« 検索結果一覧に戻る  
ジメチルジクロロシランICSC: 0870 (5月 2002)
クロロジメチルシラン
CAS登録番号: 75-78-5
国連番号: 1162
EINECS番号: 200-901-0

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 引火性が高い。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。  裸火禁止、火花禁止、禁煙。 高温面との接触禁止。  密閉系、換気、防爆型電気設備および照明設備。 充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。  AFFF(水性膜泡消火薬剤)、二酸化炭素、乾燥砂、特殊粉末消火薬剤を使用する。 水系消火薬剤は不可。 水は不可。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 直接水をかけない。 

 作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 灼熱感。 咳。 咽頭痛。 息苦しさ。 息切れ。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 「注」参照。
 
皮膚 発赤。 痛み。 水疱。 皮膚熱傷。  保護手袋。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 重度の熱傷。  安全眼鏡を着用する。 顔面シールドを着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 灼熱感。 腹痛。 ショック/虚脱。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 吐かせない。 何も飲ませない。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の非プラスチック容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
・下水に流してはならない
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):3; 国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):8; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・耐火設備
・混触危険物質から離しておく
・「化学的危険性」参照
・冷所
・乾燥
・不活性ガス中に保管
・密封
 
包装
・気密
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる 
ジメチルジクロロシラン ICSC: 0870
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
刺激臭のある、無色の 発煙性の液体。 

物理的危険性
蒸気は空気より重く、地面に沿って移動して、遠距離発火の可能性がある。 

化学的危険性
加熱すると、分解する。 塩化水素およびホスゲンを含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 水と 激しく反応する。 塩化水素(ICSC 0163 参照)を生じる。 アルコールおよびアミンと 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 

化学式: C2H6Cl2Si / (CH3)2SiCl2
分子量: 129.1
・沸点:71℃
・融点:-76℃
・比重(水=1):1.07
・水への溶解度 : 反応する
・蒸気圧:14.5 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):4.4
・引火点:-9℃ (c.c.)
・発火温度:380℃
・爆発限界:1.4-9.5 vol%(空気中) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:蒸気の吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質およびその蒸気は、眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 曝露すると、死を引き起こすことがある。 医学的な経過観察が必要である。 「注」参照。 

吸入の危険性
20℃で気化したとき、空気中で有害濃度に達する速度は不明である。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
 

環境
 

・水などの消火薬剤と激しく反応する
・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する
・したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する
・メチルジクロロシラン(ICSC番号0297)の毒性情報からこの物質の毒性を推測する 

付加情報
  欧州分類
記号:F, Xi; R:11-36/37/38; S:(2) 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021