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五酸化リンICSC: 0545 (9月 1997)
CAS登録番号: 1314-56-3
国連番号: 1807
EINECS番号: 215-236-1

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性だが、他の物質の燃焼を助長する。 多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    水または可燃性物質との接触禁止。    粉末消火薬剤、二酸化炭素、乾燥砂を使用する。 水系消火薬剤は不可。   

 粉塵の拡散を防ぐ! あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咽頭痛。 咳。 灼熱感。 息切れ。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 痛み。 水疱。 皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 
痛み。 充血。 重度の熱傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 胃痙攣。 灼熱感。 下痢。 咽頭痛。 嘔吐。  作業中は飲食、喫煙をしない。  吐かせない。 安静。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる
・残留分を、ソーダ灰または炭酸カルシウムで注意深く中和する
・残留分を多量の水で洗い流す
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):8; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・可燃性物質、還元剤、強酸化剤、強塩基、水および食品や飼料から離しておく
・乾燥
 
包装
・気密
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
五酸化リン ICSC: 0545
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
吸湿性の 白色の 結晶または粉末。 

物理的危険性
 

化学的危険性
水溶液は、強酸である。 塩基と 激しく反応し、腐食性を示す。 過塩素酸と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 水と 激しく反応する。 リン酸を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 

化学式: P2O5
分子量: 141.9
・昇華点:360℃
・融点:340℃
・比重(水=1):2.4
・水への溶解度 : 反応する 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、強い腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 粉塵を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかし拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
EU-OEL: 1 mg/m3 (TWA);.
MAK: (吸引性画分): 2 mg/m3; ピーク曝露限度カテゴリー: I(2); 妊娠中のリスクグループ: C; 

環境
 

・水などの消火薬剤と激しく反応する
・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する
・したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する
・この物質中に水を注いではならない。溶解または希釈する時は、必ず水の中にこの物質をゆっくり加えること 

付加情報
  欧州分類
記号:C; R:35; S:(1/2)-22-26-45 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021