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討議に参加されたすべての方から、ILOに対する貴重な御意見をいただき、皆様のILOに対する期待をよく理解することができた。
特に、恒川氏、中嶋氏、矢野氏の発言は、理事会で行なわれている議論をよく反映していたと思う。この3人のお話は、ILO総会、理事会をどのように組織改変するか、改善するかも含めて、ILOの動向や将来の課題やあり方に関する議論を丁寧にまとめていただいたと思う。
人間の安全保障とILOの役割に関しての議論では、ILOに対しお褒めの言葉をいただいた。我々は異なったコンセプトを使っているかもしれないが、言っていることは同じだと思う。神余氏が人間の尊厳についてお話されたとき、これは「ディーセント・ワーク」に近い概念だと思った。実際、我々が使っている異なった概念は対立するものでなく、相互に補完するものである。良い考えには、そのもとになる考えがいくつもあるものである。人間の安全保障に関し、ILOは1つの方策を提供している。すなわち、三者協力、また行なわれていることに関して、関係者がオーナーシップを獲得できる方法である。それらは相互に補完しあうもので、こうしたILOの経験は利用可能であろう。どのような課題について、ILOは効率的に取り扱うことができるであろうか−中核的労働基準、児童労働、人身取引などの分野においては、私たちの議論や活動は価値の高い貢献ができるであろう。
さて、ILOはどのような方向に進むべきであろうか。ジェンダー平等はもちろんであるが、残念なことに、今年のILO総会には以前に比べて女性の参加者が少なかった。これについては、政労使にもっと努力すべきだと呼びかけるだけでなく、ILOの側でも改善すべきことがある。我々がすべきことは以下のとおりである。
ILOはよく知られているが、その中身はよくわからないという声があった。また私たちもあまりお話してこなかった。私の結論は、ILOの知られていないことを明らかにしていかねばならないということである。このシンポジウムはその第一歩で、その努力を続けていかなければならない。ILOは、世界中のすべての困難や問題に対する解決法とはいえないが、そのうちのあるものには対応可能である。私たちはもっとILOを活用できるはずである。