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産業別の実態と取り組み <農業>
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 農業における児童労働 

先進国と途上国で働く子どもの多くは農業に従事している。途上国の中には、子どもが農業分野の労動力の3分の1を占めている国もある。たとえばブラジル、ケニア、メキシコで行われた調査によれば、15歳未満の子どもたちが、様々な作物の栽培において、全労働力の25−30%を構成していることが分かった。

子どもによって行われる作業はとても幅広い−放課後の短かい時間の許される範囲内の無害な軽作業から、危険な化学物質や生産過程に関わる長時間の困難な労働まで様々だ。農業に子どもたちがかかわることは、子どもにたちにとって、確かに役に立つ社会化の一部である一方、多くの子どもにとって農場の仕事の現実はしばしば厳しい。

農業は大人にとって最も有害な労働の一つであり、 子どもたちにはいっそう有害である。考えられる危険のリストは幅広い。これらは、機械や乗り物に関わる危険から、農薬や化学物質汚染、重荷の運搬や疲労による怪我である。子どもたちが行っている多くの農業活動や、子どもたちが働いている作業環境が、この仕事を最悪の形態の児童労働にしており、また最悪の形態の児童労働を規定したILO182号条約の違反となっている。

農業における児童労働を撤廃するため世界中で行われているIPECプログラムの事例
西アフリカ
西アフリカ、特にコートジボアールのココア製造における児童労働と、これらの子どもたちの多くが同地域の他国から人身取引されてきた子どもであるという数年にわたる報告に応えて、IPECはアメリカ労働省とココア・グローバルイシューグループからの資金拠出を得て、西アフリカ・ココア/農業プロジェクト(WACAP)を立ち上げた。このプロジェクトは、コートジボアール、カメルーン、ガーナ、ギニア、ナイジェリアでのココアと他の農業準部門における有害な児童労働の予防と撤廃を目的としている。30以上の行動プログラムが、意識改革や子どもに対する社会保護政策、児童労働の監視、知識共有などを内容として、実施される予定である。
なぜ農業での仕事が子どもに有害なのか
農業機械や車両は子どもによる操作を念頭に造られておらず、また訓練を必要とする。これらは事故につながる共通の原因である。
子どもは大人に比べて、高温に関係する病気や怪我に弱い。
大人用に作られた裁断道具は、特に子どもにとって危険である。
子どもは大人よりも疲労に対して敏感で、事故の危険性を高くしている。
子どもの未熟な身体機能が、農薬や肥料、作物の埃や有害な化学物質、そして排ガスにさらされる危険を大人よりも高くしている。
重荷やぎこちない姿勢(かがんだり、ひざ立ちしたり、手を伸ばす)と、繰り返しの作業は、成長している背骨や手足を傷つけうる。
子ども達は農場の動物や野生動物、爬虫類、昆虫や、ある種の植物が関係する生物による危機から起こる怪我や病気、時には死のリスクを負う。
世界の多くの地域にある移住労働者キャンプの劣悪な住宅環境や衛生状況が、子どもたちの健康を損なう追加的なリスクとなっている。
東アフリカ
東アフリカ5カ国(ケニア、マラウィ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア)で進行中の3ヵ年の準地域プログラムは、商業的農業において有害な労働を行っている7500人の子どもたちの解放とリハビリテーションを目的としている。これらの子どもたちには、教育へのアクセスが提供され、必要であれば、その家族に対して収入を得る代替選択肢を提供している。2003年11月のプログラム終了までに、さらに15000人の就労の危機にある子どもたちが、児童労働者になることを防止することを目的としたサーヴィスを受けた。加えて、このプログラムは有害な農業分野の児童労働を発見し、撤廃するために、政府当局や労使団体、そしてNGOの能力強化を目指している。
中央アフリカ
IPECは現在中央アフリカ5カ国とドミニカ共和国で、コーヒープランテーションにおける児童労働の撤廃を目指した準地域プロジェクトを、アメリカ労働省の資金拠出で実施している。21000人の子どもたちが引離しや予防のサーヴィスの対象となっている。プロジェクトは、意識改革や代替所得創出、制度設計と強化、そして児童労働の根絶へむけた現地でのキャンペーン支持と、児童労働を監視するメカニズムへの地方自治体の積極参加を含んでいる。また、親たちへの代替所得創出手段とコーヒー栽培における有害な児童労働についての研究を行った。 コーヒー産業における児童労働の相対的な経済的寄与に関する比較研究は、他の作物についても行われるだろう。 中央アフリカ3カ国とドミニカ共和国の商業的農業における児童労働の根絶に焦点を当てた準地域プロジェクトは、メロン(ホンジュラス)やブロッコリ(グアテマラ)、基礎穀物や牧畜(ニカラグア)、そしてトマト(ドミニカ共和国)など、様々な作物をカバーしている。これらの国々で、15000人の子どもたち対象としている。
カンボジア
アメリカ労働省の資金拠出によって2001年9月に立ち上げられた100万ドルのプログラムは、製塩業や天然ゴムのプランテーション、そして漁業やえび加工業で働く3500人の子どもたちを対象にしている。30ヶ月のプログラムの終わりまでに、900人の子どもたちが有害な状況から引離され、2600人がこうした部門の有害な労働への関与を予防するためのサーヴィスを受ける予定である。このプログラムには官民が関わり、国や現地レベルの能力構築と、子どもたちとその家族への社会保護を強調している。
世界中の移住労働者や季節労働者の間では、子どもを家族の労働チームの一部として含むことは共通の慣習であり、特に学校や子どもケアが利用できなかったり、不十分な場所ではそうした傾向がある。こうした子どもたちは一般的に無給である。児童労働は、ココアやコーヒー、綿、ゴム、サイザルや茶など、輸出産品の商業的農業において深刻な問題であることがしばしば指摘されてきた。しかし、小さな家族農場の子どもたちも、大規模な商業的プランテーションで働く子どもたちと変わらない危機にある。農業における子どもの債務労働、いわゆる現代奴隷制は、南アジア、ラテンアメリカ、そしてアフリカで記録されている。
関連する ILO条約
プランテーション110 号条約(1958年)
就業最低年齢138号条約 (1973年) と146号勧告
職業安全衛生に関する155 号条約(1981年)
最悪の形態の児童労働に関する182 号条約(1999年) と190号勧告
農業の安全衛生184 号条約(2001年)
   
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最終更新日:2005年7月4日 作成者:NT/ACC 責任者:KO