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>>トピック目次
ILO駐日事務所メールマガジン・トピック解説(2007年11月30日付第66号) |
ILO本部雇用総局
経済・労働市場分析局雇用分析調査室
茶谷 和俊
★はじめに:非正規雇用の増加と問題
非正規雇用が増加の一途を辿っている。かつては自らの意思で自由を志向し正規雇用を選ばない若者としてのフリーター像があったが、最近の研究の多くが90年代の企業の採用抑制による雇用機会の減少がフリーター増加の一因となったことを示唆している。厚生労働省はフリーター対策に本腰を入れ、その効果もあって2003年を境にフリーター数は減少傾向を示している(図1。データが時系列的に接続しないためグラフの色を変えている)。しかし、若年層における非正規雇用の増加には歯止めがかかっておらず(図2)、2007年1〜3月期平均では、在学者を除く15〜24歳の若年労働者(男女計)のうち3人に1人が、そして25〜34歳の層でも4人に1人が非正規雇用で働いていた。同年齢層で比較すると女性の非正規雇用割合が男性よりも高い。キャリア及び家族形成において重要な時期にある25〜34歳層での非正規雇用の増加が懸念される。


雇用形態の多様化自体は、需要変動への企業の柔軟な対応を可能にすることや、ワークライフバランスの向上を可能とするなど、労働者・企業双方にメリットをもたらし得るのだが、現行の雇用システムのもとで非正規雇用は様々な問題を惹起している。まず、非正規雇用者が直面する問題として技能形成の機会に恵まれないことが挙げられる。この点に起因する派生的な問題として、(より高技能を要する)正規雇用への移行が困難となっていること、そして低賃金のまま固定され、正社員と非正社員とでは生涯所得に大きな差が生じることが指摘されている。
非正規雇用が孕む問題は現世代だけに留まらない。30代前半の男性では非正社員の有配偶率は正社員を大きく下回っており(注1)、少子化の一因となっている。もっとも、結婚・出産自体は個人の自由な選択によるものだが、年金会計(注2)や経済成長率(注3)に与える影響は大きい。未婚の理由として金銭的余裕がないことを挙げる若者が多い(注4)ことは、現在の雇用のあり方と併せて懸念される。また、年収954万円以上の世帯で教育への支出が他の所得階級に比べて大きく伸びていることを見れば(注5)、非正規雇用による低所得が未婚・少子化につながるだけでなく、教育投資の差を通じて格差が次世代でも再生産される(注6)恐れがある。
★根底にある要因:商品・金融・資本市場のグローバル化
非正規雇用の拡大が生み出す問題への対応を議論する前に、まず非正規雇用が増加した要因に着目してみたい。労働市場を取り巻く環境を俯瞰してみると、国内政策によるコントロールが及びにくい商品・金融・資本市場のグローバル化(または国際基準の形成とそれへの収斂)が日本の雇用に影響を与えていることが分かる。グローバル化による商品市場における国際競争の激化が非正規雇用拡大と結び付けて論じられることが多いが、金融・資本市場の変化が雇用及び雇用調整手法に与えている影響も過小評価されるべきではない。
非正社員を雇用する企業の半数以上がコスト削減効果を非正規雇用活用の理由に挙げている。コスト削減圧力という点では、アジアの成長と国際競争の激化はその大きな要因だろう。現に、日本を除くアジアの経済規模は、購買力平価で調整した国内総生産(GDP)で見た場合、アメリカと日本の合計を上回っている。製品の最終価格が国内での生産コスト積み上げによって決定されるのではなく、グローバルな市場で決定される場合、日本企業への(そして国内雇用への)影響は計り知れない。2002年第1四半期以降の景気回復局面における非常に鈍い賃金の伸び、そして賃金コストの低い非正規雇用や請負の活用は、こうした国際競争の厳しさも一因となっていると言えよう。しかし、経常利益の伸びに対する賃金の停滞は近年顕著に労働分配率の低下として現れ、議論を呼んでいる。今年度の「労働経済の分析」(厚生労働省)は企業収益がより賃金へ配分されるべきことを示している(同書46ページ)。
次に、金融・資本市場に目を向けると、90年代以降企業の資本調達が株式市場を通じた直接金融へシフトしつつあり、また数次の商法改正そして会社法により株主の権利が強化(注7)され、企業統治のあり方が様変わりしている。ドーア氏は株主資本主義が日本へ到来したと述べている(注8)。短期利益重視の株主や高配当を要求する海外機関投資家等の影響力の増加は、大企業の利益配分のあり方を大きく変化させている(図3)。2002年以降、株主配当が約2倍になり、役員報酬も約1.6倍に膨れあがっている。一方で従業員給与は90年代後半以降減少傾向を示している。資本効率重視の経営の下では配当可能利益の確保のために、特に売上げが大きく伸びない環境下では、コスト削減に意識が向けられる。賃金が安くかつ場合によっては社会保険料が節約できる非正規雇用が増えたのはこうした背景もあったと考えられる。
また、コーポレートガバナンスの変化、そして資本効率を重視する経営のもとでは、雇用慣行も変容する可能性が高い。阿部(注9)は、これまで需要減退期にも雇用維持が図られてきたのは、債権者たる安定株主やメインバンクの理解が不可欠であったことを指摘し、企業統治及び企業金融の変化がこうした雇用慣行に影響を与える可能性は高いとしている。この見方によれば、企業が非正規雇用を選好することは雇用調整速度を高めるため、とも言えよう。

金融・資本市場のグローバル化は会計基準の国際基準への収斂を要請した。その過程で従前の日本的な雇用のあり方にも変化が生じている。例えば連結会計制度の導入により、子会社・関連会社への従業員の出向が費用削減効果を必ずしも生まなくなった(注10)。需要変動に対し、出向によって企業グループ内で余剰人員を調整するメリットが薄れるのであれば、より直接的な労働力調整方法を用いることになるかも知れない。また、退職給付会計の導入は、多くの企業で大幅な引当不足を顕在化させ、確定拠出型年金の導入が進められたほか、正社員数を抑制する要因の一つとなったと言われる(注11)。
★日本的雇用システムの環境変化への不適応
上記の環境要因の変化は、低賃金かつ雇用調整が容易な労働者の需要を増加させた。非正規雇用の増加と労働分配率の低下など、懸念されている最近の事象が実は労働市場を取り巻く環境の変化に起因していることが少なくないと言える。これらの変化は一過性のものではない点に留意が必要だ。日本の労働市場の諸制度や雇用システムはこうした環境の変化に必ずしも対応できているのであろうか。労働市場の規制緩和と雇用形態の多様化(非正規雇用の拡大)は、こうした変化への一対応と言えるが、根本的な対応ではない。現状見られる低賃金・低保障の非正規雇用拡大は短期的に日本に競争優位をもたらすが、明らかに長期的に持続可能ではない。国内消費の低迷は国内総生産の伸びを抑制する上に、非正規雇用では経済成長の源泉となる人的資本の形成がなされにくいためだ。つまり、日本の雇用システムが環境変化へ十分に適応できておらず、結果として分配構造に歪みを生起させていると考えられるのではないだろうか。
学卒後の入職と長期雇用を前提とした(またはそれを中心とした)雇用の仕組みや労働市場の諸制度は、未成熟な外部労働市場と共に、メインストリーム外の労働者の能力向上・発揮の機会を少なからず奪っている。例えば、長期雇用を前提とした正社員の絞込みと重点投資は、非正社員への教育訓練投資が行われにくい土壌を創出している。多くの女性が直面する育児後の再就職の困難さもこの点と無関係ではない。新卒採用が増え初任給が増加する一方で、企業は非正社員の正規雇用化には消極的な姿勢を示していることも、メインストリームを外れた労働者が直面する苦難を象徴している。同時に、企業の構成員たる正社員とそれ以外の労働者の処遇格差は大きく、労働市場の二重構造化が顕著に見られる。利益はベアではなく賞与によって分配するという方針は、国際的に見て低水準の日本の最低賃金とともに、非正社員が分配から排除され易い仕組みを作り出している。正社員としての働き方を基準とした社会保険適用のあり方も、非正社員に不利であると考えられよう。
★世界の対応
雇用の多様化、非正規雇用の拡大は世界的に見られる現象である。先進国のみならずアジアの中進国・発展途上国でも観察される。こうした現象に各国はどう対応しているのだろうか。ここでは先進的な欧州の取り組みと、国際労働基準を政労使三者の合意によって設定するILOでの議論を俯瞰してみたい。
1)欧州
欧州においては、雇用の多様化と非正規雇用の拡大に対し、雇用形態の違いが労働条件の格差につながらないよう法規制や政策によって配慮している。現に、欧州連合(EU)指令による超国家法規や欧州司法裁判所判例を通じて、パートタイム労働者や有期雇用労働者に対する非差別の原則が確立されている。こうした法規制や判例法の根底には、欧州経済共同体発足当時からの男女平等への取り組みや、ドロールの社会憲章、そしてヨーロッパ社会モデルにおいて堅持された社会的連帯の理念があると言える。
多くの女性が非正規雇用で働いている実態を踏まえれば、労働市場における男女差別撤廃への取り組みは、非正規労働者への差別撤廃につながる。この意味で欧州の対応は1957年のローマ条約にまで遡ると言える。同条約の119条(注12)には男女の同一労働同一賃金(注13)が謳われていた。1976年には男女均等法制の中核をなす男女均等待遇指令が出され、賃金のみならず雇用・職業訓練・昇進など広範な事項における男女の機会均等と均等待遇の原則が規定された。なお、この時点で既に間接差別にも触れ、両原則の適用確保を加盟国に要請していた点は特筆に値するだろう。非典型労働者の労働条件について欧州共同体(EC)委員会において議論が断続的に行われた80年には、欧州統合を前進させたドロールのソーシャル・ヨーロッパ路線のもとで、非典型雇用への対応が再確認された。その後、91年の短期労働者及び派遣労働者の安全衛生に関する指令を皮切りに、97年にパートタイム労働指令、99年に有期労働指令が出されている。
欧州の非正規雇用拡大への対応は、イギリスのサッチャー政権のネオリベラリズム路線と、硬直的な労働市場と高失業に対する批判への対応と不可分である。労働市場の柔軟化へと舵をとりながらも、伝統的な社会政策の基本的な枠組みを維持したことが、EUの非正規雇用への対応を形成したと見ることができる。経済政策と社会政策を調和させ、多様な柔軟な雇用のあり方を認める一方で、社会保障や積極的労働市場政策を通じた労働者のセキュリティー確保を意図したフレキシキュリティーの理念が欧州雇用戦略の一角となったことはこうした経緯による。
但し、EUレベルでの雇用政策の基軸が明確である一方で、全ての加盟国が雇用形態の多様化や非正規雇用の拡大に対して一様の政策をとっているわけではない。ワークシェアリングを政策的に推進し、パートタイム労働者の保護を強化したオランダと、派遣労働など不安定雇用に対する規制が強いフランス、そして比較的緩やかな解雇規制を生涯学習機会と積極的労働市場政策の強化でバランスをとっているデンマークを比べれば、労働市場の柔軟性と安定性に関するアプローチに各国の違いが見て取れる。EUレベルで共有される理念や雇用戦略の実現に向けての具体的な政策は、各国の事情を反映したものになっていると言える。
2)ILO
ILOでは国際基準の設定を通じて差別待遇の禁止を加盟国に求めている。例えば日本も批准している「同一価値労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」(100号条約)では、同一価値労働に対する男女平等を定めている。同条約より包括的な差別禁止条約としては「雇用及び職業についての差別待遇に関する条約」(111号条約)があり、雇用及び職場における広範な差別を禁じている。世界で166カ国が同条約を批准している(2007年10月末現在)が、日本は未批准となっている。日本で非正規雇用の7割弱を占めるパートタイム労働に関しては、1994年の「パートタイム労働条約」(175号条約)がある。この条約は、パートタイムで働いているという理由で、比較可能なフルタイム労働者と比べ、基本賃金に不合理な差が生じないよう措置を取ることを求めている。また、民間の職業仲介事業所に関しては、1997年に第181号条約が採択され、民間の職業仲介サービスを受ける労働者の保護が規定された。派遣労働や請負労働、特定の発注元に経済的に依存する自営業者など、雇用契約関係の範囲が不明瞭になりがちな新たな形態の労働に関しては、ILO総会で1997年から4度取り上げられ議論が深められた結果、2006年の「雇用関係に関する勧告」(198号勧告)が出されている。この勧告は加盟国に法規制と保護の適用の観点から、雇用関係の明確化を図る措置を講じることを要請している。
★適切な労働市場制度は経済成長を促進する
労働市場の規制が労働市場の硬直化による高失業構造をもたらし、ビジネスの発展と経済成長を妨げるという見方が国際金融機関等からかつて提唱された。しかし、こうした見解は最近の研究成果により修正を迫られている。経済協力開発機構(OECD)はかつて労働市場の規制緩和と市場原理的な改革を提唱したが(注14)、自らの研究によりこうした見方を既に修正している。例えば2004年のEmployment OutlookでOECDは雇用保護規制が失業に与える影響はほぼ無い(注15)との結論を示している。OECD諸国を対象とした比較研究の中には、労働市場の規制が強い国々で労働生産性の伸びが大きいことを示しているものもある(注16)。しかし残念ながら労働市場の諸制度や規制と雇用及び経済パフォーマンスについての誤解が完全に払拭されているわけではない。世界銀行が現在提唱しているDoing Businessレポートの労働者の雇用に関する指標(Employing Workers Indicator)はそうした誤解をむしろ助長する恐れがあり、ILOの理事会でも懸念が表明された(注17)。
★今後の方向性
これまで非正規雇用が孕む問題、非正規雇用が増加する要因、欧州とILOの対応について触れた。日本にはどのような政策が必要なのかについて考察するにあたっては、今後どのような雇用社会の実現を希求するかがその礎となろう。日本の経済・社会の将来像がその時々の好景気を謳歌する国の社会経済モデルに影響されるようでは政策の一貫性が保てない。この意味で労働政策研究・研修機構と厚生労働省の研究会「雇用労働政策の基軸・方向性に関する研究会」が今年8月に出した報告書は時宜に適っていると言えよう。同研究会報告も含め、雇用労働政策に関する提言は数多くあるが、ここでは紙幅の制限もあるため、多様な雇用形態がもたらすメリットを生かしつつ、公正と安定の確保に向けた政策として、短時間正社員制度の促進、雇用形態の選択に中立的な制度への移行、積極的労働市場政策の拡充について触れたい。
◇短時間正社員制度の普及促進
非正規雇用の拡大に対して、正社員化を促進するという方向性がある。非正社員のメインストリーム化を図るために必要な施策だと思われるが、正社員と非正社員との処遇格差が大きい現状では速効性があるとは考えにくい。処遇均等の促進と同時に進めていかなければならないだろう。雇用形態の多様化によるワークライフバランスの向上と処遇均衡を共に実現する現実的な方向性としては、まずは短時間正社員制度の普及から進めるのが効果的ではないかと思われる。財団法人社会経済生産性本部が実施した調査(注18)では短時間正社員制度導入が社員の定着や勤労意欲の向上に効果があることを示唆している。
◇雇用形態に中立的な制度への移行
ワークライフバランスの向上と生産性の向上に資する雇用形態の多様化は促進されるべきだ。雇用の多様化が望ましい形で広がるためには、現在の雇用の仕組みや労働市場の諸制度を、時間をかけてでも着実に、就業形態・労働時間・契約期間等の選択に中立な制度へと移行していく必要があるだろう。賃金・昇進・職業訓練・社会保険の適用等の処遇が雇用形態の選択に中立的になるためには、処遇・人材管理のあり方にも変化が必要とされる。労働市場の柔軟性と雇用における公正・安定の両立を確保するためには取り組まれるべき課題だ。
◇積極的労働市場政策の拡充
市場メカニズムに任せると労働者全体に最適な職業訓練機会が提供されず、国の長期的な競争力確保という目的を達成し得ない。また、失業期間を短縮し円滑な労働移動を実現するためにも、積極的労働市場政策への政府のコミットメントの拡大が必要ではないだろうか。政府が自ら職業訓練を運営実施する他にも、自治体、業界団体、地域の商工会議所、そして人材派遣会社等による訓練に対する支援を行うこと、既存の専門学校や大学等の門戸を広く社会人に開放することも有効だろう。同時に、形成された技能が認知される仕組みの充実も必要だ。効率的なキャリアカウンセリングと職業紹介は、こうした取り組みを補完し、失業期間の短縮化とスムーズな労働移動を実現するだろう。
★最後に:持続的な経済・社会の発展を可能にする雇用システムへ
少子高齢化社会を迎え、労働力人口が減少する我が国においては、労働生産性と就業率の向上が日本経済の今後の鍵を握ると言える。労働生産性については、資本装備率の向上を図るための設備投資をはじめ、売上高付加価値率を増加させるために人的資本への投資も必要である。経済成長確保のための人的資源への投資という観点からも、積極的労働市場政策への政府のコミットメント拡大は正当化されるのではないだろうか。
また、就業率向上のためには、多様な潜在的労働者のニーズに合う就業形態が用意されることも必要であり、このためにも雇用形態の多様化が好ましい形で広まることは重要であると言える。雇用形態の選択に中立な制度・システムへの移行には時間がかかるだろう。しかし、潜在的労働者を労働市場に参加させ、かつ公正な処遇により労働者の能力発揮を促進するためには、避けては通れない課題だ。こうした方向性は企業の負担を増し、したがって経済を停滞させると憂慮されるかもしれない。しかし、国内総生産の大半は家計最終消費によって構成されており、家計最終消費支出は輸出の4倍近くGDPに貢献していることを考えれば、公正な処遇が消費を伸張させることで経済成長が実現され、企業部門にも還元されることも十分考えられるのではないだろうか。
あるべき雇用システムを検討する際、経済成長のみならず社会の健全な発展をも視野に入れるべきことは言うまでも無い。どのような社会を健全と捉えるかは主観的判断によるだろう。しかし、日本国民が格差が大きく、格差が固定される社会を志向していないことは確かではないだろうか。雇用を通じた格差の是正という観点からも、非正規雇用者の処遇について考慮されるべき余地は大きいと言える。
経済・労働市場分析局(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/employment/strat/index.htm
ILO条約・勧告一覧----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/list.htm
注:本稿は国際労働機関の見解や意見を表明するものではなく、本文中の見解は全て筆者個人(E-mail: chatani@ilo.org)のものである。
(注1)総務省統計局の2002年の就業構造基本調査によれば、30歳代前半の男性の有配偶率は正社員で59.2%、非正社員で30.3%、パート・アルバイトでは18.6%であった。
(注2)盛山和夫「年金問題の正しい考え方」(中公新書、2007年)に詳しい。
(注3)経済成長率(GDP)は例えば、労働者一人当たりの賃金上昇率×労働人口増加率、または労働生産性と雇用の増加率の積として表される。労働力人口、総労働時間、就業率等は経済成長率を左右する要素である。
(注4)内閣府「国民生活白書」(平成15年版)より
(注5)「平成19年版 労働経済の分析」(厚生労働省)69ページより
(注6)アメリカのThe Coleman Report (1966年)以来の実証研究が出身階級が教育に与える影響を確かめ、社会階層が再生産されることを示している。
(注7)経済専門誌Economistは「日本の会社法はアメリカやイギリスよりも株主寄りである」と評している(The Economist, 2007年6月30日付76ページ)。
(注8)R. Dore: Shareholder capitalism comes to Japan
(The Other Canon Foundation and Tallinn University of Technology Working Papers
in Technology Governance and Economic Dynamics, no. 11, 2007)
(注9)阿部正浩「日本経済の環境変化と労働市場」(東洋経済新報社、2005年)
(注10)前掲書170ページ
(注11)浅見康弘「会計基準の変更と構造改革」(財務省総合政策研究所、2004年)
(注12)1997年のアムステルダム条約により現在はローマ条約第141条となっている。
(注13)1975年の男女同一賃金指令によって同条は同一価値労働に対する男女同一賃金を意味するものとされた。
(注14)1992年以降のOECD Job Studyとその報告書に盛り込まれた雇用戦略等。
(注15)但し、高い雇用保護規制は若年層の雇用に影響があることを示唆している。
(注16)Storm, Servaas and C. W. M. Naastepad. Why labour
market regulation may pay off: Worker motivation, co-ordination and productivity
growth (Geneva, ILO, Economic and Labour Market Papers, 2007)
(注17)ILO. The United Nations and reform : Developments
in multilateral system - World Bank "Doing Business" report : The
employing workers indicator, Governing Body, 300th Session, Geneva, Nov.
2007, GB.300/4/1.
(注18)厚生労働省の委託により実施。2004年6月に発表された調査結果の概要はhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0618-3.htmlで参照できる。