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撤廃へのアプローチ <教育(EFA)>
児童労働撤廃における教育の役割 | 子ども教育と家族の所得補助プログラム | IPECと教員の連携 | 教育:違いを創りだす
 児童労働撤廃における教育の役割 

無償で質のよい教育は、子どもを労働から遠ざけ、長期的には、貧困と児童労働の悪の連鎖を絶つ最も重要な方法であることを、IPEC(児童労働撤廃国際計画)の経験は明らかにしています。

教育を受けられない貧しい家庭の子どもたちは、危険で搾取的な状況で働かされることの多い労働市場に入る以外に、選択肢がほとんどありません。たとえ教育を受けられても、学校と長時間労働とを両立しなければならない子どもたちの場合、教育効果は上がらないのが普通です。働いている子どもたちは、結局、学校をやめてしまうことが多いのです。

したがって、児童労働の漸進的撤廃と、2015年までに普遍的な初等教育を実現して「万人のための教育(EFA)」*の達成をめざす国際社会の努力は深く関わっています。児童労働の防止と撤廃は、ILOの最低年齢条約(第138号条約、1973年)が定める就業の最低年齢に達するまで、無償の義務教育を提供するという世界の教育政策の目的の一つでもあるのです。

*EFAの運動は、1990年の「万人のための教育」に関する世界会議で始まりました。ダカール行動枠組み(2000年4月のダカールにおける世界教育フォーラムで採択)はUNESCOにより推進され、2015年までに普遍的な初等教育を実現することを提唱しています。

IPECが支援するプロジェクト例
エルサルバドル:教育を通じた児童労働の撤廃
この教育イニシアチブは、エルサルバドルの期限付きプログラム(TBP)を補完するプロジェクトで、子どもを永続的に職場から学校へと移行させることをめざしています。TBPが対象としている18の地方自治体、26080人の子ども(9300人が働いており、16780人が働かされる危険があります)を担当しています。TBP全国運営委員会と協力し、教育省と共同で児童労働に関する特別ユニットを組織し、NGO・教師団体・金融機関・コミュニティに根ざした組織の合同委員会を作ることで、TBPの枠組み内で、様々な全国および地域レベルのアクターを取り込んでいます。児童労働に関する教師のトレーニングと、児童労働に関する教育モジュールを学校カリキュラムに入れるための準備もこのイニシアチブに含まれています。カリキュラムについての教育上の調査やデータ収集、既存のプログラムおよび方針の評価も行います。全国的な意識向上キャンペーンも進行中です。
働いていた子どもと危険性の高い子どもの教育のニーズに対応する
非公式教育
非公式の橋渡し的な教育は、児童労働をしていて学校に行けなかった子どもたちが、通常の年齢から教育を受け始めた他の子どもたちに追いつくことを可能にします。基礎教育は長期的に重要であるため、正規の学校制度とリハビリ・プログラムには、強い連携が必要です。リハビリと児童労働防止活動を緊密に連携させることは、IPECの教育戦略の中心課題です。
職業教育訓練
技能を要する仕事について収入を得る準備として、 IPECの職業教育訓練は、読み書き計算ができる年長の子どもたちに、実践的な技能を教えています。学校のカリキュラムは、実際にはほとんど需要のないホワイトカラーの仕事に向いた若者を作り出しがちです。したがって、教育内容に職業教育を含めることは、IPEC参加国の多くの労働市場の要件により良く適しています。IPECは、ILOの職業技能重点プログラムと共に、14〜18才の若者と親を対象とする技術訓練モジュールを開発しています。
公式教育
非公式教育によって、基礎的な読み書きと計算能力を身につけさせるだけでは、子どもたちを完全に労働から引き離すことはできません。したがって、子どもたちを、正規の教育システムに組み入れることが重要です。さらに、基礎教育への投資が、危険性の高い子どもたちではなく、より恵まれた人々に享受されることもしばしばです。社会的な排除も、子どもたちが学校に行けない大きな理由の一つです。多くの場合、最悪の形態の児童労働をさせられている子どもたちは、民族および文化的に、社会の最下層に属していることが多いのです。
インド:MV財団
IPECは、良質な教育の普及を通じた児童労働の撤廃を目指すこの財団のプログラムをサポートしています。MV財団モデルには以下の三段階があります。1)読み書きの出来る若者が、学校に通っていない子どもたちが誰かを調査し、非正規教育を受けさせるよう親にすすめる。2)夏期休暇中に学校で子どものための3ヶ月のサマーキャンプを行う。3)キャンプから寮とフルタイムの正規教育への移行。
ネパール:「教育のための食料」イニシアチブ

世界食料計画(WFP)と協力して、IPECは危険性の高い子どもたちに給食を与え、その母親たちには直接食料(たとえば食用油)を援助しています。このイニシアチブへのコミュニティの関与を増し児童労働に関する意識を高めるため、WFPとIPECは共同で社会動員のための資料を製作しています。

IPECは正規および非正規教育の両方で多くの専門的知識を得ました。これらの教育は、児童労働の防止及びそれまで働かされていた子どもたちのリハビリにとって決定的であることがわかっています。非正規、又は移行教育は働かされていた子どもたちのリハビリに役立ちます。職業教育・訓練は高給の仕事に就くための技術を身につけさせ、引いてはそれが地域そして国全体の発展に役立ちます。又、教育政策が児童労働の危険にある子どもたちに特別な注意を払うよう、IPECは政府に対し政策の助言と技術的支援を行います。

貧しい家庭が子どもを仕事ではなく学校にやらせるよう支援するためには、これら以外のサービスや金銭的援助が必要なことがあります。給食や学校での健康管理、両親への手当などのプログラムがこれに当たります。IPECの経験では、この種のサービスは親と子どもたちにとって強い励みとなるものです。

世界で学校に通っていない子どもの60%が少女であることを考えれば、彼女たちの問題に対応するための協調した努力がなされなければいけません。少女が関わっている多くの児童労働はたいてい隠され、統計に入れられず、無価値と見なされています。それは、家事、家内奴隷、農作業、そして内職です。又、財産がわずかな場合、親は息子の教育に投資することを好み、一方で娘には働かせて家計を助けさせることもあります。いくつかの文化においては、少女が学校に行けるかどうかは、女子のみのクラスや女性の教師の有無に左右されます。

ILO労働者活動局(ACTRAV)、エデュケーション・インターナショナル、世界教員連合と協力して、世界中の教育者たちは児童労働を防止するため結集しています。例えば、タンザニア教員連合とアフリカ女性教育者フォーラムとの間では少女の退学率を下げるために革新的なパートナーシップが結ばれました。IPECは、UNICEFによる国連女子教育イニシアチブの積極的な一員です。このイニシアチブは、2005年までの初等・中等教育におけるジェンダー間の平等と、2015年までのジェンダー格差解消と万人への教育の達成を目指すものです。

又、排除されることが先住民・部族の人々の教育にどのように影響するかをより良く理解しようと、IPECはINDISCO(協同組合と自助団体を通じて先住民・部族コミュニティの自立促進をサポートするILOの地域間プログラム)とも協力しており、これらを和らげるためのモデルを開発しています。

ILOの役割
ILOは、ディーセント・ワーク(人間らしい仕事)アジェンダの考えから、EFAを推進する国際社会にも同調しています。このアジェンダは、児童労働のみではなく、職業・技術トレーニングの開発、教師の地位向上、教師団体の権利の擁護についての仕事にも関係があります。
ILOは、教育に関わる重要な社会のアクターとの協調関係を結ぶことで、児童労働の防止を教育制度自体の目的の一つと見なし、教育プログラムと社会的保護プログラムとの間の障壁を崩すような世界の教育政策の新しいビジョン構築に貢献しようとしています。EFAと、児童労働撤廃への幅広い支援を集めるため、IPECは教育のためのグローバル・キャンペーンや児童労働に反対するグローバル・マーチなどの他の市民社会組織とも国別・地域的・国際的レベルで協力しています。
関連する ILO条約
・ 就業最低年令に関する第138号条約(1973年)及び第146号勧告
・ 最悪の形態の児童労働に関する第182号条約(1999年)及び第190号勧告
   
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最終更新日:2005年7月12日 作成者:NT/ACC 責任者:KO