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油ヤシの木は世界中の熱帯地域の広大なプランテーションで栽培されている。実はとげのある葉に沿って、地上から4メートルから5メートルの高さに育つ。何千もの楕円形の実からなる房の重さは15キログラムから25キログラムである。4、5年経つと実がなり始め、20年から30年になると最も生産性が高くなる。
油ヤシの主要な生産国はマレーシア(世界の生産量の50%)、インドネシア(約30%)で、カンボジア、インド、フィリピン、ソロモン諸島、アフリカとラテン・アメリカの一部がそれに続く。
主要な生産品は種子の核油とパーム油である。核油は木の実から採油され、調理油、マーガリン、クリーム、ペストリーといった食料品に使われる。実の果肉分からとれるパーム油は化粧品、せっけん、洗剤、ろうそくといった工業用品に使用される。
油ヤシの耕作は種まき、苗の植え替え、収穫、房の輸送を含む。子どもは主としてやわらかくなった実を集め、房を運ぶのを手伝い、除草作業を行う。成人男性、時々少年が、先端にナイフを取り付けた長く重たい棒(マレイ)を使って実のなった房を切るか直接木に登って実を収穫する。マレイの使用は筋骨格系に多大な負担を与える。少女と成人女性は房を集めて運ぶことを任されており、児童労働によって家族は一日に1から2トンの実の割り当てを満たすことができる。
主な健康・安全上の問題
◆力の必要な反復作業や重く扱いにくい荷物をもち運びことによる筋骨格の損傷
◆刃物による傷(擦り傷や小さな傷から重傷にいたるまで)
◆油ヤシの実やとげによる皮膚の擦り傷(破片が手に一生残る可能性もある)
◆力の必要な反復作業や重く扱いにくい荷物をもち運びことによる筋骨格の損傷
◆皮膚がん、熱中症に至る可能性のある高レベルの太陽露出
油ヤシ生産において子どもが直面する様々な危険について言及してきたが、ここで世界でいくつかの個別の事例を挙げる。
合衆国労働省の1995年の報告は以下の通りである。
◆マレーシアの油ヤシプランテーションで働いていると推定された子どもの60%は、6〜10歳である。
◆子どもたちは直接的に雇用されることはそれほどないが、請負制度を通じて出来高払いで殺虫剤噴霧や除草作業や葉の積み重ね作業に従事している。直接雇用でない場合、経営者は児童労働者に関して責任を負わない。
◆コスト削減のため、契約者は6〜8時間の労働に対して1米ドル以下で子どもを雇う。一般的な大人の賃金は2ドルから3ドルである。
◆子どもは朝の5時半から仕事を始めるが、15時より早く帰れることはない。
◆少女の下働きは少年よりも長時間に及び、特に母親がプランテーションで雇われている場合、プランテーションでの作業と同様に家事も行う。
◆高齢化が進む労働力に代わって子どもが働くことで能力が伝達されると見なされる。また、若者が働いて高齢者の面倒をみることができるようになる。
◆子どもに就学機会を提供しているプランテーションは、16%にすぎない。
◆農園に住む子どもの78%が小学校を中退している。0.4%しか中学校を卒業しておらず、中退した子どもは不熟練労働者になってしまう。
IPECは2002年、インドネシアの油ヤシプランテーションで危険に瀕している児童労働者75人を対象に調査を行った。結果は以下の通りである。
◆85%の子どもはヤシを拾い、実を集めてカートまで布袋に入れて運ぶ。そして収集場までカートを押す。
◆平均的に荷物は10キロほどで250メートル以上の距離を運ぶ。
◆子どもの約75%が手袋をつけておらず、切り傷や擦り傷をつくる。
◆68%が「重度高温ストレスレベル」の熱中症を経験している。
◆平均労働時間は一日あたり休憩無しで4時間以上である。
◆子どもの半分以上は親から命令されて、働いている。
◆90%の子どもは現金で賃金を支払われるが、親は子どもの稼ぎの84%を受け取る。
◆半分以上の子どもは、家とプランテーションの往復に30〜60分かけている。
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