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撤廃へのアプローチ <教育(EFA)>
児童労働撤廃における教育の役割 | 子ども教育と家族の所得補助プログラム | IPECと教員の連携 | 教育:違いを創りだす
 子ども教育と家族の所得補助プログラム 

貧しい家庭への所得補助と子どもの学校への登録を関連付けることは、世界中の多くの貧困撲滅プログラムにおいて行われています。この種の補助制度は、良質な教育へのアクセス改善など、他の補完的な措置とセットにした場合、児童労働の撤廃に役立つことがIPEC(児童労働撤廃国際計画)の経験で示されています。働いている子どもが家計を助ける分を、その子どもが学校に行くことを条件とした手当で補うことは、多くの貧しい家庭にとって、子どもを働かせずに学校に通わせることができるかどうかについての決定的な違いを生みます。

現在までに着手された最大かつ最も成功している所得補助プログラムの一つは、ブラジル政府の連邦奨学金プログラムです。地域的な試行プログラムの後、1995年に始まったもので、義務教育年齢(6才〜15才)の子どもがいる家庭に最低限の収入を保証します。収入が家族一人当たり最低賃金の半分以下の家庭はすべてこのプログラムの対象となります。その家庭で、就学年齢に達しているすべての子どもが、一ヵ月の授業の90%以上に出席することが給付条件です。2001年には、820万人の子どもたちがこのプログラムの恩恵を受け、2002年には約1千万人、すなわち極貧の中で暮らしていると推測されるほぼ全ての子どもに援助の手が差し伸べられました。

IPECのプログラムにおける所得補助スキームの例
ブラジル
PETIは、IPEC、UNICEF、ブラジルの労働省の共同イニシアチブとして創られた、42のメンバーを持つ児童労働防止・撲滅のための全国フォーラムの児童労働撲滅プログラムです。このプログラムの主要な特徴は、
・ 働く子どもがおり、収入が家族一人当たりの最低賃金以下の家庭に対する毎月の手当て。
・ 時間延長アクティビティのための都市への移転支出。
・ 最悪の形態の児童労働を対象化。
・ 州単位、時には都市単位での地方自治体によるプログラムの実施状況のモニタリング。
・ 新しい案件のモニタリングと認定における、労働検査官と労働検察官の援助。
効果的な所得補助プログラム
貧困と社会的排除をなくすための広範で一貫性のある持続可能な枠組みを構築すべく、他のプログラムや政策との調整が図られている。
教育の適切さと質に特別な注意が払われ、カリキュラムが文化とジェンダーに配慮したものである。
子どもが学校に通いながらパートタイム(あるいはフルタイム)で働くことを防ぎ、また、大人の家族がフルタイムの仕事に就けるように、放課後活動があるか、授業時間が十分に長い。
子どもと家族のその後を調査するための能率的で包括的な評価・モニタリングの制度がある。
教師と学校職員が、児童労働及びその他の搾取状況に対応し、またモニタリングを支援するための適切な訓練を受ける。
家族の経済状況を改善するために、若者向けの職業訓練と家族の大人への専門的な技能強化訓練が提供される。
恵まれない家庭、特に大人・若者が職業もしくは技能訓練を受けた家庭が、小規模融資などの所得創出制度を、並行的に利用することができる。
この恩恵を受ける家族はBolsa Escolaからの資金提供は受けません。又、このプログラムの一環として、IPECはペルナンブコとアラゴアスの2つの州で非正規の教育者のトレーニングを行いました。
このプログラムは、普遍的な教育を推進し子どもを労働力から除外しておくために大変コストパフォーマンスが良い方法であることがわかっています。子ども1人1ヶ月あたり6.30ドル相当で、当プログラムはブラジル全体の1年生から8年生までのドロップアウト率を下げるのに重要な役割を果たし、プログラムの対象外地域の平均ドロップアウト率5.6%に対し一部の地域では0.4%にまで下げることが出来ました。その全体的な成功のため、類似のプログラムが他の地域でも行われてきました。特にメキシコとグアテマラでは、同じように野心的なイニシアチブが現在実行中です。
IPECは、児童労働撲滅プログラム(PETI)というブラジルにおける相補的な国家プログラムに直接に関わっています。このプログラムは、児童労働をさせられている子どもたちの家庭に児童労働をやめさせリハビリ・教育サービスを行うことをとりわけ目標としています。又、当プログラムはJornada Ampliadaという時間延長アクティビティ・プロジェクトのための資金創出と動員にも有用でした。このプロジェクトは、子どもが働きながら学校に行こうとする可能性を減らし、家庭の大人が仕事や職業訓練、その他の生産的活動が自由に出来るようにするものです。
とは言え、この種のプログラムが拡大・発展するにつれ、ブラジルその他の経験からは考慮すべきいくつかの問題点が生じました。第一に、子どもを学校にやらせるよう貧しい家庭に単に金銭的援助をすることは、非常に複雑な児童労働問題の一部の解決にしか役立ちません。これらのプログラムはより広範囲の貧困削減・開発の戦略としっかり歩調を合わせ、職業訓練、マイクロ・ファイナンス、保健サービス等その他のイニシアチブと関連付けられなければいけないのです。これらのイニシアチブは持続可能な方法で家族の大人が自分たちの状況を改善する方法を提供するものです。
加えて、教育に対する親と子どもの態度、そして教育と子どもの将来の可能性との関連性をどう見ているかも、子どもが働くか学校に行くかの決定に影響します。従って、教育の質とカリキュラムの文化・ジェンダーへの配慮も同様に考慮の重要な対象です。これらの種類のプログラムと共に明らかになったもう一つの問題は、子どもに働きながら学校に通うことをあきらめさせるための授業時間の延長と時間延長アクティビティが必要であるということです。
最後に、最低所得保証プログラムそれ自体は、最悪の形態の児童労働の内いくつか、特にドラッグ売買のような違法行為にとって大して効果的ではありません。これらの活動によって子どもは政府が所得補助スキームで与えられるよりずっと多くの金銭を稼ぐ場合があることが調査により示されています。この場合は、児童労働を撤廃・防止する他の方法が不可欠です。
ILOの役割
児童労働に対し、その根本原因に対処する全体的で持続可能な解決を実行することがIPECの取り組みにとって必須です。子どもを学校に通わせ続ける方法は、疑いなくこの一部です。子どもに対する教育、若者に対する中等教育および職業訓練、そして大人に対するディーセント・ワーク、つまり社会対話と権利が存在する生産的仕事は、ILOの基本方針の中心です。児童労働撤廃・防止、教育と雇用についてのより良い機会の提供というIPECの活動は、許されない搾取の相当の種類を撤廃し、生産的仕事を生むことで国家経済のキャパシティを広げ、収入を安定させ、機会と待遇の平等を強化することで、ディーセント・ワークの不足を減少させることに実質的に貢献しています。
   
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最終更新日:2005年7月12日 作成者:NT/ACC 責任者:KO