2008年新聞発表概要(全文は英語)
2008年12月発表分
エイズ性感染症アフリカ国際会議を前に、経済危機がHIV/エイズ対応に影響する可能性をILO指摘(英語原文)
2008年12月2日(火)発表ILO/08/56
12月3〜7日にダカール(セネガル)で開かれる第15回エイズ性感染症アフリカ国際会議に、ILOはかつてセネガルの労働・保健大臣を務めたアサン・ディオップ社会的保護総局長率いる専門家代表団を派遣し、活発に参加します。ILO内でHIV(エイズウイルス)/エイズ問題を担当する「HIV/エイズと仕事の世界ILO計画」は、世界的な経済危機が職場のHIV/エイズに与えるかもしれない影響や雇用の不安定化がHIV暴露リスクを高める対処戦略につながる可能性などの問題を取り上げ、アフリカのフォーマル経済とインフォーマル経済の両方における活動を紹介します。最近の出来事がHIV/エイズに対する世界的な取り組みに新たな側面と緊急性を付与した可能性に言及し、HIV/エイズと仕事の世界ILO計画のソフィア・キスティング部長は、経済危機が感染者と弱い立場にある人の双方にとって多くの意味を持つこと、エイズ患者世帯における雇用の喪失が児童労働を招く可能性や職場を通じて提供されていた労働者の治療が途切れる場合が多いことを指摘しています。
会議初日の3日にILOは国家レベルでの包括的な対応を支える民間部門の役割に関するサテライト・セッションを国連エイズ合同計画(UNAIDS)と共催し、4日には2001年に採択された「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」の補完・補強を目指した新しい国際労働基準の準備状況を紹介するセッションを開きます。また、公的部門におけるHIV/エイズの影響とその対応、保健医療労働者の労働力移動、職場における意識変化を目指したコミュニケーション策、セネガルとギニアにおける職場計画が知識、意識、実務に与えている影響などを含む幅広いテーマで一連のサテライト・セッション及び技能構築セッションを主催するのに加え、国連教育科学文化機関(ユネスコ)とは教育部門における職場方針の開発に関するセッション、世界保健機関(WHO)とは暴露後予防のセッションを共催します。展示区画のILOブースでは、「職場リーダー誓約センター」と名付け、参加者に自分の職場でHIV/エイズに取り組む具体的なイニシアチブの実行に向けた誓約を求めるイベントも開催します。
2008年11月発表分
ILO「世界賃金報告2008/09年版」で警告:2009年に数百万人の労働者の実質賃金が低下、この10年間、経済成長と足並みが揃っていなかった賃金動向(英語原文・報告書要約和訳)
2008年11月25日(火)発表ILO/08/55
11月25日にILOが発表した新刊書「世界賃金報告2008/09年版」は、世界的な経済危機によって、世界全体で数百万人の労働者の賃金が来年低下する可能性があることを指摘し、賃金を巡る緊張が高まる危険性を警告しています。国際通貨基金(IMF)の最新の成長予測数値をもとに算出された2009年の世界全体における実質賃金の伸び率はせいぜい1.1%止まりとなるものの(2008年は1.7%)、主要経済諸国を含む多くの国で賃金低下が予想され、2008年に0.8%であった先進国の賃金成長率は2009年に0.5%のマイナス成長が見込まれます。
2001〜07年の世界経済の年間成長率は4%であり、インフレも低く抑えられていたにもかかわらず、世界の半数の国で賃金の年間成長率は2%に達していなかったとして、報告書は、過去10年間に経済成長と密接に連動した賃金の伸びが達成されなかった事実を明らかにしています。世界各地の賃金の近年の水準と分布の主な動向を分析した結果、報告書は景気上昇時の賃金の伸びは鈍いのに対し、下降時はより急速に鈍化することを示しています。1995年から2007年にかけて、1人当たり国内総生産(GDP)の年成長率が1%伸びるたびに達成される賃金の年成長率の伸びは平均してわずか0.75%にしかならないのに対し、1人当たりGDPが1%低下する毎に平均賃金は1.55%低下しており、現在の危機が賃金に与えるかもしれない影響を示す結果となっています。フアン・ソマビアILO事務局長は、急速に広がる世界的な景気下降の中でこのパターンが繰り返されたとしたら、景気後退の度合いはより大きくなり、回復も遅れると警告を発しています。
報告書はさらに、実質賃金の伸びにおける地域的な違いの大きさも示しており、ほとんどの先進国と中南米諸国で実質賃金の年間伸び率は概ね1%以下であったのに対し、中国、ロシア、そして他の多くの移行経済諸国では10%以上の伸び率が記録されたとしています。
報告書はまた、賃金格差の問題も取り上げ、調査対象国の3分の2以上で1995年以降に最高賃金と最低賃金間の格差が広がり、しばしば社会的に持続不能な水準にまで達していると記しています。賃金格差が最も急速に拡大した国としてはドイツ、ポーランド、米国、アルゼンチン、中国、タイが挙げられます。逆に賃金格差の縮小に成功した国としては、フランスやスペイン、そしてまだ格差は大きいもののブラジルとインドネシアを挙げることができます。男女賃金格差も依然として大きくなかなか縮小せず、ほとんどの国で女性の賃金は平均して男性の7〜9割となっています。
このような状況下で、政府は賃金稼得者の購買力を保護し、それによって国内消費を刺激することに向けた強い決意を示すことが奨励されるとして、報告書は、GDPに占める利潤の割合と比較しての賃金の割合のさらなる悪化を予防する手段の交渉を社会的パートナーに奨励すること、最低賃金が最も弱い労働者を効果的に保護すること、最低賃金と賃金交渉が例えば所得扶助措置を通じた公的介入によって補足されることを提案しています。そして、最低賃金と団体交渉の効果的な組み合わせは可能として、団体交渉の対象範囲が広がれば、賃金はより経済成長と整合し、賃金格差の縮小にも寄与すると同時に、実効的な最低賃金は賃金の下限を提供することによって賃金分布の下方における賃金不平等を減らし、低賃金を制限し、男女賃金格差を縮小する可能性を唱えています。実際、不平等の拡大から生じる社会的緊張の緩和に向け、最低賃金が近年、世界的に復活し、2001〜07年に世界の最低賃金の年間成長率は平均5.7%を記録しています。
ILO、スワジランドの情勢に懸念を表明(英語原文)
2008年11月21日(金)発表ILO/08/54
ILO理事会のロイ・トロットマン労働者側副議長からフアン・ソマビアILO事務局長に寄せられた11月20日付の書簡を受け、理事会はスワジランドにおける結社の自由に係わる情勢、とりわけ労働者側理事代理として理事会に出席していたスワジランド労働組合連盟のジャン・シトーレ書記長の安全に関する懸念を表明しました。トロットマン副議長の書簡では、同国における結社の自由と労働組合権の侵害に対する深い懸念と共に、シトーレ書記長が11月22日(土)に予定される帰国後に逮捕されるおそれがあることが記されています。
このような状況に留意した理事会のシトーレ書記長支持の誓約を受け、ソマビアILO事務局長は、スワジランドのムスワティ三世国王に当てて書簡をしたため、シトーレ書記長の身の安全と保護の保障、並びに最近制定されたテロ抑止法が結社の自由、基本的市民的自由、労働組合権の諸原則の侵害に用いられないことの確保を訴えました。さらに、スワジランドの国連常駐調整官に対し、申し立てのフォローアップを行い、進展情報を逐次提供してくれるよう依頼しました。また、政府側理事に対しても、その影響力を行使して労働組合指導者一般、そして帰国する理事の保護を確保してくれるよう呼びかけました。
ILO、経済危機に関する深い懸念を表明、ディーセント・ワークを基礎とした政策対応の形成に向けて動く(英語原文)
2008年11月21日(金)発表ILO/08/53
経済混乱が労働者、使用者、政府に与える影響に対する懸念が高まる中、11月21日に閉幕した第303回ILO理事会は、社会対話を通じて世界的な経済危機に取り組む経済・社会政策の形成に向けた第一歩を踏み出しました。この動きは、今理事会におけるサパテロ・スペイン首相、グリア・経済協力開発機構(OECD)事務総長、潘基文国連事務総長の演説、そしてサルコジ・フランス大統領の理事会宛メッセージの中で強く支持されました。今理事会で3選を果たしたフアン・ソマビアILO事務局長は、危機対応に適した政策枠組みは、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」を目標とする「ディーセント・ワーク課題」であるとの認識がこの中心的な結論であるとして、「経済危機に取り組み、政策対応を開発するに際し、労使団体を含んだ政労使三者による対話が中心的な役割を果たすべき」との力強いメッセージが発せられたことを評価しました。
残り1ヵ月に迫った2008年から2009年にかけて経済成長は世界中すべての地域でさらに落ち込むことが見込まれ、ILOは失業者数が世界全体で約2,000万人増え、働く貧困層(ワーキング・プア)も増大すると予測しています。理事会議長及び労使副議長はこれを受けて、金融・経済危機に対する緊急行動を呼びかける特別声明を発表し、「世界的な景気下降の期間と規模を最小化し、社会が受ける可能性があるマイナスの影響に対処し、回復を加速させるために、包括的かつ調整の取れた方策が必要」と訴えました。声明は、資金の流れの確保、危機に最もさらされている人々の保護、生産的で利潤を生み持続可能性のある企業の支援、社会進歩が現下の危機によって損なわれないことの確保、ILO及びILOを構成する政労使と多国間システムとの強い協力体制の構築、最低でも現行水準の開発援助の維持などの具体的な方策を提案しています。このような明確な前進に向けた指示を受け、ソマビア事務局長は危機が労働・社会に与える影響に対する対応に関するILOの活動拡充、ILO加盟国政労使の対応形成支援、G20プロセス及び国際金融機関を含む多国間システムへの参加を通じてこの課題に取り組んでいくことを表明しました。
この他に、結社の自由の侵害に関する申し立てを扱う理事会の結社の自由委員会ではカンボジア、チャド、ジブチ、グアテマラ、イラン、ミャンマー、フィリピンの案件に特に注意が喚起されました。フォローアップ段階にある日本案件として、全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)が組合役員等の逮捕・勾留、組合事務所等の捜索、組合財産の押収について行っていた申し立てについて、申立人と政府からその後の裁判経過などの情報が寄せられたことが報告され、継続的な情報提供などが求められました。日本関連ではまた、全日本教職員組合(全教)が指導力不足教員政策及び新教員評価制度に係わり、ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(CEART)に行った申し立てを受けて今年4月に来日した実情調査団の報告書をもとにした日本案件の検討を含むCEART中間報告書が提出され、教員評価制度のさらなる改善などといった提案されているフォローアップ活動をILO事務局長が当事者に呼びかけることなどが決定されました。今理事会ではさらに、CEARTの12名の委員の1人として東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授が任命され、2012年末までの任期を務めることとなりました。
ILO憲章第26条に基づき、結社の自由並びに団結権及び団体交渉権の保護に関する第87号及び第98号条約違反の苦情申し立てがなされたジンバブエについては、申し立てを検討する審査委員会の設置が決定されました。ミャンマーの強制労働条約(第29号)適用の問題に関しては、審査委員会の勧告に早急に完全な実効性を持たせることが改めて強調され、強制労働禁止についての権限ある声明が最高レベルから依然として発せられていないことに対する懸念が表明され、補足合意文書の定める目的が効率的に保障される枠組みについて来年3月の理事会次期会期までに交渉が行われる必要性が再確認され、ILOとミャンマー政府は必要な措置を講じるよう求められました。
世界賃金報告2008/09年版:金融危機の影響を含む世界の賃金に関するILO新刊来週発表(英語原文)
2008年11月21日(金)発表ILO/08/52
ILOは来週、過去10年間の世界の主な賃金動向を検証し、世界的な金融危機の影響を受け、2009年の賃金情勢を予測した新しい報告書を発表します。「Global wage report 2008/09: Minimum wages and collective bargaining: Towards policy coherence(世界賃金報告2008/09年版−最低賃金と団体交渉:整合性のある政策に向けて・英文)」と題するこの100頁の報告書は、経済成長に関する国際通貨基金(IMF)の最新数値をもとにした2009年の賃金に対する金融危機の影響についての新しい推計値も含み、近年の賃金水準と賃金分布の世界的な動向並びに最低賃金及び団体交渉の役割を分析しています。
報告書は11月25日(火)GMT23時(日本時間翌26日(水)午前8時)の報道解禁時間以降にILOのホームページ上で公表されます。
金融危機に対応した新世界秩序の中心にディーセント・ワークを、と仏大統領(英語原文)
2008年11月20日(木)発表ILO/08/51
金融制度改革に関する議論を開始させたワシントンのG20会合から帰国したばかりのフランスのニコラ・サルコジ大統領は、11月20日にILOに向けて発表した声明の中で、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進こそが、これから設ける必要がある何らかの規則を構成する要素となり、我々が行う今後の検討と取るべき決定の中心にディーセント・ワークを据えなくてはならないとして、「新たな世界統治(ガバナンス)の定義について開始された国際的な議論の中でその声が伝わるように努め、明日の新たな世界秩序を構築する基礎となるルールの中心にディーセント・ワークの促進が置かれるよう具体的な提案を行うこと」をILOに求めました。
現在ジュネーブで開かれている第303回ILO理事会に向けて理事国フランスの代表が読み上げる形で発表されたメッセージの中で、サルコジ大統領はさらに、グローバル化の社会的側面の増進においてILOが果たしてきた重要な役割を強調し、「ILOは長い間、国際貿易に結びついた経済進歩が労働者を損なわないように、そして同時に、社会権の強化が経済成績を向上させるよう活動してきた」と評価しました。そして、経済進歩と社会進歩は相互に補強し合い、手を携えて進むものとフランスは確信していると強調しました。
メッセージを受け、フアン・ソマビアILO事務局長は、国際的な危機対応へのILOの関与を支持し、「前進する大きな力をくれる」この声明に対する歓迎の意を表しました。
ILO理事会演説で国連事務総長−ディーセント・ワークは人々が金融・雇用危機を乗り切る助けとして不可欠と評価(英語原文)
2008年11月19日(水)発表ILO/08/50
現在ジュネーブで開かれている第303回ILO理事会において11月19日に特別演説を行った潘基文国連事務総長は、「仕事の危機」とも化した世界的な金融危機を人々が乗り切る助けになるものとしてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は必要不可欠と認め、ILOの取り組みに対する期待を表明しました。また、現在直面している危機への対応として、より強力でより包摂的な多国間共同政策の必要性を唱えてきた自らの説と一致するILOの統治構造の存在には「非常に勇気づけられる」とした上で、政府、使用者、労働者の代表が集まって合意を形成し、問題を解決しているILOの日々の活動を評価して、困難な時期を乗り切るにはこの種のパートナーシップ、この種の実践的なアプローチが必要になると唱え、ILOには果たすべき大きな役割があると確信していると述べました。
先週末にワシントンで開かれたG20サミット会合に触れて事務総長は、そこで取り上げられたのは金融危機であったものの、これは仕事の危機でもあるとして、サミット参加者以外も国際経済の統治と意思決定を形成する努力の一部に加えるよう呼びかけてきたことや、ワシントンにおける首脳らとの会談で雇用に焦点を当て、低炭素経済への移行は数百万の新規雇用創出の可能性を秘める事実を考慮し、前途への道においては「温室効果ガスの排出量を減らし、地域社会が地球温暖化に適応するのを支援する労働集約型事業にも注目すべき」と強調してきたことを明らかにしました。
また、すべての活動主体ができるだけ効果的に力を合わせる必要があることは既に明らかとして、事務総長は金融、貿易、雇用にわたる取り組みを調整する必要性を唱えました。6月に採択された「公正なグローバル化のための社会正義宣言」にも触れ、これは幅広い合意を反映するものと評した上で、人々の暮らしを今確保することが将来における真の社会正義につながるだろうと唱えました。
フアン・ソマビアILO事務局長は、歓迎の挨拶で、世界がこの壮大な経済危機に直面している時代に当たり、ILOは「ディーセント・ワークをすべての人へ」というディーセント・ワーク課題を通じて、世界的な不平等の拡大に抗する世界の公正な構造の構築を手助けするよう努めていることを紹介しました。
スペイン首相が経済・金融危機克服における仕事と社会対話の重要性を強調(英語原文)
2008年11月18日(火)発表ILO/08/49
現在ジュネーブで開かれている第303回ILO理事会において11月18日に特別演説を行ったスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、現下の世界的な金融・経済危機を乗り越える基本的な一歩として、社会の結束、雇用、政労使三者の対話を促進する政策を維持し、強めることを各国政府に呼びかけました。
先週末にワシントンで開かれた金融危機に関するG20の会合から戻ったばかりのサパテロ首相は、新しい世界経済を形作る今後の交渉には労働者と使用者の代表も含むことを会合参加国に提案してきた事実を明らかにした上で、G20会合で発進した改革プロセスのモデルとして社会対話を用いることを提案し、世界的な金融改革の設計に際し、企業と働く人々が参加する対話の場を構築する必要性を指摘しました。そして、世界経済再活性化の手段として減税ではなく、生産的な活動や基盤構造への投資を支持するとして、景気を刺激する手段としての公共支出と公的部門の防衛を呼びかけました。また、スペイン政府にとっての労働の重要性を強調し、危機に対処するための政府、企業、労働者の共同努力と社会対話に向けた公約を再確認しました。さらに、世界の統治(ガバナンス)に対するILOの影響力の強化に向け、協力することを約しました。そして、すべての危機の陰には変化の機会が隠れているとして、経済及び環境の未来、貧困や困窮に対する闘いは、同じテーブルに着き、気持ちを一つにすること、あるいは少なくともある程度同じように感じることにあると結びました。
今回で就任以来2度目のILO訪問となるサパテロ首相を紹介するに当たり、フアン・ソマビアILO事務局長は、ILOを形作る価値の促進と現在世界全体で見られる経済・社会の不安定に終止符を打つ解決策の探求におけるスペイン政府の役割を強調し、金融危機が実体経済に影響し、重大な失業危機に変わりつつある危機時におけるILOのカギとなる政策として、企業を持続可能なものとし、職と収入を保護・促進し、社会的保護及び社会保障を整備し、社会対話及び三者構成の仕組みを強化する必要性を挙げ、現政権をその実践者として評価しました。
フアン・ソマビアILO事務局長三選:金融危機への取り組み、社会正義の確保に向けた努力を表明(英語原文)
2008年11月18日(火)発表ILO/08/48
現在ジュネーブで開かれている第303回ILO理事会において11月18日に行われた事務局長選挙の結果、来年3月で任期が切れるフアン・ソマビア現ILO事務局長が唯一の候補者として正理事56人中43人の賛成票を得て三選されました(棄権13票)。2014年3月まで5年間の任期を務めることとなります。
南米チリの生まれである現事務局長は、初の南半球出身者として1999年3月に第9代ILO事務局長として就任して以来、すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)というディーセント・ワーク課題の促進を通じて、ILOに新たな進路を提示しました。ディーセント・ワーク課題は国連を始めとした諸国際機関のみならず、世界各地の高い政治レベルで支持を得ています。ソマビア事務局長が在任したこの10年間に、ILOは1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」の実施を進め、加盟国の批准条約数は大幅に増加し、今年6月には、グローバル化に対する効果的な対応策の形成に向けてディーセント・ワーク課題を促進し、政労使三者構成のILOが21世紀の課題に取り組む能力を強化することを目指して画期的な「公正なグローバル化のための社会正義宣言」を採択しています。在任中、ソマビア事務局長は児童労働や強制労働の撤廃、職場における差別の廃絶、そして労働基準の遵守や雇用成長、持続可能な開発の促進に率先して取り組んできました。
三選を受けてソマビア事務局長は、失業問題の深刻化、世界中の経済や個人に影響する危機の継続、働く貧困層(ワーキング・プア)の増大、グローバル化の現行モデルの均衡、公正さ、持続可能性に対する懸念の声の高まりといった今の状況において、ILOはその歴史上重要な時期に立っているとしつつも、この危機がILOの強さと価値を明らかにする可能性を指摘し、来年創立90周年を迎える組織として、社会正義のために働き続ける必要性を訴えました。そして、90周年のテーマである「社会正義のために働くILO」とは単なる標語ではなく、過去を評価する言葉であると同時に将来に向けた使命を表すものでもあるとして、世界経済の様々な課題が膨らむ中で社会正義の確保に向けて活動することを誓いました。
1941年4月21日に生まれたフアン・ソマビア事務局長は、弁護士として民事・国際分野で長く活躍。国連常駐代表時代には、国連経済社会理事会及び安全保障理事会の議長、1995年に開かれた社会開発サミットの準備委員会議長を歴任。社会開発、企業活動、民間団体に関与し、外交官及び学者として人々の生活のあらゆる分野について幅広い経験を積んだことから、男女を問わず世界中のすべての人々にディーセント・ワークを確保する必要性を唱えるに至っています。
現下の経済・社会危機におけるILOとOECDの役割を強調−OECD事務総長(英語原文)
2008年11月17日(月)発表ILO/08/47
11月17日に特別ゲストとして第303回ILO理事会で演説した経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は、先週末に開かれたG20の会合は、OECDとILOを含む国際機関により良い協力に向けた任務を付託したとして、世界的な金融危機に応えて両機関が協力を増すことに向けた緊急の呼びかけを行いました。
さらに、先週発表されたOECDの経済予測を引用し、OECD諸国の平均失業率は2007年の5.6%から2010年には7.2%に上昇し、90年代初め以来のスピードで失業者数は急増し、約1,000万人増える見通しを示しました。そして、金融危機が急速に経済・社会危機に転化しつつある現状に警告を発し、「社会的側面を正さない限り、グローバル化はすべての人のために機能しない」と訴えました。また、失業率の上昇に伴う貧困問題・格差拡大の可能性に触れ、税・各種拠出金の減少で社会的保護制度が圧迫される見通しに注意を喚起した上で、最も弱い集団がさらに転落するのを食い止める、対象を定めた一時的かつ時宜を得た政策介入とすべての労働者を対象とした長期的な労働市場展望改善の必要性を唱えました。
OECDとILOは既に企業の社会的責任など多くの分野で協力し合っていますが、グリア事務総長は、労働市場と社会政策の分野における両機関の活動が危機で一層重要になったとして、この分野における取り組みの成否が「危機後の世界の金融・経済構造について世界の人々が望むもの」を決定する可能性を指摘しました。
グリア事務総長を紹介するに当たり、フアン・ソマビアILO事務局長はILOとOECDの類縁的な精神の近さに触れた上で、多国間機関が業務や協力提供形態の調整だけでなく、政策提携を築く必要性を唱え、団結して危機に対応できなければ、解決に向けての前進ではなく、問題の一部と化してしまうだろうと強調しました。
G20の会合に関し、ソマビア事務局長は11月16日に発表した声明で、ILOは加盟国政労使が「危機を切り抜け、回復に向けて準備を整え、11月15日に開始されたプロセスを支える」のを支援する行動を取る予定であるとしています。
仕事の世界に対する金融・経済危機の影響を検討予定−ILO理事会(英語原文)
2008年11月6日(木)発表ILO/08/46
11月6〜21日の日程でジュネーブのILO本部において開催される第303回ILO理事会の主な議題は以下の通りです。
◆グローバル化の社会的側面作業部会
ILOは先般、金融危機の影響で失業者数と働く貧困層(ワーキング・プア)が大きく増大するとの仮推計を出しましたが、この作業部会では、現下の金融・経済危機が世界中の政府、労働者、使用者に与える影響、そしてそれがILOの追求している「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」という課題に与えるかもしれない影響について検討します。11月17日には、特別ゲストとして、経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長の演説が予定されています。
◆事務局長任命
来年3月で任期が切れるフアン・ソマビア現ILO事務局長の再任に関する検討が11月18日に行われます。事務局長は理事会の選挙で選ばれますが、今回は他に候補者が出ていません。南米チリ出身の現事務局長は1999年3月に就任し、ディーセント・ワーク課題の促進を通じて、ILOに新たな進路を提示しました。ディーセント・ワーク課題は国連を始めとした諸国際機関のみならず、世界各地の高い政治レベルで支持を得ています。
◆公正なグローバル化のための社会正義宣言
今年6月に開かれたILO総会で採択されたこの画期的な宣言は、社会正義に根ざした開かれた経済と開かれた社会を支える新たな戦略を求めています。宣言はディーセント・ワークの概念とディーセント・ワーク課題を承認し、ディーセント・ワークを構成する四つの戦略目標(雇用創出と持続可能な企業、社会的保護、労働者の権利、社会対話)は相互に支え合っている不可分かつ統合的なものであり、グローバル化の課題に効果的に応えるものであるとしています。理事会では宣言を具体的に実施していくための計画案が検討されます。
理事会では他に、2010〜15年のILOの活動を導く戦略的政策枠組みの検討が始まり、また、結社の自由の侵害に関する申し立てを審議する結社の自由委員会の最新報告や、強制労働問題が指摘されているミャンマーに対する対応についての、ヤンゴンに駐在するILO連絡官の報告書をもとにした話し合いなどが行われます。社会・経済政策委員会では、世界雇用戦略、社会保障の拡大に向けたILOキャンペーンの進捗報告、気候変動が労働市場にとって持つ意味などが検討されます。
2008年10月発表分
世界的金融危機の影響で失業者数2,000万人増−ILO(英語原文)
2008年10月20日(月)発表ILO/08/45
10月初めに国際通貨基金(IMF)が世界の経済成長見通しを下方修正したことなどを受けて、フアン・ソマビアILO事務局長は10月20日に世界規模の金融危機が雇用に与える影響の速報値として、2007年に1.9億人であった世界全体の失業者数が2,000万人増加して2009年後半には2.1億人に膨らむ可能性があると発表しました。さらに、現下の危機の影響が最も大きい産業として、建設業、自動車産業、観光業、金融業、サービス業、不動産業を挙げ、1日1人当たり1ドル未満で生活しているワーキング・プア(働く貧困層)の数は約4,000万人、2ドル未満で暮らす層は1億人以上増える可能性も指摘した上で、今進んでいる景気収縮と前途に見受けられる景気後退の影響に迅速に立ち向かわない限り、この新しい予測値も過小推計と化してしまうだろうと述べました。そして、長期的かつ深刻で、世界規模になる可能性がある社会危機を回避する「迅速かつ調整の取れた政府の行動」を呼びかけました。
事務局長はさらに、生産性と給与、そして成長と雇用をより良く結びつける必要があるとして、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を生み出す政策と統治を伴う実体経済と勤労者世帯を救済する経済計画の必要性を唱えると共に、持続可能な企業とディーセント・ワークの機会の保護・推進を、先般米仏大統領が呼びかけた金融危機サミットの中心に据えることを提案し、実体経済の保護という金融の基本的機能への回帰を求めました。また、懸念事項として、資金の流れの回復、社会的保護の維持及び向上、企業に対する融資利用機会の確保、ODAの流れの確保、国際金融規制体制の再構築、投資と成長を通じた回復から持続可能な発展への迅速な移行を挙げ、現在見られる、より良い金融規制及びチェックとバランスの国際監視体制に向けた呼びかけを歓迎しつつも、金融システムを越えることの必要性を事務局長は指摘しました。そして、現下の金融危機に至るはるか前から、多くの利益をもたらしつつも不均衡かつ不公正で非持続可能となったグローバル化のプロセスとして、世界的な貧困の大問題、社会的不平等の拡大、インフォーマル化の進行、不安定な仕事の増大といった危機を世界は経験しつつあったとして、正しいバランスの回復並びに人々及び生産力の救済に注力すること、すなわち実体経済救済の必要性を強調しました。また、開かれた経済と開かれた社会を保つため、公正で持続可能なグローバル化に向けた新たな多国間枠組みの開発に向けて取り組むことを提唱しました。
仕事の世界報告書2008年版:既に大きな世界の所得格差はさらに拡大(英語原文)
2008年10月16日(木)発表ILO/08/44
ILOの研究部門である国際労働問題研究所は10月16日に、90年代初めから見られる力強い経済成長が数百万の新規雇用を創出したにもかかわらず、世界中ほとんどの地域で所得格差が拡大し、現下の地球規模の金融危機はこの格差をさらに広げる可能性があると記した新刊書を発表しました。「World of Work Report 2008: Income inequalities in the age of financial globalization(仕事の世界報告書2008年版:金融グローバル化の時代における所得不平等・英語)」と題する報告書は、日本を含む70以上の先進国・途上国の賃金と経済成長のデータを用い、所得不平等の最新の動向、そして金融グローバル化、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の不足、所得再配分政策の役割縮小などといったその背景要因を分析しています。
報告書は次のような所得格差拡大のデータを示しています。
- 雇用成長と共に勤労所得の比率が低下し、データが得られる73カ国中51カ国で過去20年間に合計所得に占める賃金の割合は縮小を続け、賃金の対GDP(国内総生産)比で見た場合、地域別で最大の低下幅は中南米・カリブ諸国(13パーセントポイント減)で見られ、次いでアジア太平洋(10パーセントポイント減)、先進国(9パーセントポイント減)。
- 無規制の金融イノベーションが進んだ国では、住宅投資や消費を目的として労働者とその家族の借金が増え、賃金が低迷する状況下ではこれが国内需要を支えるカギとなっていたものの、危機によってこの成長モデルの限界が露呈。
- 1990年から2005年にかけてデータの得られる国の3分の2近くで所得不平等が拡大し、中流・貧困世帯に比して富裕世帯の所得の方が大きく上昇。同じ期間にデータが得られる国全体の7割で賃金所得者層の上位10%と下位10%の所得格差が拡大。
- 上級役員層と平均従業員との間の所得不平等も速いペースで拡大。米国では2007年に大企業15社の最高経営責任者(CEO)の収入が平均的労働者の520倍(2003年360倍)。オーストラリア、ドイツ、香港、オランダ、南アフリカでも同様の傾向。
国民所得に占める賃金の割合がほとんどの国で低下していることから労働者が受け取ってきた最近の経済成長の果実はより小さいにも関わらず、金融・経済危機の費用のより大きな割合をそのような経済成長の恩恵を共有してこなかった数億人の人々が負担することになろうとして、報告書は、雇用を刺激し、所得及び所得分布の改善を図るため、経済、労働、社会の諸政策を結びつけるディーセント・ワーク課題の促進を含み、世界経済をよりバランスの取れた道に乗せる長期的な行動を求めています。国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長は、90年代から見られる貧しい世帯と裕福な世帯の格差の拡大は、「中流・低所得者層の所得状況の改善に向けた国内政策の機能低下と金融グローバル化の影響」を反映するものとして、長期的な構造改革が採用されない限り、現下の地球規模の金融危機が事態を悪化させる可能性を指摘しています。
仕事の世界報告書2008年版:世界の所得不平等に関するILO新刊発表(英語原文)
2008年10月15日(水)発表ILO/08/43
来る10月16日にILOの研究部門である国際労働問題研究所は「World of Work Report 2008: Income inequalities in the age of financial globalization(仕事の世界報告書2008年版:金融グローバル化の時代における所得不平等・英語)」と題する新刊書を発表します。報告書は、所得不平等の最新の動向、そして金融グローバル化、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の不足、所得再配分政策の役割縮小などといったその背景要因を分析しています。
地球規模の金融危機の「重大な結果」に取り組む緊急対策を呼びかけ−ILO事務局長(英語原文)
2008年10月10日(金)発表ILO/08/42
去る10月10日、フアン・ソマビアILO事務局長は10月11〜12日にワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)と世界銀行の国際通貨金融委員会及び開発委員会の会合に向けた声明を発表し、世界的な金融危機の「重大な」影響に取り組み、景気後退を回避するため、金融・社会・規制・開発の諸面にわたる調整の取れた一連の措置を緊急に講じることを求めました。
国際金融システムの危機は世界中で企業、労働者、その家族に重大な結果を招くだろうとして、事務局長は、食糧・燃料価格の高値が依然続く状況下で発生したこの危機は、各国政府の調整の取れた迅速な行動で回避しない限り、長く続く世界規模の深刻な景気後退を引き起こす影響を与える可能性があると指摘しました。そして、世界中の生産能力と社会構造にもっと深刻な損傷が起こる前に資金の流れを迅速に回復する即時の行動や、労働者の社会的保護の維持及び向上、生産的な企業に開かれた融資機会の確保、一時解雇及び賃金カットの回避、後発開発途上国向け政府開発援助(ODA)の増額などを通じた最低限の保護措置の整備、国際金融市場の慢性的な変動しやすさ及び不安定性を減じることを目指した規制体制の再構築などを呼びかけました。金融危機発生以前から世界は既に貧困問題や社会的不平等の拡大といった危機を抱えていたとして、事務局長は、眼前の金融危機に対処する調整の取れた実効性のある取り組みは、地球規模の政策策定における協力体制と一貫性の向上に向けた第一歩になろうと訴え、世界全体におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会の創出に向けた統合的な政策の開発を、持続可能な回復と公正なグローバル化の基盤の一つと位置づけました。
高齢男女の権利、仕事、社会保障の必要性を強調−ILO男女平等広報キャンペーン(英語原文)
2008年10月1日(水)発表ILO/08/41
来年のILO総会における一般討議に向けて、1年間かけて行っている「男女平等はディーセント・ワークの中心広報キャンペーン」の10月のテーマは高齢者です。10月1日の国際高齢者デーに際し、ILO男女平等局のジェーン・ホッジス局長は、高齢化社会や高齢者に対する注目は世界的に高まっているものの、多くの社会で高齢者、そして特に高齢女性は、依然として職場における年齢差別に直面し、権利、仕事、社会保障への機会を欠いているとして、「高齢者問題に対する新時代的解決策」を呼びかけました。ホッジス局長はまた、女性の低賃金が、性に基づく貧困の終わりなき悪循環を生んでいると指摘しました。
ILOでは古くから高齢労働者の権利の問題に取り組んできており、1980年には高齢労働者の諸問題を総合的に取り上げた高齢労働者勧告(第162号)を採択しています。2002年に採択された高齢化に関するマドリード国際行動計画は、あらゆる年齢の人々に適した社会を構築するには、国際社会は伝統的な労働生涯の送り方を再考する必要があることを明確にしました。高齢者は働く選択肢を持ち、社会保障を享受できるべきですが、社会的保護制度が整っていない多くの国で、まともな暮らしを送るために高齢者が働き続けざるを得ない状態が生じています。十分な年金と保健医療を通じて引退する機会の確保は、ILOの中核的な使命の一部であり、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」というディーセント・ワーク課題の不可欠な構成要素の一つです。1952年に採択されたILOの社会保障(最低基準)条約(第102号)は、包括的な社会保障制度の最低限の基準を定めており、ILO社会保障局では、男女を問わずすべての人への社会保障拡大に向けた世界キャンペーンを通じて、これらの関連条約を促進しています。
2009年6月に開かれるILO総会では、仕事の世界における男女平等に加え、人口動態の変化に関する話し合いも行われます。
男女平等はディーセント・ワークの中心広報キャンペーンの10月テーマ・ウェブページには、ジェンダーの側面から高齢労働者の状況をまとめた小冊子「Rights, jobs and social security: New visions for older women and men(権利、仕事、社会保障:高齢男女にとっての新たなビジョン・英文)」を始め、各種関連情報が掲載されています。
2008年9月発表分
登場しつつあるグリーン経済が数千万の「グリーン・ジョブ」を
新規に創出する可能性を指摘する画期的な新刊書発表(英語原文・報告書概要和訳)
2008年9月24日(水)発表ILO/08/40
ILOは2007年に、環境に優しい「グリーン・ジョブ」とすべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を伴う環境に優しい「グリーン経済」を導くような、一貫性のある政策と実効的な事業計画に関する対話に従事するよう政労使を動員し、グリーン経済における機会、公平性、公正な移行を促進するためにグリーン・ジョブ構想を立ち上げ、国連環境計画(UNEP)、国際労働組合総連合(ITUC)、国際使用者連盟(IOE)とパートナーシップを構築しました。この度、この構想に基づく活動の一環として、ワールドウォッチ研究所に研究を委託した、仕事の世界に対するグリーン経済の影響に関する画期的な報告書が発表されます。
「Green jobs: Towards decent work in a sustainable, low-carbon world(グリーン・ジョブ:持続可能な低炭素世界におけるディーセント・ワークに向けて・英文)」と題する報告書は、気候変動の影響とその低減努力に基づく雇用・投資形態の変化は既に多くの経済及び産業部門で新たな雇用を創出し、途上国・先進国合わせて今後さらに数百万人分の新規雇用を創出する可能性があるものの、気候変動のプロセスは農業や観光業に生計を依存している労働者とその家族を中心に、マイナスの影響を与え続けるだろうと指摘しています。さらに、気候変動に取り組む過程で創出される新規雇用の多くが、しばしば低賃金、不安定な雇用契約、健康に有害な材料への暴露といった状況の早急な改善を要する農業やリサイクル業などにおける3K(危険、汚い、キツイ)労働であることや、世界の労働力の43%を占める働く貧困層(ワーキング・プア)や若者といった最も弱い層向けのグリーン・ジョブがほとんど創出されていないことなどを記し、「グリーン・ジョブは(環境を保護しつつ、貧困削減に寄与する)ディーセント・ワークである必要がある」と唱えています。また、グリーン経済への転換の影響を受ける人々などのための「公正な移行」を呼びかけ、有意義な社会対話の重要性を強調しています。そして、低コスト策に投資を振り向ける、より持続可能な未来に至る道として、グリーン・ジョブの潜在力評価と政策・投資の枠組みを提供する進展のモニタリング、技能要求を満たすことによる現状の技能障壁への対処、環境に配慮した職場形成に向けた労使イニシアチブによる温室効果ガス排出低減に対する個々の企業及び経済部門の確実な貢献などを提案しています。
中国では既に60万人が太陽熱関連製品分野で働き、インドではバイオマスのガス化によって2025年までに90万人の雇用が創出される可能性があり、南アフリカでは「勤労引換水支給」事業の一環として2万5,000人の失業者が保全事業に就いたといったように、世界中で数多くのグリーン・ジョブが創出されています。
報告書はまた、次のような予測を示しています。
- 環境製品・サービスの国際市場は現在は年間1.37兆ドル規模ですが、2020年までに2.74兆ドルと倍増の見込み。この市場の半分がエネルギー効率関係で、残りが持続可能な運輸、給水、衛生設備、廃棄物管理分野。例えばドイツの環境技術産業は2030年までに4倍に成長し、工業生産高の16%を占め、就業人口は大型工作機械、自動車産業を上回る見込み。
- 環境、経済、雇用に対する影響の点で特に重要なのは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー供給部門、建築物・建設業、運輸、基礎産業、農林業。
- 米国ではクリーン・テクノロジーが既にベンチャーキャピタル部門で情報、バイオテクノロジーに次ぐ第3の規模となり、中国のグリーン・ベンチャーキャピタルは近年倍増し、そのシェアは投資総額の19%。
- 再生可能エネルギー部門は膨大な雇用成長潜在力を秘め、最近の新規就業者数は230万人。代替エネルギー部門の就業者数は2030年までに風力で210万人、太陽光で630万人となる見込み。
- 再生可能エネルギーの雇用創出力は化石燃料を上回り、2030年までに6,300億ドルが投下され、2,000万人以上の雇用が新規に創出される見込み。
- 農業部門ではエネルギー用バイオマス及び関連産業で予想される就業者数は1,200万人。ベネズエラなどでは、10%のエタノール混合燃料によって2012年までにサトウキビ部門で100万人の雇用が創出される可能性有り。
- 高エネルギー効率建築物への世界的な移行は数百万の雇用創出に加え、1億1,100万人と推計される建設業の現在の就業者の多くを環境に優しい雇用に変える見込み。
- 建築物のエネルギー効率向上に向けた投資は欧米諸国だけでさらに200万〜350万のグリーン・ジョブを創出する可能性があり、この雇用潜在力は途上国でずっと大。
- 商品価格の高騰によって今後多くの国で急成長が予測されるリサイクル、廃棄物管理産業の推計就業者数は現在、中国で1,000万人、ブラジルで50万人。
ミャンマーの労働活動家の判決にILO、懸念を表明(英語原文)
2008年9月19日(金)発表ILO/08/39
ILOはミャンマーの労働活動家ウ・ザト・ウェイ氏が最近、2年の重労働の懲役刑判決を受けたことに対して、懸念と失望を表明しました。氏は、軍による未成年者の徴用も含む強制労働の被害者に代わって苦情申し立ての便宜を図り、その多くを解決に導いてきました。ILO理事会は氏が起訴されて以来、事件を注視してきており、今年3月には氏の自由が保たれることへの期待を表明しました。その後、6月に開かれた第97回ILO総会でもその願いは再確認され、政府上級レベルとの直接的な話し合いも行われています。
ILOとミャンマー政府との間では、未成年者の徴用を含む強制労働の苦情申し立てを行った人またはそれを支持した人を起訴及び報復から保護する補足合意文書が締結されており、ウェイ氏の有罪判決はこの補足合意文書を尊重しようとの政府の意思を疑問視させるものです。最終判決に先立ち、ILOと直接関係する二つの告訴事由が撤回されており、氏の判決事由は公式にはILO関連活動と無関係かも知れませんが、最高量刑ということもあり、ILOとしては、判決が強制労働慣行の苦情申し立てにおける氏の役割と無関係と判断することはできません。ILOはミャンマー政府に対し、緊急に判決を見直し、氏を即時釈放するよう要請するものであります。
ILO、UNEP、労使団体の研究成果、気候変動対策が数百万の新規雇用を創出する可能性を指摘(英語原文)
2008年9月19日(金)発表ILO/08/38
ILOは、国連環境計画(UNEP)、国際労働組合総連合(ITUC)、国際使用者連盟(IOE)と共同で制作した、環境に優しい「グリーン経済」の登場と、仕事の世界に対するその影響について研究した初の包括的な報告書を、来たる9月24日に発表します。「Green jobs: Towards decent work in a sustainable, low-carbon world(グリーン・ジョブ:持続可能な低炭素世界におけるディーセント・ワークに向けて・英文)」と題する報告書は、新しいデータを用いて、気候変動対策や温室効果ガス排出低減努力の結果として雇用形態に変化が生じ、世界中多くの経済及び産業部門で環境に優しいグリーン・ジョブが創出されている状況を示し、数百万人分の新たな雇用機会が生じる可能性を指摘しています。この動きは、家庭や産業レベルで再生可能エネルギーや高エネルギー効率分野へと流れ込む投資の流れの変化も引き起こしていますが、現行の政策枠組みの中では雇用や開発に対する利益ポテンシャルはほんの一部しか実現が期待できません。
報告書はまだ十分練られていませんが、新しいグリーン経済について必要な意識形成に役立ち、求められる変化を引き起こす助けになることを目指しており、2009年後半にコペンハーゲンで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議に向けた国際社会に対する一連の政策提案の一部をなすものとなっています。対途上国投資の利用機会改善と、建物・産業におけるエネルギー効率の世界的な向上が主な関心事項であり、労働者と地域社会に公正な移行を確保する幅広い社会的保護、社会対話、積極的労働市場政策の重要性にも光を当てています。また、各国が低排出・高生産の農業を育成し、炭素吸収力を高めるように森林を管理し、熱帯地方の森林部門にグリーン・ジョブを創出することへの財政支援も呼びかけています。
報告書は9月24日午前9時にニューヨークの国連プレス・ブリーフィング室で、フアン・ソマビアILO事務局長、アヒム・シュタイナーUNEP事務局長、ガイ・ライダーITUC書記長、ロニー・ゴールドバーグIOE副会長によって発表されます。
2006年海事労働条約に基づく船舶検査指針をILOで新たに検討(英語原文)
2008年9月15日(月)発表ILO/08/37
政府に加え、船員、船主の代表計300人以上が出席し、2006年にILOで採択された海事労働条約に基づく旗国と寄港国の船上における検査に関する指針について話し合う二つの会議がジュネーブで連続して開催されます。9月15〜19日には、基準遵守を点検する際の詳細要件、検査分野毎の遵守を証明するための証拠、違反時に取るべき行動などといった事項を中心とした、旗国の検査に関する指針についての話し合いが行われます。9月22〜26日には、海事労働条約に基づく検査を実施する寄港国監督官向けの指針が検討されます。寄港国における外国船舶の検査は、旗国による検査を補強すると共に、海事労働条約を遵守している船主を基準以下船舶の不公正な競争から保護することを目指して行われます。
2006年の海事労働条約は、1920年以降にILOで採択された70近い海事労働分野の条約と勧告を統合したものであり、雇用・労働上の船員の様々な権利を規定していますが、具体的な検査方法は規定されていません。今回の会議で採択された指針を用いて、旗国は船舶が条約を遵守していることを証明する証書等を発行し、寄港国は条約未批准国を旗国とする船舶を含むすべての寄港船舶を検査する権限のもと、船舶の抑留を含む条約違反時の措置を講じることとなります。
海事労働条約はまだ未発効ですが、その合計船腹量が総トン数で世界全体の船腹量の33%以上を占める30カ国以上の批准を得た12ヵ月後に発効します。既に、リベリア、マーシャル諸島、バハマが批准しており、その合計船腹量は世界全体の20%近くに達しています。他にも多くの国で批准に向けた動きが見られ、欧州連合(EU)理事会では2007年6月に、欧州共同体の利益のために2010年12月31日までに海事労働条約を批准することをEU加盟国に許可する決定を採択しています。
公正なグローバル化のための社会正義達成に向けたさらなる政策整合を呼びかけるILO事務局長(英語原文)
2008年9月5日(金)発表ILO/08/36
ノルウェーの政府及び労働者団体(ノルウェー労働総同盟−LO)、使用者団体(ノルウェー使用者連盟−NHO)の共催で9月5日にオスロで開かれた「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事):公正なグローバル化のための社会正義に向けたカギ」と題する国際会議で基調講演を行ったフアン・ソマビアILO事務局長は、「不均衡かつ不公正で持続可能でない」グローバル化に対する反動に警鐘を発し、「公正なグローバル化のための社会正義を支える政策整合性の強化」を呼びかけました。そして、現在見られる世界の貧困水準を現行のグローバル化モデルの失敗を告発する事象と指摘し、そのような政策整合性における組合、企業、政治家のリーダーシップの必要性を強調しました。
事務局長はまた、先進国と途上国、そして労働組合と使用者の新しいコンセンサスを強く固めるものとして、今年6月にILO総会で新たに採択された「公正なグローバル化のための社会正義宣言」に含まれる、「就労における基本的な原則と権利の侵害を合法的な比較優位として用いてはならず、労働基準を保護貿易目的に用いるべきでない」との一節を紹介しました。そして、政策整合が課題とされる側面として、1)就労における基本的な原則と権利を中心とした人権の尊重、2)競争力と生産性にとって不可欠な、企業の持続可能性、3)貧困廃絶に向けた開発政策としての社会的最低線、4)貿易・金融政策がディーセント・ワークの機会に与える影響、5)気候変動に応える、環境に優しい「グリーン・ジョブ」の推進の五つを示しました。
ノルウェーの外務大臣が議長を務めたこの国際会議では、パスカル・ラミー世界貿易機関(WTO)事務局長、元国連人権高等弁務官のメアリー・ロビンソン・リアライジング・ライツ:倫理的グローバリゼーション・イニシアチブ理事長なども講演し、労使代表からのコメントも含み、グローバル化への政策対応に関する話し合いが行われました。ソマビアILO事務局長は世界的なディーセント・ワーク運動の盛り上がりを歓迎し、会議が国内外における政策整合に向けた転換点となることへの期待を表明しました。
2008年8月発表分
男女平等はディーセント・ワークの中心キャンペーン−若者の雇用:若い男女間の性による障壁の打破(英語原文)
2008年8月11日(月)発表ILO/08/35
来年のILO総会で「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の中心にある男女平等」をテーマとした一般討議が行われるのに合わせ、ILOでは様々な切り口からこの問題を取り上げる1年間の広報キャンペーンを6月から開始しています。8月12日が国際青少年デーであることから、8月の月別テーマは若者の間の男女平等になっています。
国際社会の努力にもかかわらず、若者は世界各地でジェンダーの固定観念と就業上の障壁の影響を受け続けています。5年前の国際青少年デーでも若者の高い失業率と不完全就業率の問題が取り上げられましたが、今後10年以内に10億人の若者が就労年齢に達することから若者の雇用危機の拡大を回避する必要性にILOでは再び注意を喚起しています。
質の高い教育訓練の機会を少年少女に平等に開くことがディーセント・ワークを見つける最善の出発点であるものの、教育水準に差がない場合でも労働市場に依然残る差別のせいで学校から労働市場への移行において女性の方がより多くの困難に直面しています。若者の就業状況は年齢、教育水準、健康状態などによって異なりますが、全体的に女性の労働力率は男性よりも相当に低く、仕事が見つかったとしてもインフォーマル経済における仕事であったり、給与格差が見られる場合が多いことから社会の周縁に追いやられたり、貧困状態に陥りやすくなっています。多くの国で女性はまだ、ほとんど上方移動の見込みのない比較的低技能で給与も低い「女性職」用の訓練を受けることを、そして男性はしばしば給与も高く、近代技術を基盤とした訓練や雇用に向かうことを奨励されています。伝統的に男性の仕事とみなされるものと女性の仕事とみなされるものが区別されている性別職業分離の問題に取り組み、職業への道を両性に開き、性による障壁を打破することが大きな課題になっています。
ILOは若い男女のディーセントな雇用を積極的に推進しています。「男女平等はディーセント・ワークの中心」広報キャンペーンの8月のページには、若者の男女平等に関する小冊子、ポスター、葉書、関連ILO刊行物、リンク集が掲載されています。
2008年7月発表分
メキシコで開かれる国際エイズ会議においてILOはHIV予防における職場の役割を強調する予定(英語原文)
2008年7月31日(木)発表ILO/08/34
2008年8月3日から8日までの日程でメキシコシティで開かれる第17回国際エイズ会議の会場において、ILOはHIV(エイズウイルス)/エイズの世界的流行に対応する上での職場の重要性の高まりを示す一連のイベントを開催する予定です。
ILOは現在、2001年に採択された「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」の拡充・強化を目指してHIV/エイズに関する新しい国際労働基準の策定を予定していますが、8月7日にはこの提案を紹介するサテライト・セッションを開催します。
エイズ対応の設計において労働力移動はますます重要な問題となってきました。国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、ILO及び国際移住機関(IOM)の協力を得て、自国外で働く人々のHIV関連のニーズと権利に焦点を当てた方針摘要書を作成しました。3日にIOMと共催する労働力移動と移動性に関するサテライト・セッションの中で、この文書が正式に発表されます。5日には、国家レベルにおけるHIV/エイズとの闘いにおける民間部門と使用者団体の貢献に光を当てる国際使用者連盟(IOE)主催のイベントを後援します。また、会場内グローバル・ビレッジのネットワーキングゾーンで、職場における効果的な予防方法やHIV/エイズ方針立案方法に関する助言や資料を提供する「職場アドバイスセンター」を開設します。
HIV/エイズは仕事の世界に破壊的な影響を与えています。現在3,300万人と推計されるHIV感染者中3,000万人以上が生産年齢にありますが、最も生産的な年齢にある人々は感染の危険が最も高いだけでなく、受ける影響も最も大きくなっています。したがって、「職場はHIV/エイズに関する情報、その予防、非差別、治療を受ける機会にとって決定的に重要」と、HIV/エイズと仕事の世界ILO計画(ILO/AIDS)のソフィア・キスティング部長は唱えています。ILOの基準設定活動と職場における実践活動の組み合わせはHIV/エイズの予防とケアに多大な影響を与えることを示す証拠がますます増えてきており、職場は各種の対応にとって極めて重要な参入点であることが判明しています。ILOの「企業における戦略的HIV/エイズ対応(SHARE)プロジェクト」の活動報告でも、職場で得た情報が、差別の減少やより安全に配慮した態度の形成といった肯定的な対応の促進に役立っている例が多数紹介されています。現在、ILOは世界全体で1,000以上の職場と協力しています。
2008年6月発表分
世界安全衛生サミットによるより安全な職場の促進に関する新宣言をILO歓迎(英語原文)
2008年6月29日(日)発表ILO/08/33
第18回世界労働安全衛生会議(ソウル・2008年6月29日〜7月2日)開幕日の6月29日、世界各地より国際的な指導者、政府閣僚、主要多国籍企業の最高経営責任者、社会保障分野の指導者、安全衛生上級専門家、労使代表などハイレベルの意思決定に携わる人々50人余りが集まって開かれた初の安全衛生サミットでは、地球規模の労働安全衛生文化の構築に向けた新たな青写真となる労働安全衛生ソウル宣言が採択されました。
職場における安全と健康の向上は労働条件、生産性、経済・社会開発にプラスの影響を与える事実を認めた上で、宣言は安全で健康的な職場環境を享受する権利が基本的人権として認識されるべきことを強調しています。また、労働安全衛生の促進と職場における事故及び疾病の予防は創設以来のILOの使命及び「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」というディーセント・ワーク課題の中核的な要素であると明言しています。宣言はさらに、2006年に採択され、日本が最初の批准国となった職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)を始めとした労働安全衛生に係わるILO諸条約の批准を検討し、国内の労働安全衛生事情を体系的な形で改善していく手段として、強力かつ実効性のある労働監督制度などを通じてその規定の実行を確保するよう奨励しています。使用者に対しては、予防を企業活動の一体的な部分とすることの確保、職場の安全衛生向上に向けた実効性のある労働安全衛生マネジメントシステムの確立、この過程で労働者との協議、その訓練、情報共有、関与を保障することを呼びかけています。労働者に対しては、個人保護具の利用に関するものを含み、安全及び健康に係わる指示及び手順に従い、安全衛生研修や啓発活動に参加し、使用者と協力して職場における安全衛生に係わる措置を遵守するよう記しています。
宣言への署名を通じて、サミット参加者達は予防的な安全衛生文化を促進し、労働安全衛生を国の政策課題の上位に位置させることを約束すると共に、2011年に予定される次の第19回世界労働安全衛生会議において進展状況を見直すことに合意しました。
アサン・ディオップILO社会的保護総局長は「予防的な安全衛生文化の確立における大きな一歩」を刻むものとして、宣言の採択を歓迎しました。
ILO理事会新議長選出;結社の自由委員会はグアテマラ、韓国、
インドネシア、イラン、ベネズエラの案件に特に言及(英語原文)
2008年6月13日(金)発表ILO/08/32
第97回ILO総会において6月2日に新たに選出されたILO理事会は6月13日に改選後初の会合をもち、2008〜09年の議長として、ポーランドのズジスワフ・ラパツキ在ジュネーブ国連常駐代表軍縮会議大使を選出しました。2006年に軍縮会議で議長を務めたこともあるラパツキ大使は、10年間にわたり、ポーランド大統領の外交政策顧問を務めていました。労働者側副議長には、理事会労働者側グループのスポークスマンでもあるルロイ・トロットマン・バルバドス労働者組合書記長、使用者側副議長には、ダニエル・フネス・デ・リオハ・アルゼンチン産業連合社会政策部会長がそれぞれ再選されました。
第302回理事会はまた、40件の案件を審査した第350回ILO結社の自由委員会の報告書を承認しました。委員会は労働組合指導者の殺害などが申し立てられているグアテマラ、下請け・派遣労働者による結社の自由及び団体交渉権行使の制限が問題となっている韓国、労使紛争に対する軍の介入と従業員の解雇などが問題になっているインドネシア、組合会長の長期拘束などの労働者団体からの申し立てに加え、使用者団体からも政府による活動介入の申し立てが出されているイラン、使用者団体のリーダーや会員に対する暴力や威嚇などが問題となっているベネズエラの案件に特に注意を喚起しました。
グアテマラに対しては同じく書記長を務める殺害された書記長の兄弟の保護や武装軍人による組合本部立入・尋問の申し立ての調査などを求めました。韓国に対しては、平和な労使関係風土回復の一手段として今後は社会対話と団体交渉を推進することや下請け労働者の結社の自由及び団体交渉権の保護を強化するような適切な仕組みの開発などを政府に求めました。インドネシアについては、反組合的解雇に関する適切な救済措置や軍による暴力・威嚇行為の調査・処罰を求めました。イランについては、問題の根幹に複数労働組合を許す法的枠組みの欠如があるとして、それを措置する努力を政府に求めました。ベネズエラに対しては、使用者団体本部や指導者の実効的な安全確保、表現の自由の保障などを政府に求めました。
日本については、現在進められている公務員法改正が労働者団体と適切な協議なしに進められ、今ある公務員法の改悪につながり、十分な代償措置なく公務員の労働基本権の制約を維持しているとして、連合、全労連などが行っていた申し立てに関し、2006年3月に続く4度目の中間報告が出されました。委員会は、公務員に対する労働基本権の付与や消防職員・刑務所職員に対する団結権付与といった結社の自由及び団結権保護条約(第87号)並びに団結権及び団体交渉権条約(第98号)に具体的に表現されている結社の自由原則の実施に必要な措置に実効的かつ遅滞なく取り組むことを目指した十分な社会対話の仕組みの推進に向けた適切な措置が、ようやく成立した国家公務員制度改革基本法に続くことへの期待を表明し、必要であればILOの技術支援を活用できる可能性に政府の注意を向けました。ほかに、フォローアップ段階にある案件も2件取り上げられました。中央労働委員会及び地方労働委員会の委員任命における特定労働組合優遇に関する全労連による申し立てについては、全労連推薦委員が再び任命されなかった事実に対する遺憾の意を表明した上で、委員会は次の任命時には、すべての代表的な団体に公正かつ平等な待遇を与える必要性の原則を考慮に入れるよう求めると共に、本件に係わる訴えが係属中の最高裁判所に委員会の審議の写しを提供することなどを求めました。不当労働行為・反組合的差別待遇等に関する現行法規定が十分機能していないとの郵産労による申し立てについては、手続きに時間がかかりすぎるとされていた郵便局内スペースの組合事務所貸与拒否事件が最終的に中央労働委員会の決定を受けて事務所スペースが割り当てられる解決を見たことが報告され、委員会は満足の意をもって情報に留意しました。
第97回ILO総会:ILOのディーセント・ワーク課題を促進する
新たな手立てを強調して閉幕(英語原文)
2008年6月13日(金)発表ILO/08/31
182のILO加盟国のほとんどから政府、使用者、労働者の代表4,000人以上が出席して開かれた2008年のILOの年次総会である第97回ILO総会は、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進強化に向けた画期的な宣言を採択し、ますます大きくなるグローバル化の課題に応える新たな手立てを開発して6月13日に閉幕しました。農村の貧困削減や技能開発を高める方法に関する幅広い討議を行い、国際労働基準の順守に関する多くの問題を検討し、世界的食糧危機に関するハイレベル・パネル討議や児童労働反対世界デーのイベントも開催されました。ゲスト・スピーカーとして、スロベニアのダニーロ・トゥルク大統領、パナマのマルティン・トリホス大統領、レソトのパカリタ・モシシリ首相の演説も行われました。
総会の議長にはパナマのエドウィン・サラミン・ハエン労働・労働力開発大臣、副議長にはアルジェリアの政府代表、パキスタンの使用者代表、ギニアの労働者代表が選出されました。
6月2日には向こう3年間の理事選挙が行われ、6日には結社の自由に関する新しいグローバル・レポートを巡る話し合いが行われました。13日には第2回ディーセント・ワーク研究賞の授賞式が行われ、ノーベル経済学者のジョセフ・スティグリッツ氏とカナダにおける労働研究の第一人者であるハリー・アーサーズ氏が賞を受けました。ソマビアILO事務局長は閉幕に当たり、今総会はILOの中心にある三者構成主義の活力を再び示す場になったと評価しました。
農村雇用委員会では貧困削減に向けた農村雇用の促進に関する掘り下げた議論が行われ、成長と貧困削減の動力源として農業の中心的な役割が強調されました。農村雇用の動向とディーセント・ワークの不足、農村部における社会的保護の適用範囲の拡大と国際労働基準の適用、より良い統治、地位向上、制度の促進といった幅広い事項が分析されました。
技能委員会では技能、生産性、雇用、開発、ディーセント・ワークのつながりの強化に向けて政府と労使の社会的パートナーを導く一連の結論が採択されました。男女どちらにも教育と訓練の機会を開き、その質を向上させることは、技能開発がイノベーション、投資、技術変化、企業開発、経済の多角化と競争力といったより多くのより良い雇用の創出を加速化し、社会の結合を高めるのに必要な要素を刺激する好循環を発生させ得るとされました。
国際労働基準の適用問題を扱う基準適用委員会では、今年もミャンマーの強制労働条約(第29号)適用問題に関する特別会議が開かれたほか、日本を含む23の個別案件の審査が行われました。ミャンマーについては、法改正や加害者処罰といった10年以上前に理事会で採択された審査委員会の勧告がまだ何も実行されておらず、子どもの軍隊への徴用を含み強制労働が依然として広く見られる状況に深い懸念が表明され、苦情申し立ての仕組みが機能し続けていることや連絡官を補佐する職員を任命できたなど若干の進展は見られるものの加害者が刑法の下で処罰されていないことや苦情の申立人及び連絡官に協力した人々が報復や嫌がらせを受けている事例が指摘され、総会委員会は再び審査委員会勧告の完全実施や嫌がらせ・報復の即時停止、加害者の処罰の確保を政府に求めました。委員会はまたサイクロン・ナルギスの襲来を受けたミャンマーの人々に対する哀悼の意を示し、強制労働なしに再建工事が行われることやアウン・サン・スー・チー女史の速やかな解放を呼びかけました。
個別案件としては、今年で採択60周年を迎えた結社の自由及び団結権保護条約(第87号)の適用に関し、コロンビア、ベラルーシ、バングラデシュ、ジンバブエ、日本などの案件が取り上げられました。バングラデシュ独立衣料労働者組合連盟(BIGUF)の事務所強制捜査や役員逮捕などといった、深刻な条約違反が法律上でも実際面でも見られるバングラデシュと、デモに参加した組合員の半計画的な逮捕・拘束を含む基本的自由の侵害が問題になっているジンバブエの案件に特に注意が喚起されました。消防職員の団結権と公務員の労働基本権が取り上げられた日本の案件に関しては、先般成立した国家公務員制度改革基本法にも触れた上で、委員会は消防職員組合の事実上の承認、法及び実際面での条約の完全適用を確保するために必要なさらなる条文検討における開かれた十分な社会対話を続けることを政府に奨励しました。
総合調査が行われた労働条項(公契約)条約(第94号)及び同勧告(第84号)の討議においては公共調達の社会的側面の重要性が強調され、公契約における労働条項の問題についてはさらなる研究と分析が必要という点で明確な合意が達成され、公共調達契約に社会条項を組み込む方法及びその是非について検討する政労使三者構成の専門家会議の開催が提案されました。
ILO、画期的な宣言を採択−公正なグローバル化のための社会正義宣言(英語原文)
2008年6月12日(木)発表ILO/08/30
ILOでは1年以上にわたり、金融市場の混乱や景気下降から失業問題、インフォーマル化、不十分な社会的保護の拡大に至る不確実性が労働の世界に広がる中で、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」というディーセント・ワーク課題を推進するILOの能力を強化し、ますます大きくなるグローバル化の課題に対する効果的な対応策を構築するための検討が行われてきましたが、活動の基盤となるものとして、第97回ILO総会において「公正なグローバル化のための社会正義宣言」と付随する決議が口頭表決によって採択されました。
宣言は社会正義、生産的な完全雇用、持続可能な企業、社会の結束を基礎とした、開かれた社会と開かれた経済を支える新しい戦略を求めるILO加盟国の政府及び労使の呼びかけを体現したものであり、グローバル化の利益を認めつつも、すべての人々にとって公正な、より良い成果を達成する手段としてディーセント・ワーク政策を実行する努力の強化を求めています。具体的には、ディーセント・ワーク課題を通じたILOの四つの戦略目的(雇用、社会的保護、社会対話と政労使の三者構成主義、働く上での基本的な原則と権利)を通じて進歩と社会正義を促進し達成するための加盟国政労使の取り組みをILOが実効的に支援する新しい基盤を確立するものです。また、これらの目的の相互支援的な性格と相互依存性を強調することによって、どれか一つが推進されなかったとすれば他のものの推進における進歩も妨げられるとの事実を強調しています。
宣言はさらに、グローバル化によってもたらされた労働の世界の奥深い変化に光を当てつつ、貿易と金融市場政策のどちらも雇用に影響を与える以上、「雇用を経済政策の中心に据える目標の達成に向け、これらが雇用に与える影響を評価することはILOの役割」と明記し、ディーセント・ワークの推進に向けて他の国際機関・地域機関と協力することをILOに求めると共に、加盟国政労使の責任として、その社会・経済政策を通じてディーセント・ワーク課題の実施に向けた統合的な世界規模の戦略の実現に寄与することを求めています。
この宣言の採択は、ILO憲章の附属書であるフィラデルフィア宣言が採択された1944年以来の、ILOの刷新を象徴する重要な出来事です。さらに、結社の自由と団体交渉権、あらゆる形態の強制労働の撤廃、児童労働の実効的な撲滅、雇用・職業上の差別撤廃の基本的な原則をILOの基盤原則と位置づけ、前記の四つの戦略目的実現のための条件を形成する上でのその重要性を強調することによって、1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」の尊重、推進、実現に向けた大きな一歩を刻むものともなっています。
宣言には、ILOが加盟国のディーセント・ワーク課題推進努力を支援する手段を確実にするフォローアップの仕組みが含まれています。これには、ILOの制度的慣行と統治の仕組みの見直し、加盟国のニーズと現実に応え、ILOの活動成果を評価する話し合いをILO総会で定期的に持つこと、任意のカントリー・レビュー、技術支援、助言サービス、調査研究能力や情報の収集・共有の強化などが挙げられています。
ソマビアILO事務局長は「経済・社会政策の調和に向けた大きな転換を意味するだけでなく、ディーセント・ワークを基礎とした公正なグローバル化の推進を追求する上での素晴らしい道具をILOに装備させるもの」として宣言の採択を歓迎しました。宣言を審議した委員会のジャン=ジャック・エルミジェー委員長は宣言と決議を「コンパス」と呼び、「未来の形成は我々皆にかかっている」として、今後の取り組みを求めました。
レソト首相、世界的食糧危機の緩和における経済成長、生産性の役割を強調(英語原文)
2008年6月11日(水)発表ILO/08/29
現在ジュネーブで開かれている第97回ILO総会の中で、6月11日に食糧危機、生産、投資、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関するハイレベルパネル討議が行われました。
基調講演を行ったレソトのパカリタ・モシシリ首相は、世界的食糧危機の緩和における持続可能な経済成長と農業生産性の役割を強調しました。また、今年の総会で、貧困削減に向けたディーセント・ワークと農村雇用の促進の議題が討議されていることに触れ、「農村部の貧困問題への取り組みは、国全体の貧困削減における最速かつ最も効果的な方法」と評しました。モシシリ首相はさらに、公正な所得配分メカニズムを備えた健全で持続可能な経済成長は、「政労使三者のパートナーが協調して共に取り組むとき、そして高生産性に焦点が当てられるとき」に実現すると唱えました。また、後発開発途上国としてできるだけ早い機会に国民の生活の質を向上しようと取り組んでいる自国の事情を紹介し、このような努力を阻むような食糧・エネルギー価格の上昇や金融不安のような世界的な課題に取り組む国際的な努力の緊急性を強調しました。
パネリストとして発言した国際農業開発基金(IFAD)のレナート・ボーゲ総裁は過去20年間に需要の高まりに反して、生産性向上と農業に対する開発援助は減少してきた事実を紹介し、最も緊急度の高い緊急食糧ニーズへの対応に加え、小自作農を中心とした農業の生産性と生産高の向上も必須として、将来の食糧危機にも目を向ける必要性を訴えました。
使用者を代表して発言したビジネス・ニュージーランドのフィル・オライリー最高責任者は、食糧価格の上昇は世界で最も弱い立場の人々を中心に「真の痛みと困苦を引き起こす」として、食糧危機は農村雇用と貧困削減に関する総会議論の一要素であったことを紹介した上で、現下の食糧危機だけでなく、その繰り返しも防ぐような長期的な解決策を唱えました。
労働者を代表して発言した国際食品労連(IUF)のロン・オズワルド書記長は「飢餓は引き起こされている」として主要食糧価格の超インフレなどをその主な要因に挙げ、「主要食糧価格が1%上がる毎に1,600万人が新たに飢餓人口に加わる」と論じました。そして、問題に取り組むためにディーセント・ワークと社会規制に資本を注入する必要性を唱えました。
ソマビアILO事務局長は、農業以外の雇用や雇用を多く生むインフラ投資を含む、農村部における雇用促進を唱え、食糧危機の影響が最も大きいのは貧しい労働者であるとして、家族を養えるまともな雇用と公正な収入の必要性を訴えました。
2008年児童労働反対世界デー(6月12日):教育は児童労働に対する「正しい対応」−ILO(英語原文)
2008年6月11日(水)発表ILO/08/28
今年の児童労働反対世界デー(6月12日)は、児童労働に対する正しい対応としての教育に焦点を当て、児童労働と貧困の悪循環を破る上でも、2016年までに最悪の形態の児童労働を撤廃する上でも、教育が決定的に重要である事実に注意を喚起しています。
世界デーに際して発表された、教育と児童労働に関するILO児童労働撤廃国際計画(IPEC)の新しい報告書は、世界34カ国の児童労働調査をもとに、初等教育を受けていない子どもの多くが早くから働き始める事実を示しています。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の統計によれば、学齢期にありながら初等教育を受けていない子どもは世界全体で1999年には1億300万人でしたが、2006年には約7,500万人に減少したとされています。経済活動に従事する子ども(5〜14歳)の数も、2004年には4年前より約2,000万人減ったと推計されていますが、それでも依然として1億9,100万人が何らかの種類の経済活動に従事し、うち1億6,500万人がいわゆる児童労働に従事していると推計されます。
報告書は、◇児童労働は初等学校就学率の低下をもたらし、非識字率にマイナスの影響を与えること、◇通学しながら働く子どもの場合、労働時間の増加と欠席率が比例すること、◇児童労働率の高さと教育開発指数(普遍的初等教育、成人の非識字率、教育の質、男女均等の度合いを測定する指標)の低さには関連性があること、◇子どもの経済活動率と初等学校の落第率には有意の相関関係があること、◇働く農村児童と女児が最も不利なグループに含まれる傾向があることなど、児童労働が主な就学指標に与える影響を検討し、国連ミレニアム開発目標に定められた教育目標達成の手段として児童労働に取り組む論拠を示しています。
ソマビアILO事務局長は、児童労働に対する闘いに「教育の側面」を付与することを唱え、◇少なくとも就業の最低年齢まですべての子どもに教育を提供すること、◇児童労働に従事する子どもやその他の排除されている集団に手を差し伸べる教育政策、◇質が高く十分な資源が確保された教育及び技能訓練のすべての子どもへの提供、◇大人のためのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けて協力し合おうと呼びかけました。教育へのアクセスを高めることによって児童労働に取り組む行動を強化する努力の一環として、ILOは、国連諸機関、教員、市民団体からなる「児童労働と万人の教育グローバル・タスクフォース」と活動の調整を図っています。IPECは世界約90カ国で、法制・政策枠組みの開発支援、児童労働の予防・救済、最悪の形態の児童労働の2016年全廃に向けた行動計画などを実施しています。先般開始した1年間にわたる「男女平等はディーセント・ワークの中心」ILO広報キャンペーンでも、教育を通じた児童労働対策を6月のテーマに据え、「少年少女両方の教育が進歩の秘訣」とのスローガンを掲げています。12の国連諸機関からなる人権教育に関する国連機関間調整委員会(UNIACC)も児童労働問題の重大性に加盟国の注意を喚起する共同声明を発表しました。
世界デーに際し、世界約60カ国で様々なイベントが行われます。日本でも写真パネル展が開かれている横浜市において12日にセミナーが開かれます。
ディーセント・ワークに向けた「バイア・アジェンダ」をILO年次総会に提出:「ディーセント・ワークを通じた包摂」を呼びかけるワギネル知事(英語原文)
2008年6月10日(火)発表ILO/08/27
バイア州(ブラジル)のジャッケス・ワギネル知事は、6月10日に、世界初の州レベルのディーセント・ワーク(働きがいがある人間らしい仕事)事業をジュネーブで開かれている第97回ILO総会に提出しました。「バイア・アジェンダ」と呼ばれるこの行動計画は、家事労働、労働安全衛生、若者の雇用、児童労働撲滅、公共行政、平等推進、強制労働撲滅、バイオ燃料の8項目について、男女・人種平等推進を横断的な目標に、働く上での基本的な原則と権利の尊重、より多くのより良い雇用の創出、社会的保護の拡大、社会対話の推進といったディーセント・ワークの四つの柱を通じて取り組んでいくものです。行動計画の立案は2007年12月に開始され、他の政府機関のみならず、労使団体、市民社会の支持も得て策定されました。
6月10日の提出式典にはブラジルの労働大臣や議員、労使代表も出席し、この計画に対する政労使三者の支持を改めて表明しました。式典では、計画の実施をILOが支援する技術協力議定書が調印されました。
バイア計画を紹介するに当たり、ワギネル知事は「私たちに得られる最良の社会計画はディーセント・ワークを通じた包摂を含意するもの」と語り、「仕事の世界に価値を置く以外に、より良い世界を構築する方法は考えられなかった」として、州レベルで計画を策定しようとの発想は、「人は一つの土地、一つの自治体、一つの州に住み、暮らす」との事実に係わると述べました。ソマビアILO事務局長は「グローバルな課題がローカルな根」を持つ形を示すものとしてこの計画を評価し、これは最初の経験であるが「最後ではないだろう」として、他の諸国や地域の追随に期待を示しました。
「貧困は世界全体の恥」とILO総会で訴えるパナマ大統領:ディーセント・ワークと労働者の権利を尊重しつつ建造されているパナマ運河(英語原文)
2008年6月10日(火)発表ILO/08/26
ジュネーブで開かれている第97回ILO総会において、6月10日に特別演説を行ったパナマのマルティン・トリホス大統領は、現在進められているパナマ運河拡張工事は、数千人の労働者が命を落とし、1914年に完成した最初の工事とは多くの点で異なり、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」採択10周年を記念するものとして、そしてとりわけディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進と強化に向けた同国の公約を実行するものとして、ディーセント・ワークと労働者の権利を尊重しつつ実施されると述べました。また、驚異的な技術進歩が達成された今の時代において「貧困は世界全体の恥」と唱え、幅広い全国的な協議の結果、運河拡張の利益が貧困撲滅に寄与することを確保するに至った経緯を紹介し、共同努力の一環として17年間にわたる総額100億ドルの投資計画に合意したことを紹介しました。
大統領は食糧価格の高騰にも触れ、問題が解決されなければ、貧困から脱したばかりの数百万人もの人々が再び貧困に陥り、数十年に及ぶ努力が無に帰す危険性を警告しました。そして、生産性、競争力、ディーセント・ワークを高める包括的な政策を各国政府に呼びかけました。さらに、世界貿易に必要な基盤構造は、どんな主体や業者についても、パナマが引き受けたような労働事項に関する国際的な責任の順守を免除するものではないと訴え、例外の許されない約束の一部として、政府はILOの推進するディーセント・ワーク原則を承認するに至ったと述べました。大統領はまた、2006年に採択されたILO海事労働条約批准の意思を示しました。
ソマビアILO事務局長は、大統領の政策の基盤には社会的動機があるとして、経済成長を確実に国民の福祉に転化させる取り組みがなされていることを紹介しました。そして、運河拡張事業にも表されている、対話を受け入れるトリホス政権の姿勢を強調しました。
「社会正義を欠いたグローバル化」に取り組む緊急措置を呼びかけ−ILO事務局長(英語原文)
2008年6月9日(月)発表ILO/08/25
フアン・ソマビアILO事務局長は6月9日に、ジュネーブで開かれている第97回ILO総会において基調演説を行い、賃金、雇用、生産性における世界的な不平等の拡大を指摘し、このような「社会正義を欠いたグローバル化」を阻止する対策が緊急に必要と呼びかけました。
サブプライム金融危機に加え、基本的な権利や保障、移動の展望や尊厳を欠いた標準以下の脆弱な「サブプライム・ワーク」の危機、不平等の深刻化を招いている社会正義を欠いたグローバル化、インフレ高騰、景気の低迷または後退、失業などの脅威、そして政府財政に加え、貧しい労働者や家計をさらに痛めつける食糧価格危機といった様々な危機の存在を列挙した上で、ソマビア事務局長は、働く家族のこのようなリスクに取り組む緊急対策が必要と訴えました。そして、国家の公共政策機能、市場の生産的ダイナミズム、社会の民主的な声、個人・家族・コミュニティーの必要性と選択といった相互に補強し合う役割を基礎とした新しい政策バランスの必要性を指摘し、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人に」というディーセント・ワーク課題と公正なグローバル化にそのバランスが見出されるとの声が多く聞かれることを紹介しました。
政策策定においてILOが重要な責任を有するこの他の分野として、ソマビア事務局長は持続可能な企業の継続的な育成や、環境に優しい仕事であるグリーン・ジョブ構想の十分な展開も提唱しました。働く上での権利に関しては、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の基礎となっている強制労働、児童労働、差別、結社の自由と団体交渉に関する8条約の2015年までの全加盟国による批准を目標として提案しました。
政労使で構成されるILO独特の三者構成は、共通の理解に根ざした成果を達成できる機会を提供するものとして、「新たに登場しつつある、金融の安定及び開発投資を公正な貿易及びディーセント・ワークと結びつけるグローバル・ガバナンス体制においてILOは中心的な役割を演じ得る独特な機会を有する」と唱えました。
2008年の児童労働反対世界デー(6月12日):教育は児童労働への正しい対応(英語原文)
2008年6月6日(金)発表ILO/08/24
今年の児童労働反対世界デー(6月12日)は、児童労働に対する正しい対応として、子どもの教育へのアクセスを改善する必要性に焦点を当てます。
世界デーに際し、ILOは世界34カ国の児童労働調査をもとに児童労働と教育に関する新しい報告書を発表します。児童労働撤廃国際計画(IPEC)の最新の推計によれば、世界全体で約2億1,800万人に上る働く子どもの多くが、より良い未来につながる道となる教育の機会を否定されているか、教育と仕事を両立させる必要に迫られているとされています。教育に伴う費用、子どもが働き手として家族に期待されていること、学校施設が得られないことがこの理由に挙げられます。ILOでは各国政府に対し、児童労働に取り組むに当たり、1)少なくとも就業の最低年齢まですべての子どもに教育を提供すること、2)児童労働に従事する子どもその他の社会的に排除されている集団に手を差し伸べ、この子ども達の教育への復帰を助けるような教育計画、3)訓練を受けた専門的な教員による、質が高く十分な資源が確保された教育及び技能訓練の提供を呼びかけています。
6月12日当日及び前後には、会議やワークショップの開催、新聞・テレビ・ラジオを通じた広報キャンペーン、コンテストや演劇・歌などの発表会、写真展など、世界約60カ国で様々なイベントが繰り広げられます。ジュネーブでは当日、子ども達による児童労働反対署名やILOが支援するプロジェクトの参加児童に寄贈される本の寄付受付などが行われる公開イベント、スイスの有名な筆記具メーカー・カランダッシュによる今年の世界デーのスローガンを刻んだ鉛筆彫刻作品の寄贈、開催中のILO総会における討議などが予定されています。日本では、横浜市で児童労働写真パネル展を開催中です。世界デー当日にはアフリカを中心とする児童労働と教育の問題を取り上げたセミナーを予定しています。
また、先般開始した1年間にわたる「男女平等はディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の中心」ILO広報キャンペーンでも、6月のテーマを教育を通じた児童労働対策とし、「少年少女両方の教育が進歩の秘訣」とのスローガンを掲げています。
1年間にわたる「男女平等はディーセント・ワークの中心」ILOキャンペーン発進(英語原文)
2008年6月5日(木)発表ILO/08/23
来年のILO総会では「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の中心にある男女平等」をテーマに一般討議を行い、男女平等を促進する今後10年間の行程表が検討される予定です。一般討議に向けて、ILOは「ディーセント・ワークをすべての人へ」というディーセント・ワーク課題並びにILOを構成する政府及び労使団体の活動における男女平等の中心的な役割を強調する1年間にわたる世界的な広報キャンペーンを開始しました。
「男女平等はディーセント・ワークの中心」キャンペーンは、仕事の世界における様々な問題がいかに男女に別々の影響を与えるかをジェンダーのレンズを通して示していきます。アクセスの権利、雇用、社会的保護、社会対話といった観点を中心に検討が行われます。ディーセント・ワークを巡る12のテーマが月替わりで取り上げられます。6月のテーマは「まともな子ども時代」です。テーマ毎にポスター、葉書、資料集が作成され、ホームページで紹介されます。
過去10年にわたり、ILOは政策、事業計画、プロジェクトに見られるジェンダーに基づく不平等を是正し、女性が開発努力に参画し、等しく恩恵を受けられるようその地位向上を推進する積極的なジェンダー主流化戦略を展開してきました。「男女平等の主流化はILOのディーセント・ワーク課題の中心にあるものです。進歩は見られるものの、急速に変容する仕事の世界の中で男女平等はまだ遅れており、男女平等問題に関する全体的な意識と理解を高めることによって、すべての男女にディーセント・ワークを確保する上で積極的な貢献ができることでしょう」とフアン・ソマビアILO事務局長は期待を述べています。
2008年ILOディーセント・ワーク研究賞、ノーベル経済学者とカナダの労働研究第一人者が受賞(英語原文)
2008年6月4日(水)発表ILO/08/22
ILOの中心的な目標である「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の知識の促進に貢献した研究者に贈呈されるILOディーセント・ワーク研究賞の本年度受賞者として、ノーベル経済学者のジョセフ・スティグリッツ氏とカナダにおける労働研究の第一人者であるハリー・アーサーズ氏が選ばれました。
コロンビア大学(米ニューヨーク)で教鞭を執るスティグリッツ教授の授賞は、ディーセント・ワークの様々な側面に関する理解の進展を反映しつつ、ILO及びこの組織を構成する政労使の中心的な関心事項の知識に対して生涯を通じて行ってきた並外れた貢献が評価されたものです。2001年にノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授は、ILOのグローバル化の社会的側面世界委員会の委員も務め、コロンビア大学ではグローバル思考委員会の委員長でもあります。受賞の報に接し、教授は「素晴らしい栄誉」と語っています。
カナダのトロントにあるヨーク大学オズグッド・ホール・ロースクールの元学部長で、同大学学長も務めたアーサーズ教授の場合は、ディーセント・ワークの前進に向けた社会と経済の関係並びに政策文書の理解に具体的に多大な貢献を行ったことが授賞理由とされています。カナダ労働法学界の第一人者であるアーサーズ教授は、2006年に政府に報告書(「Fairness at work: Federal labour standards for the 21st century(働く上での公正:21世紀の連邦労働基準)」)を提出してもいます。教授は「労働法学者であれば、本当に最も欲しい賞」と喜びを表明しました。
2008年のディーセント・ワーク研究賞の審査員は、2005/06年のILO理事会議長を務めたアルゼンチンのカルロス・トマダ労働・雇用・社会保障大臣など、世界各地の労働・社会政策分野の高名な専門家5人で構成されています。トマダ大臣は、「ILOの価値に対する学界の認識と、その価値の分析及び探究に従事する人々に対してILOが提供できる支援は、労働の世界が社会対話と公正な分配を伴って発展していくことを助ける正の相乗効果を育む」と語っています。
受賞者の正式な発表は、6月13日に総会会場で行われます。
ILO新理事選出−第97回ILO総会(英語原文)
2008年6月4日(水)発表ILO/08/21
ジュネーブで開かれている第97回ILO総会において、6月2日に理事選挙が行われました。ILOの理事会は、正理事56名(政府側28名、使用者側14名、労働者側14名)及び副理事66名(政府側28名、使用者側19名、労働者側19名)で構成されています。理事の任期は3年で、今回選出された理事の任期は2011年までとなります。日本からは使用者側正理事として、財団法人日本経団連国際協力センターの鈴木俊男参与、労働者側正理事として、日本労働組合総連合会の中嶋滋国際代表がそれぞれ再選されました。ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、ロシア、英国、米国は、十大産業国として常任の政府理事となっています。
理事会はILO事務局の執行機関です。ILOの諸政策、総会議題などを決定し、総会に提出される事業計画・予算案を策定します。3、6、11月の年3回、ジュネーブのILO本部で会合を持ちます。議長は任期1年で、次の議長は来る6月13日に選出されます。
スロベニア大統領、ILOの年次総会演説でディーセント・ワークの世界中での実施を呼びかけ(英語原文)
2008年6月2日(月)発表ILO/08/20
現在、欧州連合(EU)の議長国を務めるスロベニアのダニーロ・トゥルク大統領は6月2日にILO総会で演説し、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」というディーセント・ワーク課題に対する支持を表明し、その世界中での実施を呼びかけました。そして、雇用機会の創出、基本的労働基準の実施、社会的保護、社会対話というディーセント・ワーク課題の四つの柱は「世界的に重要な目的」であると同時に、「私たちの時代のグローバル化の質を後世において判断する際の規準に含まれる」として、「グローバル化に関する議論における最近の進展が、ディーセント・ワークの中心性に関する現在の理解を深めたと言っても過言ではない」としました。
現役EU議長国大統領として初めてILO総会で演説したトゥルク大統領は、ディーセント・ワークの概念は2000年にEUで採択され、2005年以来活発な政策討議の対象となってきた「成長と雇用に関するリスボン戦略」の本質的な要素であるとして、「社会的パートナーシップ」をリスボン戦略で求められたプロセスの成功を保障するカギとなる要素と位置づけました。
また、ILOの実践行動は多くの点で国連諸機関などに今日存在する国際協力形態への道を開いたとして、この経験を「グローバル化の時代における素晴らしい資産」と評価しました。そして、ILOは偉大なる歴史的経験があるだけでなく、今日でも偉大な使命があり、将来においても演じるべき偉大な役割があるとし、ILOが唱える基本原則を国際社会が固守し、既存の法律基準の実施を強化することはまったくもって適切として、結社の自由と団体交渉、児童労働、強制労働、就業上の差別に関するILOの基本的8条約の批准数が過去10年間に50%増を示したことを「労働基準の倫理的基盤の不朽の重要性とその法的健全性について物語るもの」と指摘しました。
第18回世界労働安全衛生会議・世界安全衛生サミット(韓国ソウル・2008年6月29日〜7月2日)(英語原文)
2008年6月2日(月)発表ILO/08/19
仕事の世界における安全面の現状とその向上に向けた世界の取り組みを取り上げ、この種のものとしては最大の国際的なイベントとして、ILOと国際社会保障協会(ISSA)が共催し、3年おきに開かれる世界労働安全衛生会議の第18回会合が、来る6月29日〜7月2日に、韓国産業安全衛生公団(KOSHA)が受入団体となってソウルで開かれます。「仕事における安全と健康:社会の責任」のテーマの下、100カ国以上から約4,000人の産業リーダー、政策関係者、専門家の出席が見込まれるこの会議では、環境的に持続可能な経済成長・発展のカギとなる要素として、労働安全衛生分野の新しい先駆的な研究成果の発表も行われます。会議ではインフォーマル経済や人の移動が労働安全に与える影響を含むリスク管理問題、アスベスト(石綿)関連リスクの撤廃に向けた行動、ナノテクノロジーの潜在的リスク、危険有害産業における性差、エルゴノミクス(人間工学)を用いた作業環境改善、HIV(エイズウイルス)/エイズと仕事の世界など幅広い問題が取り上げられます。
世界労働安全衛生会議は情報、知識、経験の交流を通じて、「予防的安全衛生文化」の育成に寄与することを目指しています。第18回会議では、世界各地の政府閣僚、主要多国籍企業の役員、安全衛生や社会保障の上級専門家、労使代表など意思決定に携わる約50人の方々の出席を得て、ハイレベル安全衛生サミットの開催も予定されています。サミットでは世界中で労働安全衛生問題に取り組む際の新しい国際的な基準点となるような初の労働安全衛生宣言の採択が見込まれます。この他に、労働安全に関する短編映画やマルチメディア作品が発表される国際フィルム・マルチメディア・フェスティバル、600社以上の安全技術・製品が展示される国際安全衛生展示会、サムスン電子など韓国の主要産業における安全衛生マネジメントの実情を直接視察するツアーなどが企画されています。
毎年、200万人以上が業務に関連した事故や疾病で命を失い、世界経済にもたらされるこのコストは世界全体の国内総生産(GDP)の最大4%に相当するとILOでは推計しています。会議に際して発表される新しい報告書は、職業病や労働災害の世界的な影響の最新推定値を含むと共に、職場における安全を向上させる方法を検討しています。「職業病や労働災害による死傷・罹病者数の世界的な水準は相変わらず許容できないレベルにある以上、この会議は健康的な作業環境の達成を確保するために何が必要かを強調するものとなることでしょう」と、ILOのサミーラ・アルトゥワイリ労働安全衛生・環境国際計画部長は語っています。
会議は取材できます。取材ご希望の報道関係者は、6月15日までに会議事務局に事前登録する必要があります。会議の模様はインターネット上の会議ホームページ(http://www.safety2008korea.org)他主催団体ホームページでご覧になれます。
なお、ILO駐日事務所では7月4日に会議出席者による報告会を開催する予定です。
第182番目のILO加盟国−ツバル(英語原文)
2008年6月2日(月)発表ILO/08/18
南太平洋にあるツバルから首相及び外務・労働大臣名にてILO憲章義務を正式に受諾する旨の書簡が届けられたことにより、同国は2008年5月27日付で182番目のILO加盟国となりました。
ツバルは既に2000年9月5日に国連に加盟していますが、国連加盟国はILO憲章の義務の正式な受諾をILO事務局長に通知することによってILOの加盟国となることができます。
2008年5月発表分
ILO年次総会の役員選出(英語原文)
2008年5月28日(火)発表ILO/08/17
5月28日に開幕した第97回ILO総会は、議長としてパナマのエドウィン・サラミン・ハエン労働・労働力開発大臣、副議長としてアルジェリアのタエブ・ルー労働・雇用・社会保障大臣(政府側)、アシラフ・タバニ・パキスタン使用者連盟会長(使用者側)、ギニアのラビアトゥ・セラ・ディアロ全国労働者同盟(CNTG)書記長(労働者側)を選出しました。
サラミン・ハエン大臣は議長就任に当たり、「この会議は、働く人々の最も深刻な問題を議論し、分析し、解決するため、世界各地から最もハイレベルの労働当局者を集結させる場」として、貧困削減に向けた農村雇用の推進、生産性向上、雇用成長、開発、ILOの能力強化といった重要な問題に取り組む意欲を示しました。
6月13日に閉幕する第97回ILO総会には、182のILO加盟国から労働大臣、労使団体リーダーなど、顧問を含み約3,000人の代表団が参加することが見込まれす。総会は国際労働基準の採択と遵守状況の監督、ILOの政策策定、予算決定、理事選出といった役割を有し、1919年の創立以来、世界的に重要な社会・労働問題について国際的に議論する主要な場となっています。各加盟国は各々独立して発言し、投票する政府2名、労使各1名の4名からなる代表団を総会に送ることになっています。
農村の貧困削減、技能向上、労働者の権利など
幅広い問題を取り上げる第97回ILO総会:食糧危機に関するハイレベル討議も予定(英語原文)
2008年5月27日(火)発表ILO/08/16
182のILO加盟国のほとんどから政府、使用者、労働者の代表3,000人以上が出席し、ILOの年次総会である第97回ILO総会が2008年5月28日〜6月13日の日程でジュネーブで開催されます。
総会の主な議題は以下の通りです。
- 理事会議長及び事務局長の報告
ILOは「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」というディーセント・ワーク課題を推進しています。経済、金融、社会、環境面で岐路に立つ世界において調和と公平を推進する上でこの課題が果たす役割を検討する事務局長報告「ディーセント・ワーク:前途に横たわる幾つかの戦略的課題」が提出され、これに基づく事務局長演説が6月9日に行われます。アラブ被占領地における労働者の状況に関する事務局長報告付録も提出されています。
- 貧困削減に向けた農村雇用の推進
世界人口の約半数に当たる34億人近くが農村部に住む現在、ミレニアム開発目標の達成においてもILOのディーセント・ワーク課題の実現においても農村雇用は貧困削減において本質的な役割を演じることになります。一般討議として、貧困削減に向けて農村雇用を推進する方法に関する議論が行われます。
- 生産性向上、雇用成長、発展のための技能
もう一つの一般討議議題として、技能開発における最近の動向や、生産性向上、より多くのより良質の雇用、所得の伸び、発展という好循環を育む、将来を見据えた技能政策に関する話し合いが行われます。
- 基準適用委員会
ILOの条約・勧告の実施状況について、加盟国から寄せられた情報・報告をもとにした審議が行われます。通常、約25件の個別国の案件が取り上げられます。また、公共調達の社会的側面に関する総合調査をもとに、公共調達の社会的な持続可能性を推進する方法や、関連するILO条約である労働条項(公契約)条約(第94号)をこのためにいかに活用できるかについても検討されます。昨年同様、ミャンマーの強制労働を審査する特別会合も開かれます。
- グローバル・レポート
6月6日には1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をフォローアップするものとして、結社の自由に関するグローバル・レポートに基づく審議が行われます。「結社の自由の実践:学んだ教訓」と題するこの報告書は、世界的に市民的権利は幅広く認識されるようになってきたものの、依然として世界中で数百万人の労働者及び使用者が基本的な権利を欠いたままであると記しています。
- ILOの能力強化
グローバル化の中で加盟国の目的達成努力を支援し、ディーセント・ワークの四つの主柱である雇用、社会的保護、基本権、社会対話を高めるILOの能力を強化する方法が検討されます。
- その他
6月2日には理事会の改選選挙が行われ、今後3年間の理事が選出されます。6月11日には「投資、生産、ディーセント・ワークを通じた食糧危機への取り組み」と題するハイレベル・パネル討議が開かれます。6月12日の児童労働反対世界デーには、今年のテーマである「教育、児童労働への正しい対応」に基づく特別イベントが行われます。
ILO新刊:アラブ被占領地の労働者の状況(英語原文)
2008年5月22日(木)発表ILO/08/15
5月28日に開幕する第97回ILO総会に事務局長報告付録として提出されるアラブ被占領地(パレスチナ)の労働者の状況に関する年次報告書は、占領地に住む15歳以上の生産年齢人口の3人に1人しか就業しておらず、失業率は20%超の高止まり状態にあり、ガザ住民の8割以上が食糧支援に頼っているという雇用・労働状況のさらなる悪化とパレスチナの人々の苦境の深刻化を記しています。国際社会からの金銭的な支援の回復を受けてパレスチナ当局が公務員の給与支払いを再開したことを主な理由として、極度の貧困は2006年より幾分改善し、2007年11月にガザで人口の40%、西岸で19%であったものの依然として警戒的な高水準にあり、今日の食品価格の上昇はパレスチナ全世帯の約半数が国際社会からの食糧支援に頼っている状況をより危機的なものとしています。
今年前半にアラブ被占領地、イスラエル、シリアを訪れるなどして作成された報告書は、働く貧困層の増大、真の就業者数の減少、欲求不満の拡大を指摘し、和平対話における隔たり拡大の危険や境界封鎖、軍の侵入、検問所の存在などに反映されている現場の現実が変わっていない状況に関する懸念を表明し、「軍事行動による破壊、厳しい移動制限網の継続により占領地の経済的・社会的苦難が高まっていることは疑いがない」として、「安全保障の一条件としての和平」に「まず安全保障を、次に和平を」の主張で臨むことは行き詰まりにつながると警告しています。また、労使の団結権に対する干渉、雇用・職業上の機会・待遇における平等という労働者の基本的な権利が無視される状況は雇用危機をさらに悪化させる要因となっているとし、占領地における雇用及びディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の政策及び事業計画に対するILOの継続的な支援を約しています。短期的な雇用創出事業を長期的な能力開発目標と結びつけることを目指し、ILOは最近、技術協力活動の再活性化及び新しい支援計画の開発に乗り出しました。
第97回ILO総会(ジュネーブ・2008年5月28日〜6月13日)取材要項(英語原文)
2008年5月21日(水)発表ILO/08/14
ILO全加盟国より政府、使用者、労働者の代表が出席するILOの2008年の年次総会である第97回ILO総会が2008年5月28日〜6月13日の日程でスイスのパレ・デ・ナシオン(欧州国連本部)で開催されます。
総会中に開かれるILOの三者構成の会議は全て、特記ない限り、取材できます。取材を希望される報道機関の方々は、5月27日までに事前登録していただく必要があります。新聞発表英語原文には、手続きの詳細、総会開催中のメディア・オフィスの所在地、取材方法、記者会見等の通知方法、ラジオ・テレビ取材要項、写真入手方法、ILO本部広報担当者連絡先一覧が記されています。
ILO、仕事の世界におけるHIV/エイズに関する新国際労働基準採択を目指したプロセスを開始(英語原文)
2008年5月14日(水)発表ILO/08/13
HIV(エイズウイルス)/エイズの世界的な流行は仕事の世界にも破壊的な影響を与えています。世界全体で3,320万人と推計されるHIV感染者の大半が最も生産的な年代にあり、仕事を続けており、家族も職場も国家も、その技能や経験を失う余裕はありません。181のILO加盟国中169カ国でHIV/エイズに関する国の政策または戦略が採択され、エイズに対する姿勢と知識は大きく向上してきているにもかかわらず、依然として多くの労働者が差別、偏見、そして職を失う不安に直面しています。
HIV/エイズに対する世界的な対応における職場の役割を高めるため、ILOはこれに関する新しい国際労働基準を2010年に採択することを目指した行程を開始しました。討議は2009年と2010年の2回のILO総会で行われる予定ですが、一連の討議資料の最初のものとしてILOは新しい報告書「HIV/AIDS and the world of work(HIV/エイズと仕事の世界・英語)」を作成しました。この報告書は、特に職場に係わるHIV/エイズに関する各国政府と国際機関の取り組みを初めて包括的にまとめたものとなっており、同書に含まれる質問書に対する加盟国の回答を掲載した2番目の報告書が2009年の総会の直接的な討議資料となります。
報告書は、ILO加盟国中既に70カ国以上がHIV/エイズに関する一般的な法を制定したか制定の途上にあり、30カ国で具体的な職場規則の制定またはその動きが見られることを示しています。この他の諸国では機会平等または公衆衛生法制のもとでHIV/エイズが取り扱われており、労働法制に組み込んでいる国もあります。
勧告の形で提案されている新しい労働基準は、権利の保護と推進に焦点を当てることによって、2001年に採択された「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」の影響力を強め、拡大すると共に、ILOを構成する政労使及びその他のパートナーによるHIV/エイズに関する共同行動をさらに支援し、HIVの予防、治療、ケア、サポートへのユニバーサル・アクセス達成に対する職場の貢献を強化することが期待されます。
2008年4月発表分
2008年労働安全衛生世界デー(4月28日):世界各地で職場のリスク管理について労働者、使用者、政府を動員するイベント開催(英語原文)
2008年4月23日(水)発表ILO/08/12
4月28日の労働安全衛生世界デーに際し、ILOは、業務関連の事故と健康障害が人々にもたらす負担と経済的負担の双方を低減するよう、作業環境におけるリスク管理を改めて呼びかけました。世界デーに合わせて発表された小冊子「My life, my work, my safe work: Managing risk in the work environment(マイライフ、マイワーク、マイ・セーフ・ワーク:職場のリスクを管理する・日本労働組合総連合会(連合)訳)」には、危険要因やリスクの確定・予見、影響評価を行い、その制御・低減に向けた積極的な行動を取るリスク管理手法が列挙されています。
毎年、世界全体で220万人が業務に関連した事故や疾病で命を落としていると推計され、この数は増加しているように見られます。また、毎年新たに約1億6,000万人が業務関連の何らかの疾病に罹患し、2億7,000万人余りが業務関連の事故で3日以上仕事を休んでいると推計されます。フアン・ソマビアILO事務局長は、「リスクや危険要因の影響を評価し、発生源で対策を施し、予防文化を推進することによって職場における疾病や負傷を大幅に低減できることを我々は知っている」と唱えています。サミーラ・アルトゥワイリ労働安全衛生・環境計画部長も「健全な労働力は事故や疾病の発生を減らし、保険や補償の請求件数を引き下げることによって、事業の生産性を高めるだけでなく、企業と国家経済の双方に恩恵をもたらす明らかな証拠がある」と語っています。
労働安全衛生路上キャンペーン(モスクワ)、職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)の批准を求める大会の開催(フィリピン)、国際ブックフェアにおける労働安全衛生の重要性広報(ブエノスアイレス)、地元の有名なアーティストによる業務上の安全問題に関するパフォーマンスの上演(エチオピア)など、世界各地で様々なイベントが行われます。
4月28日は1996年から国際自由労連(ICFTU、現・国際労働組合総連合(ITUC))が調整役を務め、世界各地の労働組合運動において死傷した労働者を追悼する日とされていました。2003年にILOはこの日を労働安全衛生世界デーとして、政労使三者の力と社会対話の要素を加えて、仕事に係わる安全と健康を考える日としました。
職場におけるHIV/エイズに対する態度は大幅に好転、企業のHIV/エイズ戦略対応プロジェクト(SHARE)の受益者は今や24カ国約100万人とILO新刊(英語原文)
2008年4月14日(月)発表ILO/08/11
HIV感染者数は世界全体で3,320万人と推計されますが、その大半が最も生産的な年齢にあり、なおも働き続けており、したがって職場はHIV/エイズに取り組む独特の参入ポイントとなっています。
ILOは2003年から企業レベルでHIV/エイズに取り組む「企業におけるHIV/エイズ戦略対応(SHARE)プロジェクト」を展開しています。SHAREプロジェクトが現在実施されている24カ国650以上の職場の活動をまとめた新刊「Saving lives, protecting jobs(命を救い、仕事を守る・英文)」はHIVに係わる姿勢の変化を追い、職場や各国労働省、労使団体から収集したデータや好事例を紹介しています。報告書は効果的なHIV政策や慣行のおかげで、HIVに感染した職場の同僚を支援する立場を取る人々が大幅に増え、コンドームその他の予防措置の受容も世界的に進んでいる現状を示しています。
報告書は特にベリーズ、ベナン、カンボジア、ガーナ、ガイアナ、トーゴの六つのパイロット国に焦点を当て、HIV/エイズ関連活動と差別禁止政策の影響を測定しています。この6カ国から得られたデータは、HIV感染者に対する姿勢が著しく好転していることを示しています。例えば、ガーナではHIVに感染している同僚を支援する立場を取ると答えた労働者の割合が33%から63%に上昇し、カンボジアではコンドームの利用に積極的な労働者の割合が34%から68%に上昇したことが記録されています。このような変化の一因として、企業におけるHIVサービスへのアクセス向上を挙げることができます。2003年のプロジェクト開始時点では6パイロット国の参加企業のうちHIV方針文書を備えていたのは14%に過ぎなかったのが今では76%に増え、職場用の方針や慣行を立案する際に、ILOの「HIV/エイズと働く世界ILO行動規範」を利用することも増えています。
HIV方針の立案が成功するか否かは労使間の協力にかかっています。プロジェクトが実施されている24カ国中16カ国でHIVと仕事の世界に関し、政労使三者による全国規模の政策または宣言が採択されています。
報告書は14日に、SHAREプロジェクトのパートナーである米国労働省に提出され、引き続き、仕事の世界におけるHIV/エイズ取り組み形態の変化に焦点を当てた一連のキャンペーンが展開される予定です。報告書は、8月にメキシコで開かれる世界エイズ会議にも提出されます。
世界的な景気の減速・後退阻止に向けた新しい多国間コンセンサスを呼びかけ−ILO事務局長(英語原文)
2008年4月9日(水)発表ILO/08/10
来る4月12〜13日に開かれる国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春会合に向けた声明の中で、フアン・ソマビアILO事務局長は、金融界における不安定と景気後退によって労働の世界の安定性と進歩が脅かされているとの警告を発し、世界的な景気の減速と後退を阻止する新しい多国間コンセンサスを呼びかけました。
IMFの「世界経済見通し」が2008、09年の世界の経済成長を3.7%と予測したことや、現下の金融危機はもしかすると1945年以来最も深刻とする見解などを引用した上で、ソマビア事務局長は、最大2、3年持続する可能性がある著しい世界的な景気減速の危機を回避し、持続可能な国際成長路線の回復を確保するには各種政策分野を横断した国内外の政策行動の整合性が求められるとし、このためのコンセンサスを形成する上で社会対話と政労使の三者による話し合いというILOのメカニズムは特に重要と訴えました。
また、景気減速に対する財政対応の一つとして、税及び給付制度の再配分的性質の強化を挙げ、国内総生産(GDP)の約4%の予算でささやかな現金児童給付とささやかな年金を組み合わせることによって貧困者数を約4割削減できるとするILOの研究結果を示しました。
事務局長は、IMFと世界銀行の2008年春会合、そしてより幅広い多国間体系の中における国際的な議論の優先事項として、社会と経済の安定のための財政政策、金融市場の国際規制、持続可能な企業育成、気候変動対策の雇用面の四つを挙げ、金融規制改革に関して現在進行中の国際的な議論において、生産的で持続可能な企業に向けた投資インセンティブの構築と不十分な担保に対するハイリスク融資活動抑制措置に配慮するよう呼びかけました。
2008年3月発表分
第301回ILO理事会閉幕:ミャンマー、コロンビア、その他の国々の労働状況を検討し、世界銀行とのつながりの強化を歓迎(英語原文)
2008年3月20日(木)発表ILO/08/9
3月6〜20日にジュネーブで開かれた第301回ILO理事会ではミャンマーなどにおける労働者の基本的な権利、包摂的で持続可能なグローバル化の形成に向けた世界銀行との協力強化、昨年秋に開かれたディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と公正なグローバル化に関するILOフォーラムの報告、女性の起業家精神促進、輸出加工区の最新情勢、ベトナムその他の国々における世界雇用戦略実施状況、児童労働や労働安全衛生に関する技術協力活動、国際労働基準の仕組みの推進に向けた戦略、雇用・職業上の差別に関するILOの活動など、幅広い案件が審議されました。
理事会のグローバル化の社会的側面作業部会では、3月17日に世界銀行のロバート・ゼーリック総裁の演説を聴取し、活発な議論を行った上で、世界の金融情勢が経済成長や雇用創出に与えている影響も取り上げ、この流れの中で多国間協力とディーセント・ワークを推進する政策を検討しました。
理事会は2010年のILO総会の議題として、世界で1億人以上と推計される家事労働者のディーセント・ワークの問題を取り上げ、新しい労働基準の策定に向けた話し合いを行うことを決定しました。また、2009年のILO創立90周年に向けて、1919年の創立以来の社会進歩とディーセント・ワーク推進におけるILOの役割を検証する舞台装置を構築する準備が進められていますが、理事会ではその状況を話し合い、国内記念行事案を承認しました。
技術協力における官民協力の方針に関しては、政労使三者と協議の上、官民協力のための運営指針の設定と適用、広報資料の開発と普及を事務局に求める報告書を採択し、今後定期的に官民協力に関する報告を理事会に行うことを求めました。
強制労働が問題になっているミャンマーの状況に関しては、ヤンゴン駐在のILO連絡官の報告書とミャンマー政府常駐代表の声明に基づいて検討し、問題の解決に向けて政府とILOの間で昨年締結された合意文書の1年間の試行期間がさらに12ヵ月間延長されたことを歓迎しつつ、不安なく苦情を申し立てられる自由などといった当初の意図に沿って、この文書が十分に適用されることへの強い期待を表明しました。また、強制労働の禁止を再確認する明確な声明を政府の最高レベルから発することや労働活動家の即時釈放を再度要求すると共に、第29号条約の義務の実施などの点でILOとの協力を強化するよう政府に呼びかけました。
2006年6月1日に政労使代表の間で結社の自由と民主主義に関する三者合意が締結され、合意の実施を円滑化するために国内にILOの常駐代表が置かれ、技術協力計画が展開されているコロンビアに関しては、2007年11月に送られたハイレベル派遣団の報告を受け、社会対話と結社の自由における進展を認めつつも、改善の必要があることを指摘しました。
結社の自由と団結権の順守状況に関し、2004年に審査委員会から勧告が出されたベラルーシに関しては、政府による勧告実施状況が検討され、今年6月に開かれるILO総会で記録されるよう、審査委員会によって明らかにされた問題点の解決に向け、国内政労使が行動を取ることを促しました。
承認された結社の自由委員会の報告書では、コロンビアとミャンマーの案件に特に注意が喚起されました。複数の問題が取り上げられているコロンビアについては特に、大学職員組合が大学の副総長とコロンビア連合自衛軍(AUC)司令官から労働協約再交渉の圧力を受け、脅迫されている案件に関し、委員会は労組指導者の安全確保や問題の速やかな独立調査などを政府に促しました。
2007年のメーデー式典を企画した6人の労働活動家が逮捕され、20〜28年の自由刑を宣告された件が問題になっているミャンマーについて、委員会は処罰が結社の自由と表現の自由という基本的な権利を行使したことに基づいていると結論づけ、釈放に向けて必要な措置を講じるよう政府に促すと共に、労働者を集合的に代表する何らかの形態の組織の自由な機能を妨げる何らかの行為を差し控えるようにとの要求を繰り返しました。
日本については、フォローアップ案件になっている、国労などによる国鉄民営化の際の反組合的差別行為の申し立ての進展状況が報告されました。組合と政府の双方から寄せられた、組合員による採用差別訴訟などの情報に留意した上で、委員会は交渉による解決策を迅速に見出すために当事者が一緒の席に着くことは現時点では不可能に見えるとし、裁判がこの長期にわたる紛争を迅速な解決に導くことへの信頼を示し、裁判所の判決を含み進展状況を通知し続けるよう政府に要請しました。
グローバル化とディーセント・ワーク課題における
ILOとのつながりの強化に言及し、「対話を通じたパートナーシップ」を歓迎−世界銀行総裁(英語原文)
2008年3月17日(月)発表ILO/08/8
3月17日に、就任後初の国連専門機関における講演としてILO理事会の場で演説した世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は「包摂的で持続可能なグローバル化」の追求において世界銀行とILOのつながりが強まっているとして、環境変化に向けた新しい多国間共同政策の開発を目指している世界銀行の課題は「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」というILOのディーセント・ワーク課題と「極めてうまく接合する」ことを示しました。
技能開発、労働者が変化に適応することへの支援、ジェンダー問題への取り組みの拡充などILOと世界銀行との間には共通の懸念分野が数多く存在し、労働条件向上に向けた「より良い仕事構想」、若年雇用ネットワーク(YEN)、ILOと国連児童基金(ユニセフ)との間で進められている反児童労働プロジェクト、人の移動や小口金融分野における協力など共同で運営しているプロジェクトも複数存在します。包摂的で持続可能なグローバル化のビジョンは煎じ詰めると人々の問題になるとして、総裁は他の国際機関も含み、ILOと世界銀行は「貧困の克服、環境に配慮した成長の推進、個人の機会と希望の創設」を助けるグローバル化の形成に向けた努力を強化すべきと訴えました。
ゼーリック総裁を紹介するに当たり、フアン・ソマビアILO事務局長は世界銀行とILOとの間の協力関係の増大に言及し、「もっと多くのことを一緒にやることができると思う」と述べました。理事会からのコメントとして、労働者側グループのスポークスパーソンは結社の自由の権利を尊重することの重要性を強調し、現下の金融危機が働く人々や貧困問題に与えるであろう影響に対する懸念を表明しました。そして、ILOに与えられた使命である労働基準、社会的保護、社会対話にとって中心的な政策整合性の問題を提起する世界銀行の「ビジネス環境の現状(Doing Business Report)」年次報告書の労働者雇用指標の「大幅な再検討」を促しました。使用者側グループのスポークスパーソンは使用者側グループと世界銀行の密接な関係を挙げ、使用者は職場のすべての人々に保護を提供することを目指し、生産的な雇用と持続可能な企業を促進し、包摂的な労働市場政策を求めているとしました。ビジネス環境の現状年次報告書については、どの地域の使用者もこれを法制枠組み改革に関する対話を開始する際の有用なツールと見なしていることを明らかにしました。
総裁の講演に続き、世界的な信用収縮が2008年の経済展望や雇用創出に与える影響や多国間協力とディーセント・ワークを推進する政策に関する話し合いが行われました。
第301回ILO理事会開幕:ミャンマーの労働情勢、人の移動、差別、結社の自由などについて審議(英語原文)
2008年3月6日(木)発表ILO/08/7
2008年3月6〜20日の日程でジュネーブで開かれる第301回ILO理事会では、最近ミャンマーを訪れたILO訪問団の報告書をもとにした同国の強制労働問題、幾つかの国の結社の自由問題、コロンビアにおける技術協力や三者合意のフォローアップ状況の審査、結社の自由と団体交渉権、強制・児童労働の廃止、差別撤廃といった基本条約未批准国の動向、ILOの移民労働者関連活動など、幅広い議題が審議されます。
理事会のグローバル化の社会的側面作業部会では、昨年秋に開かれたディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)と公正なグローバル化に関するILOフォーラムの報告書などを審議するほか、3月17日には世界銀行のロバート・ゼーリック総裁による「グローバル化を包摂的にする上での課題」と題する講演が行われる予定です。
社会・雇用政策委員会では、女性の起業家精神育成の促進、輸出加工区の最新情勢、ベトナムその他の国々における世界雇用戦略実施状況、貧困削減戦略文書におけるディーセント・ワーク課題の取扱い、世界社会基金パイロット・プロジェクトの実施状況などが検討されます。
多国籍企業小委員会では、世界各地の企業の社会的責任に係わる活動について最新情報が報告されます。
技術協力委員会では、官民協力に関するILOの方針、労働安全衛生との関わりにおける技術協力活動、児童労働などに関する話し合いが行われます。
部門別・技術会議委員会では、船舶解体・リサイクリングに関する動向などが取り上げられます。
法務・国際労働基準委員会では、国際労働基準の仕組みの推進に向けたILOの戦略に関する議論が継続されるほか、雇用・職業上の差別に係わるILOの活動に関する審議が行われます。
世界の雇用情勢2008年版−女性編:労働市場に参加する女性は増加するも、働く全女性の半数以上が脆弱な雇用に従事(英語原文)
2008年3月6日(木)発表ILO/08/6
2008年の国際女性の日(3月8日)に際し、ILOは女性の雇用に関する定期刊行物「Global employment trends for women(世界の雇用情勢−女性編・英文)」2008年3月版を発表しました。報告書によれば、この10年間で女性の就業者数は約2億人増えて2007年に過去最高の12億人(男性18億人)に達したものの、同じ期間に失業女性の数も増え、7,020万人から8,160万人(率にして6.4%、男性5.7%)になり、女性は男性よりも、生産性が低く低賃金で、社会的保護も就業上の基本権も職場における発言権も確保されていない「脆弱な雇用(賃金労働や俸給労働ではなく、無給の寄与的な家族従業者または独立自営の労働者)」に従事する傾向が高いとされています。このような女性の割合は1997年の56.1%から51.7%へと減少してはいますが、世界で最も貧しい地域を中心に、脆弱性の負担を多く担っているのは依然として女性です。
フアン・ソマビアILO事務局長は、「世界的に多数の女性が労働力に参加し続けているものの、この進展が世界中の職場に依然として存在する顕著な不公正を隠すことになってはならない」として、女性のディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)の推進を呼びかけています。
豊富な図表を用いて世界及び地域別に労働市場における女性の状況を示す報告書はまた、世界中の労働市場で見られる女性の状況改善も、職場における男女格差を大きく縮小するには至っていないとして、例えば、◇世界全体で経済活動に参加しているのは男性100人に対し、女性は70人未満であり、非労働力に留まる理由はしばしば押しつけられた結果であるため、女性が家庭の外で有償の仕事に従事することが受け入れられるようになれば、女性がそう選択する可能性は高いと考えられること、◇世界全体の就業率(ある経済がそこに属する生産年齢人口の生産潜在力をどれだけ活用できているかを示す指標)は2007年に男性74.3%に対し、女性は49.1%、◇多くの女性に教育の機会が開かれたものの、教育における平等がまだ実現には程遠い地域が複数存在しているといった事実を示しています。この10年で、女性の主な就業先は農業からサービス業へと移行し、2007年の産業別就業比率では、女性の36.1%が農業、46.3%がサービス業に従事しています(男性は34.0%が農業、40.4%がサービス業に従事)。
報告書は、多くの女性にとって脆弱な雇用から賃金・俸給労働に移行することは経済的自由と自己決定に向かう大きな一歩になり得るとして、一例として、過去10年間に経済成長の点で最も成功した地域である東アジアは女性の就業率が最も高い(65.2%)地域でもあり、男女共に失業率は低く、産業別分布でも就業上の地位分布でも男女間の格差が比較的小さいことを示しています。
女性の労働市場への平等な参加機会を高めることに向けた政策は総体的に功を奏し始めているものの、変化の歩みはのろく、依然、相当の格差が存在するとして、報告書は、女性にとっても、経済開発全体にとっても、労働市場の成果を高める上でカギとなる前提条件は、女性の新たな経済的役割を受容する社会の能力と女性を受け入れられるディーセント・ワークを創出できる経済の能力であると唱え、労働市場における女性の機会を高める上で、女性が従事できる産業や職業の幅を広げることの重要性を説いています。
国際女性の日に際し、ILO男女平等局はジュネーブで、女性の育成における投資の価値に焦点を当て、金融界に足跡を残した女性達と高名な女性労働運動家による討議を主催します。エビー・メッセル男女平等局長は「貧困削減における女性労働力の潜在力を無視する余裕は社会にはない」とした上で、「女性に職場における平等な足場を与えることは、正しいだけでなく、スマートな選択」と語っています。
2008年2月発表分
2008年国際女性の日:世界の女性の雇用情勢に関する新刊、
女性のディーセント・ワークへの投資に関するパネル討議を予定−ILO(英語原文)
2008年2月29日(金)発表ILO/08/5
2008年の国際女性の日(3月8日)に際し、ILOは3月6日に女性の雇用に関する定期刊行物の最新版を発表し、ジュネーブのILO本部では3月7日にパネル討議を開催します。
新しい報告書「Global employment trends for women, March 2008(世界の雇用情勢−女性編:2008年3月版・英文)」は世界の労働市場における女性の最新の状況を記し、世界・地域レベルで労働市場を比較分析し、女性の労働力率、失業率などの最新のデータや、脆弱な雇用に占める女性の割合という新しい指標を紹介しています。過去10年間における女性の産業別就業の進化や労働の世界に依然として見られる男女間格差について分析しています。
また、3月7日にはジュネーブのILO本部で「女性のディーセント・ワークに対する投資は正しいだけでなく、スマートな行為」と題するパネル討議を開催します。特別ゲストとして、ナイジェリアの第一国立銀行の元専務理事、米国メリルリンチ・インターナショナル初の女性マネジャー、スリランカ女性銀行の創立者といった高名な女性銀行家と組合側女性としてオランダ労働組合連盟(FNV)会長の出席が予定されています。
ILO海事労働条約をバハマ批准(英語原文)
2008年2月11日(月)発表ILO/08/4
バハマ政府は本日、2006年に採択された海事労働条約の批准書をILOに寄託し、リベリア、マーシャル諸島に続き、この条約の3番目の批准国となりました。海事労働条約は、その合計船腹量が総トン数で世界全体の船腹量の33%以上を占める30カ国以上の批准で発効しますが、世界第3位の船籍国であるバハマによる批准は、今後数年以内にこの条約を発効させるという目標に現実感を持たせるものとなります。
世界で120万人以上の船員の保護を目指した、船員の「権利章典」とも呼ばれるこの画期的な条約は、環境保護と船舶の安全及び保安に関する国際海事機関(IMO)の主要海事条約を補足して、国際海運規則における「第3の柱」となることを意図しています。船籍国による検査と船員の労働・生活条件の証明に立脚した強固な遵守・執行メカニズムを定め、寄港国による検査でこれをさらに補足しています。
ILO専門家、ウィーン・フォーラムで人身取引の重大な側面に光を当てる:サプライ・チェーンにおける人身取引との闘いにおける労使の役割、強制労働に焦点(英語原文)
2008年2月11日(月)発表ILO/08/3
ILOは、国連の人身取引と闘うグローバル・イニシアチブ(UN.GIFT)が来る2月13〜15日に開催する人身取引との闘いに関するウィーン・フォーラムに労使代表と共に出席し、強制労働などといった人身取引の重大な側面とサプライ・チェーン(供給網)内におけるこのような行為と闘う上での労使の役割に改めて注意を喚起する予定です。フォーラムでは、◇サプライ・チェーンの管理−強制労働と人身取引のリスクの除去、◇強制労働と性的搾取への需要が人身取引を刺激する方法と理由、◇労働搾取目的の人身取引撲滅における使用者団体、企業、労働組合の役割、の三つのセッションで議長を務めます。また、人身取引に関する国内統計の改善に向け、欧州連合と始める新たな合同イニシアチブの発表も予定しています。
世界全体で少なくとも240万人(うち半数が18歳未満)が強制労働目的で売買されており、その約半分の43%が性的搾取、32%が労働搾取、25%が両方の搾取を受けているとILOでは推計しています。人身取引は年間320億ドルの利潤を生み、取り引きされる強制労働被害者一人当たりでは平均1万3,000ドルになると推計されます。
人身取引をなくす国際的な努力における主導的な機関の一つであるILOは、様々な機関と協力し、2015年までに世界から強制労働をなくす努力を結集する世界規模の同盟を推進しています。貧困、雇用不足、非効率的な労働力移動制度といった根本原因の廃絶に向け、労働市場の視点から人身取引の問題に取り組んでおり、このテーマに関する多くの報告書を発行しています。
2008年1月発表分
『世界の雇用情勢2008年版』世界経済の混乱により2008年の失業者数は500万人増−ILO予測(英語原文)
2008年1月23日(水)発表ILO/08/2
世界の国内総生産(GDP)に5%を超える力強い伸びが見られた2007年、4,500万の雇用が新規に創出され、失業問題にはあまり影響しなかったものの(失業率はこのところほぼ横ばいで6%、推計失業者数は2006年1億8,700万人→2007年1億8,990万人と微増)、世界の労働市場は「安定化」した1年でした。一方、2008年については、主として信用市場の大混乱と原油価格の上昇を原因とした経済混乱によって、世界の失業率は6.1%に上昇し、失業者数は世界全体で絶対数にして少なくとも500万人増加する可能性があると、ILOの年次報告書『Global Employment Trends(世界の雇用情勢)2008年版』は記しています。
報告書はほかに、経済・雇用成長にかかわらず、貧困層を中心に世界全体で見られるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の大きな欠如や、就業構造のサービス部門シフトの継続を示しています。
世界人口の10人に5人が、家族の事業を手伝う寄与的な家族従業者や、リスクの大きい独立自営形態で働くといった脆弱な就労形態を取り、全労働者の16.4%に相当する4億8,700万人が依然として、自分と家族を1日1人当たり1ドルの貧困線を上回らせるだけの収入を得ることができない状態のままであると推計されます(1日2ドルの貧困線を下回っているのは、全体の43.5%に相当する13億人)。
産業別就業構造では、世界全体の就業者の42.7%がサービス部門に就業するといったように2007年にもサービス部門が成長を続け、農業との差はますます広がっています(農業部門の就業者比率は34.9%、工業は22.4%)。
地域別で見ると、失業率が最も高いのは依然として中東(2007年に11.8%)と北アフリカ(同10.9%)ですが、ワーキング・プア(働いていながら貧困から抜け出せない人々)の割合が傑出して高いのはサハラ以南アフリカで、就業者の半数以上が依然として1日1ドルの貧困線を下回り、10人中8人以上が1日2ドルの貧困線を上回る稼ぎを得ることができず、他の地域との差は開き続けています。
2007年に雇用成長で首位に立ったのは南アジア(世界全体の28%に当たる雇用を創出)ですが、この地域は脆弱な雇用の割合でもトップに立っています(総就業者の77.2%が脆弱な雇用)。脆弱な雇用が増加したのは中南米・カリブだけですが、この地域におけるインフォーマル経済の拡大を裏付けるものとして、サービス部門における雇用創出の伸びと共に、過去10年間に脆弱な雇用の割合は全就業者の31.4%から33.2%に増えています。
東アジアは持続的な生産性の伸びが所得の増大につながり、1日2ドルの貧困線でも1日1ドルの貧困線でも、下回っている労働者の割合はこの10年間で減っている(2ドルの場合、59.1%→35.6%、1ドルの場合は18.8%→8.7%)といったように、中所得地域への道をたどっています。
中東では就業率がかなり上昇したものの(1997年46%→2007年50.1%)、世界で唯一、この10年で労働生産性が低下しています。過去10年間に生産性水準が16%を超える伸びを示した北アフリカでは極度の貧困に苦しむワーキング・プア層は就業人口の1.6%と、今ではほとんどなくなっています。中・南東欧・独立国家共同体(CIS)諸国では近年、脆弱な雇用の割合が低下し、ほとんどの労働市場指標がプラスの動きを示しています。
先進国経済・欧州連合(EU)では、信用危機の初期的な影響として、新規に創出される雇用が推計24万減となると思われるものの、主としてアジアにおける経済と雇用の力強い成長によって世界的にはこの影響が「相殺」されようと報告書は分析しています。
フアン・ソマビアILO事務局長は「今年の世界の雇用情勢は対照的で不確実」として、「経済成長が包摂的で、開発が良質のディーセント・ワークを伴うよう確保するため、労働市場政策はマクロ経済政策の中心に据えられなくてはならない」と強調した上で、現下の経済情勢に対する懸念を示し、今後の展開を注意深く監視していく意向を表明しました。
ILOの年次刊行物「世界の雇用情勢2008年版」近く発表(英語原文)
2008年1月16日(水)発表ILO/08/1
ILOは来る1月23日(水)GMT23時(日本時間翌24日8時)に、2003年より発行している年次刊行物「Global Employment Trends(世界の雇用情勢・英仏西語)」2008年版を発表します。報告書は人口や経済成長から、先進国における信用危機に発する経済不安、原油価格の上昇、経済成長の減速予測まで多岐にわたる要因が労働市場に与えている影響を分析し、世界の雇用、失業、労働市場の最新の動向を地域別に示しています。
これまでに発表された報告書は全てILOのウェブサイトでご覧になれます。
駐日事務所新聞発表−2008年
ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(CEART)実情調査団の来日
2008年4月18日(金)発表
お知らせ−2008年
広報誌「ワールド・オブ・ワーク」2008年第1号発行
ジュネーブのILO本部コミュニケーション・広報局より年3回発行されている広報誌の一部記事の和訳と日本における関連記事を掲載した日本語版広報誌の最新号(通巻第9号)が完成しました。本号では2007年11月にジュネーブで開かれた多国籍企業宣言採択30周年記念フォーラムと児童労働を特集しています。ほかに、グリーン・ジョブ構想を中心としたG8労働大臣会合、TICADIVへのILOの貢献の記事なども掲載されています。最新号をご覧になりたい方はこちらへ(PDF版・864KB)
[2008年10月10日掲載]
新着:広報パンフレット「The ILO at a glance/ILOのしごと」
ILOの活動を紹介する広報資料が新しくなりました。英語版を「The ILO at a glance」と題するこの20ページのパンフレットは、現在日本語版(題名「ILOのしごと」・PDF版・5.9MB)など8カ国語で発行されています。印刷版をご希望の方は、ILO駐日事務所(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)までご相談下さい。
[2008年5月21日掲載]
労働安全衛生世界デー
ILOでは4月28日を「労働安全衛生世界デー」と定め、職場における安全・健康文化の促進に人々の関心を喚起する日としています。2008年の世界デーのスローガンは「私の暮らし、私の仕事、私の安全な仕事:職場環境におけるリスク管理」となっています。今年の世界デーに際して発表された報告書「マイライフ、マイワーク、マイ・セーフ・ワーク:職場のリスクを管理する」の日本労働組合総連合会による日本語訳(12.0MB)を掲載しました(英語版はこちらへ)。
また、2007年の世界デーに際してILO駐日事務所で開催したフォーラム「グローバル化と労働安全衛生:ILO新条約(第187号)が日本とアジアの職場環境改善にもたらす意味」の報告書(7.0MB)も新たに掲載しました。
[2008年4月17日掲載]
新刊:ディーセント・ワークへの障害者の権利−日本語版
2007年の国際障害者デー(12月3日)のテーマは「障害者のためのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」でした。ILOがこの日に合わせて発表した報告書「The right to decent work of persons with disabilities」の日本語版「ディーセント・ワークへの障害者の権利」(PDF版・3.2MB)を新たに掲載しました。印刷版(2,000円)のご注文はILO駐日事務所販売担当(TEL: 03-5467-2701 FAX: 03-5467-2700 E-mail: ilo-tokyo@ilotokyo.jp)まで。
[2008年3月27日掲載]
広報誌「ワールド・オブ・ワーク」2007年第2号発行
ジュネーブのILO本部コミュニケーション・広報局より年3回発行されている広報誌の一部記事の和訳と日本における関連記事を掲載した日本語版広報誌の最新号(通巻第8号)が完成しました。本号では環境に優しいグリーン・ジョブと就業上の差別を特集しています。ほかに、欧州のフレキシキュリティに関する書籍紹介、早稲田大学とILO駐日事務所で共催したグローバル競争下における非典型雇用の未来シンポジウムの記事なども掲載されています。
[2008年2月27日掲載]
最終更新日:2009年3月24日 作成者:EU 責任者:SH