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ILO駐日事務所メールマガジン・トピック解説

(2008年2月29日付第69号)

◆ ◇ ILOの危機対応・再建活動 ◇ ◆
◆ ◇ (ILO activities on crisis response and reconstruction) ◇ ◆

 多くの途上国で突発的な危機が日常生活の一部と化しています。危機発生頻度は近年増大し、90年代には自然災害や武力紛争など60年代の3.5倍の数の危機が発生し、1999年だけで700件余りに達しています。危機の発生は世界的現象で、世界の国々の約半数が何らかの影響を受けています。

 2005年に南アジアで発生した大地震によりパキスタンの被災地では地震前に存在した雇用の約半分に相当する110万の雇用と生計手段が失われました。平均的な被用者1人当たりの扶養家族が2人以上であるとすれば、雇用喪失の影響は約350万人に及ぶことになります。

 2004年のインド洋大津波ではインドネシアの被災地で60万人以上が雇用を喪失し、失業率は26%から40%超に跳ね上がりました。スリランカでも27万5,000人が直接的な生計手段を失い、約12万5,000人に間接的な影響があったと推計されます。インドでは約64万5,000世帯に影響があり、120万人の生計手段が失われたことが共同影響評価から明らかになりました。

 ILOが目指す「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」は安定した状態だけでなく、武力紛争、自然災害、金融・経済危機、政治・社会の移行における困難といった危機の影響を受けている不安定な状況下でも推進される必要があります。危機はディーセント・ワーク、性別によらない公平性、その他のILOの中核的労働基準や戦略目標を脅かす要因になります。これはILOがその活動の中で武力紛争その他の危機に対して真剣に取り組んでいく理由になります。

 ILOはまた、その使命及び比較優位上、危機的状況において重要な役割を演じることができます。武力紛争その他の危機の性質、構造、主な原因は多種多様であるものの、共通の要素として、全ての危機は雇用事情や貧困状態を悪化させ、働く上での基本的な権利と原則が守られにくい状況を引き起こします。これはILOにとって大きな懸念事項です。政労使の三者構成、社会対話の重視、男女平等その他の労働基準の諸要素、危機の影響を受けた集団を社会及び経済に再統合するために必要な雇用促進計画において立証された能力、機構能力の再構築、労働集約的手法による基盤設備の復旧を通じて、ILOはその役割を果たすことができると考えています。

★ILOの危機対応・再建計画(ILO/CRISIS)

過去約10年間にILOが介入した主な国
国  名 自然災害 武力紛争 金融・
経済危機

政治・社会
の移行に
おける困難

アフリカ
−アルジェリア
     
−アンゴラ      
−ベナン      
−ブルンジ      
−チャド      
−コンゴ      
−コートジボワール      
−コンゴ民主共和国      
−エリトリア      
−エチオピア      
−ギニア      
−ケニア    
−リベリア      
−モザンビーク      
−シエラレオネ      
−ソマリア    
−スーダン      
−ウガンダ      
アラブ諸国
−イラン
     
−イラク      
−レバノン      
−パレスチナ      
アジア太平洋
−アフガニスタン
     
−バングラデシュ      
−フィジー      
−インド      
−インドネシア    
−ネパール      
−パキスタン      
−ソロモン諸島      
−スリランカ    
−タイ      
−東チモール      
欧州・中央アジア
−アゼルバイジャン
     
−コソボ      
−ロシア      
−セルビア・モンテネグロ      
−タジキスタン      
−ウズベキスタン      
中南米・カリブ
−アルゼンチン
     
−ボリビア      
−コロンビア      
−エルサルバドル      
−グアテマラ      
−ハイチ      
−ペルー      
−ベネズエラ      
−ウルグアイ      

 第一次世界大戦後の再建・平和構築過程から生まれたILOはほぼその創立当初から危機対応活動に関与してきました。1969年にはこのような平和に貢献する活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞しています。危機に関わる活動は1990年代以降強められ、一連の事業計画が設けられました。

 1994〜96年に活動した復員元戦闘員の再統合計画、1996〜98年の武力紛争から脱しつつある国向けの技能・企業家訓練計画を経て、1999年9月に、多様な危機に適時にかつ効果的な形で応える包括的な能力と一貫性のあるILOの枠組みを開発することによって危機に備えたILOの能力を構築することを目指し、ILO事務局雇用総局内に危機対応・再建国際重点計画を設けました。国際重点計画は58カ国で活動を展開し(表参照)、15のツールを開発し、47冊の刊行物を発行し、ILO全体に及ぶ危機対応に向けた一貫性のある枠組みの形成に成功しました。

 2005年に国際重点計画はILO危機対応・再建計画と改名され、これまでの長い伝統を継承しつつILO全体を巻き込み、ILOのディーセント・ワークと社会経済面の専門知識を危機予防と復旧に注ぎ込む任務を与えられました。この事業計画は武力紛争、自然災害、金融・経済危機、政治・社会の移行における困難といった4分野の危機に、1)被災国における直接介入行動、2)政府及び労使団体、国際機関などとの危機予防・対応に向けた戦略的なパートナーシップの構築、3)訓練や知識基盤・ツールの開発を通じた危機対処能力の構築、といった三つの柱を通じて活動を展開しています。

◎自然災害

 干害、洪水、地震、ハリケーンといった自然災害は世界各地で繰り返し発生しています。自然災害は予防できないものの、その被害を最小限にすることはできます。災害による破壊はしばしば貧困、社会的排除、環境劣化に基づく脆弱性からもたらされ、不安定な状況であるいは危険な場所に住んでいる人々の被害が最も大きくなります。そこで、地域社会は特定層の社会的経済的脆弱性、物理的な弱さを和らげ、基盤工事にリスク削減技法を用いることによって被害を最小限にすることができます。ILOは災害リスク削減に取り組む機関間枠組みである国際復興支援プラットフォーム(IRP)に参加することによってこれを推進しています。

 自然災害はまた再建を必要とし、これは適切な開発手段や救援から開発へと移行する手段を用いることによって地域経済を活気づかせ、雇用を創出する可能性があります。被災者は基礎的ニーズが満足されると直ちに生活の再建に向かうことがILOの経験上示されています。この際、雇用を多く生む基盤構造プロジェクトが特に適しており、ILOが世界中で試行し、実行してきた雇用集約的投資計画(EIIP)は公共投資によるより多くの雇用の創出を支援しています。

 自然災害後の状況下でILOは次のような活動を行っています。

◎金融・経済危機、政治・社会の移行における困難

 急激な景気後退や金融ショックは所得や労働市場にダメージを与え、最も深刻な場合には社会の緊張を高め、政権を弱体化させることにもなりかねません。グローバル化が進む近年、国の経済が危機の影響を受ける度合いは高くなっているように思われ、1995年のメキシコのテキーラ危機、1997年のアジア金融危機、1998年のブラジルとロシアの金融・経済ショック、2001年のアルゼンチン危機は強い世界の力に経済がもろい事実を劇的に示すこととなりました。

 経済面における不満は民主主義への移行にも圧力を課し、今や成長、ディーセント・ワーク、社会及び経済の進歩を自由化と安定化の自動的な産物と見ることはできなくなっています。この政策は逆に、雇用に予見不能で、時には否定的な影響を与える可能性があります。しかし、アルゼンチンからタイに至る支援を通じて、ILOは経済回復におけるディーセント・ワークと三者構成主義の基本的な価値を証明することに成功し、危機後のアルゼンチンはディーセント・ワークを組み込んだ経済発展を志向しています。

 深刻な危機時には国が景気後退から抜け出し、力強い経済発展の基礎を構築できるよう支援することをILOは目指しています。雇用集約的な成長を奨励し、経済政策の中核に社会的保護が据えられるよう働きかけます。社会対話を育み、ILOの包括的な労働基準を推進することも重要な要素です。社会及び政治の移行における困難を経験している国において、ILOは社会における差別や雇用差別、労使団体の排斥、社会経済面の脆弱性、所得格差、失業・不完全就業問題、生産資源の利用機会における不平等、基礎的ニーズ満足における困難、劣悪な社会的保護といった数々の重要な懸念事項に対処することができます。

◎武力紛争

 この分野については、ILO駐日事務所が去る1月28日に平和構築フォーラムと共催したセミナーにおけるアルフレド・ラサルテ・オイレ危機対応・再建計画部長とティネ・ステルモーセ・スリランカ事務所長の講演要旨を掲載します。

★平和のための雇用:平和構築に対するILOのディーセント・ワークの貢献

アルフレド・ラサルテ・オイレ危機対応・再建計画部長

◎ILOと平和構築の歴史

 ILOはその創立当初から平和構築に関与しています。1919年に採択され、ILOの目的を定めるILO憲章の前文は、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができること」、そして、「世界の平和及び協調が危くされるほど大きな社会不安を起こすような不正、困苦及び窮乏を多数の人民にもたらす労働条件が存在すること」を掲げ、社会正義を通じた平和と社会の安定への寄与というILOの使命を明言しています。

 ILOの紛争対応活動は、生命の保護、市民の基本的権利の保護を扱う場合が多い他の国連機関とは異なり、主として被災国の人々の雇用条件と生計手段の保護に重点が置かれます。この枠組みの強力な手段となるのが、ILOは政府、労働者、使用者の三者で構成されている唯一の国際機関であるという点です。そして、平和と安定へ寄与すると共にそれを押し進めるために、これらのパートナー間の社会対話を推進しており、これは紛争後におけるILOの重要な優位点の一つです。

 2番目に、同じくらい重要なものとして、ILOは国際法の一部である国際労働基準、すなわち条約と勧告を設定しています。男女同一報酬、差別禁止、児童労働・強制労働の廃絶、結社の自由、団体交渉権、先住民族の権利などに言及するこれらの基準は幾つかの紛争の決定的に重要な根本原因に対処する強力な手段となります。

 第二次世界大戦後に採択されたフィラデルフィア宣言は完全雇用条件の形成と最も弱い人々に対する社会的保護の改善の分野においても寄与することをILOの目的に新たに追加しました。これもまた戦後世界が直面していた大きな課題で、戦争に従事することによってそれまでの生計手段を放棄した数百万人の人々が社会への再統合を待っていたのです。

 平和と社会の安定に対する貢献が認められ、ILOは1969年にノーベル平和賞を受賞しました。

◎最近の介入例

 過去10年間余り、ILOは世界各地で紛争後の様々な国に介入してきました。ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、シエラレオネ、リベリア、コンゴ民主共和国、アンゴラ、モザンビーク、インドネシア、東チモール、ソロモン諸島、フィリピン、カンボジア、ネパール、パレスチナ、レバノン、ルワンダ、ブルンジなどを挙げることができます。中米は少し過去の話になっていますが、コソボ、ハイチはまだ進行中です。さらに、重要な進展として、最近は例えばイラク、ソマリア、スーダンのように他の国連機関とパートナーシップを形成して活動するようになっています。まだ紛争後の状態とは言えず、様々な課題に直面しているスリランカについては、これからスリランカ事務所長の講演があります。

◎ディーセント・ワークを通じた平和構築

 ディーセント・ワークとは仕事のことです。最低限の保障が提供された仕事、労働者に発言権が保障され、団体交渉ができる仕事、適正な労働時間や労働安全衛生など労働条件が整備された仕事、そして傷病時の保護や年金などの社会保障が整備された仕事のことを指しています。前述の同一報酬、差別禁止、強制・児童労働の廃絶といった働く上での基本的な原則と権利はディーセント・ワークの概念を実現する重要な手段の一部であり、和平交渉過程に含まれる法及び計画の重要な枠組みを提供しています。

 2番目に重要な点は、政労使三者構成の国内メカニズムの重要性です。国内雇用委員会など様々な形態を取る場合があり、エルサルバドルやグアテマラの例に見られるようにこれは緊張を緩和する和平対話を支援するだけでなく、和平協定の実施を監視する仕組みとして機能することもできます。国際的にまた国内的に仲間同士で経験を共有し、対話のプロセスを可能にするという労使団体の重要な役割は、民間部門の利害関係者が和平交渉において積極的な役割を演じるよう奨励することができます。

 批准したILO条約の遵守監視メカニズムは早期警戒システムとして機能すると共に和平交渉に向かう動きに国際的な圧力を加える上で寄与することができます。

◎紛争後の社会的・経済的側面に関する国連の横断的政策

 雇用は平和を定着させる助けになり、避難民の再統合を図り、経済成長を活性化させます。このような平和構築環境の形成における紛争後の雇用創出の不可欠さを認識したコフィー・アナン前国連事務総長は2006年に、平和構築委員会の下に、紛争後の雇用創出、所得創出、再統合に関する国連諸機関全体に及ぶ初の政策提言を起草する作業部会を設置し、ILOは国連開発計画紛争予防・復興支援局(UNDP/BCPR)と共にその活動を調整する共同主導機関に指名されました。作業部会には、UNDP、国連経済社会局(UN−DESA)、国連平和維持活動局(UN−DPKO)、国連児童基金(ユニセフ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、そしてアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)やアフリカ経済委員会(ECA)といった地域経済委員会などが参加しています。

 ジュネーブやニューヨークといった本部レベル、そして世界各地の現場を含む様々なレベルでの約1年に及ぶ調整を経て、この共同政策文書は2007年10月末に完成し、参加諸機関の承認を待つ段階にあります。現在、各国レベルでこの実施を推進する運営手引きの準備が進められています。この作業は、雇用創出と再統合に関して現在ある知識と、その知識の現場における実施との間にある間隙を埋めることも意図しています。ILOはUNDPと共に紛争後の状況におけるディーセント・ワーク国別計画の実行を支援する内部能力を構築するよう事務総長に求められています。

 この政策案は三つの主な活動分野と準備段階で構成されています。準備段階は講和前計画立案段階と呼ばれ、紛争後ニーズ評価のような国際社会で達成された合意内容の計画段階であり、共通の見解を育み、和解の進展度合いや社会の対立を理解するこの作業を通じて、国内利害関係者と計画立案における合意を達成することを試みます。この段階で一番の課題は多分、誰が和平の主な利害関係者であり、誰が反対者であるかを国際社会が把握するのを助けることでしょう。この区別が重要なのは長期的に見て平和によって最も利益する人々と連携する方が利点があるからです。例えば、ソマリアの場合、国連がパートナーシップを結んだ相手は、紛争の継続を望み、紛争状態から利益を得ることを意図した間違った相手でした。誰がこのプロセスの主たるパートナーであるかを共に把握するために共通の理解、共通のビジョンを育む作業は準備段階の核となるものです。正式な講和前に開始すべき初期準備活動には、安全な地域における初期雇用創出計画、雇用その他のニーズを把握する情報を集める各種影響評価、帰還難民・避難民の技能プロフィール、職歴記録の作成などが挙げられます。

 講和後、それぞれが異なる種類の課題を扱う三つのプロセスを開始します。これは連続して順番に行うのではなく、同時に進めます。一つは基礎的ニーズを提供し、主要な公的サービスの迅速な復旧を支援することによって保安と安定の定着を助ける「所得創出の安定化と緊急雇用計画」、二つ目は地元の賃金及び自営の機会を形成するために都市及び農村の双方の環境における協働を伴う「雇用と再統合に向けた地域経済の回復」、そして三つ目は前二者によって達成された雇用及び再統合における進歩を維持するために不可欠な雇用とディーセント・ワークが機能できる全国的な環境の形成に向けて「持続可能な長期雇用創出とディーセント・ワーク」を扱うものです。

 は紛争後の複雑なプロセスを理解するために全ての要素を詰め込んだものです。左から始めますが、紛争直後にはまず最重要事項として、早期復興過程を開始させ、平和のための基礎的条件を確立し、例えば停戦状態を解消させてしまうような何らかの人道危機を回避するため安全確保に取り組みます。この段階では、所得保障と基礎的ニーズの提供に重点が置かれます。この段階で重要なのは、この政策要素を適切に導入しないと私たちが必要な人々に提供している支援がその後の再統合過程を脅かす可能性があると理解することです。例えば、食糧が不足しているときに、食糧を必要としている人々にそれだけを提供することはできます。しかし、食糧保障の限度を越えて、支援が持続的になると現地の農業生産者と競合することになり、この不平等な競争は紛争直後の復興過程を脅かす可能性があります。この場合、推奨できることは、食糧が現地で得られるならば長期的な食糧供給を維持する代わりに、必要としている人々が自ら市場に行って地元の生産者から食糧を得られるような支援を提供し、経済復興の好循環を再開させることです。
紛争後の社会・経済的側面に関する国連横断的政策概略図

 国連、非政府組織(NGO)、アフリカ連合のような地域組織など、安定化に寄与するために紛争直後にやってくる組織は人材を必要とします。運転手、通訳、傷病者の看護にあたる人々、物理的な復興に従事する人々などいろいろな活動を行う人々が即座に求められます。危機の直接の被害者である地元の人々でこの人材需要を満たすことができます。これが緊急職業紹介所、緊急ハローワークのコンセプトで、求職者と求人組織を結びつけ、地元で得られる人材のプロフィールを作成し、必要とされる技能分野の訓練を提供することによって、この緊急かつ短期的な雇用機会に応える就業能力を高めることを試みます。

 2番目のパッケージは、人々の生活再開を助ける方法です。これには様々な手法があります。例えば国連食糧農業機関(FAO)は紛争直後から介入し、種と農具を提供することによって貧しい農民が主として食糧の生産を通常のプロセスで再開し、生活能力を再建するのを支援しています。これは可能であれば現金補助と組み合わせることができます。食糧の提供と現金の提供の違いは、後者が地元の市場に寄与できるという点です。次に現地調達のプロセスに進むこともできます。このプロセスは複雑ですが、私たちはこのプロセスを簡略化し、地元の下請け業者、地元の労働力、その他地元レベルの多くの経済主体にこの莫大な投資から利益を得る機会を提供できるよう試みています。前述のように再建過程は非常に多くの利潤を生むのです。

 少し実際的な例をお話ししましょう。国連のコンゴ民主共和国への関わりに関連した話の中で、スーダンの国連施設の予算は年10億ドル近いことが分かりました。このうち3%近くがロジスティック関係の予算でしたが、現地調達分はこのうち1%未満で、国内調達分でも5%を下回っていました。例えば、平和維持軍の使用する食器類はノルウェー製です。これについては各種の議論があり、例えば、準備に投資しないと業務に必要な物資を期限通りに調達できないだろうという説があります。品質、納期、価格の点で業務に必要な品物の提供を保障できる地元の供給業者、国内供給業者の能力構築計画があればどうかという説もあります。しかし、10億ドルの予算の30%にあたる300万ドルの中に生活再開、雇用を支援する計画は一つも含まれていません。この活動を活用するだけで、復興と永続的な手法を形成する最大のツールが得られるでしょう。これが全てではなく、他にも多くの補足的な投資があります。復興や自営の戦略に向けた投資や、緊急復旧に取り組む様々な包括策など、紛争後の緊急ニーズに貢献できる豊富な材料があります。しかし、地元の利害関係者、地元の下請け業者に地元の労働力を活用する機会を提供するものは多くありません。

 地元の労働力の活用についてまた別の例を紹介しましょう。重要なのは再建の方法です。事業の種類を選択する際に、同じ仕事を同じ品質、同じ経費で達成するよう労働集約性を高くすることも、低くして例えば機械を利用することもできます。しかし、労働集約性が低い選択肢を用いた場合には、地元の被害者が平和構築プロセスに参加し、仕事を得る可能性を活用する機会を縮小することになります。つまり、地元に投資して、地元経済を再活性化し、経済の好循環を生み出す機会に対する貢献が縮小することになります。これはプロセスの問題、様々な機会の結合の問題です。再統合過程の一部として雇用を議論する際に、私たちは訓練や助言を提供することはできても雇用機会を保障することはできないのです。帰還難民・避難民その他の人々に雇用が提供され、地域社会が存続する限りそこに留まれるか否かは経済次第なのです。これがこの政策が目指しているものです。

 平和の定着、再統合、和解に向けた地元経済環境の形成に向け、平和の配当は地元企業社会にも到達し、全ての社会的パートナーにより良い環境を提供するものでなくてはなりません。誰もが地元経済の復興プロセスに寄与して初めて、紛争の影響を受けた集団の再統合が可能になります。地元労働市場と地元経済に対する課題は大きく、救援から復旧・再建に至るあらゆる投資において復興と雇用創出の機会が創出されるように国内及び国際的な政治的合意が求められます。地元経済の復興は合意形成において重要な役割を演じ、破壊された社会構造を癒し、和解プロセスに寄与することができます。この際、より包摂的な経済手法と最も弱い人々に特に注意することが求められます。

◎活動事例−リベリア

 リベリアのディーセント・ワークを通じた再建プロセスをご紹介しましょう。2005年に14年にわたる内戦が終結したリベリアは経済が荒廃し、推定失業率は約85%に達していました。2006年6月に開かれたILO総会で演説した同国のサーリーフ大統領は自国民のディーセント・ワークの機会を訴え、地域経済開発の原則を実行していくことを公約しました。そして、政府は2006年7月にILOの支援を受けてディーセント・ワークのための総合的な雇用戦略を策定しました。ILOはこのうち、緊急雇用計画(LEEP)と雇用行動計画の実行に関与しています。

 LEEPは、地域経済復興原則の要素を復旧、再統合、再建の全てのプロセスに適用することを試み、活動1年目で既に2万人以上に雇用を提供することに成功しています。この計画は、1)労働集約的道路工事、小企業・協同組合育成を通じた地域経済開発と2)首都モンロビアにおける廃物管理、企業家精神育成、技能開発の二つを構成要素とし、大統領が直接指揮を取っています。ILOだけの事業ではなく、UNDP、UNHCR、国連世界食糧計画(WFP)、世界銀行、米国国際開発庁(USAID)なども参加しています。

★ILOの危機対応・再建活動事例−スリランカ

ティネ・ステルモーセILOスリランカ事務所長

(スリランカの平和構築活動については、2005年10月に前任のクローディア・クーンヤルツ事務所長が行った講演を本紙2005年11月8日付第41号トピックスに掲載しています。合わせてご参照下さい。)

◎スリランカの現状

 スリランカでは1980年代初期から反政府組織タミル・イーラム解放の虎(LTTE)と政府との紛争が起こっています。2002年に停戦合意が達成されたのですが、先日2008年1月2日に政府はこれを正式に破棄する決定を行い、1月16日に破棄が発効しました。2006年、2007年と近年暴力がエスカレートしており、2008年は難しい年になるだろうとの一般的な認識はありました。2008年初めに政治家(閣僚2名の暗殺)だけでなく市民も標的にした(死者26名、負傷者60名以上を出した民間バスへの攻撃)多くの事件が発生し、北部と東部だけでなく、南部やコロンボでも不安感が募り、安全性が欠如した状態となっています。

 人権状況も非常に深刻と認識されており、2007年10月後半に人権高等弁務官がスリランカを訪れ、報告書が12月10日に発表されました。高等弁務官は政府に対し、高等弁務官事務所の開設を検討するよう要望していますが、今のところ政府はそれを受け入れておらず、代わりに地元機構の能力育成が検討されています。政府は人権問題を調査する多くの委員会を設置していますが、今のところ成果は表れていません。

 2006年に内戦に対する解決策を探るために設置された全党代表委員会APRCはこれまでに63回の会合をもち、やっと先週提案をまとめて政府に提出しました。この提案はスリランカ全土に新たに設置された州議会への権限委譲を強調した第13次憲法改正文書の実施に焦点を当てています。既に近い将来、東部での選挙が予定されています。

 スリランカは島国であり、北部と東部が紛争の影響を受けています。2004年の大津波によって東部海岸が広く被災しましたが、この多くが紛争地と重なっており、地域には二重の影響があったと言うことができます。

◎人道支援協議委員会(CCHA)

 政府が関与するものや国連によるものなど国内には様々な調整の仕組みが存在しますが、このうち人道支援協議委員会(CCHA)は今日最もうまく機能しています。これは政府と国際社会で構成されている点が重要だと思います。国は様々な深刻な課題に直面していますが、国連にとって重要なのは関与し続けるという点です。私たちの任務はこうした課題にもかかわらず、人民を支援することにあるからです。

 CCHAは2006年に大統領令によって設置され、重要な政策事項を扱っています。委員長は政府の要人である災害管理・人権大臣が務め、政府からは防衛大臣と国家構築及び東部の再建を担当する大統領顧問という二人の重要な委員が参加しています。国際社会からは、現在は米国大使が務めていますが、スリランカ復興開発に関する東京会議共同議長国の代表、欧州連合(EU)などが代表を送っています。CCHAの下には生計、再定住、保健、教育、ロジスティックスの五つの小委員会があり、月に1度会合をもっています。ILOは現在、漁業・水資源大臣と共に生計小委員会の共同委員長を務めています。

 地区レベルでは地区調整委員会があります。それぞれで生計の会合がもたれ、そこでの議論が国レベルに報告されます。非常に徹底的な議論を行うときには、運営上の問題はグループで扱うか地区レベルで何らかの技術助言を行い、政策事項は上部レベルで話し合うといったように議論を分割することができます。このような仕組みで既に1年にわたって活動を進めています。

 CCHAのもう一つの利点として、様々な機関が参加して、共に協力し合える具体的な分野を話し合うことによって私たちは調整を高めるだけでなく、津波後に起こった紛争の政治化による国連に対する非難のような誤解を少なくできるということが挙げられます。

◎紛争の影響を受けている人々

 あまり知られていないのですが、UNHCRの発表によると、2007年4月以降、新たに19万人の国内避難民が生じています。これに加えて、忘れられがちですが、以前からの避難民集団が40万人おり、依然支援を必要としています。現在見られる北部のバンニにおける戦闘は、2008年にさらに25万〜30万の避難民が発生することを予想させます。

 生計の問題を取り上げるとき、被災地の人々をどのように支援できるか考える際の課題を示すものとして漁業に対する制約を挙げることができます。この地域の人々は漁業か農業に生計を依存しているのですが、保安上の理由から海へのアクセスを禁じられ、深刻な影響を受けています。これは非常に交渉が難しい分野で、私たちはロビー活動を通じて政府に一部地域を開放させることに成功しましたが、今のところ、立入禁止を撤回させるには至っていません。そこで代替策として漁村向けの代替生計手段の発掘、再訓練を検討しています。東部では田畑への立入りも同じように保安上の理由から阻まれ、州によっては60%もの広大な地域が立入禁止地帯となっており、人々が戻れなくなっています。

 取り組みが必要なもう一つの問題は、紛争の影響を受けている人々にさらなる打撃を与える自然災害に対する早期警戒体制の整備です。昨年11月には多くの地域で降雨量が例年の10分の1という干害が発生した後に、12月には洪水が発生し、既にわずかだった田畑の収穫物に壊滅的な打撃を与えました。2月に収穫が予定されていますが、既に紛争の影響を受けている人々が生計手段を再獲得することがますます困難になると予想され、これらの人々向けの措置を講じる必要があります。また、種や次の季節に向けて準備する農民の能力が失われたため、次のシーズンにも影響を与えることになります。

 国連・国際機関の活動に関しては、幾つかの地域で最も弱い立場にある人々に到達することがますます難しくなっていますが、常に状況の監視を続けるように努め、可能な場所での活動の継続を図っています。実際、前述の、既に戦闘状態にあるバンニ地方では活動の再調整、練り直しを図り、活動を続けています。

 地雷除去は2007年前半までは支援提供のためのアクセスにおける大きな問題でしたが、現在は東部で問題が緩和しています。

 次に初期経済復興または生計支援においてどんな種類の介入活動を計画できるかという点ですが、先ほど危機対応・再建計画部長が申し上げた三つの手法を思い出して頂きたいと思います。スリランカの調整グループでは段階的な生計回復手法を採用しました。最初は救援段階で、典型的には現金引換労働計画、迅速ニーズ評価、食糧支援、現金補助、臨時雇用創出から構成されています。他に、漁業に代替する生計手段を模索しての移動式職業技能訓練、地域社会の基礎設備工事も挙げられます。

 最近帰還した12万人の人々が生計支援を中心とする即時支援を必要としています。ILOではFAO、WFP、地元会議所と協力して数多くの迅速ニーズ評価を行いました。ニーズ評価を行う際に重要なのは何らかの理由から働くことができない人々が対象住民層に多く存在し、これらの人々にも収入の点で尊厳の権利があるという点です。つまり、障害などの理由で働くことのできない人々に対する社会的保護の側面も重要です。

 次に生計小委員会の二つの重要な成果の一つである「人道主義プラス」を挙げることができます。つまり、初期経済力をつけさせるために食糧支援にプラスアルファを確保することです。これをどう進めるかですが、国内避難民または帰還避難民にはUNHCRその他の機関が対処しますが、私たちは素早くチームを結成して事に当たります。スリランカではこの手法が取られました。バチカロアなどの地区で、FAO、WFP、ILO、地元会議所、そしてコンサルタントとして地元NGO及び国際NGOの人道支援機関が集結し、主なニーズを分析し、どんな原動力があるかについて簡単な経済分析を行いました。次いでUNHCRと戦略的パートナーシップを結び、ガボン織り、ゴミ撤去、道路建設工事といった事業を試行しました。この点で、ILOには専門知識が備わっています。私自身はこの専門家ではありませんが、ILOの専門家チームから道路工事の世界の指南を受けました。雨期を乗り越える道路を建設する際に用いる資材や組み立てる方法、留意点として地元の資材を利用することなどです。こういったことが第1期の要素です。

 このように既に人道機関と開発機関の間に戦略的パートナーシップが構築され、認められており、今では人道支援機関はできるだけ早く開発機関とパートナーシップを構築することを口にしています。これはもちろん依存症を避けるためでもあり、単に永久に援助を続けることはできないからという理由でもあります。

◎ILOの経験

 既に申し上げたように政策レベルではILOはCCHA生計小委員会の共同委員長を務めており、政策事項についてはCCHAに報告し、地区レベルには運営上の助言を提供しています。重要なプロジェクトとしては所得回復技術援助計画(IRTAP)というものがあります。津波後にこのプロジェクトは全国レベルと地区レベルの双方で実施され、地区生計開発計画(DLDP)と呼ばれる非常に重要なツールを開発しています。これは43地区について開発されており、ウェブでも見ることができます。地方自治体が用いる計画立案ツールとして非常に優れたものと皆に認識されており、自治体にはこれを更新する研修が施されています。これは各部門、テーマ別にどのようなプロジェクトがあるかを示すものであります。そして今、調整を支援するものとして、これを紛争の影響を受けている地域にも拡張することが計画されています。2005年以降に実施されている多くのプロジェクトでは、地域社会の力をつけ、住民が一時的な雇用及び持続的な雇用を見つける多様な手法が試行されています。

 具体的なILOのプロジェクトですが、最初に申し上げた地方自治体の生計介入活動の計画立案・モニタリング能力構築事業であるIRTAPの他にも幾つか興味深いものを展開しています。まず農村アクセシビリティー統合計画立案(IRAP)プロジェクトですが、これは道路計画の立案と道路開発により重点を置くもので、最初に地域社会の優先事項を技術的にマッピングします。つまり、地域社会と共に水、衛生、保健といった最低限の基礎的ニーズへのアクセスを明らかにします。これは地理情報システム(GIS)を用いて行われ、地元のアクセス路をどこに計画すべきかを示す非常に完璧な地元の地図が得られます。これは大変技術的で、多くの情報を含むものです。私たちはこれを労働力について国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)と試行してみたのですが、この地図や図面は多種多様な目的に用いられる非常に有用なツールであると考えられます。

 緊急生計回復プロジェクト(ELREP)ですが、これは前に言及したもので、UNHCRと共同で実施されている帰還民向け、そして地域社会向けの小規模な所得創出プロジェクトです。ガボン織りなどの一時的な雇用機会を提供する活動が行われています。

 経済力構築に向けた地域社会基盤型研修(CB−TREE)プロジェクトとはILOがフィリピンやパキスタン、インドネシアで試行した手法で、元々は津波用のプロジェクトでしたが、今は紛争被害者にも対応するよう開発されています。これは技能訓練、実践的な企業家訓練、市場や金融制度の整備を通じた地域社会によるサポート体制の構築を通じて、生産能力の向上と利潤を意識した小企業の育成を目指すもので、既に受益者は1,100人を超えています。国連人間居住計画(ハビタット)との協力事業もあります。

 児童労働への取り組みとしては、児童労働撤廃国際計画(IPEC)の戦災児童プロジェクトがあります。これは職業・技能訓練を通じて元子ども兵士の社会への再統合を図るもので、これは現在、元戦闘員への取り組みと結びつけることが計画されています。

 労働組合技術援助(TUTA)プロジェクトは津波被災地で開始されたものですが、ILOの中核的な活動の一つである労働組合との協力を開発作業で行うものです。多くの新しい考え方や活動方法を生んだ興味深い事業で、組合は未組織労働者の組織化に関与しており、人々にまず基準を理解させ、権利を行使することを支援しています。また、職業訓練や企業育成を通じた被災家族の生計支援も行っており、CB−TREEと似た手法を取っていますが、労働組合に焦点が当てられています。

 最後に企業育成プロジェクトがあります。貧しい人々に益する成長のための企業(ENTER−GROWTH)プロジェクトと称するこの事業は、貧しい人々に益する経済成長と男女共に良質の雇用を創出することを目指し、地区企業フォーラムの開設、地元の競争優位の査定、地元及び地域のバリューチェーン(価値連鎖)開発を進めています。紛争直後ではなく次の再建または開発段階につなげることを目指し、少し簡単なモデルが用いられています。

◎人道開発支援指導原則と協働

 最後に人道開発支援を導く10原則に簡単に触れたいと思います。2007年半ばに日本大使館を含む援助国・機関や国際機関が承認したこの原則は、非差別や中立性といった支援を行う上での基本原則を掲げています。雇用に質的側面を付加するILOのディーセント・ワークの概念はこの原則を実行する手立てになります。

 この原則の実用化を目指し、昨年10月には生計小委員会の提案でILOも技術支援を提供して地区レベルと全国レベルでワークショップが開かれました。その際、理念は理解でき、信じてはいるが、実際にはどう運用していけばいいかといったことが話し合われました。例えば、ある小さな村に援助する場合、どうすれば差別的にならないか、中立性を保てるかといった問題、受益者が元戦闘員だけにならないようどう確保できるかといった問題です。これについては、一つの事業で達成できないことも同じ原則を守る他の事業と結びつければ達成できるかもしれないと言うことができます。

 現在、スリランカではこの原則の実用化に向けた動きが展開されており、他の小委員会でも同じような話し合いがもたれることが求められています。

 スリランカではこのように、あまりにも多くの切迫したニーズがあるためというのも一因でしょうが、コミュニケーションが非常によく図られ、私たちは一体となって活動しています。

★その他活動事例

 上の表に見るようにILOはこの他にも様々な場所で活動を展開しています。武力紛争の分野では、例えば、イラクでは2004年から技能開発等の事業を、コンゴでは弱者層を社会に再び組み込む事業を、レバノンでは2007年8月から地域社会・経済復興プロジェクトを、スーダンでは南部で緊急職業紹介などの労働市場政策・職業訓練分野での関与を行っています。アフガニスタンでは2007年始めに元戦闘員の再統合支援プロジェクトを開発し、東チモールで実施された紛争緩和・基礎的ニーズ対応に向けた現金引換労働プロジェクトは成功裏に終了し、主として農村の若者失業者向けの事業に引き継がれ、ネパールの平和構築に向けたプロジェクトにはILOの地域経済開発の手法が適用されています。武力紛争に加え、自然災害の影響も受けたソマリアでは平和のための雇用計画が実施され、パレスチナでは古くから住民の生計手段や労働市場の回復に向けて様々な技術支援を提供しています。

 政治・社会の移行問題に加え、台風の被害も受けたハイチでは雇用集約的手法を通じた自然災害予防事業などが行われています。社会経済的脆弱性に加え、2007年4月に洪水の被害も生じたボリビアでは生計影響評価を行い、災害後復興戦略を作成しました。

 自然災害分野では、最近、パキスタン(地震やサイクロンなど)やグアテマラ(ハリケーン)で雇用集約的手法を用いた基盤設備の復旧などを実施しました。フィリピン(台風)では地域経済開発や危機対応能力構築計画を計画中で、ペルー(地震)では迅速ニーズ評価を行っています。インドネシアなどにおけるスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対するILOの支援活動は本紙2005年4月28日付第35号トピック解説などで取り上げています。タイでは鳥インフルエンザと職場プロジェクトが開始されました。

★情報資料

 ILOでは危機対応における豊かな経験を踏まえた幅広い報告書、マニュアル、ガイドなどを作成しています。紛争地帯における企業とディーセント・ワーク、危機対応における調整と再建、危機とディーセント・ワーク論文集、紛争被災状況におけるILOの政策と行動のための枠組みなどといった各種刊行物のほとんどが危機対応・再建計画のウェブページからダウンロードできます。

 最近の報告書には例えば、次のようなテーマを扱ったものがあります。イラクの地域経済復興、アンゴラやモザンビークにおける難民・避難民女性の企業家能力構築、リベリアの少女戦闘員の経験、危機対応における雇用に関する世界報告、津波被災国における雇用と生計手段の改善、危機から脱しつつあるアルゼンチン、若い兵士達が戦いを選択する理由、中央アフリカの武力紛争における子どもの利用、危機に対応した雇用の強化に関する調査研究報告書、戦後の仕事、カンボジアの再建、武力紛争から立ち直りつつある国における雇用集約型再建工事、インド種族民の自然災害対処戦略と早期警戒システム、紛争被災国における金融機関の開発。

 実務的なマニュアルには次のようなものがあります。ILOの危機対応汎用モジュール、危機対応迅速ニーズ評価マニュアル、元戦闘員の訓練・雇用選択肢マニュアル、紛争被災国における雇用と技能訓練のためのジェンダー指針、紛争被災国における雇用と技能訓練のための指針、戦後における需要主導型生計支援手法、危機時の雇用指針、災害リスク緩和、危機後の状況における地域経済開発活動ガイド、ジェンダー・貧困・雇用のつながりに関するガイド、危機対応指導員用ガイド、緊急公共職業紹介所設立ガイド、紛争被災コミュニティにおける少額融資導入研修マニュアル。


ILO危機対応・再建計画(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/employment/crisis/index.htm
ILO/平和構築フォーラム共催セミナー「ディーセント・ワークを通じて平和を創る」(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/asro/tokyo/conf/2008crisis.htm
スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対するILOの支援活動−2005年4月28日付第35号トピック----->
http://archive.mag2.com/0000085098/20050428194603000.html
スリランカにおけるILOの平和構築支援活動−2005年11月8日付第41号トピック----->
http://archive.mag2.com/0000085098/20051108161257000.html
インド洋地域の地震・津波に対するILOの対応----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/tc/tsunami.htm

最終更新日:2008年2月28日 作成者:EU 責任者:SH