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ブラジル南部リオグランデ・ド・スル州の製靴業界は、製造工程から児童労働をなくす自主規制を定めた。また、業界全体の「行動規範」を定める話し合いも行った。同州の2つの市は地元企業の支援を受けて、仕事をやめた子どものための教育センターを設立した。
リオグランデ・ド・スル州のヴァレ・ドス・シノス地方は、ブラジル有数の靴の産地であり、ここで生産される靴の80%が輸出される。この地方の製靴業は児童労働の割合が高い。製造業者は小規模な作業場に下請けに出し、その作業場がさらに零細な家内制のインフォーマル産業に下請けに出すという形が一般的である。1996年以来、ILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)が支援するNGO団体「児童福祉協会(ASBEM)」の進めるプロジェクトは、ヴァレ・ドス・シノスの製靴業で有名なノーボ・アンブルゴとドイス・イルマンスの両市で、児童労働を撤廃・防止し、働く子どもに別の選択肢を提供することを目指している。
ASBEMの試験的プロジェクト
◆ヴァレ・ドス・シノスの地域フォーラムの能力を強化して、影響力を持たせ、労働監督検査、靴製造からの児童の解放、学校や教育センターへの子どもたちの復帰を促す。
◆製造工程から児童労働をなくす取り組みについて、地元の製靴業者と話し合う。
◆まずは、ノーボ・アンブルゴとドイス・イルマンスで120人以上の子どもたちを製靴業から解放し、他の市や地域にも拡大する。
◆働く子どもたちや仕事をやめた子どもたちを、学校や教育センターに通わせる。
プロジェクトが始まってまもなく、「児童労働撤廃のための常設フォーラム」が設立された。これは、地方組織、労働省の地方事務所、使用者団体、労働組合、それに自治体当局により構成された。IPECはこのフォーラムの強化を支援し、靴製造業界と自治体当局に、児童労働撤廃に取り組むことを約束させた。その結果、リオ・グランデ・ド・スル州の製靴業界は、製造工程から児童労働をなくす自主規制を定め、業界全体の「行動規範」を制定する話し合いを行っている。ドイス・イルマンスでは、市当局が製靴業界の児童労働に反対する独自のイニシアチブを推進して、地元企業の支援のもと、300人の子どもが通える教育センターを設立した。ノーボ・アンブルゴ市も同様のイニシアチブを進めている。
リオ・グランデ・ド・スル連邦大学と共同で、子どもの労働条件や学校への出席状況に関する詳細な情報を得るために調査が実施された。その結果、子どもたちは家内作業所で、多いときには1日10時間も働き、通学している子や学籍のある子はごくわずかであることが判明した。ASBEMのプロジェクトを進めた結果、ノーボ・アンブルゴとドイス・イルマンスの両市で149人の子どもが労働から解放され、リハビリテーションを受けた。子どもたちの多くは特別教育センターに通い、課外活動や他の支援サービスも受けている。
親、使用者、地方自治体を対象としたセミナーや非公式の会合も開かれ、この問題への反省を促すとともに、同地の製靴業から児童労働をなくすための対策を立て、協力関係を築く試みがなされた。こうした会合により、児童労働に関する認識が広まり、両親や使用者の意識が高まるとともに、地域社会や自治体が児童労働に反対する行動を起こすようになった。
プロジェクトの評価も進んでいる。成果をあげた今回の取り組みをもとに、製靴業における児童労働撤廃プログラムを作り、リオグランデ・ド・スル州の他の地域やブラジル国内の他の靴生産地にも活かすことが検討されている。
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