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児童労働の大部分は、自給自足農業と商業農業を問わず農業分野に見られる。これらの子どもはしばしば結果として死に至ったり、ケガにつながったり、病気にかかる可能性のある「危険な児童労働」に従事している。18歳未満の子どもは危険な仕事につくべきではない。
農業は建築、鉱業を含む最も危険な三つの部門のうちの一つでありながら、農業分野の仕事に関連する子どもの死亡率、事故、健康障害の件数は明らかになっていない。しかし、ILOは毎年約22,000人の子どもが仕事で死に至っていると推計している。一方、毎年2億7000万件の業務上の事故や1億6000万件の健康障害が起きていると考えている。このような統計に児童労働者が含まれることは明らかである。
数値は問題の大きさに対する見解を与えるが、業務上の事故や病気に関する公式な資料は不明確で、国の発展段階に関わらず多くの部門で過小推計されている。この状況は業務上の疾病に関して、より深刻である。事故は発生してすぐに認知されるが、病気は医師の診断が必要とされる。
長期の目標は、農業分野におけるあらゆる形態の危険な児童労働の撤廃と言えよう。鍵となる優先事項は、子どもが危険な仕事につくことの防止、現在働いている危険な職場からの救出、就学や職業教育である。しかし、実際には多くの子どもが危険かつ不健康な環境で働きつづけており、危険に瀕している。したがって、この状況が続く限り、私たちは子どもの業務上の死亡、事故、病気を防ぎ、軽減する必要がある。この報告書はこの問題に関連した情報を提供する。
農業部門での児童労働者はあらゆるタイプの作業に就き、その作業現場は小規模、中規模農場から大規模農場、プランテーション、農工連合体に及ぶ。歴史的に、児童労働は家族の一員か個人労働者として世界各地のプランテーションや商業農業の雇用において重要な役割を果たしている。
子どもの仕事は、主に両親の仕事や出来高払いの仕事を手伝うため目に見えない。こういった仕事は認知されず、統計にも記録されないため、広範囲にわたって気づかれない。
また児童労働は子どもの就学や教育を妨げる。
農業労働需要は季節によって変動し、これは労働力の本質に反映されている。種まきと収穫時には労働時間は極端に長くなりがちで、農繁期には夜明けから夕暮れまでかかりこともあり、さらに畑から畑へと移動する時間も加わる。作業の集約性のため休憩時間はほとんどなく、作業日が長期に渡ることから休養の時間も満足に取ることができない。
多くの農作業は本質的に肉体的に重労働で、長時間の立ち仕事、前かがみ、屈伸、苦しい体勢での反復作業を含む。疲れ、安全性の低い道具、起伏の多い地形、悪天候、全般的不健康、しばしば栄養不良によって事故の危険性は増加している。
技術的な変化はいくつかの地域において農作業の肉体的な厳しさを軽減したが、適切な安全性、健康対策、情報、訓練なしで最新式の機械類を使用することや化学物質の集約的使用に関連して特に新たな危険をもたらした。当然のことながら、死亡事故や重大事故や病気の発生率は高い。
農業の最も際立った特徴の一つは労働と生活の境があいまいな農村環境で行われているということである。結果として、農業就労者やその家族、児童労働者は殺虫剤で汚染された水や食料とともに、スプレー噴霧によって殺虫剤にさらされるなど特別な危険に直面している。
今日、児童労働の問題は農村部の貧困、特に賃金労働者や小規模農家の問題と同時に取り組まなければならないことが広く認識されている。基本的に両親が家族を養い、子どもを就学させるのに十分な稼ぎが得られないため、安価な労働力として子どもは働くことになる。児童労働の使用は貧困の循環を生み、子どもを危険にさらし、教育や職業訓練へのアクセスを大きく妨げることで将来に悪影響を与える。農業における児童労働の蔓延によって、家計収入が家族の需要を満たすのに不十分な状況が循環的に繰り返され、持続可能な農業と食料の安全保障は損なわれている。児童労働を必要とすることなく家族が生活できるようにするために、労働者の賃金や農家の収入を改善する措置が採られるべきである。
二つのグループが特に危険にさらされている。それは移住労働者や季節労働者の子どもと少女である。
移住労働者や季節労働者の子どもは、親が農場やプランテーションで直接雇用されている労働者であったとしても、家族の一員として働くことがしばしばある。これは特に学校や育児が提供されないか、または費用を負担しきれない場合である。もし家族が季節にあわせて移動し、また仕事が長時間労働である場合、子どもが初等教育を受けることさえ難しい。さらに、移民とその家族は外国からやってきていることもあり、現地語の知識がほとんどない場合もある。移住労働者や季節労働者の子どもは標準以下の住居に住み、その福祉衛生条件は低い。彼らは寄生虫症や伝染病にかかる可能性が高く、栄養失調もよく見られる。移住労働者の収容施設は農地かその近辺に位置し、住居は殺虫剤噴霧中に特に汚染されることもある。
少女は農地で働くだけでなく、家事雑用もするため通常の二重の負担を抱える。手ごろな育児や教育機会が不足しているため、多くの女性は子どもを連れて農地に行かなければならない。子どもは幼いときから母親を助け始め、これは児童労働問題に深刻な悪影響を与えている。少女は特に性的な嫌がらせにさらされる可能性がある。
農業部門で働いている子どもは広範囲にわたって成人労働者と同じ危険にさらされているのに対して、死傷事故や健康障害の危険性は成人労働者と比べ非常に高い。さまざまな要因のために、子どもはより脆弱であり、就業経験がなく、直面する危険に対する知識を十分に持たず、危険回避の方法に関する十分な知識も持っていない。心身ともにまだ成長発展段階にあり、例えば扱いにくい重い持ち上げ作業の繰り返しや反復的な負担によって、特に安全性の低い道具を用いる場合、成長中の背骨や手足を一生痛めることもある。殺虫剤にさらされた子どもは皮膚、目、呼吸器、神経の障害を引き起こし、大人と比べ低水準の撒布においても被害を受ける。慢性的な長期健康に対する殺虫剤の噴霧の影響は大人になるまで発見されない可能性もある。子どもは従順に振舞うが、大人と同じように仕事を要求されるため精神的な葛藤を経験することもある。
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