ILOの推計によれば世界では2億5000万人の子どもが働いており、5〜14歳の児童の少なくとも1億2000万人が、フルタイムで働いている。以前の推計よりもはるかに大きいこの数字は、ILOの提唱による情報収集の方法改善の結果である。この数字は2点の基本的事実の重要性を示した。まず、児童労働に反対する国際キャンペーンが直面している課題が以前認識されていたよりもずっと大変なものであることが再認識された。そして、それに呼応して情報収集と分析にさらに重点を置く必要が出てきたのである。
フィリピンで実施された「児童労働に関する全国調査」は、ILO/IPECの支援のもと、児童労働に対する政策及び全国的な行動プログラム策定のために信頼性の高いデータベースを開発した例である。1995年の「児童労働に関する全国調査」は、国の統計プログラムが、世論形成だけでなく政策策定、具体的行動の重要な手段として利用できる好例であることを示している。国内のあらゆるレベルの政策策定及びプログラム開発に実際に影響するため、調査の結果は全国レベル、地域レベル、地区レベルで示され、児童労働の事例が非常に多い地域では、大いに注目を集めた。こうした努力が、政府、使用者、労働者団体やその他の市民グループ、社会福祉グループ等を活気づけ、今まで欠けていた部分への活動を行い、また活動が実施されている部分へのエネルギーを持続させた。調査結果は、進行中の「児童のためのフィリピン行動計画」の見直しや新たに提案されている「児童のための全国開発計画」に対して重要な情報を提供した。国内のいくつかの地域では、より危険な児童労働に焦点を当てた活動が始まっている。
フィリピン国家統計局は、引き続き、統計データベースを提供する形で多くの地域の計画立案に関わっており、また国家運営委員会や児童労働に関する多くの地方委員会に参加している。国家運営委員会の地方代表は現在「児童労働に関する地方委員会」に参加し、同委員会の現地でのデータ収集を支援している。第2弾の調査も実施される予定で、1995年以降も、確実に継続して統計記録を取れるように、調査の構成要素を簡略化したものを使用することになっている。
現地事情に合わせた特別調査は、同じようにバングラデシュ、カンボジア、ガーナ、インド、インドネシア、ネパール、パキスタン、セネガル、トルコ、タイでも実施された。信頼できるデータ収集に関して、20数カ国がILO/IPECとの協力に関心を示している。
◆フィリピンで実施された「児童労働に関する全国調査」は、国家統計プログラムが、政策策定のみならず、具体的行動の重要な手段として利用できる好例であることを示している。
◆調査の結果は全国レベル、地域レベル、地区レベルで示され、児童労働の事例が非常に多い地域では、大いに注目を集めることとなった。
◆この調査は、進行中の「児童に対するフィリピン行動計画」の見直しや新たに提案されている「児童のための全国開発計画」に対して重要な情報を提供した。
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