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産業別の実態と取り組み <鉱業>
鉱山で働く子どもたち | ペルーの金鉱 | グアテマラの採石場 | ラテンアメリカのレンガ製造業 | 鉱業及び採石業における児童労働:背景文書
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児 童 労 働 反 対 世 界 デ ー
ILOのR.Lemoyneが撮影した写真です。 2005年6月12日は児童労働反対世界デーです。
この日は、しばしば命を危険にさらしながらも、長時間働いている世界中の子どもたちが直面している現実を、世界の人々が一緒に集まり、考える日です。

児童労働は、単にいくつかの国、あるいは一つの大陸に限ったことではありません。世界中で起きています。国際労働機関(ILO)が集計した最新の統計によれば、世界には児童労働をしている5〜17歳の子どもたちが、2億4600万人もいます。このうち1億人以上は教育を受けていません。何よりも、遊ぶための時間を持つなんて、児童労働をする子どもたちにとっては、夢のような贅沢なのです。

児童労働をする子どもたちは、世界中に大勢いるのに、その存在は、あまり知られていません。子どもたちは、自分たちの権利を主張することができません。メディアに話を聞いてもらうこともありません。たとえ、何か訴えようとしても、せいぜい無視されるか罰を受けることが多いのです。子どもたちには強い力があるわけではないので、他の人が彼ら/彼女たちに代わって問題を取り上げたり、反対することが必要です。そして、そのためには児童労働に関する問題を発見し、理解し、実際に働かされている子どもたちに共感することから始める必要があります。
社会正義に関する問題は、若い人たちにとって大切です。若者は、世界の問題を見つめ、これを改善したいと思っています。生徒たちは、こうした問題を学ぶことで、個人あるいはグループとして、変化を起こすためにどのような行動を取ることができるのかを模索し始めます。若い人たちが情報を集めたり、関係する事柄を調べたりするのを助けたりするなど、教師や教育者の役割はとても重要です。

児童労働の撤廃にむけた世界的な機運は高まりつつあります。このページの情報を知り、先生や教育者、生徒たちは、世界中の大勢の子どもたちが、幸せで充実した人生を送ることができるようになる上で、大切な役割を果たすかもしれません。

このページは、児童労働に関わる問題、特に今年のテーマである鉱山と採石場における児童労働について分かりやすく解説しています。話し合いや活動を通じて、児童労働撤廃の国際的なキャンペーンの中で、自分たちが果たすことのできる役割について、模索してほしいと思います。

 
児童労働って何? 
ILOのGianotti E.が撮影した写真です。2001年にベニンのPerma金鉱で撮影されたもので、金を含んだ鉱石を砕く子ども達が写っています。

What Is Child Labour?
児童労働は世界中に広がっており、じつに多様です。特定の経済的な活動や、産業に限ったことではありません。世界のほとんどの国、すべての大陸で、様々な形で起きているのです。最悪の形態の児童労働は、子どもたちが長時間危険な環境の中、ほんのわずかな賃金で(あるいは賃金ももらわずに)働かされるというものです。騒音がひどくて危険な工場で働かされたり、畑で一日中耕しつづけたり、鉱山や採石場で仕事をさせられる場合もあります。多くの子どもたちが性産業に売られ、日常的に虐待を受けたり、ときには簡単に消え去ってしまうことすらあります。また、何世代にもわたって家族を縛り付けている借金を負い、債務奴隷として働かされる場合もあります。その影響は、子どもたちの中で長く続き、トラウマになるのです。仕事で事故にあってひどい怪我をしたり、仕事の性質上、深刻な身体的障害を負ってしまうこともあります。成人する前に死んでしまう場合もあります。身体的、精神的、情緒的に傷つけられ、大人として働けなくなることもあります。大勢の子どもたちが、教育を受けられないために、よりよい将来を失ってしまいます。たとえ生き残ったとしても、耐え忍んだことが一生心の傷となって残るのです。
 
生きるために:鉱山で働く子どもたち 
どのような形でも児童労働は子どもたちにとって有害なものですが、鉱業で働く子どもたちは特に危険にさらされています。世界中の鉱山や採石場で、子どもたちは危険で汚い環境で働き、健全な身体と心がひどく損なわれています。大人にとって危険度が高い作業は、子どもにとってはさらに危険性が高く、毎日のように重傷を負ったり、さらには死亡することすらあるのです。適切な医療が受けられないと、仕事中に受けた怪我や健康被害によって、一生影響を受けることもあります。

ILOは、世界中で100万人あまりの子どもたちが小規模な鉱山や採石場で働いていると推計しています。今年の児童労働反対世界デーは、生きるために必要なお金を得るために毎日働きつづけなければならない子どもたち−生きるために掘りつづける、鉱山で働かされる子どもたち−の苦しい状況に思いを寄せる日です。


ILOのGianotti E.が撮影した写真です。1998年にネパールで撮影されたもので、野外の石切り場で働く少女が写っています。
ネパールのSudha 
Sudhaは12歳のときに、家族のためにわずかなお金を稼ごうと、石切場で石を砕く仕事を始めました。
彼女が生産する石は彼女が住む地域の道路を敷くために使われるのですが、それはSudhaにとって教育機会への道を整えるものではありません。これは彼女が毎日後悔していることです。というのも、学校は家から少し歩けばすむ距離にあるのです。
学校へ行くほうが好きかと尋ねると、Sudhaはため息をついて、今からじゃ遅すぎるわ、と答えます。

石を砕く仕事の賃金は、とてもわずかですが、今では彼女の家を支える重要な収入源の一部となり、近くの川の土手沿いでしている農業からのわずかな収入を補っています。近くの森を歩きながら、家族は薪を集め、それを市場で売っては、家計をまかなう、もう一つの収入源としています。

時おり、Sudhaの兄弟や両親も石を砕く仕事をし、農業からの乏しい稼ぎを補っています。家族で協力して週に1400ルピー(約2000円)になります。

なぜこの骨の折れる危険な仕事をするのか尋ねると、Sudhaは、ただため息をついて空を見上げ、「ほかの道がないから。。。」と言います。彼女にとってこれは運命であり、初めから決められていた役割なのです。
 
鉱山で働く子どもたちとは? 
ILOのMoleres F.が撮影した写真です。コロンビアのモゾで撮影されたもので、エメラルドを探す鉱夫たちが写っています。 鉱山労働と児童労働は古くから密接な関連がありました。19世紀及び20世紀初頭のヨーロッパやアメリカ合衆国における産業革命の時代、石炭の採掘ブームがあり、何千人もの子どもたちが炭鉱で働かされていました。

イギリスでは1842年まで、4〜5歳の幼い子どもたちが合法的に地下で働いていました。その年に、合法的に働ける年齢は10歳以上と定められましたが、それより幼い子どもたちも多く働かされていました。アメリカ合衆国では、20世紀初頭になっても、8歳くらいの幼い子どもたちが炭鉱で働いていました。(1885年には少年たちが石炭を割る作業をするためには12歳、炭鉱の中で働くためには14歳に達していなければならない、と定める法律が成立していたにも関わらず)。アメリカ合衆国における子どもの鉱山労働が最終的に非合法化されるためには、1916年の最初の連邦児童労働法の成立を待たなければなりませんでした。

今日、多くの国々において児童労働撤廃の取り組みがなされているにも関わらず、鉱山で働く子どもたちは世界中の至る所にいます。児童労働は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々の小規模な地下あるいは露天掘りの鉱山、採石場によく見られます。子どもたちは、金、銀、鉄、錫(スズ)、エメラルド、石炭、クロム、大理石、石材などの様々な金属や鉱物の採収や加工に従事しているのです。

ヨーロッパやアメリカ合衆国の鉱山における早期の児童労働とは異なり、今日の鉱山で働く子どもたちの大部分は、直接大規模な鉱山会社で働いているわけではありません。小規模な鉱山や採石会社で働くか、あるいは大きな鉱山の近くにある小さな採掘場で、家族と一緒に働いている場合が多いのです。また、多国籍企業がもはや利益を生み出すことができないと見切りをつけて撤退した後の鉱山で働いているのです。
こうした雇用形態は、規制をしたり監督を行ったりすることを難しくしています。また、多くの家庭において、子どもの稼ぎは家族全体が生きていくために、なくてはならないものなのです。

(左の写真)ILOのGianotti E.が撮影した写真です。1999年にペルーのサンタ・フィロメナで撮影されたもので、金と水銀を混ぜ合わせる鉱夫と少年が写っています。(中央の写真)ILOのGianotti E.が撮影した写真です。1999年にペルーのラ・リンコナダで撮影されたもので、金鉱石と水銀を混ぜ合わせる少年が写っています。(右の写真)ILOのGianotti E.が撮影した写真です。1999年にペルーのモレフアカで撮影されたもので、水銀を使って働いている2人の子ども達が写っています。

ろうそくの揺らめきだけに照らされた薄暗くて危険なトンネルの中で、Juanとほかの4人の子どもたちは、さびたつるはしを手に、わずかな金が出てくると期待をよせる岩石の塊を砕いています。
 
Juanはそれから鉱石を砕いて洗う骨の折れる作業をします。いい日だったら、3ドルで売れる金が手に入ります。でも彼だっていつも幸運ではありません。「毎日調子いいわけじゃないよ。」12歳ですが6歳児のような体つきの彼は言います。ニカラグアの首都マナグアから西に160km以上離れたラ・インディアという鉱山地帯のトンネルの中で、彼はほかの数百人の若者たちとともに5年間壁を削ってきました。

ILOとニカラグアの児童労働撤廃国内委員会によれば、400人近くが立抗や穴の中で働いています。鉱山で働く子どもたちは栄養失調や脱水症状、腎臓病、深い切り傷や、乾燥してガスの充満したトンネル内での重大な事故などで苦しんでいます。

Enrique Urrutiaはまだ17歳ですが、そのやせ細った体としわだらけの手が、「食べるものと着るものを買い、家を助けるため」に金鉱で費やした10年間を物語ります。Enriqueと3人の友達は村で早朝待ち合わせ、鉱山まで2時間歩き、石の重荷を運び、暗闇が地表をおおうころ、へとへとになって家へ戻ります。「一日おきに働きに来るんだ。」彼の友達である12歳のCalderonは言います。授業のない日のことだけどね、と付け加えました。

金を探す誘因は驚くものでなく、最近の国際市場での価格が1オンス当たり460ドル(約5万円)というここ16年で最高値を記録したのです。鉱山労働者たちは、そのわずかな部分しか手にしませんが、貴重なおまけもあるのです。「働ける強靭さがある奴らにとっては、とても魅力的なんだよ、特に金の価格が上昇しているときはね。」この地域を見回っている多国籍企業の社員が言いました。

ロイターのIvan Castro「金がニカラグアの子どもたちを魅了する」から

 
死をもたらす仕事 
ILOのGianotti E.が撮影した写真です。2001年にベニンで撮影されたもので、狭いトンネルの中を行き、鉱山で働く大人たちに水を手渡す少年たちが写っています。 アフリカのコートジボワールの
金鉱から、インドやネパールの採石場、ペルーのマドレ・デ・ディオス鉱山、モンゴルのナライク炭鉱に至るまで、鉱山で働く子どもたちは、毎日命の危険にさらされながら働いています。

地盤管理がほとんどなされていない鉱山では、常に落盤の危険性があります。坑内で働く子どもたちの死亡事故も珍しくなく、生き残った子どもたちも深刻で、時には障害が残ってしまう傷に苦しみます。また、鉱山の状況によっては突発的な爆発事故がいつでも発生する可能性があります。


鉱山で長時間働く子どもたちには、適切な防具や衣服が与えられず、訓練すらされない場合があります。さらに、非常に高い湿度や極度の暑さ寒さ、鉱山で使われる機械の過度の騒音、強い振動にさらされることもしばしばです。

他の危険としては、有害なガス、煙、埃に長時間さらされることにより、呼吸器障害を引き起こし、深刻な肺病で死に至る場合もあります。さらに、金鉱で働く子どもたちは、鉱物から金を抽出する作業で使われる水銀によって中毒にかかりやすい状況にあります。

鉱山で働く子どもたちは、長時間の労働や、体の発達段階にとって過重な荷物運びにより、筋肉疲労を起こしています。落下物による手足の骨折や重傷だけでなく、慢性の疲労感や背中、筋肉の損傷につながります。

事故が起きても、多くの場合、作業場の近くに救急の医療施設などはありません。ですから、一生治らない障害や、時には死亡の危険性が高くなります。生き残ったとしても、リハビリテーションによって回復をはかることができる可能性は、ほとんどありません。

ILOのGianotti E.が撮影した写真です。2001年にベニンのPerma金鉱山で撮影されたもので、鉱山内部の酸欠と高温によって疲弊した少年が写っています。


アフリカでは、8歳や9歳の子どもたちが下30メートルまで潜り、空調や十分地下30メートルまで潜り、空調や十分な照明がなく、よく落盤する狭い坑道の中で1日7時間から8時間働いています。


タンザニアのメレラニの宝石鉱山では、少年たちが、爆破作業中の地中深くのトンネルで、現れた宝石を一番に見つけるチャンスを逃すまいと、しばしば身を隠しを隠しています。こうした発見で得られる「ボーナス」が唯一の稼ぎの望みなのです。こうした危険を冒す結果として、多くの子どもたちがひどい怪我を負い、また命を落としています。

鉱山や石切り場の子どもたち ILO-IPEC、1999 
メレラニの少年たち
 
ILOのGianotti E.が撮影した写真です。1999年にペルーのサンタ・フィロメナで撮影されたもので、母親を助けて岩石を持ちながら、金を選り分ける子ども達が写っています。
石を砕くことで生計を立てる人々の多くは極度の貧困状態にあるため、多くの親が子どもたちを働かせることは驚くことではありません。子どもによって生産された砂利を売って得るお金は、家計を支える重要な一部であり、日々、食べていけるかいけないかを意味することもあるのです。

石を砕く作業は、特に子どもたちにとって大変で、危険な作業です。大きい子どもたちは川沿いの土手から重たい石を仕事場まで運び、それをハンマーで砕くのです。

5歳くらいの子どもたちはハンマーで石を砕いて、砂利を集めては山積みにします。大人も子どもも1日8時間以上、週に6日か7日働くのです。

石を砕く場所に、実際上、安全対策はありません。危険には、深刻な目の怪我につながる石の破片の飛散や、重すぎる荷物を背負うことによる背中や筋肉の障害、炎天下での長時間作業による皮膚の病気や脱水症状などがあります。

川のそばには飲み水はなく、川の水は農薬や除草剤の混入と産業廃棄物や家庭ごみの投棄で非常に汚染されています。

砕石作業をする人々は蚊によって伝染する病気、特にマラリアやテング熱という、適切に処置しなければ死に至る病気の危機にさらされています。ほかに共通の健康問題として、呼吸器疾患、下痢、皮膚病、背中痛や頭痛があります。

グアテマラ、レタルハレウでの砂利生産に見られる児童労働 ILO-IPEC、2000

レタルハレウで石を砕く子どもたち

ILOのDerrien J. Mが撮影した写真です。1994年にブルキナファソで撮影されたもので、金を探す子ども達が写っています。



 
 
   
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最終更新日:2005年7月4日 作成者:NT/ACC 責任者:KO