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モルホリンICSC: 0302 (11月 2000)
酸化ジエチレンイミド
テトラヒドロ-1,4-オキサジン
CAS登録番号: 110-91-8
国連番号: 2054
EINECS番号: 203-815-1

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 引火性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  35℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。  裸火禁止、火花禁止、禁煙。  35℃以上では、密閉系、換気、および防爆型電気設備。  水噴霧、粉末消火薬剤、アルコール耐性泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 ミストの発生を防ぐ! あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 灼熱感。 咳。 息苦しさ。 息切れ。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 「注」参照。
 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。 皮膚熱傷。 水疱。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 かすみ眼。 重度の熱傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 灼熱感。 咳。 下痢。 吐き気。 ショック/虚脱。 嘔吐。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 吐かせない。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):8; 国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):3; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・耐火設備
・強酸化剤および酸から離しておく
・乾燥
 
包装
 
モルホリン ICSC: 0302
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の吸湿性液体。 

物理的危険性
 

化学的危険性
燃焼すると、分解する。 有毒な窒素酸化物および一酸化炭素のフュームを生じる。 本物質は、中程度の強塩基。 強酸化剤と反応する。 火災の危険を生じる。 プラスチック類、ゴムおよび被覆剤を侵す。 銅、亜鉛容器に貯蔵すると、不安定である。 

化学式: C4H9NO
分子量: 87.1
・沸点:129℃
・融点:-5℃
・比重(水=1):1.0
・水への溶解度 : 混和する
・蒸気圧:1.06 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.00
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.01
・引火点:35℃ (c.c.)
・発火温度:310℃
・爆発限界:1.4-11.2 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):-0.86  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
肝臓および腎臓に影響を与えることがある。 


許容濃度
TLV: 20 ppm (TWA); (皮膚); A4(人における発がん性が分類できていない物質).
MAK: 36 mg/m3;10 ppm; ピーク曝露限度カテゴリー: I(2); 妊娠中のリスクグループ: D;.
EU-OEL: 36 mg/m3, 10 ppm (TWA); 72 mg/m3, 20 ppm (STEL); 

環境
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・肺水腫の症状は、2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する 

付加情報
  欧州分類
記号:C; R:10-20/21/22-34; S:(1/2)-23-36-45 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021