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トルエンICSC: 0078 (11月 2023)
メチルベンゼン
フェニルメタン
トルオール
CAS登録番号: 108-88-3
国連番号: 1294
EINECS番号: 203-625-9

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 引火性が高い。  蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。 強力な酸化剤と接触すると、火災および爆発の危険性がある。  裸火禁止、火花禁止、禁煙。  密閉系、換気、防爆型電気設備および照明設備。 帯電を防ぐ(例えばアースを使用)。 充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。 火花防止工具を使用する。 強力な酸化剤との接触禁止。  泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素、水噴霧を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 あらゆる接触を避ける!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咽頭痛。 咳。 めまい。 嗜眠。 頭痛。 吐き気。 意識喪失。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 皮膚の乾燥。  保護手袋。  少なくとも15分間多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。  安全ゴーグルを着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 誤嚥の危険性! 灼熱感。 腹痛。 嘔吐。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 何も飲ませない。 吐かせない。 直ちに医療機関に連絡する。 「注」参照。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:化学保護衣および自給式呼吸器
・換気
・すべての発火源を取り除く
・下水に流してはならない
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

flam;flameexcl mark;warncancer;health hazenviro;aqua
引火性の高い液体/蒸気
飲み込んで気道に侵入すると、生命に危険のおそれ
皮膚刺激
眠気やめまいのおそれ
生殖能または胎児への、悪影響のおそれの疑い
長期または反復曝露による神経系の障害のおそれ
長期的影響により、水生生物に毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):3; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・密封
・耐火設備
・強酸化剤から離しておく
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・元の容器でのみ貯蔵
 
包装
 
トルエン ICSC: 0078
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の液体。 

物理的危険性
この蒸気は空気とよく混合し、爆発性混合物を生成しやすい。 流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。 

化学的危険性
硝酸などの強酸化剤および硫酸と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 刺激性で有毒なガスを生じる。 

化学式: C6H5CH3 / C7H8
分子量: 92.1
・沸点:111℃
・融点:-95℃
・比重(水=1):0.87
・水への溶解度 : 溶けない
・蒸気圧:3.8 kPa (25℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.1
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.01
・引火点:4℃ (c.c.)
・発火温度:480℃
・爆発限界:1.1-7.1 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):2.69
・粘度:0.68 mm²/s (20℃) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、皮膚を刺激する。 本物質は、眼を軽度に刺激する。 中枢神経系に影響を与えることがある。 液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を起こすことがある。 高濃度で曝露すると、不整脈および意識喪失を引き起こすことがある。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
皮膚の脱脂を起こし、乾燥やひび割れを生じることがある。 中枢神経系に影響を与えることがある。 この物質に曝露すると、騒音による聴覚障害を増強することがある。 動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている。 色覚異常を引き起こすことがある。 


許容濃度
TLV: 20 ppm (TWA); (OTO); A4(人における発がん性が分類できていない物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
EU-OEL: 192 mg/m3, 50 ppm (TWA); 384 mg/m3, 100 ppm (STEL); (皮膚); 

環境
・水生生物に対して毒性がある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・アルコール飲料の摂取により有害作用が増大する
・この物質を経口摂取すると、その量に関わらず、誤嚥(ごえん)を引き起こして化学性肺炎となるリスクがある。
・化学性肺炎の症状は数時間~数日経過するまで現われない 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021