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2004 World Day for Safety and Health at Work emblem

仕事における安全と健康のための世界の日(4月28日)記念

ILOインターネット・フォーラム「仕事における安全・健康文化」

これまでに寄せられた実践事例および話合いの経過

2004 World Day for Safety and Health at Work emblem
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★これまでの投稿−実践事例

情報番号:1 投稿日:2004年4月30日
事業所・団体名: メンタルヘルスアクションチェックリスト作成ワーキンググループ
寄稿者(敬称略): 川上憲人、小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、ストレス/メンタルヘルス
題  名: メンタルヘルスアクションチェックリストを活用した従業員参加型の職場環境改善
目  的:
  • 職場づくりのキーパーソンとなる管理監督者および社員が主体的に参加することにより、労働者にとって心理社会的ストレスの原因となりうる職場環境等を改善し、心身ともに明るく快適に働ける健康的な職場づくりを行えるような、支援ツールを開発し応用しています。
  • 職場環境としては広く取り上げ、物理化学的環境に加えて、労働時間、勤務形態、作業方法、人間関係や職場組織なども含め、従業員の協力ですぐ改善できるアクションを対象とします。
  • 開発した支援ツール(メンタルヘルスアクションチェックリスト)を、実際に事業所等で実施し、参加型で実際に効果があることを確かめており、産業現場での普及を図っています。
内  容: ●参加型のメンタルヘルス向上をめざして●
 職場のメンタルヘルス対策では、労働者にとって心理社会的ストレスの原因となりうる職場環境を、予防的に改善することで、心身ともに明るく快適に働ける職場づくりを行うことが重要です。職場で不調者が発生した場合の個別の対応も欠かせませんが、不調者が発生する前に対策を積極的に取っていく風土を作ることが今望まれています。
 そこで、職場づくりのキーパーソンである管理監督者および社員が主体的に参加して、自主的に、自らの職場に合った改善策を考案していくためのツール(メンタルヘルスアクションチェックリスト)を開発し、実際に活用してみることとしました。
 なお、このチェックリストの開発は、平成15年度厚生労働科学研究「職場環境などの改善方法とその支援方策に関する研究」アクションチェックリスト作成ワーキンググループ(川上、小木ほか)により行われたものです。

●メンタルヘルスアクションチェックリストとは●
 メンタルヘルスアクションチェックリストとは、アクションチェックリストと呼ばれる対策指向型の改善支援ツールを、メンタルヘルス対策や職場環境等の改善に応用したものです。アクションチェックリストは、実際の現場で行われた改善事例を収集し、たいていの職場ですぐ実施可能な改善アクションを整理して並べたものです(各項目を対象職場で実施することを提案するかどうかを聞いていきます)。実際に改善を実施する管理監督者や労働者がこれを参考に、自己チェックし、さらにグループ討議で利用していくことで、自主的に、自ら職場に合った改善策を考案する助けとなるように工夫されています。
 現在のメンタルヘルスアクションチェックリストには、A)作業計画への参加と情報の共有、B)勤務時間と作業編成、C)円滑な作業手順、D)作業場環境、E)職場内の相互支援、F)安心できる職場のしくみ、という現場で行いやすいアクションの6領域・30項目が含まれています。例えば、次のような項目です。

 (1) 作業分担や日程について計画作成に、作業者と管理監督者が参加する機会を設ける。
  この対策を □提案しない □提案する
 (8) 定めた休日日数がきちんと取れ、年次有給休暇やリフレッシュ休暇などが計画的に、また必要に応じて取れるようにする。
  この対策を □提案しない □提案する
(13) 作業のための指示内容や情報が作業中にいつでも容易に入手し確認できるようにする。(例:見やすい指示書、表示の色分け、標識など)
  この対策を □提案しない □提案する 
(24) 作業者が自分の仕事の出来や能力についての評価を実績に基き納得できる形でタイミングよく受け取ることができるようにする。
  この対策を □提案しない □提案する

●実施事例●

  • メンタルヘルス研修ワークショップを自治体で開催したときに現場事例についてメンタルヘルスアクションチェックリストを使い、チェック結果をグループで討議して、優先実施策をまとめました。
  • あるメーカーの開発部門で、健康的な職場づくりを行うため、管理監督者および社員を対象に、職場環境の改善によるメンタルヘルス対策を実施しました。当該部門従業員が小グループに分かれ、メンタルヘルスアクションチェックリストを使用し、1時間ほどの時間をかけ、グループ討議を行いました。各グループには、メンタルヘルスの専門家1人ずつがファシリテーターとして参加しました。グループ討議では、まず、自分の職場の「良い点」を3つあげてもらい、続いて、このチェックリストを活用して、職場環境の改善を行いたい点3つと具体的な改善策を提案してもらいました。
     良い点としては、同僚で相談しあえ、上司に相談しやすい雰囲気がある、などが実際の討議であげられました。また、具体的な改善策については、定期ミーティングでコミュニケーションを良くする、などが実際に提案されました。そして改善計画シートに優先する職場環境改善案と今後の行動計画を作成しました。この行動計画で実施された対策の効果を検討して、改善に役立つことが確かめられました。改善実施を定着化させるため、改善計画のフォローアップが引き続いて行われています。

効  果:  メンタルヘルスアクションチェックリストを活用してグループ討議を行い、職場環境等の改善策の実施をこころみたところ、以下のような効果が得られました。
  1. アクションチェックリストで点検することで、メンタルヘルスに役立つ職場環境等の改善点に気づくとともに、どう改善するかのヒントを得ることが可能となり、実際の改善策に結びつきました。
  2. アクションチェックリストの活用により、具体的な改善策の考案に加え、優先して改善すべきポイントが明確になり、職場環境等の改善が行いやすくなりました。
  3. アクションチェックリストは提案型のヒント集であることから、参加型のグループ討議で活用しやすく、また、グループで討議・検討することで、参加者からの積極的な発言が得られ、多面的側面からストレスを軽減させると考えられる改善提案が行われました。
  4. この方法は2004年日本産業衛生学会に報告され、下記ホームページに掲載されて、各地事業所で適用する計画が立てられています。
参考ホームページ: http://eisei.med.okayama-u.ac.jp/jstress

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容:  ILOインターネットフォーラムに寄せられた実践事例・アイデア・対話(6月18日現在、情報1〜25)を以下のとおりまとめてみました。これらの情報から、日本の安全・健康文化の姿を展望することもできるのではないかと思います。ご投稿いただきましたみなさまには、事務局メンバーのひとりとして、心よりお礼申し上げます。
1. 職場の管理者、労働者自身が参加して、リスク評価を行い、すぐできる改善策を提言する参加型職場改善の事例がもっとも多く寄せられました。これらの事例においては、一般の人々が積極的に参加できるよう、専門家がさまざまの支援ツールを開発し、提供するとともに、小グループ討議で助言を行っています。専門家によって、同じ業界のリスク状況、改善事例が調査され、これらをもとにアクション・チェックリストなどの支援ツールが開発されています。
専門家を除いて、参加する一般の管理者、労働者などの組み合わせはさまざまです。同じ職場の管理者、労働者(
情報番号1)、公的助成を受けて共同で職場環境改善に取り組む中小企業事業協同組合と、加盟企業の経営者、労働者(情報番号2)、教育委員会、教職員組合と、その傘下の同じ学校の管理者、職員(情報番号7)、管理者と労働組合と労働者(情報番号14)、建設業労働組合と、加盟する中小建設労働者・事業主(情報番号25)。
 労働者を対象とする参加型職場改善トレーニングの事例も、労働組合(
情報番号14)やNGO(情報番号19)、民間研究所(情報番号21)から寄せられました。
 参加型職場改善は、アジア諸国を対象とする労働組合の国際協力事業でも活用され、成果をあげています(
情報番号3)。
2. 労働安全衛生マネジメントシステムの導入事例(情報番号1214)、その普及に向けての労働災害防止団体の取組み事例(情報番号15)も寄せられました。
 また、マネジメントシステムの導入をこれまでの参加型職場改善の取組みと重ね合わせて同時に行うことで、中小企業でも無理なく導入していこうとするアイデア(
情報番号4)が寄せられました。
3. 職場でのストレスにより不調者が発生するのを予防しようとするメンタルヘルス対策として、参加型職場改善の研究・導入事例(情報番号1)、労働安全衛生マネジメントシステムの一環としての導入事例(情報番号12)が寄せられました。
 また、ナップブレイク(仮眠休憩)活用のアイデア(
情報番号5)が寄せられ、その実証的効果が紹介されています。これをもとに、それぞれの人に合った休憩の取り方について対話(情報番号1316)が行われています。
4. 労働組合による労働安全衛生対策として、労働災害防止5カ年計画、労使ペア研修会、安全パトロール、そして労災防止指導員活動(情報番号2022)の事例が寄せられています。
5. 労働災害防止団体が30年にわたり累計8万人のRSTトレーナー(現場の職長に安全衛生教育を行う指導員)を養成してきた訓練コース(情報番号6)の事例も寄せられました。
6. 日本の在外企業活動への労働安全衛生面の支援として、海外に赴任する人々を支援する独立行政法人の健康管理サービス(情報番号18)、そして労働災害防止団体の国際情報提供サービス(情報番号23)、国際協力活動(情報番号24)が寄せられています。
7. これからの日本の安全・健康文化に求められることとして、イギリスなどの事例を参照しつつ、(1)安全・健康問題について社会全般の関心を高めていくこと(情報番号9)、(2)事後モニタリング(情報番号10)、(3)安全・健康パフォーマンスの数値的評価(情報番号11)が寄せられ、(1)については社会的責任投資(SRI)活用のアイデア(情報番号17)が寄せられました。

 日本の安全・健康文化をこれまでに寄せられた情報だけで語ることができないことはいうまでもありません。また、私のまとめ方の至らない点もご容赦いただきたいと思います。もし追加情報がありましたら、ぜひお寄せください。インターネットフォーラムの受付が6月30日までの予定ですので、投稿はお早めにお願いします。

 最後に、7月26日(月)のILOフォーラム(公開)(14:00〜17:00、UNハウス5Fエリザベスホール)で、インターネットフォーラムの成果をもとに、みなさまとの交流を広げ、仕事における安全・健康文化についての議論を深めることができればと願っております。多数のご参加をお待ちしております。

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容:  6月18日までの実践事例・アイディア・対話をまとめた情報26は、重要な指摘と思います。日本の安全・健康文化をテーマにしたこのフォーラムは初めての試みであったわけです。そこに寄せられた話題に、参加型職場改善と各種のチームワークによる現場支援事業とが多かったことは、私たちに共通した視点が育っていることを強く感じさせます。安全・健康文化を根付かせる上で、現場の参加型活動と周りのチーム力を生かした支援とが基軸になる、という認識が広まっているのです。
 わが国の安全衛生分野で従来多くの成果が積み重ねられていますが、そのすぐ足元で重大事故やチェック体制不備が相次いでいます。多様化する就業形態に、また多重のリスクにふだんから対処できているかどうかが問われるようになりました。そのことが、現場の安全・健康文化構築について対話しあう必要を私たちみんなに実感させています。それが、このインターネットフォーラムの出発点でもありました。その問いかけに応える現場の報告に、確かな共通点が育っている事実は、心強いメッセージです。
 この事実は、責任基準の明確化と並んで、自主マネジメントによる継続的改善を重視する取り組みが各産業に共通していることを背景にしているようです。寄せられた情報に、その息遣いをみてとれます。換言すると、具体的な改善をグループワークで実現する「良好実践」の経験は、さまざまに、着実に、積み重ねられているのです。この意味の「良好実践」(グッド・プラクティス)をもっと意識的に報告しあい、経験交流する意義が大きいことが、このフォーラムから学べます。
 この「良好実践」交流に役立つ共通軸は、このフォーラムへの報告から浮き彫りにされています。とりわけ印象的なのが、「対策指向のリスク評価のツールの提供」と、「参加活動のすすめ」の2点です。この2点を組み合わせる形で、使いやすい評価ツールが参加型活動に提供されれば、現場のリスク対策は活性化することが報告されています。チェックリストや対策シートや巡視・指導・改善マニュアルなどを使いながらの参加活動が有効なのはその例です。改善ノウハウを自主的に学んで現場適用する文化構築策だとみることもできそうです。
 このフォーラムのねらいであるといってよい「良好実践」の経験交流を、ネット上で継続してくださるように希望します。報告しあうことから「良い実践」推進策のヒントが得られることを、このインターネットフォーラムは実証しているからです。そうした対話の場がないと経験交流もなかなか進みにくいものです。対話がすすむよう仕掛けていく意義は大いにあることを、このフォーラムで示していただきました。対話しやすい「良好実践」報告の場を私たちみんなで支えていきたいと思います。


情報番号:2 投稿日:2004年5月6日
事業所・団体名: 財団法人 労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 伊藤昭好
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務、化学物質、人間工学、機械、その他(職場改善)
題  名: 中小企業の事業協同組合と協働で進める職場改善アクションプログラムの策定
目  的:  中小企業の特徴は、まず安全衛生上のリスクの複雑化が進んでいることがあげられる。新技術、新規化学物質が次々と登場する中で、複数のリスクが混在しており、また多品種少量生産のために頻繁な工程変更が多いこともそれに拍車をかけている。ただし、このことは事業所の規模によらず、大企業にも共通した状況といえる。大企業との違いといえば、中小企業では、人材、設備、資金、情報収集、法規遵守の面で条件整備が遅れていることにある。
 一方で、中小企業には経営者の意向をすぐ反映しやすいといったフットワークのよさがあり、経営者をいかに産業保健活動に取り組む気にさせるかが重要なポイントとなる。人的、資金的に不利な状況にある中小企業においてこそ、現在国内外で導入が進められている労働安全衛生マネジメントシステムの有効活用が大きく貢献することは間違いない。リスク評価を確実に行い、それに基づき職場改善と積極的に取組み、マネジメントシステムを導入し、一連の活動を通じて新技術や人材養成面で成果をあげることのニーズは非常に高く、的確な情報を収集して、経営者や現場作業者に提供していくことが目的である。
内  容:  1994年から当研究所では、中小企業労働力確保推進事業補助金(通産省、都道府県)や中小企業人材確保促進事業助成金(雇用促進事業団)を活用しながら職場改善に取り組むいくつかの中小企業事業協同組合との共同作業の中で、それぞれの事業遂行を支援してきた。それぞれの事業の狙いは、職場環境を整備することにより優秀な人材確保をはかることにある。これらの事業は単年度で終わることなく、複数年にわたって続けられてきており、その過程を通じて、中小企業向けの職場環境改善アクションプログラムを健康リスク対策に直結させて構築することをめざしてきた。
 これまでにいくつかの事業協同組合と合意に達して試行している活動のストラテジの枠組みは、以下の4つのステップからなる。

ステップ1:業界ごとに代表的職場でリスクプロファイルを的確に把握する。
 まず現場の作業観察や巡視、経営者との面接等と作業環境測定をもとにしたリスク評価を実施することにより、その業界特有のリスクプロファイルを大づかみにすることが手がかりとなる。たとえば、われわれが共同作業を進めてきた中小企業の業界の例をあげると、ダイカスト製造業では、暑熱、騒音、重量物運搬などが、理化学硝子機器製造業では有害光線、上肢の拘束、けが・やけど、換気不足などが、またテント・シート加工業では、電磁波(高周波ウェルダー)、有害ガス、溶接などが、建具業では、木材加工機械によるけが、木材粉じん吸入が、さらに美容業では、手荒れ、腰痛などがリスクとして抽出された。これらのリスクに対して優先的に対策を講じることがアクションプログラムの基幹となる。

ステップ2:効果的なリスク対策事例を集める。
 ステップ1の過程を通じて、あるいは事業共同組合のネットワークを活用して、業界に潜在しているよい改善事例を収集してデータベース化し、業界で共有し水平展開できるようにする。すなわち業界独自の職場改善事例集の作成である。

ステップ3:対策選択型チェックリストによる複合リスクアセスメントを実施する。
 意識の高い経営者と専門家による委員会形式の活発なグループ討論を通じて、業界別の対策選択型アクションチェックリストを作成・配布し、各組合員企業が自主的に職場環境改善に取り組むきっかけをつくる。またチェック時は、できるだけ好事例を収集するように心がけ、ステップ2の事例集の内容をさらに豊富にするように努める。加えて現状に対する自己評価もあわせて実施すれば、業界の中での位置づけもわかる。

ステップ4:職場改善を多面に行って効果判定する。
 包括的に職場改善をすすめる領域として、作業環境と人間工学、さらに労働時間短縮、技術・技能伝承など幅広い領域を視野において進めることが重要である。

●職場環境改善支援ツールの開発●
 事業協同組合との共同作業の中で、職場改善アクションプログラムを効果的に進めていくために有用な支援ツールをいくつか作成してきた。
 一つは、経営者や現場作業者の動機付けをはかるための職場改善実例集である。このような事例集は、それを見ることにより、経営者や作業者に気づかせ、自分たちにもできると自覚させ、すぐ取組みはじめることをねらいとしている。その意味で改善事例写真集やビデオなど視覚に訴える素材が有効である。たとえば、ダイカスト製造業界向けのものとして組合員企業28社から収集した写真86枚、A4版43ページの事例集は好評であった。またこの事例集をもとにビデオ化した教材「すすめよう!職場の環境改善!」(全三巻、各巻約10分)も活用が図られている。
 二つめは、自己評価とグループ討議に活用するための業界別に作られた対策選択型チェックリストである。このチェックリストは、合否判定型の点検チェックリストとは異なり、各チェック項目自体が対策アクションとなっていることに特徴がある。チェック項目の例を表1にあげる。たとえばチェックポイント23は、機械換気装置を改善して作業場チェック者に、対象職場にそのような対策が必要かどうかを判断させていくもので、チェックを終えた後に、「対策が必要」とされた項目を列挙することにより、自ずとその職場に向けた必要な改善対策リストが実はできあがっているのである。
 さらに以上の二つのツールを利用して改善を進めるための具体的なノウハウが記載された職場改善マニュアルがあると非常に役に立つ。マニュアルには、具体的にどういう効果を得るために、何をとりあげ、どう改善するかがわかるかが記述されることになる。
 それぞれのチェックポイントごとに、「なぜ必要か」、「改善のポイントと実際」、「職場環境改善事例集から」、「よりよくするためのヒント」、「期待される効果」といった項目ごとに、視点やポイントが記述されていると使いやすいものになる。
効  果:
  1. 対策選択型チェックリストなどの利用により、その業界で問題となるリスクを幅広く取り上げて、経営者が自主的にリスク評価を実施する視点を確立できる。
  2. 改善事例集を利用して問題解決型のアプローチをとることができる。
  3. ビデオ教材などを活用したトレーニングの実施により自主的なグループ討議を活性化できる。
  4. 職場環境改善が従業員の福利厚生向上,安全性,生産性の向上に役立ち,職場の活性化をすすめ,優秀な人材確保につながることを示すことができる。
参考ホームページ: なし

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
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情報番号:3 投稿日:2004年5月7日
事業所: 国際労働財団(JILAF)(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 明田真澄、小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務、そのほか(労働組合、参加型職場改善)
題  名: 労働組合主導の安全衛生改善トレーニングのための国際協力
目  的:
  • 労働組合主導の参加型安全衛生改善トレーニング方法としてアジア途上国を対象にPOSITIVEプログラムを開発し7カ国で有効に応用しています。
  • 途上国にたいする現地プロジェクトによる国際協力において、労働安全衛生は現地から強いリクエストのある分野です。1994年にパキスタンで実践重視型の安全衛生セミナーを開催し、参加者から高い評価を得ました。その後各国の現状を踏まえながら、財団法人労働科学研究所の協力をえて、労働組合員のための参加型安全衛生トレーニングプログラムをPOSITIVE (Participation-Oriented Safety Improvements by Trade Union Initiative)として開発したものです。職場環境要因を広く取り上げ、すぐの低コスト改善実施を目標に参加型のグループワークでのトレーニングを行います。
  • 対象国の労働組合ナショナルセンターと連携して、その国に合ったトレーニングパッケージを作り、組合員と組合員トレーナーとを研修して、改善提案を企業内で行い実施してくことを目標にしています。この参加型安全衛生活動により、労働組合活動の強力な支えとなり、国内の政労使三者協力による労働条件改善、安全文化育成に資することができます。
内  容:  この10年間の途上国協力により、次の3点を中心にしたトレーニング方式としてアジア地域の労働組合安全衛生活動として定着しています。

●実践から学んでシンプルな職場改善実施を行う労働組合員トレーニング●
 職場で実現している改善と労働組合の関与をさらに向上させる実践積み上げ式の改善を指向します。参加者の労働組合員がプログラムを理解し、実践するために、シンプルな分かりよい改善策を取り上げます。現場と同じ条件で達成できている改善写真や低コスト改善を示すイラストをできるだけ多く使い、参加者が自分たちで改善策を提案し実施するように奨励します。この趣旨のトレーニングを行うために、1日ないし4日の実践指向研修を行い、トレーナー短期教育を並行して行います。現地の労働組合員に適した研修方法を工夫します。すでにパキスタン、モンゴル、バングラデシュ、ネパール、タイ、フィリピン、中国で労働組合ナショナルセンターと連携して研修を実施し、改善事例を集めたマニュアルを刊行しています。

●アクションチェックリストを用いた低コスト改善の提案手法●
 講義方式のセミナーで理論を学ぶのではなく、対策指向型の改善支援ツールとしてアクションチェックリストを使用して、職場ですぐ実施可能な改善アクションを選ぶようにします。POSITIVEチェックリストには、A)運搬と移動、B)ワークステーション、C)機械の安全、D)作業場環境、E)福利厚生施設、F)地域環境保護の改善アクションが30〜40ほど列挙されていて、それぞれの領域から現場に合った改善策を選ぶようにします。そのさい、その国で実施された低コスト改善実例を教材に使います。現地の良好事例から学ぶことで、自分たちの職場で実施可能な改善をみつけることができます。このアクションチェックリストと改善実例を写真入りで収録したマニュアル、セミナー実施用のOHPないしパワーポイントスライド一組、改善実施報告書からなる「POSITIVEトレーニングパッケージ」が国別に現地語で作成され、普及しています。

●参加型のグループワークによる改善実施と事例報告●
 グループ討議とその結果のプレゼンテーションを通じた参加型のセミナー進行により、参加者の積極的な参加を促します。この実地研修により、職場に戻ってからの改善活動実施の姿勢を養うことができます。国により、4日研修の標準コースと1日ないし2日研修とが行われていて、この短縮コースに参加すると、自分たちの組合でアクションチェックリストを使って改善セミナーを開催できるようになり、改善実施を行えるようになります。それと並行して、組合員向けのパンフ作成配布や、企業内の安全衛生委員会の活性化、労使協力による幅広い改善実現へと向かうようにもなります。
効  果:
  1. アジア地域7カ国(パキスタン、モンゴル、バングラデシュ、ネパール、タイ、フィリピン、中国)でPOSITIVEプログラムを展開しています。1994年の開始からこれまでに各国で短期セミナーを400回以上開催し、約12,000名が参加しました。
  2. 各国語のアクションチェックリストとマニュアルおよびトレーナーマニュアルの活用により、具体的な改善策が明確になり、労働組合主導による職場環境改善が行いやすくなりました。
  3. 参加型のグループ討議による改善提案と実施が進み、その成果による低コスト改善事例が集められています。それらのローカルな事例は説得的であり、マニュアルに盛り込むと共に、その写真をOHPやパワーポイントスライドに使い、効果的な教材として利用されています。
  4. POSITIVE手法を使っての労働組合員研修の成果交流のためのアジア地域相互交流ワークショップも開かれていて、各国の研修普及に役立っています。
参考ホームページ: http://www.jilaf.or.jp/genpro/positive.html

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
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◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
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情報番号:6 投稿日:2004年5月13日
事業所・団体名: 東京安全衛生教育センター(産業分類:サービス業、従業員規模:5〜29人)
寄稿者(敬称略): 東京安全衛生教育センター
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(職長教育、RSTトレーナー)
題  名: 優良な職長さんの育成に努めて30年、RSTトレーナーは今も現場で活躍しています。
目  的:  ラインの最前線において作業中の労働者を直接指導又は監督する者である職長は、職場の要であり、現場の安全衛生管理のキーパーソンです。事実、作業に熟達している職長の適切な指導により、労働災害が著しく減少している事例が多く見られます。このため、労働安全衛生法では職長に就こうとする者に対して、作業方法の決定、労働者の配置、労働者に対する指導監督の方法、作業設備及び作業場所の保守管理、異常時等における措置に関することなどについて、事業者は安全衛生教育(以下、「職長教育」という。)を行うこととしています。
 当教育センターでは、RST講座(Rodosho Safety and Health Education Trainer講座、労働省(現厚生労働省)方式現場監督者安全衛生教育トレーナー講座を略称したもの。)を1973年に開設し、これまで30年にわたって職長教育を担当する指導者となるRSTトレーナーを養成してきています。
内  容:
  1. 講座は、製造業を中心とした一般向けコースと建設業向けのコースの2コースがあり、年間合わせて60数回開催している。各回は、月曜日から金曜日までの5日間、研修時間は夜9時までに及ぶ日もあり延べ40時間強、合宿を原則として行っている。また、講師との一体感を深め研修効果をあげるため1クラス、20人程度の少人数で実施している。
  2. 本講座が特に重視しているのは、職長としてどのような方法で作業の手順を定めるか、如何にして部下の作業者を監督指導するかを、トレーナーとして教育することである。また、教えたいことをわかり易くかつ確実に教えるための教育技術の習得も、当教育センター固有のノウハウとして重視し、本講座の特徴となっている。
  3. このため、知識を付与する講義に加えて、事例等をもとにお互いに討議し、その過程で安全衛生についての見方、考え方を身につけてもらうことを目的として討議方式を採用している。また、教育技術では、指導案の作成を講師がマンツーマンで指導し、指導案による模擬職長教育として役割演技の時間も確保している。
    指導案とは、教育の具体的な実施方法書ともいうべきもので、当教育センター固有のノウハウである。指導案の作成は次の4段階の手順による。
    ●第1段階●:教育対象者に、教育の狙い、教育を受けなければならない必要性とその理由などについての理解を得る段階、動機付けのための導入部である。
    ●第2段階●:講義内容をリスト化し、講義のポイント・流れの整理、図表等資料の準備の段階、教育内容の提示部である。
    ●第3段階●:第2段階の内容を踏まえ目的と狙いを明確にした討議テーマの設定、討議結果を如何にフォローするかの検討の段階、講義内容の理解度を深めるための適用部である。
    ●第4段階●:教育の実施内容の整理と確認、教育対象者に期待すること、何をしてもらいたいかを明確にする段階、目的とする教育実施となるかの確認部である。
    役割演技とは、自ら作成した指導案に基づいて講師の役割を演ずることにより、指導案とともに講師としての評価を受け、講師としての能力の向上を目指すものです。
効  果:
  1. RST講座の開設により、職長教育のトレーナー養成に必要な研修カリキュラム、テキストなどの教育内容とともに、討議法、指導案の作成、役割演技などの教育技術が整備確立された。
  2. 企業単独では養成困難な職長教育のトレーナーを、当教育センターが一元的に養成することにより企業の支援が図られた。また、養成したトレーナーにより質の高い一定した職長教育を提供するシステムが構築された。
  3. RST講座開設から30年の累計で80,000人のRSTトレーナーが養成され、これらのトレーナーにより全国各地の企業・団体等で数多くの職長となる人材の育成が行われてきている。
  4. 職長教育の充実により、指導力ある職長の育成がなされ現場の安全衛生管理の向上に寄与した。また、RSTトレーナーの存在は、職長教育の講師の役割に限られるものではなく、職長を通じ現場を束ねる指導者として、現場の安全衛生管理に厚みを増した。
  5. この結果、現場の安全衛生管理のキーパーソンとしての職長の立場・役割の重要性が広く認識され、職長及びRSTトレーナーの地位の向上にも貢献している。

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
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◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
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情報番号:7 投稿日:2004年5月14日
事業所: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 酒井一博、伊藤昭好
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務、ジェンダー/リプロダクティブヘルス、人間工学、参加型改善
題  名: 産業保健チームによる学校給食職場巡視の成果
目  的:
  • 広い視点からの職場評価と、それに基づく改善提案が多くの職場改善に結びつく例として学校給食調理の職場巡視の経年実施事例について報告する。
  • 都市域の小学校と養護学校などにおける自校式給食調理場で安全衛生条件の向上と調理員の健康増進を図るために、1991年度から産業医、労働衛生工学と人間工学の専門家に教育委員会選任の安全衛生管理員などが参加する合同チームによって職場巡視による改善を実施している。
  • これは、給食調理員の間に多発していた指曲がり症への有効な施策の必要性が契機となったものである。今では市内の計117校を対象に幅広い作業改善、作業環境改善に毎年取り組んでいる。
  • 給食調理場は、反復作業と中腰姿勢、重量物扱いが多く、熱傷の機会も頻繁にあるほか、熱湯消毒を多用していて、不安全な急ぎ作業と作業環境に多くの問題を抱えている。また種々の清掃も水を流すことが中心で、従来から行われてきた作業形態はウェット方式とも呼ばれ、夏の暑熱と冬の寒冷が問題となってきた。こうした職場の改善に、合同チームによる職場巡視を定期的に続けることが多様に役立ったとみることができる。
内  容:  同じ都市内の市立小学校および養護学校など計117校の自校式学校給食調理場の安全衛生条件の向上を図るために、1991年度から職場巡視チームを編成して、繰り返して巡視を行ってきた。広い視点からの職場評価と実現可能性を重視した職場改善提案が現場から信頼を得て継続的改善に結びつく成果を生んでいる。

《職場巡視チームによる給食調理現場への取り組み》
 職場巡視チームは、産業医、人間工学と労働衛生工学の専門家、安全衛生管理員(労働組合側安全衛生委員会メンバー)、教育委員会担当課長、担当者で構成される。年間4校づつ10回で毎年40校のペースで巡視を行い、各校の訪問頻度は2〜3年に1回となっている。巡視項目は、(1)給食調理場内の作業環境、設備機器の人間工学条件の点検、(2)機器設備と作業の安全点検、(3)休養衛生設備の点検、(4)調理員の健康状態の把握と保健指導実施、(5)その他スナップ写真による作業と環境条件の記録などからなる。2003年までの13年間で延べ615校分(1校当たり平均5.3回)の巡視を実施した。
 1999〜2003年度の5年間の計200校の巡視で確認された改善事例は738件(1校当たり3.7件)に及ぶ。内訳は「基本設備・機器の更新と新設」422件、「照明・換気・騒音などの作業環境整備」74件、「床・通路と排水対策」60件などである。そして、学校側に要請した改善提案も662件あり、1校当たり3.3件だった。内訳は、「作業編成や作業方法の改善」107件、「休憩・衛生設備の充実化」103件、「基本設備・機器の更新と新設」99件などが多かった。

《多様なフィードバックによる改善事例・提案の推移》
 巡視チームの構成が専門家と現場代表を含むことから、現場の改善事例の収集と取り組みやすい提案とがよい慣行となって定着している。1999年以降では、O157対策の改修が行われたこともあり、設備の更新と新設事例が多かったが、改善事例と提案は、ともに広い領域にわたって行われたのが大きな特徴であった。いずれの年度も、領域は多岐にわたっていた。重量物対策、ワークステーションの改善、レイアウトと作業性の改善、床・通路と排水対策、作業環境整備、安全対策、休憩・衛生設備の充実化、室内整理が基本設備の更新・新設と並行して取り上げられてきた。カートや移動棚の整備、中腰姿勢をさけた作業面高、見やすい色分けの利用、移動通路の段差の解消、排水設備の拡充、照明と騒音対策、切創や熱傷対策、休憩条件の向上などの事例・提案が毎年報告されている。
 こうした多面に及ぶ改善に並行して、水の使用量を減らして床をぬらさずにすむようにしたドライ方式の導入が普及しだした。従来のウェット方式の調理場と異なり、機械換気と暖冷房空調設備が設置されるようになり、より快適な作業環境の実現が図りやすくなった。このことは、温湿度の測定からも確かめられている。すでにドライ方式の調理場が7校建設され、O157対策の設備改修とも相まって、職場改善は顕著となっている。

《改善事例を活用した参加型改善の継続体制》
 チーム巡視が定着して、実現可能性の大きくて幅広い職場改善提案が学校長や現場から信頼を得たことや、上記のようネ多様なフィードバックに努めたことから、各校で全員参加による改善がすすめられるようになっている。1999〜2003年度では、年度あたりの改善項目数は120ないし170件の範囲にあり、提案項目件数が100ないし180件程度と定常化しているのによく見合っていた。当初の取り組みの契機となった指の異常のある調理員の数は巡視を始めた1991年当時より明らかに減少してきている。
 合同巡視チームによる計画的な職場巡視が、市内に分散した調理場に共通した安全・健康への取り組みに寄与したと認められる。
効  果:
  1. 分散した少人数の調理場を巡視するチームに産業医と労働衛生工学、人間工学の専門家が安全衛生管理員とともに加わり、広い視点からの職場評価を行ってきたのが現場に受け入れられた。
  2. 実現可能性を重視した職場改善提案が、学校長や現場、教育委員会の関連部門、労働組合から信頼を得たことが指摘できる。
  3. 定期的な巡視の繰り返しにより、多数改善事例の収集と提案件数が定着し、安全衛生委員会での報告のほか職員研修やアンケートなど多様なフィードバックに努めたことがよかった。
  4. 現場の調理員の作業方法への意識変革を含め全員参加で改善を継続する取り組みが共通の特性として定着してきている。
参考ホームページ: http://www.isl.or.jp

◇ 情 報 番 号 7 へ の 対 話 ◇

情報番号:8 投稿日:2004年5月18日
事業所: 神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所(産業分類:サービス業、従業員規模:5〜29人)
寄稿者(敬称略): 天明佳臣
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務、その他(産業医活動、参加型改善)
題  名: 学校給食調理員の安全衛生にみる改善指向型の支援
内  容:  ある大都市の学校給食(単独校方式)調理場での安全衛生取り組み報告は、同じ学校給食調理場の産業医をしている者として大いに参考になりました。
 この問題の最大の鍵は、どうすれば調理員を改善指向型にできるかにあります。とくに単独校方式の場合、個々の調理場は少人数ですから、教育委員会の担当者と安全衛生委員会の労組側委員との職場巡視、安全衛生研修が果たす役割は重要です。とりわけ、巡視結果から指摘された改善事例に学びながらの小グループによる討論を軸にした研修を通じて、調理員たちが進んで、少しでも働きやすい職場づくりをしてゆく(それは、しばしばより安全にもする)、上述の報告にはまったく賛成です。
 わたしたちの場合、この小グループ討論での改善指向で取り組んで10年余りになりますが、たとえば、調理場巡視の後に学校長にとりあえず短い巡視報告をするのが、慣行になっています。巡視をはじめて数年は産業医のみが所見を述べていたのですが、もう数年前から労組側委員も活発に発言するようになっています。こうした動向は、着実に一般の調理員にも浸透していっているように思われます。もう一つの鍵は、学校の総括安全衛生管理者である学校長への働きかけを定期的にしてゆくことであると考えています。
 学校給食調理員の安全衛生は、この報告にあったように、指曲がり症や腰痛などの作業関連障害と切創や熱傷などの安全問題とを同時に取り上げる改善活動が有効であり、小職場、分散職場の安全衛生問題を典型的に示した領域です。こうした改善指向型のグループ活動と総括安全衛生管理者への働きかけとを組み合わせた活動の経験をもっと交流していきたいと思います。
 産業医の活動は、こうした予防中心が軸になっていくことが望まれます。
参考ホームページ: http://www.ops.dti.ne.jp/~chiiki/Hosp/minatomachi.html

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:12 投稿日:2004年5月24日
事業所・団体名: A事業所(産業分類製造業、従業員規模500人以上)
寄稿者(敬称略): 島津美由紀/青木克己
キーワード分類: 安全・健康一般、ストレス/メンタルヘルス
題  名: 労働安全衛生マネジメントシステムの一環としてのストレス対策の継続的実施
目  的:
機器製造業A事業所では、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の導入にあたり、事業場方針の中でメンタルヘルスに積極的に取り組む姿勢を明記し、職場環境改善によるストレス対策を実践しています。
具体的には、要求事項の一つであるリスクアセスメントについて、メンタルヘルス対策上の観点から「仕事のストレス判定図」を職場や業務に関するリスクとして評価し、その低減につなげていく職場改善を行っていく仕組みを同システムの中に取り入れました。
その上で、PDCAサイクル内で職場の管理監督者が積極的にかかわり、継続的に自主的な職場環境改善を行うことを目的としています。
なお、職場の管理監督者が積極的に関わることができるよう、「参加型検討会の実施」「ヒント集などの対策支援ツールの活用」などを併用しました。
内  容: 《A事業所で行っているストレス対策の概要》
 A事業所では、事業所全体の方針としてメンタルヘルス対策を組み込み、OSHMSの中で、職場環境改善を目的とした施策を行っています。具体的な内容を、以下に示します。

●PLAN:
@計画立案:
メンタルヘルスケアを適切・有効に実施することを事業所の労働安全衛生方針に組み込んだ上で、労働安全衛生推進計画の一部として、職場環境改善を目的としたメンタルヘルス対策を組み込むように計画・立案しました。

A関係者への周知:
産業保健スタッフの支援のもと、職場の管理監督者が主体的となり、自主的かつ継続的に職場環境改善が行えるよう、職場管理監督者・人事労務部門など関係部署への周知を行いました。
●DO:
@ストレス調査の実施:
アセスメントツールとして職業性ストレス簡易調査(下光他、1998)を使用し、全社員を対象に調査を実施しました。その際、結果は職場環境改善のためのみに使用されること、プライバシーは守られることなどについては徹底して周知しました。

A結果の集計と返却:
部署別に、「仕事のストレス判定図(川上他、1998)を用いて集計した結果のうち、自職場の結果のみが、当該職場の管理監督者に返却されます。

B参加型結果検討会の実施:
管理監督者は、返却されたストレス調査結果に基づいて、改善策を提案・立案します。その際、産業保健スタッフとのストレス調査結果検討会をおよそ1時間実施し、結果の見方、具体的な問題点の洗い出し、改善策立案のヒントなどを話し合います。対策ヒント集などのツールを配布し、活用しています。

C対策シートの提出:
職場の管理監督者は、結果検討会やストレス調査結果などをもとに、職場環境改善策を立案し、対策シートに記入します。このシートを提出し、具体的な対策の実施へとうつります。

Dメンタルヘルス研修会の実施:
管理監督者を対象としたメンタルヘルス研修会を行いました。内容は、メンタルヘルスに関する基礎知識や部下への対応、職場改善計画のヒント(他部署の成功事例を含む)などについてです。時間は、およそ、1時間30分程度です。
●CHECK:
@ストレス対策実施状況調査:
対策立案から半年〜約1年後、ストレス対策の実施状況についてアンケート調査を実施します。実施できたかどうか、具体的な実施内容、さらなる改善策等についても聞きます。

A再度ストレス調査の実施:
ストレス調査実施から1年後、再度、ストレス調査を実施し、職場環境が改善したかどうかについて、客観的な数値により効果評価を行います。
●ACT:
 アンケートとストレス調査結果などの効果評価にもとづき、うまくいった対策については継続的に実施し、うまくいかなかった対策については再度検討し直して、さらなる改善策を主体的に計画するようにします。これらにより継続的な改善につなげていきます。

《X職場での改善事例》
 A事業所内の、あるX職場では、職場の支援が低かったために、毎朝、短時間の会合を実施することを改善策として提案しました。1年後、再度実施したストレス調査の結果からは、職場の支援得点の上昇が認められました。また、他部署からも、X職場からは、最近では、「笑い声も聞こえるようになり、活き活きと仕事をしている印象をもつ」、との声もきかれるようになりました。
効  果:
  1. 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の中に組み入れ、実施したことにより、事業所の方針としてメンタルヘルス対策を取り入れ、取り組むことが可能となった。
  2. ストレス調査票を活用することで、職場でのストレス要因を客観的に把握するとともに、改善策実施後の、効果評価を客観的に行うことが可能になった。
  3. 「参加型結果検討会」という、職場の参加型アプローチを行うことで、改善策の立案・実施に際して、職場が主体的に関わることが可能となった。
  4. 検討形では「ヒント集」を配布し、活用することで、問題点の洗い出しや、改善策のアイデアを引き出すのに効果的であった。
  5. 継続的に毎年実施することで、対策の効果を評価し、さらなる改善につなげていくことが可能となった。実際に、測定された健康リスクも、年々、改善し、さらなる改善への意欲へもつながった。

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:14 投稿日:2004年5月29日
事業所・団体名: 高知大学医学部(産業分類:サービス業、従業員規模:500人以上)
寄稿者(敬称略): 甲田茂樹
キーワード分類: 安全・健康一般、人間工学、機械、その他(参加型産業保健活動)
題  名: 清掃事業におけるOSHMSを活用した腰痛症対策
目  的:  職場で労働者の健康障害を引き起こすリスクが複雑多岐である場合、法規による安全衛生基準を一様に遵守するだけでは健康課題の解決には繋がらない場合が多い。健康障害に関連した複雑多岐なリスクの関与の度合いを評価し、多様な改善や対策の実施とその評価を繰り返す、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を構築することが重要となってきている。
 腰痛症はわが国の業務上疾病の統計をみても、「負傷に起因する疾病」の約6割を占める重要な職業性疾患である。職場で腰痛症が発症する経過には、寒冷や振動などの外部の環境要因曝露や重量物取扱い・不良姿勢・作業時間などの作業遂行上の負荷、作業への慣れや焦りなどの作業中の心理要因、さらには、作業者の加齢や既往症などの状態も複雑に関連しており、ひいてはこれらが腰痛症発症のリスクともなっている。
 職場で腰痛症の予防対策をねらいとする労働衛生管理を実施する際には、OSHMSの考え方、すなわち、職場のリスク要因の評価に基づく改善対策を計画し、これらの改善対策を実施し、その有効性や課題を再評価し、その結果から新たな改善対策を計画する、OSHMSのPDCAサイクルによる継続的な活動が職場における腰痛問題の解決に効果をあげるのではないかと期待されている。
内  容:  清掃事業は、業務上疾病としての腰痛症に限らず、労働災害が多発する職種として知られている。そのため、労働安全衛生法の中でも林業、鉱業、建設業、運送業と並んで総括安全衛生管理者の選任基準を最も少ない労働者数から設定し、職場での安全衛生管理を徹底するように求められている。
 今回、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を活用した腰痛症対策を導入した事業場は東京清掃局であり、東京23区内の一般廃棄物の収集、焼却、埋立て等を担当しており、従事する労働者数は1万人を超す大規模な事業場である。OSHMSが導入される背景の一つには、他の清掃事業と同様に、労働災害や業種上疾病が多数発生していたことがあげられる。東京清掃では、1986年までの20年間をみると、23名の業務上死亡の発生や多発する腰痛症など労働安全衛生上の課題を抱えており、労働安全衛生法規で要求される産業保健活動を実施してきたが、効果をあげることができなかった。

◇「労使協調」に基づく腰痛症対策(1986〜1990年)
 このような状況に対応するために、1986年より業場内の安全衛生委員会とは別に労使合同で「反復する重大労働災害の事例」を分析・検討し、その結果から、主に廃棄物の収集・運搬作業が最もリスクが高いとして「安全作業手順(収集・運搬部門)」という安全作業マニュアルを作成し、職場での予防対策活動に活用した。さらに、従来より衛生管理者や産業医に義務づけられていた職場巡視を労使合同で実施し、その結果を安全衛生委員会に報告し、具体的な職場の改善提案を実施してきた。これらの産業保健活動を象徴するキーワードは「労使協調」であるが、1990年までこのような産業保健活動が実施されてきた。

◇「労働者参加」に基づく腰痛症対策(1991年〜)
 1991年以降には、それまでの活動をさらに発展させて、提案に基づいて実施してきた改善対策の効果を評価したり、前出の安全作業マニュアルを見直して実際に活用する労働者の意見を反映して改訂版を数度にわたって作成し、さらに、この安全作業マニュアルを用いて労働者への定期的な教育・トレーニングプログラムを実施している。また、全労働者の産業保健活動への参加を目的として、年1回の全労働者による職場の安全点検を実施し、以前の労使合同による職場巡視結果と併せて、改善対策の提案に反映させてきた。さらには、労働組合による参加型の産業保健トレーニングを開催するようになった。この参加型の産業保健トレーニングは、従来の労働衛生教育とは異なり、少人数によるグループワークを重視したもので、実際の職場の災害事例や安全衛生上の課題を参加者が討論し、改善提案まで行える能力を養うことを目的としており、この実践的なトレーニングは5日間かけて行われる。改善提案はパッカー車の改造から収集場所の改善、ヘルメットや手袋などの保護具や作業服の改良にまで及んだ。この時期の産業保健活動の特徴は「労働者参加」というキーワードで表現できるが現在に至るまで継続して行われている。

◇リスクアセスメントからリスクマネジメントへ、さらにリスクコミュニケーションの展開
 これまでの東京清掃の産業保健活動をリスクへの対応という観点からまとめると、1986年からの5年間は腰痛症の発症要因の評価(リスクアセスメント)をもとに安全作業マニュアルの作成や改善対策の提案(リスクマネジメント)が定着し、1991年からは安全作業マニュアルの改訂や改善提案の評価と再提案が行われ、さらに、これらのリスクマネジメントの実施への労働者の理解と参加協力の促進、労働組合による参加型の産業保健トレーニングの修得を通じた労働者の安全衛生意識や改善対策の提案能力向上の促進、すなわち、リスクコミュニケーションを確立してきた。

効  果:
  1. 1984年から1994年までの約10年間に、公務災害ではないかと申請された腰痛症2,297件と労働災害9,272件を、前述した産業保健活動の進展と比較するため、年間の常勤労働者100名あたりの罹患率を経年的に比較検討した。なお、公務災害として申請された腰痛症及び労働災害の認定率は各々98.7%と100%でほとんどが認定されている。
  2. 腰痛症については、1985年時点で332件(2.67件/100労働者)であったものが、1990年142件(1.26件/100労働者)、1994年には92件(0.87件/100労働者)と減少しており、OSHMSを活用した腰痛症対策を実施した結果、腰痛症発症を約30%に抑えることができた。
  3. 労働災害全体については、1985年1,057件(8.51件/100労働者)であったものが、1990年759件(6.76件/100労働者)、1994年には533件(5.02件/100労働者)と減少していたが、腰痛症を除外した労働災害だけでみると、1985年725件(5.84件/100労働者)であったものが、1990年617件(5.49件/100労働者)、1994年には441件(4.15件/100労働者)となっており、1991年以降の参加型産業保健活動は腰痛症以外の労働災害発生の予防効果も期待できることが示唆された。

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:15 投稿日:2004年6月1日
事業所・団体名: 中央労働災害防止協会(産業分類:サービス業、従業員規模:100〜499人)
寄稿者(敬称略): 笠原國昭
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務
題  名: JISHA方式適格OSHMS認定事業の実施状況について
目  的: ◇適切かつ効果的な労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進に向けて◇
 中央労働災害防止協会(中災防−Japan Industrial Safety and Health Association(JISHA))は、これまで事業場の労働安全衛生マネジメントシステム(Occupational Safety and Health Management System(OSHMS))への取り組みを支援するため担当者の養成研修等各種の事業を行ってきましたが、平成15年3月から、事業場のOSHMSを評価し、認定するJISHA方式適格OSHMS認定(適格認定)事業を開始いたしました。
内  容: 1. 概要
 適格認定は、中災防が事業場からの依頼を受け、事業場のOSHMSについて、厚生労働省の指針に基づき適切に導入され、かつ、安全衛生水準の段階的向上のために適切に運用されていることをJISHA方式適格OSHMS基準(適格基準)により評価し、この基準に適合しているものをJISHA方式適格OSHMS認定事業場(認定事業場)として認定するものです。認定を受けた事業場は、中災防がJISHA方式適格OSHMS認定事業場名簿に登録し、中災防ホームページ、月刊誌等で公表しています。

2.適格認定の単位
 原則として事業場を単位とします。

3.JISHA方式適格OSHMS基準
 基準は、厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」、ILO(国際労働機関)の「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」を踏まえて中災防が策定したものです。

4.評価方法
 中災防のJISHA方式OSHMS評価員が書面調査(事業場による自己評価の結果及び関係書類の提出を受けての調査)及び実地調査(事業場でのヒアリング、職場視察等による調査)により行います。

5.認定の有効期間
 認定を受けた日から3年間

6.実施機関
 適格認定は、中災防と豊田安全衛生マネジメント株式会社(TSHM)が実施しています。
 中災防は、TSHMを実施機関(JISHA方式OSHMS評価認定機関)とする契約を同社と締結しています。
 TSHMが認定した事業場は、中災防が認定した事業場と同じく認定事業場名簿に登録されます。
 TSHMは、豊田グループ14社とその関連企業であってTSHMの賛同会員である事業場を対象に、適格認定を実施しています。

効  果:  事業場にとっては、OSHMSの導入そのものによる成果と適格認定つまり第三者評価を受けることによる成果があります。これらについて主に認定事業場のトップのコメントを整理すると次のようなものが挙げられます。

1.導入の成果
(1)体系化
  • 権限と責任が明確化した。
  • 現状把握ができ、あるべき姿が明確化した。
  • 安全衛生管理の技能の伝承ができた。
  • ゼロ災運動と一体化して運用することができた。
(2)リスクアセスメント
  • 災害ゼロが達成できた。
  • リスクの低減を図ることができた。
  • 危険の再認識をすることができた。
  • 残留リスクへの取り組み意識が向上した。
  • 非定常作業における危険予知レベルが向上した。
(3)スパイラルアップ
  • ライン管理者の取り組み姿勢が確立し、意欲が向上した。
  • 日常的な点検に基づく改善が行われるようになった。
  • システム監査で評価することにより、スパイラルアップができた。
  • システム監査を通じて各職場の知恵を水平展開することができた。
2.第三者評価による客観的な評価、認定取得の成果
  • 自事業場の強みと弱みを認識することができた。
  • 新たな対応への動機付けとなり、今後の方向性を認識することができた。
  • 安全衛生に関する視野が広がった。
  • 認定の取得により自信をもつことができ、取り組み意欲が向上した。
  • 安全衛生への積極的な取り組みを社外へ情報発信することができた。

参考ホームページ: http://www.jisha.or.jp/frame/index_profile1.html

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:18 投稿日:2004年6月4日
事業所・団体名: 労働者健康福祉機構(産業分類:サービス業、従業員規模:500人以上)
寄稿者(敬称略): 亀井太
キーワード分類: その他(海外在留邦人医療)
題  名: 海外派遣労働者健康管理支援システム
目  的:  企業活動の国際化が進む現在、海外に滞在する派遣労働者及びその家族を中心とする長期在留邦人の数は80万人を越えている。また、海外出張者、旅行者等に至っては年間17百万人に及ぶ。
 一方、先般のSARS問題をはじめ、現地での言語・文化の違いによる精神的ストレス、滞在国周辺における政情不安、テロに対する不安等、海外在留邦人の健康及び安全に関する不安は依然として大きい。また、これらは労働者の海外勤務拒否等、海外における企業活動の妨げとなることも懸念される。
 海外派遣労働者健康管理支援システムはこれら諸問題を解決し、海外在留邦人が海外で健康に生活できる環境を整備するとともに企業が社員の海外赴任に伴い負担する諸経費の効率化を図るものである。
内  容: 1.経緯
 労働者健康福祉機構では労災保険特別加入制度(労働者災害補償保険法第36条)の設立後、昭和59年から海外で勤務する海外派遣労働者を対象とした「海外巡回健康相談制度」を開始し、平成4年度からは海外勤務健康管理センターを設置・運営してきている。また、平成3年度からは現地在留邦人が利用できる海外の病院を「海外友好病院制度」を創設し、海外派遣労働者の支援にあたっている。
 なお、労働安全衛生法(労働安全衛生規則第45条の2)では6ヶ月以上労働者を海外に派遣する際には派遣前及び派遣後の健康診断を義務付ける等、海外における労働者の健康管理を奨励しており、労働福祉事業団では海外勤務者健康管理センターを中心に各労災病院において当該健康診断を実施してきたところである。

2.海外派遣労働者健康管理支援システムの概要

(1) 海外派遣労働者健康管理サービス
   海外派遣労働者に対し、出発前から派遣中、帰国後及びその後のフォロー等を含め、トータルな健康管理サービスを行う。
A. 海外赴任前
●労働安全衛生法に基づく派遣前健診の実施
●英文健康診断書の作成
●海外赴任に際しての健康相談の実施
●現地医療情報、薬剤情報の提供

B. 海外赴任中
●海外巡回健康相談の実施
●日本国内の医師による個別Eメール(FAX相談)相談の実施
●現地海外友好病院等医療機関、健診機関の紹介
●日本国内での治療を希望する者に対する国内医療機関の紹介
●一時帰国時の人間ドック、健康診断の実施
●現地医療情報等の提供(ウェブサイト)
●現地で利用可能な医療保険に関する情報提供

C. 本帰国後
●労働安全衛生法に基づく帰国後健診の実施
●フォローアップ健康管理の実施
(2) 海外勤務健康管理指導者(医師、看護士等)の育成
   海外における健康管理の特殊性に鑑み、海外派遣労働者の健康管理を行う知識・経験を有する海外勤務者健康指導者(医師、看護士等)の育成を行う。
  1. 医師、歯科医師及び看護士等に対する海外勤務者健康管理セミナーの実施
  2. 人材データベースの作成
(3) 海外友好病院との協力
   海外の優良な医療機関等と友好関係を結び、関係者の技術交流及び人材交流を行うことにより海外派遣労働者が現地で安心して受診できる医療環境の整備を図る。具体的にはインターネット等を用いた情報交換体制の整備をする。
効  果:
  1. 海外赴任前に自身の健康状態を知ることにより現地で適切な健康管理・生活管理ができる。
  2. 赴任前に現地の医療事情をはじめ、現地の状況を把握することにより、現地での言語・文化の違いによる精神的ストレス、特に健康に関する不安を緩和することができる。
  3. 巡回健康相談、E-メール相談等を通じ、海外から日本語で医師のアドバイスを得る事により、より適切な対処方法が把握できる。また、相談により精神的にも落ち着くことができる。
  4. 現地医療機関情報等を利用する事により現地における日々の健康管理がより充実したものとなる。
  5. 出国前から一時帰国時、本帰国、その後のフォローアップを含め一貫した医療サービスを受ける事により生涯を通じた健康管理が行える。
  6. 企業が社員の海外赴任に伴い負担する諸経費の効率化が図れる。
参考ホームページ: http://www.johac.rofuku.go.jp/

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:19 投稿日:2004年6月8日
事業所・団体名: 特定非営利活動法人東京労働安全衛生センター(産業分類:サービス業、従業員規模:1〜4人)
寄稿者(敬称略): 仲尾豊樹
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 参加型活動にとってトレーニングツールと企画運営は成功の秘訣である
目  的:  特定非営利活動法人東京労働安全衛生センターは労働安全衛生のNGOとして、労災被災者支援活動を東京東部地域で1979年から行っている。相談に訪れる労災被災者の数は多く、本年4月の継続相談件数は日本人156件、外国人105件である。労災被災者を少なくするには予防活動を重視しなければならない。私たちはそのための「労働者・労災被災者自身による自主的な安全衛生活動」が不可欠と考え、参加型労働安全衛生トレーニング=東京労働安全衛生学校を11年にわたって行ってきた。参加型活動の成功の決め手は、当事者のニーズにあった、参加の楽しさや改善意欲が促進されるトレーニングデザインである。そのためには、(1)トレーニングツール(アクションチェックリスト、トレーニングマニュアル、フォローアップシート)が簡便で応用しやすいものになっていること、(2)トレーニングの企画・運営(準備・訪問職場選定、プログラム時間配分、フォローアップ体勢)が適当であること、が必要である。私たちが地域の中小零細事業場に受け容れられるように工夫している、トレーニングツールと企画運営方法について報告したい。
内  容:

1. トレーニングツール

実践事例19のイラスト

  • アクションチェックリスト:私たちの使用するチェックリストは、実践を重視する改善が不必要か必要かを即座に判断できるアクション型で作られている。また毎年改定を重ね、現在は物の運搬と保管(8項目)、作業を人間にあわせる(6項目)、機械と設備の安全(5項目)、有害作業環境の改善(11項目)、福利厚生設備、作業編成と環境保護(7項目)の計37項目である。特徴的なのは、右例のような、それぞれのチェック項目にあったカラーのオリジナルイラストがついていることである。中小零細事業場の労働者は文章を読むよりも視覚に訴えたほうがわかりやすいし、外国人労働者も多いためイラストの効用は大きい。写真を例示する方法もあるが、重要なポイントを指摘するにはイラストが一番である。
  • トレーニングマニュアル:トレーニングマニュアルはアクションチェックリストの分野ごとにパワーポイントで作られている。まず各分野の原則を示し、原則に沿ったアクションチェックリストのイラストを示し、よい事例の写真をしめしていく。一つのプレゼンテーションは30分を限度として、最後には必ずグループ討論の課題を入れる。グループ討論の課題は「アクションチェックリスト演習で訪問した事業場の、この分野でのよい例3つと改善すべき点3つを指摘する」ことである。
  • 二日間のトレーニングの最後に、二つのアクションプランの立案が要求される。一つ目は「訪問した事業所について二日間のトレーニングを通じ学んだよい点3つ、改善すべき点3つ」を各グループで決定すること。二つ目は「二日間のトレーニングで自分が6ヶ月をめどに行う改善目標を3つ」作ることである。訪問した事業場への報告は私たちが作るが、自らのアクションプランは参加者自身が発表して、半年後にフォローアップシートに記入して持ち寄ることにしている。

2. 企画・運営

  • 準備・訪問職場決定:ひとつの参加型トレーニングの準備には約2ヶ月かける。その中で重要なのは訪問職場の決定と参加者集めである。訪問職場はチェックリストに網羅される項目がなくてはならない。また職場見学を受け容れてくれる労使の信頼関係が出来ていないと難しい。さらに移動が30分以内であることが望ましい。これを満たしている事業場との交渉に入っても、断られる場合も多い。安全衛生学校の定員は20名であるが、当センターの会員になっている労働組合や個人などと、ふだんから信頼関係を作っておくことが大切である。
  • プログラム時間配分:参加者の職場事情を考慮して、トレーニングは金土の二日間で行う。一つの技術分野は1時間として、その時間配分は25分のファシリテーション、20分のグループ討議、15分の発表と全体討論で収めている。10時と3時の休憩と昼休みを入れて、二日間のコースを9時から17時の時間帯で終わらすと、かなりタイトなスケジュールとなる。参加者の事後評価で常に多い回答は「時間が足りない」である。時間通りのトレーニング進行に常に気を使っている。
  • フォローアップ体勢:当センターは数年前から4月に改善事例発表会を行い、前年一年間に地域の中小零細事業場で行われた改善の相互交流を行ってきた。東京労働安全衛生学校が秋に行われるので、昨年から4月の改善事例発表会とフォローアップ発表会を兼ねることにして、トレーニング参加者の再会をお願いしている。本年の改善事例発表会は、約20名の人々が集まり、その中から「職場改善大賞」を選考、表彰を行った。
効  果:  当事者のニーズにあったトレーニングツールと企画運営方法は、参加型活動がよりいっそう具体的で持続的なものになることに大きく貢献している。イラスト入りのチェックリストは参加者に好感をもって受け容れられた。パワーポイントを使ったプレゼンテーションは、建設現場など多分野のより具体的な現場改善活動に応用され、フォローアップ時に参加者自らの手で作ったものを報告した例もある。フォローアップシートは、改善事例発表会に参加できなかった人々からも送られてきた。特に改善事例発表会で優秀だったものに送られる「職場改善大賞」は大変インパクトがあり、本年受賞した某製缶工場の場合、発表者自身が喜んだばかりでなく社長さんからも産業医を通じて感謝の意が伝えられた。参加型活動デザイン(トレーニングツールと企画運営方法)の工夫と改善によっては、中小零細事業場が集中する地域で、労働者・労災被災者を中心においた安全衛生トレーニングのPDCAサイクルを確立することができると思われる。
参考ホームページ: http://www.jca.ax.apc.org/etoshc/

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:20 投稿日:2004年6月8日
寄稿者(敬称略): 中桐孝郎
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 労働組合がつくる「安全文化」の追求
内  容: ●世界で取り組まれる安全衛生文化の創造●
 今日、連合が加盟する労働組合の国際組織、ICFTU(国際自由労連)から礼状が送られてきました。10年前から取り組んでいる「4月28日、労災死傷者国際追悼記念日」への参加に対するものです。このイベントに世界で100カ国、500万から1,000万人の労働者が参加しました。連合は、4月29日に東京で開かれた中央メーデー会場で初めてこの記念日とILOの「仕事における安全と健康のための世界の日」、そして、HIV/AIDSのキャンペーン活動を行いました。

●連合の労災防止対策5カ年計画●
 連合は今、労働組合による安全衛生活動の第2次5カ年計画に取り組んでいます。これは、昨年からスタートした政府の第10次労働災害防止計画に対する労働組合からの提言と自らの活動目標を示したものです。連合の全ての産業別組合、地方連合会、企業別組合、安全衛生センターがその活動の主体です。労働組合は、もっともっと政府の10次防活動に参加し、安全で健康な職場を求める権利を労働者の代表として政府や使用者と交渉し、その説明責任も果たしていこうと呼びかけています。

●安全週間に向けた二つの労組の取り組み●
 この間、全国安全週間に向けて、2つの組合に呼ばれて講演に出かけました。一つは、金属産業労働者でつくるJAM埼玉という産業別組合の地域組織が主催した研修会です。朝10時から午後5時までの一日研修会ですが、100名以上の参加者のうちほぼ半数は会社側の安全衛生管理者です。午前中は私の講演で「労災保険民営化の問題点」。会社側の代表の前で講演するのは初めての経験で緊張しました。午後は会社側の代表が安全衛生活動に関する事例報告です。同じ会社の労使がペアで参加しているのですが、もう長い歴史があるとのこと。「組合員は元組合役員が人事や労務に行くといやがるが、安全衛生なら同じ目的でやっているので労使とも違和感はありません」との談。労働組合が会社に呼びかけ、毎年、安全週間に違う会社の労使が共に一日、勉強する。この伝統こそ労働組合の安全文化だな、と感心しました。
 この組合は、物作りの伝統の中でこのような文化を育ててきたと思いますが、大阪でも、連合近畿労働安全衛生センターが進めている連合版の中小職場向けOSHMS開発で、実際の事業場を提供し、労使が積極的に参加しています。文化が広く共有されている事例です。
 二つめは、連合神奈川が6月はじめに開いた第2回労働安全衛生ネットワーク会議です。この地方連合会は、連合の5カ年計画に従って安全衛生センターづくりを検討する中で、まず、ネットワーク会議を立ち上げました。事業場の組合の安全衛生担当者と政府が任命した労災防止指導員を中心に、今回初めて実際の事業場を借りて安全パトロールをし、その結果を会社側も参加して意見交換を持ちました。藤沢にある荏原製作所がその協力企業です。私は、5カ年計画について講演し、その後、地方労働局の安全担当者から、10次防の1年目にあたる昨年、労災発生を2割削減する目標が達成できず、逆に増加したことを報告しました。今後どうしていくか、参加者は皆、あれこれ考えたことでしょう。行政とともに労働組合、そして労災発生事業場をパトロールして事業主に助言する労災防止指導員の役割が期待されます。

●多くの事例をインターネットフォーラムに投稿して下さい●
 これらの活動は、全国で毎年、安全週間や衛生週間を利用して実施されています。産業別では自治労やJAMなど、地方連合会は都道府県と地方ブロック単位で連合セイフティネットワーク集会を開き、労災防止指導員の研修などを実施しています。昨年からは、地震などの防災対策もテーマにしています。人づくりを通じて、安全衛生のマインドを持った若い後継者を育て労働組合の安全文化の伝統をつくる、このような活動が労働組合による予防的な安全衛生文化の創造につながる道だろうと考えています。
 このフォーラムに多くの労組が是非、今年の安全週間への取り組み事例をご報告頂くようお願いします。


◇ 情 報 番 号 20 へ の 対 話 ◇

情報番号:22 投稿日:2004年6月15日
事業所: 連合東京
寄稿者(敬称略): 岩崎美希
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 労災防止指導員の活用
内  容:  中小企業における安全・健康文化の推進のために、労災防止指導員の活用を考えてはいかがでしょうか。

労災防止指導員とは
 主に中小規模事業場における安全衛生管理活動や労災防止対策の向上を支援するために事業場を訪問し、職場安全衛生活動の経験や知識をもとに、労働基準監督署などの行政とは違った視点から改善のアドバイスを行う厚生労働省の都道府県労働局長に任命された労使の専門家。1965年(昭和40年)に制度化され、任命資格として「社会的信望があり、産業安全または労働衛生に関し学識経験を有するもの」とある。現在全国で約1,500名が各労働基準監督署に配置されており、その利用については最寄の労働基準監督者に相談。

活動内容
 各労働基準監督署ごとに具体的な活動の内容が異なるが、一例をあげれば、
  1. 監督署主催の「安全衛生大会」「再発防止講習会」等への参加および講演・コメント
  2. 管内事業場のパトロール(点検・指導助言・事後フォロー)
  3. 全体会議・交流会等への参加による指導員自身の研修・資質向上のための活動
等があり、年間を通して活動している。

指導員活用のメリット
(1)費用負担の軽減
 事業場規模で見た場合の日本の労働災害発生状況は1,000人以上事業場と比較すると100〜299人事業場で5.7倍、30〜99人事業場で8.8倍と大きな開きがあり(平成14年厚生労働省「労働災害動向調査」)、中小・零細事業場における自主的な活動にあたってのコスト的、人的な問題の存在がうかがえる。公的な制度である労災防止指導員を利用すれば費用負担なく効果的な改善に向けて助言や情報が得られる。

(2)異なる視点からのアプローチ
 自分の職場あるいは同業種のパトロールは、その業種特有の専門的視点からの見方ができる反面、惰性的・妥協的見方も存在してくる。いってみれば異業種の労災防止指導員によるパトロールは、各種労災防止協会や事業主団体等が行う日常的なパトロールで見過ごされがちな点などが実際に多く指摘されており大変重要かつ効果的であるといえる。

(3)経験や実態に基づくアドバイス
 労災防止指導員は都道府県労働局や労働基準監督署をはじめ安全衛生に関する各種団体等と連携体制にある。様々な情報をタイムリーに得られることに加え各企業や労働組合で実際に安全衛生活動に関わっていることもあって具体的な改善事例を数多く経験している。指導員個々人の所属や経歴等によって知識の内容に多少の差異は否めないが、行政指導とは違った意味で、より身近で実現可能な助言・提案や情報を期待できる。

指導員の1人として...(所感)
 指導員歴5年の間に、製造工場、建設現場、運輸(倉庫)業といくつかの事業場や現場のパトロールを担当した。実際に死亡事故が起きて初めて事の重大さを知り「何から手をつけてよいかわからない」と困惑する経営者とのやりとりから、「無事故○○日継続中」といったような管理体制の整った事業場での先駆的な取り組みまで、一つとして同じ所はなく、毎回身の引き締まる思いである。実際のパトロールにおいて、化学薬品のにおい、機械作業の騒音や熱、屋外作業での緊張感などを体感すると、その職場で日々働く労働者の安全・安心と健康を心から願わずにいられない。
 「安全・健康文化」を考えるとき、私がパトロールで気づいたほんの些細な改善点や心構えが、必ずや管理監督者をはじめその職場全体の注意を喚起し、効果的な方策や良い習慣に結びつくと信じて、切磋琢磨しながら今後も活動を続けていきたい。

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: 内容はこちら

 


◇ 情 報 番 号 1〜27 へ の 対 話 ◇

情報番号:29 投稿日:2004年6月30日
事業所・団体名: 財団法人労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 小木和孝
キーワード分類: 安全・健康一般、その他(異業種間の協力)
題  名: 「良好実践」への私たち共通の取り組み
内  容: 内容はこちら


情報番号:21 投稿日:2004年6月14日
事業所・団体名: 財団法人 労働科学研究所(産業分類:サービス業、従業員規模:30〜99人)
寄稿者(敬称略): 伊藤昭好/酒井一博
キーワード分類: 安全・健康一般、危険有害業務、ストレス/メンタルヘルス、化学物質、人間工学、その他(参加型改善)
題  名: 自主参加型労働安全研修による職場活動の活性化
目  的:
  • 参加型で対策指向の労働安全衛生研修を毎年定期的に行っていく例として、川崎市における12年間の経年実施事例についてまとめて報告する。自治体には、現場作業から対人サービス、行政事務まで多種の業種があり、異業種・異職場間で経験交流しながら研修を進める例となっている。各産業の企業内取り組みにも参考になると思われる。
  • 小グループ討論を基本におく参加型安全衛生研修は、実際の事例について問題解決のすすめ方を学ぶことができ、多くの効果を挙げている。しかし、自職場に戻って、より多くの仲間の参加を促して継続して問題解決に当たるようにするには、なお研修課題の組み方を工夫する必要があった。そこで、5日間の研修をいくつかに分散する期間分散型の研修を企画した。その実践結果を次の研修日に報告するように研修をすすめることで、自職場へ戻って実践課題を積極的に取り上げるための研修に力点をおいた。
  • 職場改善のツールとして、改善例と対策選択式アクションチェックリストを用い、リスクアセスメントが容易に行えるように支援した。そして、実践課題で遭遇した困難点を研修日に検討するようにして、安全衛生活動になにが必要かを明確にするように研修を行った。
内  容:  1992年の第1回の川崎市労働安全衛生研修に始まり、毎年秋に5日間の参加型研修を実施している。アクションチェックリストを活用して改善提案を行う対策指向の研修が定着してきた。他方、自職場に戻って仲間の参加を促して問題解決に当たる上では、困難も認められた。そこで、2001年からは、研修期間を分割して、研修参加者が実践課題を選択して職場改善に実際に取り組む時期をはさみ、それを研修後期にフォローアップする方式に移行した。

《小グループ討論を繰り返し、自分たちで考え答えをだす研修方法の定着》
 研修のメインテーマは、「チェックリストを活用した快適な職場づくり」「安全衛生活動の活性化」「職場改善で進めよう」など、参加型の職場改善実施を毎回取り上げてきた。自治体内の各種職場の労使約30名が5日間研修するが、ビデオセッションでの現場点検の演習、チェックリストを用いる職場改善について小グループ討論を繰り返す方法が定着してきた。2時間の各セッションのテーマは、(1)VDT作業などの改善ポイント、(2)作業の人間工学、(3)有害物対策、(4)温熱・照明・騒音、(5)メンタルヘルスなどであるが、いずれも短時間の講義後にグループ討論、発表を行う方法をとるようになった。職場訪問も活用し、テーマごとに現場例について自分たちで考えて、現場のよいところに学んで答えを出す方法に徹してきた。

《期間分散型の研修方式への移行》
 2001年以降は、期間分散型の研修日程に移行した。前期と後期に分け、さらに後期を2ないし3回に分散して行い、その間隔期間に実践課題(職場改善アクションと安全衛生委員会の活性化など)について自職場で実践する方式をとった。前期と後期のスケジュールは、2002年度から、下記のように前期研修、自職場改善期間、後期研修の3部で構成した。
1. <前期研修>(2日間)
 人間工学改善、有害物対策、快適環境、メンタルヘルスなどのテーマごとに、リスクアセスメントと職場改善をどう行うかを小グループ討論により研修する
2. <自職場における実践課題の体験期間>(約1ないし2ヶ月を2回か3回繰り返す)
 自職場の安全衛生委員会の該当職場で責任者に安全衛生方針を定めるよう働きかけ、安全衛生委員会としてリスクアセスメントを実施し、確認したリスクのうち優先度の高いものを取り上げて新規のアクション(職場改善)を起こす(同じ安全衛生委員会に所属している他の研修参加者がいればお互いに協力してアクションを進める)
3. <後期研修>(33日間、なるべく各日の間にも実践課題期間をおく)
 自職場で行った実践課題を報告し合い、リスクアセスメント結果と職場改善について小グループ討論で検討し、安全衛生委員会の取り組み、リスクマネジメントシステムの導入など、リスクアセスメント実践のフォローアップについて研修する
 2002年度からは後期の各研修日間に実践課題期間をおく分散期間方式をとっている。参加者の職場で安全衛生方針がかならず策定されるようになり、安全衛生委員会の活動が活性化して、リスクアセスメントと職場改善が取り組まれるようになった。後期中に報告された実践課題例は、次のように実際的なものが多かった。
  • 事業所長による当年度の安全衛生方針の決定と掲出
  • 事業所内安全衛生委員長会議の開催
  • VDT使用状況の調査と環境・執務姿勢の改善
  • 仕事場内の段差改善と非常口のスロープ設置
  • 整理・整頓と仕事のしやすい職場環境のグループによる検討と改善
  • 転落防止用の窓開閉制限とストッパーの設置
  • 市民向けパンフレット等の配置だなの改善と再整理
  • 調理作業の安全設備の充実と作業姿勢の改善
  • トイレの手洗い箇所における消毒液容器の再設置
  • 分煙化の推進と休憩設備の改善
  • 総合庁舎における二輪車駐車場出入り口の安全管理
  • レイアウト委員会の発足と整理・整頓の改善

《後期研修で行う実践課題フォローアップの有効性》
 実践課題の達成度は高く、安全衛生委員会の活性化が参加者の多くの職場から報告された。自職場の労使が参加している安全衛生委員会でリスクアセスメントを実施し、新規のアクションを提案して改善を実際に行う方式が成功したと考えられる。前期でアクションチェックリストを活用し、幅広いリスクを取り上げる具体的な方法を研修しておいたことが役立ったと認められる。実践活動のフォローアップを参加者のグループ討論で行うことが実践内容の質の確保に有効に作用したとみられる。

効  果:
  1. 前期でリスクの見直しと職場改善点について討論し、後期で実践課題体験をフォローアップする期間分散型の研修によって、研修のねらいとする自職場安全衛生活動の活性化を図ることができた。
  2. 実践課題の体験期間をおいてから後期研修を行う方式により、アクション・オリエンテッドの視点を強化することができた。この対策指向を育成する上で、自職場の安全衛生方針の策定、安全衛生委員会によるリスクアセスメントの実施、具体的な職場改善アクションの短期実施は、いずれも適切な課題設定であることが確かめられた。
  3. 実践課題の体験期間をおいてその相互の経験を報告し合うことにより、異業種・異職場間の経験交流が促進された。この実践過程を含む経験交流により、職場活性化の重要性についていっそうよく研修することができた。
 以上の効果から、期間分散型の研修の有効性が確かめられたので、今後さらに充実して実施していく予定である。
参考ホームページ: http://www.isl.or.jp

◇ 情 報 番 号 1〜25 へ の 対 話 ◇

情報番号:26 投稿日:2004年6月18日
寄稿者(敬称略): 寺本隆信
キーワード分類: 安全・健康一般
題  名: 日本の安全・健康文化の姿
内  容: