上の船員の保護を目指した、船員の「権利章典」とも呼ばれるこの画期的な条約は、環境保護と船舶の安全及び保安に関する国際海事機関(IMO)の主要海事条約を補足して、国際海運規則における「第3の柱」となることを意図しています。船籍国による検査と船員の労働・生活条件の証明に立脚した強固な遵守・執行メカニズムを定め、寄港国による検査でこれをさらに補足しています。
ILO専門家、ウィーン・フォーラムで人身取引の重大な側面に光を当てる:サプライ・チェーンにおける人身取引との闘いにおける労使の役割、強制労働に焦点(
英語原文)
2008年2月11日(月)発表ILO/08/3
ILOは、国連の人身取引と闘うグローバル・イニシアチブ(UN.GIFT)が来る2月13〜15日に開催する人身取引との闘いに関するウィーン・フォーラムに労使代表と共に出席し、強制労働などといった人身取引の重大な側面とサプライ・チェーン(供給網)内におけるこのような行為と闘う上での労使の役割に改めて注意を喚起する予定です。フォーラムでは、◇サプライ・チェーンの管理−強制労働と人身取引のリスクの除去、◇強制労働と性的搾取への需要が人身取引を刺激する方法と理由、◇労働搾取目的の人身取引撲滅における使用者団体、企業、労働組合の役割、の三つのセッションで議長を務めます。また、人身取引に関する国内統計の改善に向け、欧州連合と始める新たな合同イニシアチブの発表も予定しています。
世界全体で少なくとも240万人(うち半数が18歳未満)が強制労働目的で売買されており、その約半分の43%が性的搾取、32%が労働搾取、25%が両方の搾取を受けているとILOでは推計しています。人身取引は年間320億ドルの利潤を生み、取り引きされる強制労働被害者一人当たりでは平均1万3,000ドルになると推計されます。
人身取引をなくす国際的な努力における主導的な機関の一つであるILOは、様々な機関と協力し、2015年までに世界から強制労働をなくす努力を結集する世界規模の同盟を推進しています。貧困、雇用不足、非効率的な労働力移動制度といった根本原因の廃絶に向け、労働市場の視点から人身取引の問題に取り組んでおり、このテーマに関する多くの報告書を発行しています。
2008年1月発表分
『世界の雇用情勢2008年版』世界経済の混乱により2008年の失業者数は500万人増−ILO予測(
英語原文)
2008年1月23日(水)発表ILO/08/2
世界の国内総生産(GDP)に5%を超える力強い伸びが見られた2007年、4,500万の雇用が新規に創出され、失業問題にはあまり影響しなかったものの(失業率はこのところほぼ横ばいで6%、推計失業者数は2006年1億8,700万人→2007年1億8,990万人と微増)、世界の労働市場は「安定化」した1年でした。一方、2008年については、主として信用市場の大混乱と原油価格の上昇を原因とした経済混乱によって、世界の失業率は6.1%に上昇し、失業者数は世界全体で絶対数にして少なくとも500万人増加する可能性があると、ILOの年次報告書『Global Employment Trends(世界の雇用情勢)2008年版』は記しています。
報告書はほかに、経済・雇用成長にかかわらず、貧困層を中心に世界全体で見られるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の大きな欠如や、就業構造のサービス部門シフトの継続を示しています。
世界人口の10人に5人が、家族の事業を手伝う寄与的な家族従業者や、リスクの大きい独立自営形態で働くといった脆弱な就労形態を取り、全労働者の16.4%に相当する4億8,700万人が依然として、自分と家族を1日1人当たり1ドルの貧困線を上回らせるだけの収入を得ることができない状態のままであると推計されます(1日2ドルの貧困線を下回っているのは、全体の43.5%に相当する13億人)。
産業別就業構造では、世界全体の就業者の42.7%がサービス部門に就業するといったように2007年にもサービス部門が成長を続け、農業との差はますます広がっています(農業部門の就業者比率は34.9%、工業は22.4%)。
地域別で見ると、失業率が最も高いのは依然として中東(2007年に11.8%)と北アフリカ(同10.9%)ですが、ワーキング・プア(働いていながら貧困から抜け出せない人々)の割合が傑出して高いのはサハラ以南アフリカで、就業者の半数以上が依然として1日1ドルの貧困線を下回り、10人中8人以上が1日2ドルの貧困線を上回る稼ぎを得ることができず、他の地域との差は開き続けています。
2007年に雇用成長で首位に立ったのは南アジア(世界全体の28%に当たる雇用を創出)ですが、この地域は脆弱な雇用の割合でもトップに立っています(総就業者の77.2%が脆弱な雇用)。脆弱な雇用が増加したのは中南米・カリブだけですが、この地域におけるインフォーマル経済の拡大を裏付けるものとして、サービス部門における雇用創出の伸びと共に、過去10年間に脆弱な雇用の割合は全就業者の31.4%から33.2%に増えています。
東アジアは持続的な生産性の伸びが所得の増大につながり、1日2ドルの貧困線でも1日1ドルの貧困線でも、下回っている労働者の割合はこの10年間で減っている(2ドルの場合、59.1%→35.6%、1ドルの場合は18.8%→8.7%)といったように、中所得地域への道をたどっています。
中東では就業率がかなり上昇したものの(1997年46%→2007年50.1%)、世界で唯一、この10年で労働生産性が低下しています。過去10年間に生産性水準が16%を超える伸びを示した北アフリカでは極度の貧困に苦しむワーキング・プア層は就業人口の1.6%と、今ではほとんどなくなっています。中・南東欧・独立国家共同体(CIS)諸国では近年、脆弱な雇用の割合が低下し、ほとんどの労働市場指標がプラスの動きを示しています。
先進国経済・欧州連合(EU)では、信用危機の初期的な影響として、新規に創出される雇用が推計24万減となると思われるものの、主としてアジアにおける経済と雇用の力強い成長によって世界的にはこの影響が「相殺」されようと報告書は分析しています。
フアン・ソマビアILO事務局長は「今年の世界の雇用情勢は対照的で不確実」として、「経済成長が包摂的で、開発が良質のディーセント・ワークを伴うよう確保するため、労働市場政策はマクロ経済政策の中心に据えられなくてはならない」と強調した上で、現下の経済情勢に対する懸念を示し、今後の展開を注意深く監視していく意向を表明しました。
ILOの年次刊行物「世界の雇用情勢2008年版」近く発表(
英語原文)
2008年1月16日(水)発表ILO/08/1
ILOは来る1月23日(水)GMT23時(日本時間翌24日8時)に、2003年より発行している年次刊行物「Global Employment Trends(世界の雇用情勢・英仏西語)」2008年版を発表します。報告書は人口や経済成長から、先進国における信用危機に発する経済不安、原油価格の上昇、経済成長の減速予測まで多岐にわたる要因が労働市場に与えている影響を分析し、世界の雇用、失業、労働市場の最新の動向を地域別に示しています。
これまでに発表された報告書は全てILOのウェブサイトでご覧になれます。
駐日事務所新聞発表
ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(CEART)実情調査団の来日
2008年4月18日(金)発表
労働災害及び職業病の予防に向けて:日本がILO第187号条約の最初の批准国に
2007年7月24日(火)発表
イオン株式会社よりILOの児童労働撤廃活動に100万円の寄付金
2007年2月13日(火)発表
お知らせ
児童労働反対世界デー関連イベント
6月12日の「
児童労働反対世界デー」の今年のテーマは「児童労働と教育」です。世界各地で様々な行事が繰り広げられますが、国内では、JICA(国際協力機構)横浜と協力し、5月下旬に第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が開催される横浜市で児童労働写真パネル展(
JICA横浜ギャラリー・5月18日〜6月15日)と児童労働反対世界デー・セミナー(
JICA横浜4階かもめ・6月12日)を開催します。写真パネル展開幕日の5月18日にはオープニング・イベントとして、ミッシェル・ジャンカニシュ児童労働撤廃国際計画(IPEC)部長がアフリカにおける児童労働の実態について発表すると共にカメルーンのカカオ農園で働く子どもたちの様子を紹介するビデオを上映します。オープニング・イベントとセミナーは事前お申し込みが必要です。ILO駐日事務所宛ファクス(FAX:03-5467-2700)またはメール(E-mail:
wdcl@ilotokyo.jp)で、参加ご希望のイベント名を明記の上、お名前、ご所属、ご連絡先(住所、電話番号、E-mail)をお知らせ下さい。参加者にはILOが作成した児童労働関係資料、児童労働撤廃オリジナルTシャツを差し上げます。詳細は
こちらへ。
[2008年5月13日掲載]
労働安全衛生世界デー
ILOでは4月28日を「
労働安全衛生世界デー」と定め、職場における安全・健康文化の促進に人々の関心を喚起する日としています。
2008年の世界デーのスローガンは「私の暮らし、私の仕事、私の安全な仕事:職場環境におけるリスク管理」となっています。今年の世界デーに際して発表された報告書「
マイライフ、マイワーク、マイ・セーフ・ワーク:職場のリスクを管理する」の日本労働組合総連合会による日本語訳(12.0MB)を掲載しました(
英語版はこちらへ)。
また、2007年の世界デーに際してILO駐日事務所で開催した
フォーラム「グローバル化と労働安全衛生:ILO新条約(第187号)が日本とアジアの職場環境改善にもたらす意味」の報告書(7.0MB)も新たに掲載しました。
[2008年4月17日掲載]
新刊:ディーセント・ワークへの障害者の権利−日本語版
2007年の国際障害者デー(12月3日)のテーマは「障害者のためのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」でした。ILOがこの日に合わせて発表した報告書「
The right to decent work of persons with disabilities」の
日本語版「ディーセント・ワークへの障害者の権利」(PDF版・3.2MB)を新たに掲載しました。印刷版(2,000円)のご注文はILO駐日事務所販売担当(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail:
ilo-tokyo@ilotokyo.jp)まで。
[2008年3月27日掲載]
広報誌「ワールド・オブ・ワーク」2007年第2号発行
ジュネーブのILO本部コミュニケーション・広報局より年3回発行されている
広報誌の一部記事の和訳と日本における関連記事を掲載した
日本語版広報誌の最新号(通巻第8号)が完成しました。本号では環境に優しいグリーン・ジョブと就業上の差別を特集しています。ほかに、欧州のフレキシキュリティに関する書籍紹介、早稲田大学とILO駐日事務所で共催したグローバル競争下における非典型雇用の未来シンポジウムの記事なども掲載されています。
[2008年2月27日掲載]
第18回世界労働安全衛生会議(ソウル・2008年6月29日〜7月2日)
ILOと国際社会保障協会(ISSA)が開催国の労働安全衛生機関と共催で3年おきに開催している
労働安全衛生分野の世界大会が
今年韓国で開かれます。「仕事における安全と健康:社会の責任」を総合テーマに、安全衛生の将来戦略・プログラム、作業条件の変化が労働者の保護に及ぼす影響、労働安全衛生の新たな課題と機会、安全衛生マネジメントシステムのテーマについて専門家の発表・討議が行われる予定です。展示会や国際フィルム・マルチメディア・フェスティバルに加え、今回はハイレベルの参加者による安全衛生サミットも初めて開催されます。日本語版の第2次会議開催案内書が到着しました。ご希望の方は、ILO駐日事務所までご請求下さい(E-mail:
ilo-tokyo@ilotokyo.jp)。
[2008年2月27日更新]
新刊:仕事の世界におけるパターンの変化−日本語版
2006年の第95回ILO総会に提出された事務局長報告「
Changing patterns in the world of work」は世界の労働力の急増、サービス産業就業者数の増大、インフォーマル経済の成長、労働市場における柔軟性と安全保障を求める圧力の増大、国際労働力移動の拡大など、労働市場の今日的な変化の動向をまとめたものとなっています。ILO駐日事務所ではこの度、同書の日本語版を作成し、ご希望の方に有料(2,000円+郵送料)で配布しています。購入ご希望の方は、
ILO駐日事務所販売担当までお申し込み下さい。PDF版(3.1MB)をご覧になる方は
こちらへ。
[2007年10月18日掲載]
日本がILO第187号条約の最初の批准国に
日本は7月24日にジュネーブのILO本部で、2006年に採択された「
職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)」の批准書を寄託し、同条約の最初の批准国となりました。第187号条約は、労働安全衛生の促進的な枠組みを定めたものです。日本がILO条約の最初の批准国となるのは今回が初めてです。本件に関する同日付新聞発表は、
こちらへ。
[2007年7月24日掲載]
新刊:多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(第4版)
多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言は1977年に採択された後、数度にわたって改訂されています。この度、2006年3月の第295回理事会で採択された改正分までを含んだ
最新版(第4版)の日本語版を作成しました(
英語その他各国語版はこちらへ)。
[2007年6月27日掲載]
医療生協よりILOのジャワ島中部地震復興活動に100万円の義捐金
去る2006年5月27日の地震で甚大な被害を受けたインドネシアのジャワ島中部において、ILOは
同国アチェにおける2004年の津波・地震復興支援活動の経験と知見に基づき、建築基準に合った堅固な住宅再建を目指した建築技術の訓練を行っています。この災害に対する支援の一環として、日本生活協同組合連合会(日生協)医療部会より、会員組織である医療生協を通じて集められた104万8,278円の義捐金がILOに対して拠出されました。この義捐金は、ILOによるジョグジャカルタ州バンツール地区の診療施設の再建等に充てられる予定です。9月5日には、来日中のマリア・アンヘリカ・ドゥッチILO官房総局長、山下俊史日生協副会長、宮田育治日生協理事(郡山医療生協専務)などの出席を得て、ILO駐日事務所で義捐金授与式が行われました。9月1日付の新聞発表本文は
こちらへ。2007年2月に出された
プロジェクト中間報告概要はこちらへ。ジョグジャカルタの地震に対するILOの活動の詳細については、
ILOインドネシア事務所のホームページ(http://www.ilo.org/jakarta)をご覧下さい。
[2007年2月23日更新]
イオン株式会社よりILOの児童労働撤廃活動に100万円の寄付金
イオン株式会社(千葉県)は、2006年10月に受賞した第3回「朝日企業市民賞」の副賞100万円を、ILOがタイ北部で実施する児童労働撤廃活動に寄付することを決定しました。寄付金はチェンライで、学校、地域社会における児童労働及び人身取引の危険性に関する啓蒙活動、弱い立場にある児童・若者が地元労働市場に技能を身につけて参入できることを目指した教育、訓練、キャリア開発活動に用いられる予定です。2月13日付の新聞発表本文は
こちらへ。
[2007年2月22日掲載]
最終更新日:2008年5月13日 作成者:EU 責任者:SH