2002年新聞発表概要(全文は英語)
2002年12月発表分
スペインのサッカークラブ、レアル・マドリード、反児童労働運動でILOに協力(英語原文)
2002年12月13日(金)発表ILO/02/54
今年、創設100周年を迎えるスペインのサッカークラブ、レアル・マドリードは、世界サッカーデーの12月18日に、マドリードのサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムで、中田英寿やオリバー・カーン等のメンバーで構成される世界選抜チームと試合を行います。この試合を通じ、レアル・マドリードは最悪の形態の児童労働に「レッドカード」を提示するILOのキャンペーンに協力します。
午後9時半から始まる試合前の式典で、選手たちはキャンペーンのロゴが入ったTシャツを着た子どもたちに伴われてスタジアムに入場し、反児童労働キャンペーンへの支援を示すレッドカードを掲げます。式典の幕開けには、スタジアムのTVスクリーンで、選手たちも出演する30秒のILO児童労働スポットが放映されます。これはハーフタイムにTVでも流されます。
試合前夜の午前零時半に同スタジアムで行われる公式式典では、ILOのカリ・タピオラ総局長とレアル・マドリードのフロレンティノ・ペレス・ロドリゲス会長がレッドカード・キャンペーン相互協力協定に調印します。国際使用者連盟(IOE)とスペイン使用者連盟(CEOE)の努力がこの協定を実現に結びつけました。式典には、スペインの労働・社会相、国際協力・中南米庁長官といった政府要人を始め、労使代表、ジョゼフ・S・ブラッターFIFA会長も参列します。
ILOの「児童労働レッドカード・キャンペーン」は、2002年1月に開かれたアフリカ・ネーションズ・カップから開始されました。サッカーゲームでレッドカードを出された選手は退場させられますが、このキャンペーンは児童労働の問題を放置し、子どもを搾取している国はレッドカードにも相当するとして、児童労働の過酷な現実に対する人々の認識を高め、反対運動の世界的な盛り上がりを達成することをめざしています。
キャンペーンは今後、アラブ首長国連邦(2003年3〜4月)で開かれるFIFAワールドユース選手権(U20)、中国(2003年9〜10月)で開かれるFIFA女子ワールドカップ、ペルーで開かれる2004年コパ・アメリカ、ドイツで開かれる2006年ワールドカップなどで展開される予定です。
働く子どもの数は世界全体で約2億4,600万人。この約4分の3、1億8,000万人が最悪の形態の児童労働に従事し、そのうち約840万人が奴隷や人身売買、性的搾取など決して許容されない活動の犠牲になっています。児童労働の大多数は農業に従事し、地域別に見ると、人数ではアジア(1億2,700万人)が、割合ではサハラ以南アフリカ(14歳以下の子どもの3分の1近く)が最も多く、先進国でも250万人の子どもが働いていると推定されます。ILOは主として児童労働撤廃国際計画(IPEC)を通じて、児童労働をなくすための技術協力活動を行っています。
中南米労働者の苦難に対する「生産的な解決策」を求めるILO(英語原文)
2002年12月10日(火)発表ILO/02/53
12月10〜13日の日程でリマ(ペルー)ではILOの第15回米州地域会議が開かれています。会議には米州地域のILO加盟国45カ国より400人を超える政府、労使団体の三者構成代表団が出席し、地域におけるグローバル化の影響、ジェンダーと差別、地域統合の社会的・労働的側面、ディーセント・ワークの不足などについて話し合いを行います。討議のたたき台として会議に提出されている「グローバル化と米州のディーセント・ワーク」と題する事務局長報告は、ディーセント・ワークの不足として、雇用供給の不足、不十分な社会的保護、労働者の権利否定、社会対話の失敗といった状況を指摘します。
2002年第3四半期における中南米の都市失業者数は1,700万人に達し、平均失業率はこの20年間で最高の9.2%を示しています。賃金と労働収入は漸進的な回復基調にありますが、最低賃金は20年前の74%に低下し、ソマビアILO事務局長も「中南米の所得分布はどんな方式で計っても世界で最も格差が大きい」とします。
中南米の労働力人口の3分の2が社会保障制度が適用されず、雇用人口10万人当たり毎年13.5人が労働災害によって命を落としています。インフォーマル・セクターや短期契約の労働者数の急増などといった理由から労働組合の組合員数はここ10年、国によっては30%近い減少を示しています。
報告書は危機を招いた原因の多くは民主機構の機能における深刻な欠陥と社会の信頼を失うほどにかつてないほどの規模で見られる汚職の広がりと密に関連していると指摘します。深刻な経済危機と社会労働事情の悪化に直面している中南米について、事務局長は現在見られるディーセント・ワークの不足を克服し、企業・雇用創出、生産性向上、需要増を奨励するような「ポジティブな解決策」を考える必要があるとします。
2002年11月発表分
第285回ILO理事会閉会(英語原文)
2002年11月22日(金)発表ILO/02/52
11月7〜22日の日程でジュネーブで開かれた第285回ILO理事会の主な成果は次の通り。
- 国別案件:強制労働の存在が指摘されているミャンマーに関しては、今年6月以降の進展状況をまとめた報告書が提出され、これをもとにした話し合いが行われました。ILOの使節団をミャンマーに派遣して、強制労働廃絶に向けた行動計画を策定する案が検討され、最終的な判断は事務局長に委ねることになりました。
今年6月の総会で事務局長が提案した「パレスチナ雇用・社会的保護基金」については、設置が強く支持され、国際社会に対し、資金協力の呼びかけが行われました。
多数の労組活動家の殺害など、労働組合の権利侵害が問題となっているコロンビアについては、労組活動家の権利保護、結社の自由・団結権の推進、暴力抑止の手段としての社会対話の推進に向けて設けられた特別技術協力計画「コロンビア・プロジェクト」の進展状況が検討されました。カルデロン・コロンビア副大統領も出席し、暴力抑止に向けた新政権の決意を表明しました。
- 世界社会基金:裕福な国の国民から集めた一人当たり月2、3ドル程度の募金を、低所得国・後発開発途上国の基礎社会保障整備に用いるという「世界社会基金」の構想については、構想を試すパイロット・プロジェクトの実施が承認されました。一援助国と一途上国が共同で、途上国における具体的な貧困対策の社会的保護給付を導入することを含む実験的プロジェクトは数年間にわたって実施され、進展報告が定期的に公表されることになります。
- 事務局長選挙:事務局長の任期は5年で、現事務局長の任期は2004年3月までですが、2003年3月の理事会で選挙を実施することが決まりました。理事会では現事務局長の続投を支持する声が聞かれました。
- 三者構成:今年6月のILO総会で採択された、政労使三者体制の強化と労使代表の役割に関する決議のフォローアップとして、社会対話監査を含む具体的な活動提案が了承されました。事務局長はILO事務局全体を通じ、三者体制と社会対話を強化する総合的な活動計画を導入するよう求められました。
ベラルーシ、コロンビア、ジンバブエ、日本などを取り上げる−ILO結社の自由委員会最新報告(英語原文)
2002年11月21日(木)発表ILO/02/51
11月7〜22日の日程でジュネーブで開かれている第285回ILO理事会で、11月21日に採択された結社の自由委員会の最新報告(第1部)/(第2部)では、結社の自由原則侵害について審査された31件の申立が取り上げられています。労働組合の活動規制などがあり、事態の改善が一向に見られないベラルーシ、殺人、誘拐、脅迫など労組活動家が深刻な暴力に直面しているコロンビア、スト権が侵害され、多数の労働者が負傷したエクアドル、地方自治体による3,500名の大量不当解雇が反組合的行為の疑いがあるベネズエラ、私服警官による強制捜査で労働者団体の集会が妨害されたジンバブエの案件が特に深刻で緊急の取り組みを要するものとされました。
申立の中には、自ら選択した団体を設立する自由が奪われている等として使用者団体が行ったものもありました(ボスニアヘルツェゴビナ、旧ユーゴスラビア共和国マケドニア)。
日本の案件は2件審議されました。連合、全労連等が行っていた公務員制度改革に関する申立では、団結権とスト権は区別されるべきものとして、消防職員と刑務所職員が自ら選択した団体を設立できるよう法の改正を求めました。公務員の一律スト権禁止については、結社の自由原則に沿って法が改正されるよう再検討を求めました。団体交渉権については、軍隊、警察、国の行政に直接携わる公務員を可能な例外として、公務員はそのような権利を享受すべきとし、同じく結社の自由原則に沿った法の改正を求めました。さらに、公務員制度改革に関しては、幅広い合意を達成し、法を結社の自由原則に沿ったものとするため、改革の内容と理由に関し、関係当事者全てと十分、率直かつ有意義な協議を早急に行うよう強く求めました。
中央労働委員会に行った不当労働行為救済申立の調査手続きに時間がかかりすぎ、労働委員会の救済機能が損なわれているとして郵産労が行った申立については、効果的かつ迅速な手続きの確保を政府に求める勧告が出されました。
ILO理事会(11月7〜22日)−ミャンマー、イスラエル占領地、国際経済措置などを審議(英語原文)
2002年11月7日(木)発表ILO/02/50
11月7〜22日の日程でジュネーブで開かれている第285回ILO理事会では、以下のような議題の審議が予定されています。
- 国別案件:強制労働の存在が指摘されているミャンマーに関しては、今年6月以降の進展状況をまとめた報告書が提出されます。今年に入ってから100人を超える労組活動家が殺害されるなど、労働組合の権利侵害が問題となっているコロンビアについては、労組活動家の権利保護に向けて設けられた特別技術協力計画「コロンビア・プロジェクト」の活動状況と資金拡大の可能性に関する検討が行われます。労働者保護に向けた活動が進められているパレスチナについては、今年6月以降の活動状況とパレスチナ雇用・社会的保護基金設置計画の進展状況が検討されます。結社の自由及び団体交渉権の侵害に関する申立を審議する結社の自由委員会では、日本のものを含む30件余りの案件が取り上げられる予定です。
- 三者構成:今年6月のILO総会で採択された、政労使三者体制の強化と労使代表の役割に関する決議のフォローアップ事項として、社会対話監査を含む具体的な活動案が検討されます。
- 国際経済:2000年に国連で採択されたミレニアム開発目標でILOに求められた包括的雇用枠組みの立案という要請に応えて策定されたグローバル雇用アジェンダのフォローアップ討議が行われます。アジェンダは生産的な雇用を貧困解消に向けた開発政策の中心に置き、基本的な権利の尊重がいかに生産性向上、従って雇用、成長、開発を促進するかを強調します。また、裕福な国の国民から募った募金を低所得国・後発開発途上国の社会保障整備に用いるという世界社会基金の構想について話し合いが行われます。
- グローバル化の社会的側面:外国投資を誘致し、その潜在的な利益を最大化する方法を概説したグローバル経済における投資とディーセント・ワークと題する報告書をもとにした検討などが行われます。
- その他:基本的原則・権利宣言の推進と労働安全衛生分野に関するILOの活動、輸出加工区の雇用・社会政策、事務局長の任命(現事務局長の任期は2004年3月まで)等に関する話し合いが行われます。
2002年10月発表分
保健部門の職場内暴力対策新共同イニシアチブ(英語原文)
2002年10月24日(木)発表ILO/02/49
ジュネーブのILO本部では、10月21〜25日の日程で保健サービスにおける社会対話に関する会議が開催されましたが、その中で医療職場の暴力対策ガイドラインが発表されました。
職場内暴力はサービス部門全般で深刻な問題となっていますが、保健医療の現場は特に危険にさらされています。ある調査報告によると、全職場内暴力事件の25%近くが保健部門で発生し、全保健医療労働者の平均2人に1人が何らかの事件に遭遇しているとされます。報告書は、例えば、次のような事実を明らかにします。
- 米国の保健医療労働者が暴力に遭遇するリスクは他のサービス業労働者の16倍に達します。
- オーストラリアでは2001年に保健医療労働者の67.2%が何らかの精神的または肉体的な暴力を受けています。
- 保健部門では、悪口、いじめ、集団によるつるし上げなど、肉体的暴力よりも精神的暴力が多く見られ、被害者の4〜7割がかなりのストレス症状を訴えています。
- 保健部門の中でも職場における暴力の被害を受けやすいのは、救急隊員、看護師、医師。
- 届出制度がなく、加害者がとがめられない国が多い。
ILOは、世界保健機関(WHO)、国際公務員労組連盟(PSI)、国際看護婦協会(ICN)と共同で、「保健部門の職場内暴力対策枠組みガイドライン」を発表しました。ガイドラインは政府、使用者、労働者、労働組合、職業団体、一般市民など、職場における安全を担うすべての人々に対する支援の提供をめざし、尊厳、非差別、機会平等、協力を基盤とした、人を中心に据えた職場文化の育成を優先事項としつつ、保健医療労働者が暴力問題に取り組む方法、予防活動を通じたリスクの把握・評価・削減、暴力の影響を減らし、再発を防止する方法などを示します。ILOはまた、来年10月に専門家会議を開き、サービス業における職場内暴力とストレスに関する実施基準を採択する予定です。
保健サービスにおける社会対話に関するILO会議(英語原文)
2002年10月18日(金)発表ILO/02/48
ジュネーブのILO本部では、10月21〜25日の日程で保健サービスにおける社会対話の制度、機能、効果に関する合同会議が開催されます。
会議では、ケア提供者に対する職場における暴力問題の増加に取り組む努力を含み、保健部門における改革を進め、維持する上での社会対話の必要性に関する話し合いが行われます。公衆衛生上の懸念や保健医療コストの増加は、最近多くの国で保健部門を最も議論の多い政策分野のひとつとしました。この中で最近、政府と労使団体代表とによる社会対話の役割が認識されるようになりました。討議資料として作成された報告書は、社会対話を強化するための方法を吟味し、ブラジル、カナダ、チリ、英国などから保健部門における社会対話の好事例を紹介します。報告書は、保健サービスの制度改革と民営化、新しい管理形態、雇用、労働力移動、ケア提供の財源といった点も扱います。
職場における暴力事件の約25%が保健部門で発生し、全保健医療労働者の50%以上が何らかの事件に遭遇しています。10月24日には、会議参加者以外のスピーカーも招き、保健部門の職場における暴力に関する円卓会議が開催されます。
ILO/ADB、労働基準の向上、開発促進に向けて協力(英語原文)
2002年10月11日(金)発表ILO/02/47
ILOとアジア開発銀行(ADB)が共催で、去る9月18〜19日に、マニラのADB本部で開催した労働基準地域技術ワークショップでは、アジア太平洋地域で幅広く持続可能な開発が確保されるには、労働基準向上に向けた政府の決意が大切との結論に達しました。域内の使用者、労働組合、その他団体のハイレベルの代表が参加したワークショップは、各国政府、ILO、ADBに対し、政府との政策対話において労働基準の問題にスポットライトを当て、児童労働、労働安全衛生、職場における差別、債務奴隷といった問題に取り組むプロジェクトの設計によって労働基準の向上を推進し、地域における労働条件のモニタリングを強化し、労働基準向上に向けた能力構築・啓発活動を開発するよう求めました。また、公共及び民間部門における労働基準を企業の社会的責任の一部としてとらえ、社会的な監査を行う方法等についての議論も行われました。
アジア太平洋地域には、世界全体で120万人と推計される貧困人口の約3分の2、世界全体で2億4,600万人と推計される児童労働者(5〜14歳)中の約1億2,700万人、世界全体で2,000万人とされる債務奴隷の多くが住み、性、人種、カースト、年齢、信教、政治的意見を理由とする職場における差別の存在も多くの国から報告されています。
既に今年5月、ILOとADBは乏しい資金の活用と開発に対するその影響を最大限にすることをめざし、協力関係強化の協定を締結していますが、貧困緩和、生活水準向上、生産性増大を通じた成長の質の向上に結びつくまともな労働条件の推進に向け、協力関係のさらなる強化が見込まれます。具体的には、
- 文書、調査研究、情報の交換
- ADBが包含的で雇用創出的な開発パターンを支援し、労働者の福祉向上が確保されるよう、両機関の専門知識を結合すること
- ADBが計画している社会保護への介入に際し、担当省庁、使用者、労働者団体、市民社会パートナー、開発機関との協力枠組み構築における協力
その他プロジェクト設計、技術支援等幅広い分野での協力が予定されています。
鉱業−高生産性、職業上の危険度高(英語原文)
2002年10月7日(月)発表ILO/02/46
10月7〜11日の日程で、ジュネーブのILO本部では鉱業における雇用、労働時間、訓練の変化について話し合う各国政府、業界労使団体代表の会議が開催されています。討議資料として会議に提出された報告書は、鉱業生産高は増加を続けているものの就業人口は低下の一途をたどり、世界全体で過去5年間に300万人を超える雇用が失われたとします。
カナダ、インド、米国では100%、オーストラリアでは200%以上といったように、鉱業は最近、著しい生産性の伸びを示していますが、報告書は、全体的な傾向として、資本集約化が進む一方、熟練労働者はますます長時間労働を余儀なくされていると記します。そして、疲労は薬物やアルコールの乱用と同じくらい作業効果に悪影響を与える可能性があり、一定量以上を飲酒した従業員は勤務を禁止される場合があるのに、18時間以上寝ていない労働者は同じような症状を示すにも関わらず、その労働を禁止する規定がないとして、長時間労働と交代労働の増加からくる疲労と人的ミスの結果が職業上の最大のリスクの一つになりつつあることを警告します。
子どもは増加、教員は減少:ユネスコとILOの新しい共同報告書は世界的な教員不足が教育の質の低下を招いていると指摘(英語原文)
2002年10月5日(土)発表ILO/02/45
10月5日の世界教員の日に際し、ILOとユネスコは教員に関する世界の最新データを集めた報告書(Statistical Profile of the Teaching Profession)を共同発表します。報告書は、90年代を通じて子どもの数は増加したのに対し、教員数が不足し、教育の質の低下を招いているとします。
先進国では小学校教員1人当たりの生徒数は平均16人ですが、途上国では100人を超える場合も珍しくありません。30歳未満の小学校教師がインドネシアでは全体の52%以上に達するなど、途上国の教師は非常に若く、経験が浅い傾向があり、正式な職業訓練を全く受けていない場合も少なくありません(例えば、ウガンダでは小学校教師の半分近くが中卒以下)。一方、先進国では、例えばドイツやスウェーデンでは小学校教師の7割超が40歳以上であるように、全体としての高齢化が進んでいます。これは学生に必要な知識とスキルが近年大きく変化しているにもかかわらず、教師の大半が初期研修を15〜20年前に受けていることを意味します。
教職人気低下の一因として、低賃金が挙げられ、例えば、OECD(経済協力開発機構)諸国では勤続15年の教師の平均年間給与は27,525ドル(約335万円)で、同水準の他の専門職に比べてかなり低くなっています。低い給与に合わせて労働量を軽減している国(ペルーでは年間平均労働時間が約648時間)もあれば、給与は高くとも労働量が多い国(フィリピンでは年間給与は10,640ドル(約130万円)ながら、生徒数は1クラス50人を超え、年間平均労働時間は1,176時間)もあります。
ILOのサリー・パクストン社会対話総局長はこのような状態を、「世界の教育制度を待ち受ける教職危機の最初の兆候」とします。
ILOとユネスコは1966年に、教育における教員の中心的な役割を強調し、給与と労働条件はその社会的重要性を反映したものとすべきとする「教員の地位に関する勧告」を共同で採択していますが、ユネスコのジョン・ダニエル教育事務局長補は「勧告の重要性は依然失われていない」とします。
ラニア・アル=アブドラ・ヨルダン王妃のILO訪問(2002年10月3日)(英語原文)
2002年10月3日(木)発表ILO/02/44
10月3日にヨルダンのラニア・アル=アブドラ王妃がジュネーブのILO本部を訪れ、ソマビア事務局長をはじめとするILO幹部職員と会談を行います。王妃は子どもの問題に特に関心をもっておられ、今回の訪問における中心的なテーマもヨルダンにおける反児童労働拡大計画の開始、国内外におけるILOの反児童労働キャンペーンに対する支援となる予定です。
2002年9月発表分
電機産業は職業訓練から生涯学習に変更する必要ありとILO:最近発表されている人員削減にも関わらず、就業人口は過去5年間にかなり成長(英語原文)
2002年9月20日(金)発表ILO/02/43
9月23〜27日の日程で、ジュネーブのILO本部では、加盟国政府代表、電機産業の労使代表が集い、同産業の生涯学習、訓練に関する話し合いを行っています。討議資料として作成された報告書は、電機産業が成長及び雇用のエンジンであり続けたいと願うならば、単なる職業教育・訓練から脱し、生涯学習を取り入れる必要性があることが産業の最近の動きから見て取れるとします。
コンピューター・チップの性能が1年半毎に二倍に進化するとされる現状では、知識の陳腐化も急速に加速しつつあり、四半期毎の更新を要するものや有効期間2年のオンライン技能証明書なども登場しています。労組はますます労働者のエンプロイヤビリティー(雇用可能性)に重点を置き、労働協約に再訓練や継続訓練プログラムが取り入れられる割合も増えています。通常、継続訓練の費用を負担しきれないとされる中小企業でも、例えばアメリカでは、見習い工が複数の企業を回って研修するなど、小企業同士が協力し合って、職業訓練を提供する工夫が施されています。360度評価や自己開発計画など、従業員個人の開発に留まらず、企業の生産性向上にも寄与する作業環境の育成も図られています。
企業による社内大学や学習センターの設置、遠隔学習の導入、大学による企業の需要に沿った訓練の提供、大学やカレッジ職員を派遣する特別研修など、報告書は企業による従業員の学習ニーズへの対応例をさまざまに紹介します。
ソマビアILO事務局長フランス公式訪問(英語原文)
2002年9月17日(火)発表ILO/02/42
ソマビアILO事務局長は、9月19、20日にフランスを公式訪問し、シラク大統領、ラファラン首相、フィヨン社会・労働・連帯相、フランスのILO労使理事と会談を行います。今回の訪問では、ILOの技術協力計画におけるフランスの協力の拡大、経済グローバル化の社会的側面といった事項が話し合われる予定です。
シラク大統領との会談は、1999年5月19日にILOが同国と初めて協力協定を締結して以来のこととなります。この協定で、フランスは「ILOのディーセント・ワーク目標、即ち不平等削減、世界的団結の奨励、人間の顔をしたグローバル化の推進、一人一人の個人が人並みの生活を享受できる状態の確保を基礎とした技術協力計画の開発」を望んでいます。フランスの対ILO任意拠出金額はこれまで拠出国中16位に位置していましたが、2002〜2004年に1,700万ユーロの拠出が公約された結果、ランクは第6位にあがっています。
基礎所得の権利を論議する専門家会合開催(英語原文)
2002年9月10日(火)発表ILO/02/41
9月12〜14日の日程で、ジュネーブのILO本部において基礎所得欧州ネットワーク(BIEN)の第9回大会が開催されます。会議では、全世界的な社会給付の選別主義化と制約の広がり、そして基礎所得保障の権利を実現する方法について、約28カ国200名の政府関係者、学識者、その他の専門家が出席し、話し合いが行われます。
欧州におけるフルタイム労働者の所得は、10人に1人が貧困水準を下回ります。既に多くの国で、税、社会保障給付、最低賃金制度を組み合わせ、基礎所得を保障する方法が検討されています。会議には、米国、アルゼンチン等約60カ国の状況に関する資料が提出されており、その多くは、BIENのウェブサイト(http://www.basicincome.org)で見ることができます。
駐ミャンマーILO連絡員任命(英語原文)
2002年9月4日(水)発表ILO/02/40
ILO事務局長は9月4日、今年3月にILOとミャンマー政府間で達成された合意に基づく駐ミャンマーILO連絡員として、ベトナム生まれのホン=トラン・ペレ=グエン前ILO労使関係局長を任命しました。ペレ=グエン連絡員は2001年秋にミャンマーを訪れたハイレベル・チームが指摘したような強制労働の根本的な原因に効果的に対処する戦略立案への支援など、ミャンマーにおける強制労働の即時かつ効果的な廃絶確保に向けた活動を行うことになります。ミャンマー政府はそのためのあらゆる支援と便宜の供与を約しています。ペレ=グエン連絡員は、今年5月に任命された暫定連絡員の後を受け、10月からヤンゴンに駐在します。
2002年8月発表分
ILO事務局長の環境開発サミット演説(英語原文)
2002年8月29日(金)発表ILO/02/39
ソマビアILO事務局長は、8月29日、南アフリカのヨハネスブルクで開かれている環境開発サミットで演説し、グローバル化の今の形態は社会の分断を悪化させているとし、過去の政策の見直しを求めました。
事務局長は、環境に優しい技術を用いて、生産・消費パターンを持続可能なものに変えることは、仕事の方法、生産物の革命を意味するとし、アナン国連事務総長の提案する水、エネルギー、保健、農業、生物多様性を優先取り組み分野とすることに賛同しながら、そのような戦略の根幹を職場に置くことを提唱しました。貧困緩和、人々が持続可能な方法で社会や環境と関わっていく上での仕事の重要性を強調した上で、現在のグローバル化のあり方を非難し、政策の再考を求めました。
環境開発サミットに際し、ILOでは、持続可能な開発と職場に関する資料を掲載したウェブサイトを設けました。
ILO事務局長、環境開発サミット出席のため、南アフリカを訪問(英語原文)
2002年8月23日(金)発表ILO/02/38
8月26日〜9月4日の日程で、南アフリカのヨハネスブルクで開催される持続可能な開発に関する世界サミット(環境開発サミット)に、ILOからはソマビア事務局長をはじめ、理事会の政府・労働者・使用者三者の代表が出席します。
ILOはサミットのサイドイベントとして現地で、8月29日には「雇用、社会対話、社会的保護に関する円卓会議」、9月2日には「グローバル化の社会的側面:市民社会との対話」を主催します。円卓会議では、持続可能な開発の社会的側面を推進すると共に、持続可能な開発目標を達成する上でのILO独特の三者構成(政府・労働者・使用者)の価値を強調する予定です。9月2日のイベントでは、グローバル化が人々の生活と社会にもたらしたかつてない変化に対処する人々のニーズに応えるため、今年初めに設置されたグローバル化の社会的側面世界委員会の共同委員長(フィンランドとタンザニアの大統領)の司会のもと、委員と多様な市民社会団体代表の意見交換が行われる予定です。
ソマビア事務局長は、サミット参加者に対し、古い政策モデルを捨て、グローバル化の恩恵がすべての人々に行き渡るような新しい政策を採用するという、持続可能な開発目標の達成に向けた創造的な新しいアプローチの採用を呼びかける予定です。
環境開発サミットに際し、ILOでは、持続可能な開発と職場に関する資料を掲載したウェブサイトを設けました。
2002年7月発表分
ILO事務局長、ロシアを訪問し(7月15〜19日)、雇用、社会的保護、WTOの影響、エイズ、児童労働について討議(英語原文)
2002年7月12日(金)発表ILO/02/37
ソマビアILO事務局長は7月15〜19日の日程で、ロシアを公式訪問し、マトビエンコ副首相をはじめ、外務、労働、経済通商の各大臣、モスクワ市長、労働組合、使用者調整評議会、国会議員等と、雇用創出、貧困緩和、労働基準の調整、拡大しつつある児童労働・HIV/エイズ問題、グローバル化とロシアの世界貿易機関(WTO)加盟の社会的影響といった双方の関心事項について話し合いを行う予定です。
ILOはロシアで、労働・雇用法制の立案支援、社会的に配慮した企業再構築、社会的保護・労働者保護制度の推進、労働安全衛生の強化、社会対話プロセスの定着、ストリート・チルドレン・プロジェクトといった多様な技術協力活動を実施しています。
ILOのパレスチナ労働者技術支援ハイレベル会合(英語原文)
2002年7月11日(木)発表ILO/02/36
今年のILO総会の閉会演説の中で、ソマビアILO事務局長はイスラエル占領地の人道上の危機を緩和し、平和のための社会基金の再建に向けて寄与する努力を表明しました。総会後の6月21日に開かれた理事会では、加盟国への資金協力の呼びかけと共に前予算年度の余剰金の一部を用いたパレスチナにおける技術協力計画実施提案が出され、支持を得ましたが、これに基づき、7月12日にパレスチナ暫定自治政府の労働大臣、労使代表等からなる高級使節団がILOを訪れ、ソマビア事務局長と緊急技術支援計画、特にパレスチナ雇用・社会的保護基金の設立に関する話し合いを行います。パレスチナのアラファト議長からもILO事務局長宛に、パレスチナの労働者のための総合的な技術協力計画を強く支持する書簡が送られています。
ILOは現在、パレスチナで一連の技術支援計画を実施していますが、若者を中心とした雇用の推進、労使の能力構築をめざした努力を直ちに強めていく予定です。
HIV/エイズのアフリカ開発への影響は「過小評価」されており、今や大規模な政策転換が必要とILO(英語原文)
2002年7月11日(木)発表ILO/02/35
ILOは7月11日に、バルセロナで開かれている第14回国際エイズ会議の中で、サハラ以南アフリカ諸国におけるHIV(エイズウイルス)/エイズによる人的資本損失の影響は過小に見積もられているとする新しい報告書を発表しました。「Human capital and the HIV epidemic in sub-Saharan Africa(サハラ以南アフリカにおける人的資本とHIV)」と題する報告書(英文)は、HIV感染者は15〜49歳の働き盛りの人々に集中しているため、サハラ以南アフリカでは、HIV/エイズによる熟練労働者の死亡がもたらす技能伝承機会の喪失や新規労働者を研修することが困難になるといったように人材の確保がますます難しくなっており、教職者や医療労働者、警官といった不可欠業務に従事する人々の喪失はそれらの業務の提供に支障をもたらしており、現行の経済開発水準を保つために必要な財源を確保することも難しくなっているとします。そして、このような現状に鑑み、エイズがもたらす世界の新しい現実に即し、現行の政策を再検討し、計画・方針を再考するよう提唱します。
昨年エイズは、推計230万人のアフリカの人々の命を奪いましたが、2010年までにこの数は約5千万人に達すると報告書は推計します。
ILOはカカオ農業における虐待的な児童労働・強制労働の廃絶に向けた基金新設を歓迎(英語原文)
2002年7月1日(月)発表ILO/02/34
ILOは7月1日、カカオ産業における良い労働慣行の確立をめざす世界的なキャンペーンを支援するものとして、カカオの栽培と加工における児童労働と成人の強制労働の利用をなくすことを目的とした新たな「国際カカオ・イニシアチブ−カカオ生育における責任ある労働基準に向けた協働」の誕生を歓迎する声明を発表しました。世界のチョコレート、ビスケット、製菓産業の代表、国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)、チャイルド・レイバー・コアリション、フリー・ザ・スレイブス、全米消費者連盟(NCL)の合意のもと、ジュネーブに設立される基金は、各地のプロジェクトの財政・運営支援、ココア生育における最悪の形態の児童労働をなくす助けとなる良い慣行に関する情報の収集・提供、反児童労働・強制労働国際基準施行に向けた共同活動の開発、基準遵守に向けた最も適切で実際的な監視・市民報告措置の確定支援といった活動を行います。業界と業界以外からの同数の代表で構成される理事会が基金の活動を監督しますが、ILOは理事会の顧問を務めます。基金の設立は、昨年10月に、米国の2名の議員と世界のチョコレート産業の代表が西アフリカのカカオ・プランテーションにおける児童奴隷の廃絶、世界のカカオ・チョコレート産業から最悪の形態の児童労働をなくすことをめざして締結した協定をフォローアップするものです。
カンボジア衣料工場の労働条件に「元気づけられる改善の印」(英語原文)
2002年7月1日(月)発表ILO/02/33
輸出総額の約77%を衣料製品が占めるカンボジアは、米国政府との間に、カンボジア政府が繊維・アパレル部門の労働条件向上に向けたプログラムの実行を支援した場合、カンボジア製繊維製品の対米輸出額を年18%増加できるとする協定を締結していますが、ILOはこの協定に基づき、カンボジアの衣料工場の労働条件を監視し、その結果を報告書として発表する技術協力プロジェクトを実施しています。7月1日に発表された3回目の報告書は欧米向けアパレル生産に従事しているカンボジアの約30の衣料工場の労働条件には改善の印があるとしました。初めて個別企業名を挙げた報告書は、児童労働、セクシュアル・ハラスメントの証拠は見られず、幾つかの問題点は残るものの、結社の自由と団結権の確保、賃金の正規支払い、残業が法定限度内で任意によることの確保といった面で改善が見られるとします。
2002年6月発表分
2002〜2003年のILO理事会議長に英国の労働者代表ブレット卿選出(英語原文)
2002年6月21日(金)発表ILO/02/32
6月21日に開かれた第284回ILO理事会では、来年6月までの任期1年の役員選出が行われ、長く労働者側の副議長を務めてきたイギリスのウィリアム・ブレット卿が新議長に選出されました。政府側の副議長には、韓国のエイ・ヨンチュン大使が選出され、使用者側副議長には、ダニエル・フネス・デ・リオハ・アルゼンチン産業連合社会政策局長が再選されました。
理事会ではまた、パレスチナの雇用と社会的保護のための基金を通じた占領地向け技術協力計画の実施が労働者側グループから提案され、政府・使用者側からも支持を得ました。
理事会の結社の自由委員会では、日本のもの2件を含む23の案件が審査されました。直接接触ミッションの権限拡大が政府に拒絶されたベネズエラ、組合活動家の拘留、労働組合団体不登録等が見られるキューバ、組合活動家に対する暴力の広がりが改善の兆しを見せないコロンビア、政府による使用者の結社の自由抑制行為が見られるグアテマラの案件に特に注意が喚起されました。
日本については、岡山県高等学校教職員組合が公務員の団体交渉権の制限、交渉決裂時の中立かつ迅速な調停手続きの不在等について申し立てていた案件に関しては、教員は団体交渉権を備えるべきとした上で、人事委員会の決定が拘束力を持つよう地方公務員法の関連規定を改正すること等を求める勧告が出されました。全国労働組合総連合が中央労働委員会、地方労働委員会の労働者側委員に選出されないことを反組合的差別行為による組合の代表義務妨害として行っていた申立に関しては、すべての代表的労働組合団体を平等に処遇する必要性に関する結社の自由原則に基づき、適切な措置を講じるよう政府に求めました。
ILO理事の任期は3年ですが、今年の総会で理事選挙が行われ、日本の伊藤祐禎労働者側理事、鈴木俊男使用者側理事がいずれも再選されました。日本政府は常任理事国です。
ILO年次総会、グローバル化の課題に取り組む新たな措置を採択(英語原文)
2002年6月20日(木)発表ILO/02/31
6月3日からジュネーブで開かれていた今年のILOの総会は、6月20日に閉幕しました。主な成果は以下の通りです。
- 協同組合:インフォーマル経済の保護されていない労働者を経済生活の主流に統合する手段として重要視されている協同組合に関しては、発展途上国のみに対象を限定する1966年に採択された協同組合(発展途上国)勧告(第127号)に置き換わる新しい「協同組合の振興に関する勧告」が採択されました。勧告は、雇用創出、事業潜在力の開発、投資・貯蓄額の増大、社会福祉の向上に向け、協同組合を推進する措置を講じるよう加盟国に呼びかけるものです。また、協同組合の振興を国家及び社会開発の目標のひとつとし、経済成長力があり、民主的に運営された協同組合を推進するような環境を構築する措置を検討するよう求めています。
- 労働安全衛生:@1981年に採択された労働安全衛生条約(第155号)の議定書とA職業性疾病のリストを改正する勧告が採択されました。議定書は労働災害と職業性疾病、危険な出来事、通勤災害の記録と届出に関する要件と手続きを定め、見直すよう批准国に求めるものです。また、最新の国際的な制度に対応する分類体系に基づき毎年統計を発表することも求めています。
勧告は予防、記録、届出、補償の目的のため、各国は職業性疾病のリストを作成するよう求めています。勧告に附属される新しい職業性疾病のリストは、1980年に採択された既存の表を補足するもので、今後は、理事会が招集する三者構成の専門家会議によって定期的に更新されることになっています。
- インフォーマル経済:不安定で権利の保障されていないインフォーマル経済で生活の糧を得ることを余儀なくされている数億人の人々にディーセント・ワークを現実のものとする手段に関し激論が交わされた結果、インフォーマル経済に属する人々のための雇用創出、社会的保護、貧困緩和の問題に焦点を当てた新しい活動計画をILOに求める決議が採択されました。
- 基準適用:ミャンマーの強制労働については、特別討議が行われました。実際の、迅速で確かな進歩が強く求められ、ILOは政府及びすべての関係当事者との対話を決然として継続するよう求められました。基準適用委員会では、日本の公務員の団体交渉権に関するものを含み、24カ国の案件が取り上げられ、特にスーダンの強制労働、エチオピアとベネズエラの結社の自由に関する案件に注意が喚起されました。団結権及び団体交渉権条約(第98号)に関連して取り上げられた日本の案件に関しては、給与決定への公務員の参加が非常に限られていることに対する懸念が表明され、現行の公務員制度改革を通じ、団体交渉が奨励されることへの期待が表明されました。
- イスラエル占領地:事務局長の報告書をもとに占領地の状況が討議され、ソマビアILO事務局長は雇用と社会的保護のためのパレスチナ基金設立に向け、即時に予算を配分する意向を発表しました。
- その他:ゲスト・オブ・オーナーとして総会で演説したマレーシアとバルバドスの両首相はいずれもグローバル化の問題を取り上げ、マハティール・マレーシア首相は社会的側面を備えたグローバル化を求め、アーサー・バルバドス首相は労働基準と貿易のリンクを「不道徳で反生産的」と非難しました。今年の総会議長は、スイスのエルミジェール経済省長官が務めました。会期中に行われた理事選挙では、日本の伊藤祐禎労働者側理事、鈴木俊男使用者側理事がいずれも再選されました。児童労働に関するグローバル・レポートが討議された6月12日は今年から「児童労働に反対する世界の日」とされ、世界各国で児童労働廃絶に向けた運動を強化する各種イベントが開催されました。ソマビア事務局長は、総会の全体会議で演説した347名中女性がわずかに45名であった事実を憂慮し、女性の参加を強化する策を出席者に求めると共に、今後、演説者の性別アンバランスに対処するため、目標値を定めることを提案しました。
オウエン・アーサー・バルバドス首相、ILO総会で演説:労働基準の平等執行を求める(英語原文)
2002年6月13日(木)発表ILO/02/30
現在、ジュネーブではILOの総会が開催されていますが、6月13日に、ゲスト・オブ・オーナーとして演説を行ったバルバドスのオウエン・アーサー首相は、労働基準と貿易のリンクは「不道徳で反生産的」と非難し、ILOは途上国・先進国の別なく国際労働基準を執行する実効力を備えるべきと主張しました。
「対外政策や貿易政策の手段、交渉の手段として用いられるには人権は余りにも神聖」とした上で、首相は「ILOは単なる顧問的な役割ではなく、世界の金融・貿易政策の策定にもっと影響力をもたなくてはならない」とし、世界経済の社会的責任を維持するために何が必要かについて国際的な合意を達成することが緊急に必要と唱えました。
マハティール・モハマド・マレーシア首相、ILO総会で演説(英語原文)
2002年6月11日(火)発表ILO/02/29
現在、ジュネーブではILOの総会が開催されていますが、6月11日に、ゲスト・オブ・オーナーとして演説を行ったマレーシアのマハティール・モハマド首相は、1998年のアジア金融危機を引き起こしたのは、政治的腐敗や透明性の欠如ではなく、マネー・トレーダーの投機であるとして、旧宗主国及び多国籍企業の金融行為を非難し、グローバル化は社会的側面を備えるべきと訴えました。
さらに、グローバル化は単なる資本の自由な移動と解釈され得るとし、資本の流れが自由化されるとすれば、労働者の流れも自由化されるべきであり、労働者の自由な流れが規制されなくてはならないとすれば、資本の流れも規制する必要があると唱えました。そして、正しく解釈されたグローバル化は世界全体の人類社会の不平等を是正する手段となり得、「グローバル化は世界中の人類社会全員の幸福に関わるものとなって初めて、広く世界的に意味を持つ」としました。
ILO、占領地への緊急支援を呼びかけ、社会対話を求める(英語原文)
2002年6月10日(月)発表ILO/02/28
現在、ジュネーブではILOの総会が開催されていますが、6月10日に演説を行ったフアン・ソマビアILO事務局長は、イスラエル/パレスチナ情勢に言及し、両者が和平達成に向け、社会対話に乗り出す危険を冒すよう呼びかけると共に、占領地におけるILOの緊急雇用創出計画案を支持するよう総会出席者に訴えました。
総会に提出されているイスラエル占領地の労働者の状況に関する報告書は、4〜5月に現地を視察したILO視察団の情報をもとに、危機と衝突が占領地にもたらしている社会と経済の壊滅状態を詳述し、境界封鎖の緩和、占領地への技術協力の増大、社会対話の推進を提唱します。
事務局長はこの他に、演説の中で、もっとも必要とされている場所で、必要としているすべての人々に十分な仕事が創出されてこなかったことがグローバル化の最大の失敗と指摘し、次の5項目からなる是正策を提案しています。
- 地方の開発、市場、起業家精神、社会的保護、対処能力の推進
- インフォーマル経済に捉えられた男女の潜在的創造力の解放
- すべての人々とその家族の経済的・社会的保障の向上
- 経済改革、貧困緩和、雇用創出といった政策の一貫性と多様性の推進
- 多様な意見に耳を傾けて変化のリズムを保つこと
「児童労働に反対する世界の日」(6月12日)(英語原文)
2002年6月5日(水)発表ILO/02/27
現在、ジュネーブではILOの総会が開催されていますが、会期中の6月12日をILOは今年から「児童労働に反対する世界の日」と定め、以後毎年、この重要な問題に世界の注目を喚起していく予定です。今年はこの日、総会において、児童労働に関する報告書「児童労働のない未来」をもとに出席者が話し合いを行います。
さらにジュネーブでは、前日の6月11日に、児童労働に関するILOのTV広報に出演している米国の映画/TV女優クリスティー・クラーク、児童労働をなくすための活動を世界的に行っているパキスタンの人気歌手アブラル=ウル=ハク、ナイジェリアとロシアでかつて児童労働に従事していた子どもたちが参加するイベントが開かれます。児童労働反対の活動を行っている人々や演劇学校の生徒たちによる演劇上演も行われます。また、子どもと教師を反児童労働キャンペーンに参加させることをめざした地域社会基盤の教育社会動員プロジェクトであるSCREAM(教育、アート、メディアを通じた子どもの権利支援事業)が正式に開始されます。
「児童労働のない未来」は、世界全体で5〜17歳の子どもの6人に1人(計2億4,600万人)が児童労働に従事しているとします。また、新たに明らかになった事実として、同年齢の子どもたちの8人に1人(約1億7,900万人)が心身や道徳に悪影響を与える最悪の形態の児童労働に従事していると指摘しています。
第90回ILO総会開幕(英語原文)
2002年6月3日(月)発表ILO/02/26
6月3日に開幕したILO総会では、ジャン=ジャック・エルミジェール・スイス経済省長官が議長に選出されました。副議長には、政府側からはパキスタン代表のファハド・フセイン氏、使用者側からはオーストリア代表のマックス・アルベッセー=ラストブルク氏、労働者側からはマレーシアのザイナル・ランパク氏がそれぞれ選出されました。
総会は6月20日までジュネーブで開かれます。
2002年5月発表分
第90回ILO総会、インフォーマル経済のディーセント・ワーク、児童労働、労働災害・職業病、占領地の問題を討議(英語原文)
2002年5月31日(金)発表ILO/02/25
今年のILO総会は、6月3日より6月20日までジュネーブで開かれます。今年のゲスト・オブ・オーナーはマレーシアのマハティール・モハマド首相、バルバドスのオウエン・アーサー首相で、それぞれ6月11日と13日に演説を行います。
主な議題は以下の通りです。
- インフォーマル経済:グローバル化の過程で、世界中で急速に拡大しつつあるインフォーマル経済で働く人々は、法的・社会的保護を欠き、労働に関わる権利や代表権も保障されていません。総会では一般討議として、認知され、保護されたディーセント・ワークに向かう持続的な動きをはぐくむため、インフォーマル性の根幹に取り組む包括的な戦略が検討されます。
- 児童労働:労働における基本的原則・権利宣言のフォローアップ活動として、児童労働の効果的な廃絶に関するグローバル・レポートが提出され、これに基づく話し合いが行われます。レポートは世界全体で、5〜17歳の子どもの6人に1人が児童労働に従事しており、8人に1人、つまり約1億7,900万人が心身、道徳を損なう危険のある最悪の形態の児童労働に従事しているとします。ILOは、総会でレポートが討議される6月12日を今年から児童労働に反対する世界の日に定め、11日に特別イベントを開催する予定です。
- 労働災害・職業病:仕事に関わり生命を失う人の数は、毎年、200万人に達しますが、この約8割は得られる最高の事故予防戦略と慣行を用いれば予防できるとILOは考えています。労働災害・職業病の記録・届出制度を国際的に統一することをめざし、労働安全衛生条約の附属議定書と、職業病一覧及び労働災害と職業病の記録と届出に関する勧告の採択が検討されます。
- 協同組合:雇用創出、経済成長、社会開発を促進する上で協同組合の果たす役割はますます重要になってきています。昨年の第1次討議を経て、協同組合(発展途上国)勧告に置き換わる、協同組合の振興に関する新しい勧告の採択に向けた話し合いが行われます。
この他に、ミャンマーにおける強制労働条約適用問題、イスラエル占領地の労働者の状況、各国の条約・勧告適用状況、時代遅れとされた勧告の撤回などの事項が審議されます。
ILO、占領地の経済と社会における「切迫した」危機を和らげる緊急対策を呼びかける(英語原文)
2002年5月30日(木)発表ILO/02/24
ILOは5月30日、イスラエル占領地の社会と経済は崩壊状態にあるとして、パレスチナの労働者の移動制限を緩和するようイスラエルに求めると共に、国際社会に向けて、雇用創出とイスラエル・パレスチナ間の社会対話の推進に向けた緊急対策への支援を呼びかけました。
6月3〜20日にジュネーブで開催されるILOの総会には、今年春に西岸、ガザ、ゴラン高原を訪れて収集した情報等をもとにした占領地の労働者の状況に関する報告書が提出されますが、報告書はイスラエルによる自治区封鎖は2001年の自治政府歳入の前年比7割以上減、国内総生産(GDP)実質成長率マイナス12%など深刻な影響を与えており、今年第1四半期の失業率は43%近くになる可能性があり、2001年に46%と見積もられた貧困人口の割合も2002年には62%に達するおそれがあるとします。イスラエル経済も打撃を受けており、2001年のGDP成長率はマイナス0.5%を記録し、ハイテク産業に対する米国経済衰退の影響、観光客数半減、約5万5千人のパレスチナ人労働者の突然の退去に伴う建設産業の混乱などが見られ、影響は経済全体に広がり、失業率も上昇を続け、昨年第4四半期には10.5%に達したとします。
失業率の低下を助け、労働者の権利を保護し、社会的保護と社会対話を推進するため、ILOは、パレスチナ雇用社会基金を設け、パレスチナ自治政府及び地元当局、労使に支援を提供する拡大技術協力計画を提案しています。ソマビアILO事務局長は、「国際社会は住民が何を求めているかに応えるよう、活動手段を再評価する必要がある」とします。
労働関連死亡者数、年間200万人に達する(英語原文)
2002年5月24日(金)発表ILO/02/23
ILOは5月26〜31日の日程で、国際社会保障協会(ISSA)等と共催で、第16回世界労働安全衛生大会をウィーンで開催しています。
会議に提出されたILOの報告書は、毎年、世界全体で200万人もの労働者が仕事に関連した事故または疾病で命を落としているとします。死因の1位はガン(死亡者全体の32%)で循環器系の疾病(同23%)、事故(同19%)、伝染性疾病(同17%)がこれに続きます。仕事に関連した死亡、負傷、疾病の半分以上が、世界の労働者の半数以上が従事する農業で見られます。
10年前に比べ、死亡事故の件数は途上国では少し伸びていますが、先進国では低下しています。報告書は、深刻な負傷事故の減少は、仕事の性質の構造的な変化とより健全で安全な職場に向けた活動が実質的な進展を見せているためとします。一方で、仕事の性質の変化は、筋骨格障害、ストレスなど精神的問題、喘息その他アレルギー反応、危険物質・発ガン性物質への暴露から生じる問題など、新しい職業上の危険を生み出しました。
労働災害や職業性疾病の経済コストは急激に上昇を続けており、世界のGDPの4%近くが欠勤、病気治療、障害・遺族給付といった疾病関連コストに費やされています。ILOは既に導入済みの、あるいは容易に利用できる最善の事故予防戦略・慣行を用いれば、仕事による死亡と事故の約8割は予防可能とし、先進国では、職場関係と職場管理のまずさから生じる社会心理的要因、高度に技術的な反復作業の心身的影響、新しい物質や技術の取り扱い情報が優先取り組み事項とします。
ILOは安全衛生情報とネットワーキングの向上に向け、化学物質の安全性に関する国際計画、国際安全労働計画、中国・中米等での個別プログラムを実施し、労働安全衛生に関する事典等を発行しています。
グローバル化の社会的側面世界委員会第2回会合(英語原文)
2002年5月16日(木)発表ILO/02/22
ILOは今年2月、グローバル経済において経済目標と社会目標の双方を推進するような統合された政策枠組みを求める声に応え、貧困と不安定性を減らし、すべての人々に機会が拡大されるようなグローバル化のモデルについて合意を形成するため、グローバル化の社会的側面世界委員会を設置しました。委員会は来る5月20〜21日にジュネーブで2回目の会合を開きます。委員会は、今後も会合を重ね、最終的に、グローバル化の社会的側面を詳しく分析し、この分析がディーセント・ワーク、貧困緩和、開発に対してもつ意味を記した報告書を作成する予定です。
委員会は、フィンランドとタンザニアの現職大統領を共同委員長に、世界各地の識者がメンバーとなっています。日本からは西室泰三東芝会長が参加されています。
世界の郵便・電気通信事業における雇用、雇用可能性、機会の平等について話し合う政労使三者構成の会議開催(英語原文)
2002年5月10日(金)発表ILO/02/21
5月13〜17日の日程でジュネーブのILO本部で開催される郵便・電気通信事業の雇用、雇用可能性、機会平等に関する会議の討議資料として準備された報告書(英文)は、それぞれ約600万人の就業人口を抱える郵便・電気通信産業の雇用情勢、変化に対応するための訓練・再訓練の方法、機会の平等を推進する措置に関し、世界の状況を概説します。
80年代まで、大半の国で公的部門であった郵便・電気通信事業ですが、その後、両者は切り離され、電気通信事業の民営化が進みました。2000年半ばまで、事業の再構築、民営化、通信産業の統合にはさらに拍車がかかり、インターネットや携帯電話のブームの中で電気通信産業の就業人口はゆるやかに下降してきました。しかし、この2年間、企業拡張と第三世代携帯電話その他の開発に向けた多額の投資に見合うだけの結果が得られず、多くの電気通信会社が多額の負債を抱え、多くの国で人員削減のペースが早まり、電話会社の株価は急落し、破産する会社さえ登場しました。
多角化により就業人口の低下が抑えられてきた郵便事業でも大規模な規制改革・構造改革を経て、一部では民営化の動きもあり、商業、金融、貨物、運輸といった分野への多角化が図られています。サービス産業の貿易自由化の流れの中で、小包・手紙の郵送事業はますます競争にさらされています。
このような現状において、女性は剰員解雇その他の経費削減策の対象になることが多く、高齢労働者は雇用可能性を確保するための訓練を受ける機会が限られ、多くの途上国の企業が技術進歩、グローバル化、顧客の要求の変化といった流れに取り残されています。会議には、日本を含む世界各国より政府、労使団体の三者の代表が出席し、これらの問題に対する対応策を検討します。
ILO、ミャンマー暫定連絡員任命(英語原文)
2002年5月6日(月)発表ILO/02/20
ILOは5月6日、強制労働が問題となっているミャンマーにおけるILO暫定連絡員として、スイスの人道的対話センターに所属するレオン・ド・リエドマッテン氏を任命しました。2000年7月まで国際赤十字委員会のミャンマー代表を務め、同国の和解過程に密接に関わってきた同氏は、ILO連絡員設置までの準備活動を担い、6月のILO総会に活動報告を提出することになります。
「最悪の形態の児童労働は警戒すべき規模」と、ILO児童労働グローバル・レポート(英語原文)
2002年5月6日(月)発表ILO/02/19
6月にジュネーブで開かれるILO総会討議資料のひとつとして、5月6日にILOは児童労働に関するグローバル・レポート「児童労働のない未来(英文)」を発表しました。働く子ども(5〜14歳)の数は今まで2億5千万人とされてきましたが、報告書は新たに、世界全体で3億5,200万人の子ども(5〜17歳)が何らかの形態の経済活動に従事しているとし、このうち軽作業や教育の一環としての仕事といった許容可能な仕事に従事している約1億600万人を除く2億4,600万人(5〜17歳の子どもの6人に1人)が、廃絶すべき児童労働に従事し、うち約1億7,900万人が、奴隷労働や売春など子どもの心身を損なう最悪の形態の児童労働に従事しているとします。
働く子どもの数が最も多い地域はアジア太平洋で、世界全体の6割、約1億2,700万人が働いています。働く子どものほとんどが途上国に住んでいますが、先進国でも約250万人が働いています。大半の子ども(7割)が第一次産業に従事しています。
児童労働の最大の原因は貧困ですが、経済・社会不安、差別、伝統的な文化慣行など関連する要因は多岐にわたります。需要側の要因には、法の執行力のなさ、安く柔軟な労働力を求める企業姿勢などが含まれます。
1992年に開始された児童労働撲滅国際計画(IPEC)のもとで、ILOは児童労働をなくすための技術協力活動を活発に展開しています。ILOは、報告書が審議される6月12日を反児童労働国際デーと定め、近年の国際的な動きをさらに強め、過去の進歩を振り返り、児童労働のない未来の達成に向けた決意を新たにする予定です。
2002年4月発表分
労働者追悼日式典で救急職員、消防士に焦点(英語原文)
2002年4月24日(水)発表ILO/02/18
4月28日は、仕事に関連して命を失ったり、負傷した労働者を追悼する日とされていますが、ILOも4月29日にジュネーブの本部で特別式典を開催します。今年の式典は、消防士、救急車運転手、医者、看護婦、警察官といった救急業務に従事する労働者の直面する危険に焦点を当てます。ニューヨーク市消防局の代表が9月11日の同時多発テロ事件の際に行った救出活動について報告するほか、スイス、フランス、イタリア、イギリス各国の消防士、国際看護婦協会(ICN)、国際公務員労連(PSI)の代表が出席する予定です。アナン国連事務総長からもビデオ・メッセージが寄せられることになっています。
業務に関連した負傷や職業性疾病が原因で命を落とす人々の数は毎年、世界全体で200万人近くに達するとILOは推計します。これは、1日に直すと約5千人、1分で3人になり、年間戦死者総数の2倍以上になります。結果としての国内総生産(GDP)の損失額は途上国に対する政府開発援助(ODA)総額の20倍に相当します。三大危険産業は農業、建設業、鉱業です。
ILOは安全な作業慣行が採用されれば労災死亡者数は少なくとも半減できるとし、労働災害はすべて回避・予防可能とします。
サウジアラビアの労働者の権利強化へ(英語原文)
2002年4月18日(木)発表ILO/02/17
今年初め、ILOの専門家チームが訪れたサウジアラビアでは、従業員数100人以上の職場で、外国人も含めた労働者の権益を守るための委員会の設置を許可する法が新たに制定されました。また、ILOとの協議を経て、新しい包括的な労働法が近い将来、諮問評議会に提出されることになっています。
昨年10月にバーレーンとサウジアラビアを訪問したソマビアILO事務局長は、湾岸諸国の労働大臣と、労働組合の権利、強制労働、児童労働、機会平等の分野におけるILOの中核的な基準を湾岸諸国で推進する技術協力をILOが提供していく協力協定を締結しました。ソマビア事務局長はサウジアラビアの動きを、中東における社会権・労働者の権利推進に向けた新たな一歩と歓迎し、他の中東諸国がこれに続くことへの期待を表明しました。
カンボジア衣料産業の労働条件に関するILO報告書(英語原文)
2002年4月12日(金)発表ILO/02/16
カンボジアと米国は、1999年1月(2001年12月31日に改定)に、カンボジア政府が、「カンボジア労働法の適用を通じて、国際的に認められた中核的労働基準を含み、衣料・アパレル産業の労働条件向上に向けた計画を実施」することを条件に、カンボジアの対米輸出可能枠を年に18%ずつ引き上げることを定めた3年間の衣料・アパレル貿易協定を締結しています。ILOは技術協力プロジェクトを通じて、カンボジア政府のこの計画実施努力を支援していますが、この度、昨年11月の報告書(英語)に続き、第2回目のモニタリング総合報告書(英語)が発表されました。
前回とは別の34の工場をモニタリングした結果をまとめた報告書は、強制労働や差別の実態は見られないものの、幾つかの工場で、セクシュアル・ハラスメントや結社の自由における問題が存在し、賃金の支払いが正しくない場合や残業の強制、法による規制を超えた残業時間が見られると記します。最初の報告書の対象となった30の工場においてプロジェクトの提案を実施されたことによってどのような進歩が達成されたかに関しては、5月または6月に報告書が発表されます。
カンボジア政府、衣料製造業者協会、労働組合で構成されるプロジェクト諮問委員会は総合的な評価に満足の意を表明しています。
ILO、高齢問題に新たな解決策を迫る(英語原文)
2002年4月8日(月)発表ILO/02/15
60歳以上の高齢者が総人口に占める割合は、先進国で66%増、途上国で19%増と、過去50年間で急増しました。今後50年間でこの上昇率はさらに加速し、2050年には全人口に占める60歳以上人口の割合が先進国では33.5%(2000年比72%増)、途上国では19.3%(同150%増)、80歳超人口の割合は、先進国では9.6%(同200%増)、途上国では3.3%(同400%増)になると推計されます。
マドリードで4月8〜12日に開かれる第2回高齢者問題世界会議は、20年前に開かれた第1回会議以降の動勢を吟味し、高齢化に関する長期戦略と新しい行動計画の採択をめざします。ILOからはソマビア事務局長が出席し、円卓会議に参加します。ILOはまた、4月10日に「高齢労働者と人口の高齢化:雇用と社会的保護の問題点」と題するパネル討議を主催します。
会議に提出されたILOの報告書、「高齢人口を組み込んだ社会:雇用と社会的保護における課題(英文)」は、高齢者人口の急増は高齢者の貧困と社会的排除の問題を広める可能性があると警告し、社会保障と社会的保護の将来財源確保のカギは、全産業分野にわたり、特に女性、若年失業者、障害を有する人々を中心に新規雇用を創出することにあるとします。報告書はまた、先進国の社会保障制度は将来的に、高齢化の圧力をますます受け、退職者の財源メカニズムを変えるだけでは年金コスト上昇の問題は解決できないとし、就労を希望する高齢者が働き続けられるよう、柔軟で段階的な引退システムの導入、情報通信技術の潜在力の開発と生涯学習の推進といった高齢者の訓練・再訓練政策、雇用における差別の防止といった方策を解決策として提案します。
2002年3月発表分
世界委員会、グローバル化の利益拡大を求める(英語原文)
2002年3月25日(月)発表ILO/02/14
モンテレイで開かれた国連開発資金会議に引き続き開かれたグローバル化の社会的側面世界委員会の初会合で、共同委員長のハロネン・フィンランド大統領とムカパ・タンザニア大統領は開会の辞で、言葉を現実のものとし、貧困を緩和し、経済を拡大し、世界の不確実と絶望と闘う手段を探すことを委員会の使命とするよう呼びかけました。委員会は今回の会合で、グローバル化を持続可能なものとし、グローバル化の利益の公平な分割を推進する主要事項の確定に焦点を当てた話し合いを行います。委員会は来年にかけて複数の会合を開き、最終報告をILO事務局長に提出することとなっています。
第283回ILO理事会終わる(英語原文)
2002年3月22日(金)発表ILO/02/13
ジュネーブで3月7〜22日に開かれた第283回ILO理事会の主な決定事項は以下の通りです。
- ミャンマーの強制労働:強制労働廃絶に向けたミャンマー政府の努力を支援し、進歩を評価するため、今年6月までにミャンマーにILOの連絡員を駐在させることで、ミャンマーとILOの間で合意が成立しました。
- グローバル化問題:グローバル化の社会的側面作業部会において、ムーア世界貿易機関(WTO)事務局長が「貿易自由化の雇用への影響」と題する演説を行いました。事務局長は、ILOによるグローバル化の社会的側面世界委員会の設置を歓迎し、WTOは国際的に認められた労働基準を遵守すること、そしてこれらの問題を扱う権限ある機関はILOであるとの考えを再強調しました。
- アフガニスタンの雇用情勢:アフガニスタン暫定行政機構のサデク労働・社会相が出席し、同国の雇用情勢について、「推計労働力約800万人中200万人が失業状態」にあるとの窮状を訴えました。大臣は、ILOと暫定行政機構の間で、カブールにおけるILO事務所の設置、雇用計画を含む今後の協力事項についての話し合いが行われていることを明らかにしました。
- 船員の身分証明書条約(第108号)議定書:船舶の安全性を脅かすテロ行為予防措置の見直しに関する国際海事機関(IMO)の決議に応え、来年の総会で、船員の身分証明の安全性向上に関し、第108号条約議定書採択に向けた話し合いを行うことが決定されました。
- 結社の自由:結社の自由委員会設置50周年を記念し、委員会のこれまでの活動の成果を振り返る円卓会議が3月14日に開かれました。
委員会は、コロンビア(労働組合役員に対する暴力・殺害行為等)、韓国(労組指導者の逮捕等)、ジンバブエ(労組指導者襲撃)、ユーゴスラビア(使用者団体の結社の自由)など31の案件を審議しました。日本のJR不採用問題も取り上げられ、委員会は不採用となった労働者への公正な補償が確保される満足のいく解決策達成に向けた交渉を遅滞なく開始するよう当事者に呼びかけました。
この他に、労働の基本的原則・権利宣言に基づく年次報告、エイズ/HIV(エイズウイルス)問題などが検討されました。
ILOグローバル化世界委員会作業開始(英語原文)
2002年3月22日(金)発表ILO/02/12
ILOは、世界経済システムにおける不平等縮小に向けた青写真を描くため、世界の有識者25名からなるグローバル化の社会的側面世界委員会を設置しました。委員会は3月25〜26日にジュネーブで初会合をもち、まず、グローバル化を持続可能なものとし、グローバル化の利益の公平な分割を推進するための主要事項の確定に向け話し合いを開始します。
委員会はフィンランドとタンザニアの現職大統領を共同委員長とし、委員にはマトビエンコ・ロシア副首相、ヘルフケンス・オランダ開発協力大臣、アマト前イタリア首相、スティグリッツ・ノーベル経済学者、サンギネッティ元ウルグアイ大統領、カルドーゾ・ブラジル大統領夫人、コロロゴス・ラント・コーポレーション副会長(元米国労働長官)、ピツワン前タイ外務大臣、ナヤール・デリー大学副学長、デ・ソト・ペルー自由・民主主義研究所所長、スウィーニー・アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFL−CIO)会長、ペリゴ国際使用者連盟(IOE)会長、バビ南アフリカ労働組合会議(COSATU)書記長、西室泰三東芝会長といった方々が含まれます。
コフィー・アナン国連事務総長も委員会の設置を歓迎し、「グローバル化に関わる事実に関する合意を形成し、グローバル化がすべての人々のために機能する方法を見出す上で委員会は重要な役割を演じるだろう」と期待を述べました。
委員会は来年にかけて複数の会合をもち、ILO事務局長に最終報告を提出することとなっています。
ILO/IPU最悪の形態の児童労働反対キャンペーン(英語原文)
2002年3月14日(木)発表ILO/02/11
3月17〜23日の日程でモロッコにおいてIPU(列国議会同盟)の会議が開催されますが、会期中の3月20日に、最悪の形態の児童労働に関するILO/IPU特別パネルの初会合が開催されます。モロッコのララ王女も参列されるこの会議では、ILOとIPUが共同で制作したILOの最悪の形態の児童労働条約(第182号)の実施に関する新しい手引きが発表されます。
ILOの重要な機関である結社の自由委員会設置50周年(英語原文)
2002年3月13日(水)発表ILO/02/10
理事会の結社の自由委員会の設置50周年を記念し、3月14日に「声、自由、安全保障:結社の自由委員会の50年」と題する円卓会議が開催されます。会議には、結社の自由委員会の勧告によって刑務所から解放された2人の組合活動家(インドネシアのディタ・サリ氏とコートジボワールのバジー・マール・ガエ氏)を含む労働組合代表(ニュージーランド、エストニア)、使用者代表(フランス)、政府代表(コロンビア)が参加し、結社の自由委員会の活動が各国に与えている影響について話し合いを行います。
ILO理事会、グローバル化、9月11日のその後、ミャンマーの労働基準を検討(英語原文)
2002年3月8日(金)発表ILO/02/09
第283回ILO理事会(ジュネーブ・3月7〜22日)の主な議題は以下の通り。
- 結社の自由委員会:設置50周年を記念し、3月14日に円卓会議が開催されます。会議には、結社の自由委員会の勧告によって刑務所から解放された2人の組合活動家(インドネシアのディタ・サリ氏とコートジボワールのバジー・マール・ガエ氏)を含む労働組合代表、使用者団体代表、政府代表が参加し、結社の自由委員会の活動が各国に与えている影響について報告します。
- グローバル化の社会的側面作業部会:貿易自由化と雇用、世界経済における投資とディーセント・ワークをテーマに、貿易と経済成長の複雑な関係、その雇用に対する影響、国内政策・国内制度の役割、海外からの投資を集め、潜在的な利益を極大化する方法について話し合います。
- 雇用・社会政策委員会:9月11日の同時多発テロ事件が雇用と社会に与えた影響、昨年11月に開催された世界雇用フォーラムのフォローアップ活動などが検討されます。
- ミャンマー:今年2月に同国を訪れた技術協力ミッションの報告が検討されます。
この他に、労働における基本的原則・権利宣言に基づく報告書、基準関連活動の見直し等に関する報告書が提出され、それぞれをもとに討議が行われます。
2002年国際女性の日(3月8日)(英語原文)
2002年3月5日(火)発表ILO/02/08
3月8日の国際女性の日に際し、ジュネーブのILO本部では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と合同で、ボスニアとアフガニスタンから紛争を生き抜いた3人の女性を招き、特別行事を開催します。
従来の国家間戦争と異なり、今日の紛争では非戦闘員を巻き込む残忍な行いが新たな特徴となっています。女性は、生命の危機や負傷、家屋の破壊、家族の喪失といった通常の恐怖に加え、しばしば、レイプ、拷問、性奴隷または経済的奴隷、結婚や密通の強制といった特別の恐怖を体験させられることになります。
ILOが昨年発表したジェンダーと武力紛争に関する報告書(英文)は戦争の悲惨な統計と女性が採用した複雑な生き残り戦略を紹介します。例えば、1994年のルワンダの大虐殺の際には、25万〜50万の女性と少女(5歳の幼女を含む)が、拷問、虐待、レイプの被害を受け、ボスニアでは2万〜5万の女性がレイプされたと推計されます。アフガニスタンの女性に関する別の報告書(英文)は、女性の人権侵害は、23年間の紛争によって形成されたより大きな状況の一部であり、夫の死亡や失業によって、女性が世帯主となる家族が増え、戦いで男性が長く不在の状況は、女性に新たな責任を担わせたとします。
船員の労働条件に関するILO議定書、国際法の先例となる
船舶の検査と最長労働時間を扱う国際協約が必要な批准数を獲得(英語原文)
2002年3月4日(月)発表ILO/02/07
商船の労働条件に関する2つの国際労働基準が発効要件を満たしました。
来年1月10日に発効する商船(最低基準)条約(第147号)の1996年の議定書は、批准国に対し、自国籍船に加えて、自国の港に入港する他国籍船(第147号条約または1996年議定書未批准国も含む)についても、船員の労働条件に関する最低基準を満たしていないとの懸念がある場合、当該船舶の臨検を許すものです。議定書の定める労働条件には、船員の労働時間も含まれ、今回の発効により、批准国当局は船員の労働時間が限度を超えるおそれのある船舶を検査し、抑留することができるようになりました。
今年8月8日に発効する船員の労働時間・船舶の定員条約(第180号)は、船員の最長労働時間と最短休息時間を定めます。条約はいかなる24時間についても最長労働時間は14時間(最短休息時間は10時間)、いかなる7日間についても72時間(最短休息時間は77時間)と定めます。ただし、船舶、乗船者、もしくは貨物の切迫した安全の確保に必要な労働、または海上における遭難者または遭難船舶を援助するための労働については適用が除外されます。
2002年2月発表分
ILO、グローバル化の社会的影響に取り組む(英語原文)
2002年2月27日(水)発表ILO/02/06
ILO理事会のグローバル化の社会的側面作業部会は、2001年11月の理事会でILO事務局長の提案に基づき、グローバル化の社会的側面に関する報告書作成を目的に、世界の識者からなる世界委員会の設置を決定しました。
本日顔ぶれが決まったグローバル化の社会的側面委員会は、フィンランドとタンザニアの現職大統領を共同委員長に、政治家、学識者、社会問題専門家、ノーベル経済学者ら21名の委員から構成されます。現時点では、アマト前イタリア首相、スティグリッツ・ノーベル経済学者、サンギネッティ元ウルグアイ大統領、カルドーゾ・ブラジル大統領夫人、コロロゴス・ラント・コーポレーション副会長(元米国労働長官)、ピツワン前タイ外務大臣、ナヤール・デリー大学副学長、デ・ソト・ペルー自由・民主主義研究所所長、スウィーニー・アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFL−CIO)会長、ペリゴ国際使用者連盟(IOE)会長、バビ南アフリカ労働組合会議(COSATU)書記長を含む、19名の委員が確定しています。残り2名は日本とロシアの識者が予定されていますが、まだ参加が確認されていません。この他に、ILO事務局長、理事会議長、理事会労使グループ議長が職責で参加します。ILOは委員会のために特別の事務局を設置し、ゴピナスILO国際労働問題研究所所長が事務局長を務めることになっています。
委員会は、経済成長と持続的開発を育み、貧困と失業の緩和に資するようグローバル化のプロセスを用いることを最終目標に、グローバル化のプロセスを導き、形成する具体的な行動の策定をめざし、次のような活動を行います。
- 事実を確定し、グローバル化プロセスの輪郭とその発展型の概要を描くこと
- 世界全体にわたり、様々な世論、市民社会、労働者、企業、投資家、消費者がグローバル化をどう捉えているか調べること
- 雇用、ディーセント・ワーク、貧困緩和、経済成長、開発に対するグローバル化の影響を分析すること
- これらの問題に関する大まかな合意の形成(政府、労使を代表する団体に限らず、関心を示すあらゆる国際機関の関与も含む)
- グローバル化を持続可能なものとし、その利益の公平な共有を推進するため、世界経済が提示する主要な問題点に取り組むプロセスを開始すること
委員会の初会合は来る3月25日にジュネーブで開かれます。委員会は討議を重ね、2003年中に報告書をILO事務局長に提出する予定です。
石油・ガス産業における雇用喪失は良好な労使関係の必要性にスポットライトを当てる(英語原文)
2002年2月21日(木)発表ILO/02/05
ILO条約勧告適用専門家委員会の反対意見に関わらず、依然幾つかの国は、ガス・石油産業を「不可欠業務」とみなして結社の自由、特にストライキ権を制限しています。2月25日〜3月1日の日程で、ジュネーブのILO本部で開催される石油・ガス生産、精油産業における良好な労使関係の推進に関する政府、労使代表の参加による会議に提出される討議資料は、企業構造の変化と民営化によって、この25年間、就業者数が減少を続けている石油・ガス産業における良好な労使関係の必要性を訴えます。
大量のレイオフの原因としては、操業合理化に向けた業務の外注化とテクノロジーの存在が指摘されています。精油産業の就業者数は90年代を通じてほとんど変化していません。一方、報告書は、例えば米国の石油・ガス産業の就業者数は1982年のピーク時の165万人が8年間で約64万人に、ノルウェーの石油産業の就業者数は1998〜2000年の2年間で20%減少し、十大産油国のひとつである中国では最近、企業再構築の過程で1万4千人の人員削減があったとします。
労働条件は全体的に向上し、例えば米国の精油産業生産労働者の週平均収入は2000年に全生産労働者平均の2倍近い約1,100ドルでした。労働安全衛生も全体的に改善し、欧州における1999年の労働時間100万時間当たりの負傷件数は過去4年平均をわずかに下回る4.3件でした。ただし、沖合掘削作業に従事する労働者が負傷する確率は他の沖合労働者の5倍に達し、過去20年間で毎年平均60人の労働者が沖合事故で命を失っているとします。
より均等なグローバル化と文化的アイデンティティーの擁護は同じ戦い(英語原文)
2002年2月14日(木)発表ILO/02/04
ILOと仏語圏国際機構(OIF)は2月13日、共通の加盟国の利益のため、共同活動と制度的な関係を開発する意思を確認する枠組み協定を締結しました。枠組み協定は、ILOとOIFが共有する価値を明確にするもので、グローバル化の社会的側面、労働における基本的原則と権利の尊重、国際労働基準の適用において両機関が協力し合うことを定めます。また、フランス語の国際的な地位に特に注意を払った上での文化的言語的多様性の擁護、男女の機会平等に関する規定も含まれています。訓練分野での協力が重視され、職業訓練、若者の労働市場への統合、情報通信技術の学習・訓練といった分野における協力の強化も定められています。
既に両機関は2001年7月からフランス語圏の専門家の交換を中心とした技術プログラムを実施していますが、例えば今年の3月にはセネガルの専門家がトリノにあるILOの国際研修センターに派遣され、4月にはトーゴの専門家がILOのヤウンデ事務所に勤務することになっています。
「OIFが擁護しているのはフランス語だけではなく、何よりも自分の言語で自らを表現する人々の権利であり、このOIFが擁護する価値はILOの懸念事項の中心事項でもあります」と、ソマビアILO事務局長は語ります。「このグローバル化のペースが続けば、10〜15年先には国家が独自性を保つ最後の砦は文化になるでしょう。グローバル化にとっての言語の多様性は民主主義にとっての複数政党制と同じで、不可欠なものです」と、ブトロス・ブトロス=ガリOIF事務局長(前国連事務総長、元ILO条約勧告適用専門家委員会委員)は主張します。
2002年1月発表分
民間航空三者構成会議、航空会社危機打開の方途を探る(英語原文)
2002年1月25日(金)発表ILO/02/03
1月21日から25日までジュネーブで開かれた民間航空産業三者構成会議には世界各地より200名近い政府、航空産業労使代表が参加し、2001年9月11日以降の危機が社会と安全に与えた影響とその対策を話し合いました。会議は、第2次世界大戦後最悪の危機から航空産業を救い出すには、航空機の安全性を高め、労使を保護する包括的な国際基準が必要との結論に達しました。
採択された決議には、- 民間航空労使は労働における基本的原則と権利の恩恵を享受すること
- 国際民間航空機関(ICAO)の規則を考慮に入れた、調和のとれた国際基準に基づく訓練を通じ、乗務員等の役割を強化すること
- 労働安全衛生法規が民間航空産業の全ての従業員へ総合的に適用されること
- 政府は国内航空産業に対する投資の一環としてすべての労働者の長期訓練・再訓練費用の負担を検討すること
- 政府はILO、ICAOを通じ、安全・保安に関わる職務の訓練に関する最低限の国際基準の設定を検討すること
- ICAOとその主権・互恵原則の枠組み内で航空輸送業務の秩序だった発展が確保されること
- 適切な社会対話の奨励
- 政府は民間航空の重要な公益的役割を認識すること
といったものが含まれます。
航空産業の大混乱に焦点を当てるILO会議(英語原文)
2002年1月18日(金)発表ILO/02/02
1月21〜25日の日程でジュネーブで開かれる民間航空産業三者構成会議は2001年9月11日以降の危機が社会と安全に与えた影響をテーマに、世界各地より政府、航空産業労使代表150名が参加して、危機の影響と対策を話し合います。
討議資料として準備された報告書は、テロ同時攻撃の影響による業況低迷は、当初は欧米の大手航空会社に大きかったもののアフリカ、アジア、中南米の各社にも波及しているとし、搭乗員1名のレイオフに対し、空港地上職4名、ホテル等空港周辺職3名近くが職を失う可能性があるとして、他の部門にもレイオフが広がる可能性を警告します。エアカーゴ業界の落ち込みも激しく、輸送量がアジアでは35%、米国では21%、欧州では11%下落したとします。欧州の低コスト便やアジアの地域便のような一部の例外を除き、短期輸送予測はすべてマイナスを示しており、完全な立ち直りは2003年まで待たなくてはならないと報告書は記します。
ILO、児童労働に向けてレッドカードを(英語原文)
2002年1月15日(火)発表ILO/02/01
ILOは国際労働基準、技術協力を通じて、児童労働に対する取り組みを進めていますが、来る1月19日(土)よりマリのバマコで、2002年アフリカ・ネーションズ・カップが開かれるのに合わせ、新たに児童労働レッドカード・キャンペーンを開始します。サッカーゲームで退場処分の際に手渡されるレッドカードになぞらえたこの反児童労働キャンペーンは、サッカー人気を用いて、児童労働の過酷な現実をできるだけ多くの人々に知ってもらい、世界的な反対運動への支援を集めることを目的としています。
アフリカサッカー連盟(CAF)と2002年アフリカ・ネーションズ・カップ組織委員会の後援を受け、キャンペーンはマリ大統領も参列する1月18日(金)の調印式で正式にスタートします。世界全体の働く子どもの約4割(約8千万人)が住むアフリカを皮切りに、ワールドカップも含み、中南米、アジア、ヨーロッパ等世界各地で進められていく予定です。
ILO東京支局お知らせ−2002年
東京支局新聞発表
2001年インパク
日本政府が2001年に開催したインターネット博覧会「インパク〜楽網楽座」にILO東京支局も「労働の世界」のテーマで出展していました。博覧会ではコンテストやアンケートを実施しましたが、その主な成果は以下の通りです。
- ディーセント・ワーク・カレンダーデザインコンテスト
「21世紀の労働−Decent Workをめざして」をテーマに開催したカレンダーデザインコンテストは、127点に及ぶ応募作品を厳正に審査した結果、ニューヨーク在住の山下元代さんが制作した下記の作品が最優秀作品に選ばれました。ILO東京支局では、山下さんの作品を使って2002年にカレンダー付メモ帳を制作しました。
最優秀作品に選ばれた
山下元代さんの作品
制作者コメント:
20世紀は、個人が一生のなかで、自分の意志で達成したいものがある、そのために仕事をするということができたのでしょうか。競争社会で、仕事に人生を振り回されたり、意味のない差別のなか、みじめな扱いを受け、働くことを苦としか感じられなかったりしたのではないでしょうか。
今、その個人が置かれた立場で働いていることを、全ての人が誇りに思える。世間が決めた価値観で仕事をするのではなく、自分の価値観で仕事ができる。不公平な労働を改善していく正義観を持ち仕事ができる21世紀であって欲しいと思いこのポスターを制作しました。 |
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- 日本政府に最優先で批准してもらいたい条約ベストテン
多数の投票の結果、以下の10条約が選ばれました。
(注1)既に撤回された条約
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最終更新日:2003年8月7日 作成者:EU 責任者:MH