| ラテンアメリカでは、幼い子どもを含む家族全員がレンガ製造に従事することが一般的である。これは大都市周辺の郊外に集中して見られる。この地域の生活状態は不安定で電気、ガス、飲み水が不足している。教育基盤はまったくといってよいほどなく、人口の大部分が地方から移り住んだ不熟練労働者である。世帯は大きく貧しい、また生活賃金のため、世帯単位としてレンガ産業に組み込まれている。低所得と高い製造割当量のため5〜6歳にしかならない子どもを使わざるを得ないこともある。労働時間は長い上、技術は旧式で手作業が多く過酷である。産業構造は分断されており、生産サイクルにおいて多くの仲介人が関わっている。
IPECは3カ国のレンガ産業で、生産過程の近代化、仲介業者の排除、そして強固なコミュニティの組織的枠組みの中で基礎的社会サービスを構築するという一般的な目標と、子どもたちを仕事から解放するという特定された目標のもとに、いくつかの行動を取った。
◆ペルーのラスパルマス・デ・ウアチパ
ウアチパはペルーの首都リマの北部に位置する。約3000人の流動的な人口をかかえ、その内の約700人が5〜14歳の子どもである。
1997年の7月にIPEC(ILO児童労働撤廃国際計画)は公共団体とNGOとともに段階的な児童労働撤廃に向けた共同プロジェクトを開始した。
第一の課題は500人の子どもとその母親にサービスを提供する一次医療ネットワークを形成することであった。地元の保健センターは初等教育の推進にも用いられた。
プロジェクトは、地域にある二つの学校を支援して、教師のためのワークショップを開き、学校の図書館に教材を提供し、またレクリエーション休日を導入した。このプロジェクトに参加した学校に通う子どもたちは、教材費、登録費、給食費の補助を受けた。母親たちは自分たちの手で学校給食を作っている。
1999年後半までに350人の子どもがこの学校政策の恩恵を受けた。
またプロジェクトは小規模な商売を営もうとする家庭に小額融資を行っている。
それと引き換えに、各家庭は子どもを学校に通わせ、労働をさせないことを保証している。
このプロジェクトの第二段階として1999年には組織的なビジネスの立ち上げが始まった。
ペルー建設業会議所(CAPECO)は、プロジェクトの専門的評価を行い、またすべてのレンガを買い上げることでウアチパ・プロジェクトに貢献してきた。プロジェクトを補完するために、小さな工場が設立され、共同組合によって運営されている。これは経済的リスクを低減するのみならず、さらに重要なことに、非正規部門など他の部門で児童労働と戦う使用者のためのモデルを提供している。
◆エクアドルのプロジェクト
1998年に立ち上げられた2つのプロジェクトが、現在エクアドルで進行中である。一つは首都のキトで、もう一つはクエンカという北西部の町で実施されている。両地域でプロジェクトの対象となっているのは、500家族と300人の子どもたちである。
これらの家庭の半数では、父親がレンガ産業以外で働いており、女性と子どもたちにレンガ造りをまかせている。子どもたちはとても幼く、ほとんど学校にも通っていない。
国立児童家庭研究所 (INNFA) は、IPECの支援を受けて、レンガ産業における児童労働を撤廃するためのプロジェクトが、教育・健康センターのネットワークを通じて実施されている。キトでは技術訓練と小額融資が導入され、クエンカでは家族の経済活動を向上するために、技術革新センターが創設された。
◆アルゼンチンのチャカブコ
ブエノスアイレスから200km北西に位置するチャカブコは、19世紀以来レンガ産業の中心地であった。
1997年にIPECの支援を受け、NGOのDefensa le los Ninos (DNI)
が実施する2年間のプロジェクトにより、学校、レンガ工場、近隣組合に、市の児童労働委員会が導入された。このプロジェクトは130人の子どもを対象としている。
子どもたちを労働から解放するために、家族に追加的な収入を提供することを目的として、小額融資を通じた代替生産活動が行われている。
啓発活動も実施され、国内の他地域でも、このプロジェクトを応用することが期待されている。
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