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産業別の実態と取り組み <製造業>
バングラデシュの衣料産業 | パキスタン:絨毯製造業の子どもたち | パキスタン:シアルコットにおける取り組み | ブラジルの製靴業 | グアテマラの花火産業
 結ばれた協定 - パキスタン:シアルコットにおける取り組み 

成果:

ある1つの業界における海外の取引先と仕入先が、児童労働問題に取り組むため、国際機関にサポートを求めた初めてのケース。
児童労働の防止、労働からの解放、リハビリテーションの支援に対し、業界が寄付した。
内部のシステムを見直し、内部監視システムを構築するため、業界が協力した。
ILOの防止・監視プログラムが作業場から児童労働をなくすことに成功している。
農村や準農村、インフォーマルセクターで外部監視プログラム実行中に生じる難問にも対処している。
ILOの社会保護プログラムは、地元のNGOグループ「ブニヤード識字地域委員会(BLCC)」によって実施され、労働から解放された子どもやその家族が参加している。。
広範な地域でサッカーボール業界全体を巻き込み、家内縫製者を支援するこのプログラムは、パキスタンの絨毯産業にも刺激を与え、同様のプログラムを作り上げるよう促した。

パキスタン東部のシアルコット地域では、年間約3,000万個のサッカーボールが製造されている。1996年にILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)の支援で行われた調査によると、女性と7,000人の子どもたちを含めた約42,000人の縫製者が、手縫いのサッカーボール製造に携わっていた。その後、サッカーボール製造から児童労働を撤廃するように様々な方面の声が高まり、シアルコット商工会議所(SCCI)は1997年2月14日にILOとユニセフのもとで協定書に署名した。このように製造業者の自主参加によって、サッカーボールの生産から児童労働を撤廃するための共同計画が始まった。全体の計画は、ILO、ユニセフ、SCCI、セーブ・ザ・チルドレン・UK、パキスタン・バイトゥルマル(パキスタン総理府によって設立された社会福祉機関)、そしてBLCCによって実施された。

計画は、防止・監視と社会保護という2本柱からなっている。ILOが担当したのは、シアルコットのサッカーボール産業で子どもが働いていないかどうかを調べ、児童労働が段階的に撤廃されることを見届けるために、外部監視システムを設置したことである。監視チームは、ILOの定めた内部監視を担当していて、計画に参加している製造業者と協力する。

ILOの外部監視プログラムは1997年10月に始まり、男女15人の監視員とチームリーダー一人を採用した。監視チームは訓練を受け、ILOの監視の専門家によって監督される。プログラムを実施した結果、防止・監視及び社会的保護がかなり進歩した。1998年4月1日に対象となる生産能力の少なくとも25%を縫製センターに移転する目標も達成でき、1998年9月までに生産能力の50%移転の達成に向けて取り組んでいる。

教員養成は非公式教育の土台を成している。1回2〜3時間にわたる授業では、基本的な読み書きや、健康、衛生、環境浄化の原則等を教える。子どもたちは絨毯織りに忙しく遊ぶ時間やエネルギーを持てずにいたため、課外活動やレクリエーションも教育の一部である。

監視システム等で確認された子どもの詳細が記録されて、ILO/IPECの社会保護プログラムに送付される。このプログラムは主に経験豊富なBLCCによって実施されている。労働から解放された子どもは、社会保護プログラムが提供するノンフォーマル教育等に参加する。

サッカーボール縫製から解放された子どもやこの監視プログラムの対象となった子どもに対して、ILO/IPECの社会保護プログラムは子どもとその家族に別の選択肢を提供している。その中にはノンフォーマル教育や技能訓練があり、大人には収入につながる活動や、クレジット・ローン・貯蓄などの便宜がはかられる。意識向上やモビライゼーション活動もこのプログラムが受け持つ。このプログラムによって、家族や地域社会と緊密な連携をはかる。大きさや性質の異なる共同体で、社会保護サービスの拠点となるのが村落教育行動センターのUmang Taleemi Centres (UTCs)である。各地にあるこれらのセンターによって、シアルコット地方のサッカーボール生産地のネットワークが形成されている。これらのセンターを通じて、約3,000人の子どもとその家族5,400〜7,000人が、社会保護プログラムに組み込まれた。プログラムの参加前、子どもたちの半分はフルタイムでサッカーボール縫製に携わっていた。残りの半分のほとんどは、家族のサッカーボール関連の仕事を手伝い、それ以外の子どもたちは他の仕事に従事していた。働く子どもたちに教育プログラムや各種サービスを受けさせるためには、子どもとその家族に大きく働きかけ、意識を高める必要がある。子どもの稼ぎが大きい場合はなおさらだ。プログラムに加わっても、子どもに給与や手当が支払われるわけではない。だがプログラムを担当するBLCCは、パキスタンの絨毯産業やその他で効果的だった戦略を活用して、すでに成果が見え始めている。

ILO/IPECは、社会保護の構成要素を評価し、検討する手段を開発しており、シアルコットプロジェクトにそれを用いる予定である。このように作業場の監視と並んで、ILOとパキスタン側のパートナーは、子どもたちと家族のために社会保護の組織的なネットワークを作り上げている。シアルコット地方の小さな村々のメッセージは単純明快だ。「児童労働をなくし、子どもに教育を受けさせよう」

 

   
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最終更新日:2005年7月4日 作成者:NT/ACC 責任者:KO