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(報道用資料−公式記録ではありません)

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ILO駐日事務所新聞発表
2007年7月24日

労働災害及び職業病の予防に向けて
日本がILO第187号条約の最初の批准国に

日本の第187号条約批准書寄託の写真
日本政府による第187号条約批准書の寄託
写真:第187号条約の日本による批准書
日本の第187号条約批准書

 7月24日に日本は2006年に採択された「職業上の安全及び健康促進枠組条約(第187号)」の世界最初の批准国となり、マネジメントアプローチによる労働安全衛生システムの強化を約束しました。2006年6月のILO総会で採択された第187号条約は、労働安全衛生の促進的な枠組みを定めたものです。日本がILO条約の最初の批准国となるのは今回が初めてです。

 ジュネーブのILO本部では、日本の第187号条約批准に際し、7月24日付で、重大災害の多発や新たな安全衛生上の課題に対応するための労働災害防止計画のさらなる強化に向けた日本の取り組みと第187号条約の批准の意義についてオンラインの広報記事を発表しました。以下はその日本語訳です。

【東京発ILOオンライン・レポート】去る6月、東京都渋谷区の繁華街近くにある女性専用温泉施設の別棟が爆発し、女性3人が死亡し、8人が重軽傷を負いました。

 警察は、死亡した3人と負傷者のうち2人は温泉施設の従業員であると発表しました。事故は地下1,500メートルから湯を汲み上げる際に一緒に出てくる天然ガスが別棟に充満し、何らかの原因で引火したことによるものとされています。通常では、ガスは換気扇によって排気されることになっています。

 1972年に労働安全衛生法が施行されて以来、日本の労働安全衛生の状況は順調に改善してきたものの、今日でもなお、この温泉施設の事故のような重大災害が発生しています。厚生労働省の公式統計によれば、1971年に5,552人であった労働災害による死亡者数は2006年に1,472人にまで減少しましたが、一度に3人以上の死傷者を伴う重大災害の件数は2006年に前年比20%増となっています。

 近年、政府は新たに発生しつつある労働安全衛生上の多くの問題にも取り組まなくてはならなくなっています。2006年に業務上と認定された過労死等脳・心臓疾患の件数は前年比7.6%増となり、認定された355人中4割が50代でした。2006年にはまた、業務に起因する精神障害等として205件の労災認定が行われていますが、これは前年比61.4%増の数字です。

□予防の強化

 「職場の安全を確保するためには、経営トップが率先して、職場における安全に対する意識や取組を再度確認し、リスクアセスメントの実施をはじめ安全管理活動を充実・強化することが重要」と厚生労働省労働基準局安全衛生部の高橋哲也安全課長も言っています(建設業労働災害防止協会『建設の安全』2007年6月号)。

 第187号条約の批准により、日本は労使と協力して労働安全衛生水準のさらなる向上を継続的に図っていくものと見込まれます。労働災害防止計画が初めて策定された1958年以来、日本は安全衛生水準の向上を体系的に図ってきました。日本の労働災害防止計画(計画期間:5年間)は第187号条約で策定が求められている「職業上の安全及び健康に関する国内計画」に対応するものです。

 「2008年3月で終わる第10次労働災害防止計画は労働安全衛生を国レベルで継続的に向上していくのに大きく貢献しました。第10次計画のもと、労働安全衛生法令改正等により、機械安全に関する措置の強化、化学物質の使用におけるリスク低減、過重労働やメンタルヘルス問題に対する対策、アスベスト製品の製造・使用の禁止、建築物の解体作業におけるアスベストからの労働者保護の強化など様々な措置が導入されました」と、ILOの町田静治労働安全衛生上級専門家は説明しています。

 既に第11次計画に向けた準備が進められています。この計画は、職業上の安全と健康に関する国内状況や前次計画の成果の注意深い見直しの下、第187号条約の原則を十分反映したものになると思われます。

 今回の批准によって、日本は、とりわけ過去50年以上にわたって労働災害防止計画に基づき労働安全衛生水準を向上させてきた経験の共有を通じ、世界における労働安全衛生の推進を図る上で主導的な立場を占めるようになることが期待されます。日本による第187号条約の批准が、韓国、中国、他のアジア諸国といった近隣諸国に同調を促すことも期待されます。既に2006年5月に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)+3労働大臣会合で労働安全衛生の重要性が確認され、同年6月のILO総会における第187号条約採択への支持が表明されています。

 業務関連の事故または疾病を原因として、世界全体で毎日約6,000人の労働者の方々の命が失われているとILOでは推計しています。第187号条約は職業上の安全と健康に関する国内計画の策定によって職業上の安全と健康を国の政策課題の上位に位置させることを通じて「予防的安全衛生文化」を育成すること、そして予防措置を講じてより安全で健康的な職場環境を促進するものとなっています。世界の国々が第187号条約を批准することによって、すべての働く人々に安全で健康的な職場がもたらされる実質的な一歩が踏み出されることが期待されます。

最終更新日:2007年7月25日 作成者:EU 責任者:SH