IPECは、ブラジルにおいて児童労働に反対する社会運動家を結集し、国家計画に児童労働問題を組み込んだ原動力として認識されている。1994年の「児童労働の防止と撤廃のための全国フォーラム」設立及び1995年の統合行動プログラム(PAIs)の開発は、2つの好事例である。この結果、マットグロッソドスルの木炭及びマテ茶生産地から約2,100人が、またバイーアのサイザル麻加工所や石切り場からは8,000人以上の子どもが重労働から解放され学校に通うようになった。
国レベルと世界レベルのどちらで考えても、児童労働への反対行動を普及させ、永続する組織的なメカニズムとして社会経済政策に盛り込むためには、児童労働撤廃のイニシアティブが持続可能であり、かつ他にも適用可能であることが重要である。ブラジルにおいて、IPECは児童労働に反対する社会運動家を結集し、国家計画に児童労働問題を組み込んだ原動力として認識されている。児童労働の分野でのIPECのイニシアティブは、さらなる活動を生みだし、国やNGO、使用者、労働者団体における事業計画に児童労働問題を考慮するよう促し、現在ではそれらの団体が国中で独自の活動を展開している。1994年の「児童労働の防止と撤廃のための全国フォーラム」設立、及び1995年の統合行動プログラム(PAIs)の開発は、ブラジル政府と市民社会が国内の児童労働に対して共同で取り組んだ好例である。
労働省が調整役を担当している全国フォーラムには、児童労働問題に関係する政府機関、使用者及び労働者団体、それにNGOが参加し、最優先事項として最悪の形態の児童労働の防止及び撤廃を掲げている。1996年から1997年にかけて、全国フォーラムはサイザル麻、木炭、サトウキビを緊急行動の優先分野に決めた。これに関連して統合行動プログラム(PAIs)が開発された。PAIsは社会的な支援、教育、健康、法の施行、世論の喚起などの分野の相互補完的なプロジェクトである。これらのプログラムの開発と実施には政府と市民団体の両方が参加した。PAIsの方式により政府の3段階のレベル(国、州、市町村)における児童労働反対活動の調整が促進され、児童労働撤廃を目的とした活動の重複を防いで、資源を効果的に利用できるようになった。
現在までにPAIsは、ペルナンブーコ州(サトウキビ)、マットグロッソドスル州(木炭、マテ茶)、バイーア州(サイザル麻、石採)で活動し好結果を生んでいる。PAIsの重要な目的の一つは、子どもたちを学校に入学させて出席を継続し、確実に教育を受けさせることである。これに関連して、PAIsの枠組のなかで、社会保障省は「ボルサ・エスコラ」プログラム(月ごとの補助金支給制度)を設立し、両親に子どもを学校に通わせるよう奨励している。同省の1997年の報告によれば、マットグロッソドスルの木炭及びマテ茶生産地から約2,100人が、またバイーアのサイザル麻加工所や石切り場からは8,000以上の子どもが、PAIsと「ボルサ・エスコラ」プログラムのおかげで重労働から解放され学校に通い、課外活動に参加するようになった。
IPECは、全国フォーラムが促進しているPAIsの開発と実施に支援を提供している。PAIs方式の全体あるいはその一部は、他のIPECが支援している行動プログラムにも適用されており、そのなかには靴製造業などが含まれている。マットグロッソドスル、バイーア、ペルナンブーコの成功例から、PAIs方式は他の地域の他の危険な産業部門にも、現地の特長と状況を考慮に入れながら適用されることが期待されている。
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