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最悪の形態の児童労働み <買春・ポルノ、不正な活動>
 子どもの商業的性搾取(CSEC) 

第1回子どもの商業的性搾取に反対する世界会議(1996年、ストックホルム)は、子どもの商業的性搾取(CSEC)を、子どもや第三者に対する金銭や現物などの提供を伴う、大人による性的虐待を含む少年少女の基本的権利の侵害と定義した。ILOは子ども買春や子どもポルノ、子どもの売買や取引を、子どもに対する暴力の犯罪と見なしている。これらは強制労働や奴隷労働に類似の経済的搾取と考えられ、1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)の中で、遅滞なく撤廃されなければならない最悪の形態の児童労働とみなされている。

潜在的で違法な性格から、この問題の本当の規模を知ることは現実的には不可能だが、ILOの2000年の児童労働世界統計は、世界中で買春やポルノグラフィで搾取される子どもたちは180万人と推測している。子どもの年齢はとても若く、15〜17歳の子どもたちが最も影響を受けている。

これらの若者たちは、しばしば身体と精神の健康に回復不能なダメージを受ける。また若年の妊娠や、特にエイズなどの性感染症の危険と直面する。彼ら/彼女たちは法による十分な保護を受けておらず、犯罪者として扱われることさえある。

CSECの原因は複雑で、そのパターンは国や地域間で異なっている。たとえば、CSECが明らかに外国人の観光と関係している地域もあれば、地元の需要によるものもある。ほとんどの国で80〜90%の被害者は女子だが、男子が多数を占める場所もある。

子どもの商業的性的搾取を撤廃するIPECの地域プログラム
アフリカ
IPECは昨今、英国圏アフリカを対象とした準地域プログラムの第1段階を完了した。このプログラムはケニア、タンザニア、ウガンダとザンビアでのCSECとの闘いの好例研究を実施し、これらの国々でのワークショップと研究成果を発表するための準地域ワークショップを支援し、将来の介入へ向けた戦略作りのために経験を共有した。
第2段階は、これら4カ国とエチオピアのCSECの被害者を解放し、リハビリをするための直接介入を通じて、これらの好事例の応用と拡大を支援することにある。このプログラムはまた、CSECと闘うための国や地域の組織の能力強化を目的にしている。
中央・南アメリカ
アメリカ労働省の財政支援を受けて、IPECは中央アメリカ7カ国(ドミニカ共和国、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ)における子どもの商業的性搾取の撤廃に向けた3年間の地域プロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトは組織能力の強化、国の政策立案、コミュニケーション・キャンペーン、そして同地域内の3つの場所における被害者の予防・保護の先行モデルの構築を目的とする活動である。IPECはまた、チリ、ブラジル、パラグアイ、メキシコでCSECを根絶するための大規模なプログラムを実施中である。
CSECに関する IPEC緊急評価からの勧告
IPECとUNICEFによる緊急評価調査は、聞き取りをはじめ、主に質的なテクニックにより、限定された地理的範囲における具体的な活動の様子を描き出している。これは標準的な量的調査で捉えることが難しいCSECのような最悪の形態の児童労働に関する情報収集には非常に有効である。
スリランカでは、子どもたちはしばしば友達や親戚を通じて性的搾取者の犠牲になる。ここでの買春における男子の多さは、外国からの観光と密接に関わっている。
推計では、12000人のネパールの子どもたち(ほとんどが女子)が、ネパール国内やインドなどの外国の売春宿に人身取引されている。
タンザニアで聞き取りを行った買春に関わる女子の84%が、警察官やスングスング(地元の自警団)によって打たれたり、レイプされたり、拷問を受けたと打ち明けた。少なくとも60%の子どもたちが住所不定であった。子どもたちの中には家事使用人として働き始める者もいた。
エルサルバドルでは、14〜17歳の性的に搾取される子どもたちの3分の1は男子である。聞き取りをしたすべての子どもたちの中で、買春に入る平均年齢は13歳だった。子どもたちは平均で週5日働き、10%近くが週7日働いていると報告された。
ベトナムでは、家族の困窮や低い教育、及び家族の機能不全がCSECの主要な原因であるとわかった。聞き取りをした16%の子どもたちは字が書けず、38%が小学校レベルの教育しか受けていなかった。66%の子どもたちが、授業料や学校費用は家族の資力を超えるものと証言した。
東南アジア
1998年、主に買春のために行われる子どもと女性の人身取引を根絶するための準地域プログラムが、カンボジア、中国(雲南省)、ラオス、タイ、ヴェトナムを対象として始まった。ILOジェンダー推進部との協力で実施された3年間の先行プログラムは、教育や技能訓練、代替生活手段の推進、法識字能力や意識改革のプロジェクトの実施にあたり、地元のパートナーと一緒に活動することに焦点を当ててきた。地域的戦略枠組みは、能力構築や啓発活動、国内行動に関する地域内協議を加えたものとなっている。
他の最悪の形態の児童労働と同様、極端な貧困、比較的高い手取り収入、教育への敬意の低さ、家族の崩壊、家族を助けるという文化的義務意識、単に生き抜いていくためにお金を稼ぐ必要性などが、子どもたちをCSECに対して脆弱にする要因である。
子どもたちを商業的性搾取へと押しやる経済以外の要因もある。CSECの被害者となる最大の危機にある子どもたちは、かつて肉体的な性的虐待を経験した子どもたちである。保護がほとんどない家庭環境、両親やどちらかの親が欠けていたり、暴力やアルコール、薬物の使用がある家庭は、少年少女を家出させ、商業的性搾取の対象となりやすくする。また、ジェンダーに基づく差別や、両親、特に母親の教育レベルが低いことも、一つのリスク要因である。
需要側では、いくつかの要因がこの問題を悪化させる。たとえば、観光地域は買春の需要をうむ。軍隊の存在や大規模な公共事業もまた需要を創出する。客は特にHIV/エイズへの感染を恐れて子どもを好み、さらに多くの子どもたちが巻き込まれる。それに加え、インターネットの拡大は子どもポルノの成長を手助けしてきた。
経験的に、特定の社会経済的特性、たとえば人口密度や夜のエンターテイメントの集中(バーやディスコ)、高度の貧困や失業レベル、人々の移動、高速道路や港、国境へのアクセスなどもまた、CSECと関係している。
ILOの役割
最悪の形態の児童労働をなくすためのIPEC撤廃期限付きプログラム(TBP)実施国のうち、ドミニカ共和国、エルサルバドル、フィリピン、タンザニアは、CSECを特定の期間内に撤廃する最悪の形態の児童労働の一つとしている。ネパールでは、人身取引(その多くはCSECの犠牲者となる)が撤廃対象の児童労働に含まれている。
   
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最終更新日:2005年7月8日 作成者:NT/ACC 責任者:KO